【寄稿】韓国外交、米中間で「二兎」を追うな

 現状では、尹炳世(ユン・ビョンセ)外務長官がいくら「米国と中国から同時にラブコールを受ける祝福」を豪語するとしても、われわれに戻ってくるものは天安門の望楼に上り、中国の習近平国家主席の次の次の席に座る「ぜいたく」にふけるのが全てかもしれない。今回の韓中首脳会談で「朝鮮半島の緊張醸成に反対する」と習主席が言ったのは、南北双方に浴びせた文言だ。「中国と統一をめぐる議論を交わす」と言った朴槿恵大統領の言葉も、中国側の言葉を聞いてみなければ実態は分からない。その一方で、友邦各国は韓国がどこに向かおうとしているのか今更ながらに見守らなければならなくなった。

 米国のホワイトハウスと国務省はもちろん「韓中親善は韓国の主権事項で、韓米同盟は依然として固い」との立場を示した。しかし、ワシントンの政治家たちと政策立案者たちは、これを聞いて楽観しているわけにはいかない。次期米国大統領候補の周辺にも「韓国は信じられない。米国は日本だけを握っていればいい」と考えるスタッフたちが出てこないとも限らないのだ。共和党の不動産財閥ドナルド・トランプ氏は、すでにこうした嫌韓情緒に触れている。これがワシントン政界でのトレンドになる場合、中国とは完璧な友人関係を築くのは困難な上、これまでの友人とはよそよそしくなり、韓国は「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざが示す状況に陥りかねない。

 こうした状況から逃れるためには「最もしっかりしているもの」をつかむのが最高の策だ。それは伝統的同盟関係を今後とも押し固めることだ。韓中の対等な親善も、こうした「てこ入れ」があってこそ力を得ることができるというものだ。

柳根一(ユ・グンイル)
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