【寄稿】韓国外交に求められる「連米引中」戦略

 米中間の勢力バランスが変化するかどうかも、韓国の外交戦略を立てる上で重要な変数だ。ついこの間まで、米国の時代は終わりつつあり、遠からず中国が世界をリードするという主張が優勢だった。衰退する米国の側に残り続けるのか、あるいは力を増す中国を選ぶのかを考えるべきだとする意見もあった。だが、これはあまりに未熟な主張だったことが証明されている。

 米国経済は再び持ち直している一方、中国経済は減速し、この先も多くの難事に直面するだろう。また米国は、世界の金融市場・秩序を主導している。情報、通信、宇宙、生命工学などの先端産業でも米国は抜きん出ており、これを下支えする世界トップクラスの天才たちが続々と集まってきている。軍事面でも米中の開きは途方もなく大きい。中国が米国に代わる存在になるなど、少なくともあと半世紀はあり得ない。中国もこの事実をきちんと理解し、米国が主導する世界の中での発展と成長を推し進めている。

 米国の同盟国であると同時に中国とも戦略的協力パートナー関係にある韓国は、米中関係の特性を活用し、国益を最大化するための外交戦略を立てねばならない。米中のどちらか一方を選ぶことはできない。そうかといって、両国の間で「等距離外交」または「バランス外交」を展開することもできない。韓国に求められるのは、米国と中国を共に引き寄せる「求心力外交」だ。韓米同盟を強化し、これを通じて中国を引き寄せる「連米引中」戦略を駆使すべきなのだ。

 韓米同盟を強化するためには、自国の防衛力を増強し、国力に見合った安保の役割を積極的に担う必要がある。また、中国に対し、協力する一方で言うべきことは言う、堂々たる態度が求められる。韓国がこうした姿勢を見せれば「中国傾倒論」は消え、米国はもちろん中国も韓国を一層尊重し、近づいてくるに違いない。

崔剛(チェ・ガン)峨山政策研究院副院長
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