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法華狼の日記

2015-09-26 上げたのは3日後

[][][]市民運動評価における安田峰俊ビフォーアフター

安保法制抗議活動について、安田峰俊氏*1星海社のWEBメディア「ジセダイ」へ文章をよせていた。

「なんかSEALDs感じ悪いよね」の理由を考える ──中国や台湾の学生運動との比較から── - ジセダイ総研 | ジセダイ

比較のため中国台湾の市民運動を紹介するという本題は、レポートとして興味深く読めた。

ただし、成功と失敗がわかれた要因を運動側の手法に見いだす筆致はあやういものがある。


さて安田氏は、記事の冒頭で安保法制への自身の立場を明らかにしている。

 つまり、私の立場はあくまでも消極的賛成に過ぎない。これに「安保法には反対だが中国は怖い」という「消極的反対」の人も加えると、おそらく日本の世論の最多数派を占めるのではなかろうか。本件を前にした日本人の多くは、賛成にも反対にもどこか釈然としない感情がある「動揺層」だっただろうと思われてならない。

 ところで、そんな「動揺層」の一人であるはずの私は、SEALDsやそのシンパたちの活動についてはまったく支持する気になれなかった。不支持の理由は、彼らの動機(=日本の国家方針の転換に対する反発)よりも、活動の具体的なありかたやその言説への違和感が大きい。

立場を明らかにして主張すること、それ自体は誠実なものだと思う。

しかし政府の手続きがグレーでも「消極的賛成」「動揺層」になるならば、権力を持たない市民運動の手法に問題があっても「動揺層」になりそうだが、そうならなかった理由は本題でないためか書かれていない*2

SEALDsを「まったく支持する気になれなかった」理由についても、記事の末尾で「下記に両者の主要なスローガンを引用することで答えの一端をお察しいただき、本稿を終えることにしよう」と書かれているだけ。


このジセダイ記事は、日本の安保法制抗議活動についてふみこんでおらず、その話題をきっかけにした外国の市民運動の比較が本題になっている。

そのような構成になった理由だが、安田氏のツイートによると、過去に大学へ抗議メールがよせられたため名指しの批判をさけたということらしい。

画像で引用されている範囲のメールを読むと、具体的な内容にふみこまない反発だったり、名誉をもちだしての解雇圧力だったようだ。

これは具体的な批判をさけるのも、「まったく支持する気になれなかった」のも、しかたない判断だろう。むしろこのようなメールがよせられたこともジセダイ記事で明記するべきではないかと思った。

ただしリプライを見ると、抗議メールの原因となったツイートは下記のものらしい。

「黒い感想すら心によぎる」という表現は、誤った考えであるというエクスキューズかもしれないので、ここは目をつぶることにする。

しかしジセダイ記事では失敗と成功にわけていた雨傘革命やヒマワリ学生運動が、このツイートではひとまとめにされている。「わからずやの大人」に嫌悪される対象として、SEALDsの前身と同列にあつかわれている。

「気持ち」というあやふや評価基準をもちいて、成功と失敗がわかれた要因を運動側の手法に見いだすことは、やはりあやういのではないだろうか。

*1ツイッターアカウントは@

*2:ちなみに私個人は、SEALDsを特筆するように支持する動機はなく、運動の周辺に対する具体的で説得的な批判も見聞しているが、それは現状の安保法制に賛同する理由にはなりえない。

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