【コラム】日本の集団的自衛権と韓国人に「不都合な真実」

【コラム】日本の集団的自衛権と韓国人に「不都合な真実」

 2005年8月、神奈川県の横須賀海軍施設など、在日米軍の基地を訪問したことがある。韓半島(朝鮮半島)で全面戦争がぼっ発した場合、兵力や兵器、補給物資などを支援する役割を担う基地だ。これらの基地は在韓国連軍司令部の指揮下にあるが、日本に駐留しているため「国連軍司令部の後方基地」といえる。国連軍司令部の後方基地は、横須賀海軍施設のほか、沖縄県の空軍嘉手納飛行場、海兵隊普天間飛行場など7カ所がある。

 横須賀海軍施設は、韓半島での有事の際に出動する航空母艦(空母)やイージス艦をはじめ、米海軍第7艦隊所属の艦艇の母港となっている。韓半島での有事の際には、十数隻の艦艇が48時間以内に出動できる態勢を整えている。アジア最大の米空軍基地である嘉手納飛行場には、F15戦闘機、早期警戒管制機E3、空中給油・輸送機KC135、偵察機RC-135など、韓半島での危機の際に登場する航空機約120基が配備されている。沖縄の米軍基地には、韓半島での有事の際に真っ先に出動し、戦争を抑制したり、北朝鮮の攻撃を阻止したりする役割を担う第3海兵遠征軍が駐留している。長崎県の海軍佐世保基地には、韓半島での有事の際に用いられる数百万トンもの弾薬が貯蔵されている。これらの基地を視察して「日本にある国連軍司令部の後方基地が十分な役割を果たせなければ、韓半島での全面戦争に対処できない」という韓国軍関係者の説明が「不都合な真実」であるかのように聞こえた。

 集団的自衛権を行使できるようにする内容の安全保障関連法案が成立したことで「戦争できる国」となった日本に対する懸念が広がっている。とりわけ、韓半島での有事の際、日本の自衛隊が韓国の意思と関係なく韓半島に出動できるようになるのではないかという論議もある。韓国政府と軍当局はこれに対し「韓国側の要請または同意がないまま、日本が韓半島で集団的自衛権を行使することない」という説明を繰り返すだけという状況だ。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者兼論説委員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】日本の集団的自衛権と韓国人に「不都合な真実」

right

関連ニュース