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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2015-09-30

(ネタバレ注意)福山も結婚したし、最高にバカバカしい、ギャグとしての恋愛工学について一言言っておくか 10:03


 くだらねーなーと思いつつ、巷で話題なので呼んでみました恋愛工学。

 以下ネタバレ


 結論からいうと、全く愛を証明できてないんだけど、「あるある」と頷くネタから「そりゃおかしいだろ」というネタまで満遍なくそろっていて、まあ笑える。しかしさすがカリスマブロガー(メルマガー?)だけあって文章は読みやすく、イメージ的には「カンジ悪いもしドラ」っていう感じでストーリーはまあまあ面白い。


 一番笑ったのは、結局最後に「主人公はイケメンでした」というオチ。


 いや、イケメンとは書いてないけど、注意深く読めば解る。


 だって、この本の主人公は、デートまではできてるのよ、最初から。

 デートしてもその先にいけないっていうことに悩んでるわけ。

 それでいきなりナンパしに行くっつう無茶な設定なわけだ。


 つまり普通の非モテとはぜんぜん違うのね。普通の非モテっていうのはもう女の子をデートにすら誘えない人なんだから。


 つまりガチの非モテには何の役にも立たない本。



 で、ナンパに関しては、僕は経営者の大先輩(川上さんじゃないよ)から創業時から口酸っぱく「清水くん、君もナンパできるようになりなさい。ナンパできるってことは、知らない人に瞬時に自分を売り込むことができるってことなんだから、それができないと経営者としては大成しないよ」と言われて、仕方ないからその人と飯食ってる店の店員をその場でナンパして電話番号を聞いたくらいしか経験がない。どうも経営に関係するらしいが、やっぱり知らない人に自分を売り込むなんてリスクが高すぎる。けど、飲み屋ではよく編集者にナンパされる(男だけど)。



 つまりナンパは重要だと思いつつ、実際にはヘタレなのでできない。

 だからナンパの仕方に関しては「なるほどなあ」と思う部分も多くて楽しめる。



 けど、けど、オチが・・・

 ある意味で面白すぎる。



 僕の大好きな福山雅治もついに結婚したし、イケメンについて一言言っておくと、やっぱ顔がいいだけではそんなにモテなくもないけどモテないんだよね。


 イケメンの友達はよく女の子からコクられてた。

 しかしコクられるのは若いころであって、年取ると面倒くさいのでコクられそうな雰囲気(というか女性の好意サイン)を察知すると距離をとるようになって、結果的に女性全体が遠のく。


 向こうからやってくる女というのに辟易すると、女嫌いになる。まあ人にもよると思うけどそいつはそうなった。


 で、まあ福山級の超イケメンともなれば、普通にグルーピーみたいなのが何人もぶら下がってるのが当然だと思うんだけど、そこで吹石一恵に行っちゃう福山がやっぱり好きだ。吹石一恵はもちろん美人なんだけど、なんていうか、愛嬌のある美人。福山だったらもっとすげー美人とかも当然いけそうなカンジがするんだけどそこで吹石一恵と結婚することを選ぶって、僕から見るとすげーカッコイイ。知り尽くした男だからこその、選択、みたいな。


 福山はイケメンなのにラジオでシモネタを言うのも男に好かれてるポイントだと思う。

 飾らないイケメン。


 福山がよく言っていたのが「抱かれたい男ナンバーワンになってもぜんぜん嬉しくない。だってだからといって誰も彼もが"抱いて"って言ってくるわけじゃないし」ってコト。これに尽きる。


 まあ僕も気づいたのは30過ぎてからなんだけど、女の子って、基本的に男がデートに誘わないと何も起きないんだよね。


 本人は「誘って誘って!」と思ってるんだけど、若い男は鈍感なのがデフォなので、誘っていいのか、誘うべきなのか、それともやっちゃなんないのか、ぜんぜんわかんない。

 

 女の子の方から「デートに誘って!」と言ってくるのはもう臨界点突破したときであって、好きであればあるほどむしろそんなことはなかなか言えない。


 でも、一方で「誘ってほしくない」というモードもあるので、男からすると益々わからない。

 「誘ってほしくない」人と「誘って欲しい」人を見分ける方法はほぼない。


 この本の主人公は友達の結婚式の二次会で知り合った女の子となんとなくデートできてる時点で勝ち組なのである。


 これ、よくある出会いのパターンっぽいけど、ナンパの方法としては最も難易度が高いと思う。


 だって友達の結婚式の二次会ってことは、友達と、友達の彼女(新婦)の友達ってことだから、下手に手をだしたら大恥をかく。そこでさりげなく連絡先交換できるだけでかなりの手練だ。


 オレなんか、結婚式の二次会なんかうんざりするほど出たけど、そこで新しい出会いがあったことなどタダの一度もない。それどころか、新婦側の友人と会話したことすらない。


 だからなんかこの本は全体としては何の参考にもならない。

 もともと無自覚的にそんな離れワザができる主人公が、なんとなく彼女にフラレちゃって、なんでかなーと思っていたら、恋愛工学というクズのためのメソッドを駆使する知人に弟子入りして、ねずみ講の如く恋愛工学を極める旅に出る、というストーリーだ。


