今月22日に始まった中国の習近平国家主席の訪米に、全世界が注目している。今後の米中関係がどう変化していくかを予測する、重要な訪問となるためだ。2013年に米カリフォルニア州の保養地で行われた米中首脳会談で、習主席は「新型大国関係」を提唱した。今回は何を提案するのかが一番の関心事となっている。米国と中国は韓半島(朝鮮半島)の平和、統一、繁栄に最も直接的な影響を与える国であり、オバマ大統領と習主席の首脳会談に韓国はどの国よりも高い関心を持たざるを得ない。まして今は、韓米首脳会談を間近(10月16日)に控えているのだからなおさらだ。
朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国の「抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年」記念式典に出席した今月上旬、韓国国内で米中関係を「衝突と対立の関係」と見なす意見が多く出された。基本的に、米中の間には「戦略的不信」が存在している。米国は、中国が究極的に「中国中心の世界秩序」の構築を目論んでいるとみている一方、中国は米国が「対中封じ込め政策」を取り、時代遅れの秩序と規範を強要していると考えている。
だが米国と中国は、外交や安全保障、経済など多方面でつながりがあるため、戦略的不信が存在するとしても衝突・対立に向かうことはできない。それは米中の「共滅」を意味するためだ。米中は葛藤(かっとう)や異論を管理しながら、適当なレベルで妥協し、協力する。つまり、米中関係はけん制・競争しつつ協力するという特性を持っており、この点が今回の米中首脳会談であらためて確認されるだろう。そして、米中がけん制と協力の関係なら、韓国にとっては外交の幅を広げるチャンスだ。韓国にとって最も至急かつ重要な北朝鮮問題を米中の協力イシューとし、両国の支援を引き出す外交戦略が求められている。