 しかしやっぱりこの本全体が凄いのは、恋愛工学を提唱している藤沢数希本人が書いたものなのに、最後に恋愛工学を否定しているともとれる物語になってることだ。


 これは恋愛工学をマスターしてナンパしては女を棄てる、というクズ行為を繰り返す知人と、結局、恋愛工学をマスターした結果、ひとりの愛する女性を見つけ、自然に付き合うことができた主人公、完全なるクズと理想的な女性の扱い方をマスターした男性像の両方を示していること。これは見事だ。


 でもやっぱり最高に面白いのは、もはやこの本のプロモーションなんじゃないかと思うほどよく出来た話で、実際に藤沢数希は恋愛工学で言ってる内容を実践してるのが暴露されたという話題。


うしじまいい肉にっこり人生相談 file:35「金はあるけど彼女が出来ない」:うしじまいい肉にっこり人生相談:うしじまいい肉にっこり人生相談(うしじまいい肉) - ニコニコチャンネル:エンタメ

http://ch.nicovideo.jp/ushijimach/blomaga/ar873492


 これは藤沢数希が有名コスプレイヤーであるうしじまいい肉を恋愛工学で口説いた、という話なんだけど、女性側から見ると完全にサイコパスとしか思えない行動パターンで爆笑必至である。あまりにも面白いので有料契約してしまったが、もとは十分取れた。


 というかこの連載自体が相当面白いので、500円の価値は十分ある。

 そしてなんとこの連載は株式会社タチワニ、すなわち今年冒頭に愛人80人事件で世間を賑わせたあの岡田斗司夫の会社が運営しているのである。やるな、岡田斗司夫。正直、岡田斗司夫の仕事で見るべきものはひとつもないと思っていた僕だが、この仕事だけは拍手を送りたい。おもにうしじまいい肉の才能だと思うが、とにかく面白すぎる。


 だからこの本を読む人は当然あわせてうしじまいい肉のこのエピソードも読んでおきたい。

 恋愛工学を真に受けると、下手すりゃ通報されるということがよく分かるだろう。


 この本から学ぶべきポイントはたぶん2つだけだ。


 一つは、非モテコミット、つまり付き合いもしないうちからひとりの女性に執着しすぎて却って気持ち悪がられるという状態をやめようということ。これは男はみんな陥りがちなポイントなので大いに反省すべきところである。


 もう一つは、女の子には男からアプローチしないと永久に進展しないということ。


 こないだ、別にフツーに顔はカッコイイのに彼女が7年いないという30代の男(仕事もちゃんとしてる)に会ったんだけど、そんなに彼女がいないのはむしろどこか他のところに問題があるのではないかと、色んな人が思ってしまうので不のスパイラルに入ってしまう。



 でも、たぶん他人に興味が無いとか、たまに「いいな」と思う女性がいても自分から口説くのが面倒くさいとか、逆にのめりこみすぎて(非モテコミット)気持ち悪がられるとか、けっこうそんなつまんないことでチャンスを不意にしてるんだろうなと思う。


 でも女の子からデートに誘うのは男から誘うことの1000倍くらいは勇気が居る。


 男だったら、気になる女の子に「こんど飯に行こうよ」って声をかける勇気くらいは持てばいい。それが男らしさでしょ。それを断られたら、スッパリ諦めればいいし、向こうの気が変わったら、向こうから誘ってくる。一度誘ってきた男を誘うのは、女の子にとってのハードルはかなり低くなる。それが半年後か一年後かわかんないけど、そのタイミングなら彼氏と別れたのかもしれないし、別れてなくてもうまくいってないのかもしれない。

 

 で、そういうのを一目惚れみたいに「オマエガーオマエガー」って追っかけるのが非モテコミットで、僕もやっちゃいがちなんだけど、そういう感じで前のめりに来られるよりもややケーハクな感じで常に5,6人とたまにデートしてる(付き合ってはない)くらいな感じの人のほうが結果的に女の子からしても安心される。イケメンだろうが美女だろうがやっぱり向こうから一直線に来られると怖いよ。フツー。「こっちはまだあなたのことそんなに知らないし悪い人だとは思わないけどそんなに好きになってないのにどうしよう。殺されちゃうかも」っていう不安を抱くのがフツーだよ。



 と、思うんだよなあ、オレは。


 しかし恋愛工学って金融工学より儲かるのかな。

 それとも金融工学のネタが尽きたから恋愛工学に行ったのだろうか。


 まあわかんないんだけど、なかなか面白い本なので、ナニワ金融道とか闇金ウシジマくんとか、エゲツナイ世の中を読むつもりで読むと楽しめると思う。


 あと、女の子はクズに騙されないように自衛のために読んだほうがいいかもね。

 そうすると同じアプローチで来られたら、「あ、これ読んだやつだ」って気づくし、自分が本当に好きな男にはどう接すればいいかもなんとなくわかるかもしれないし。


 文章はほんと読みやすいです。もしドラより