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発信元隠す匿名通信システム「Tor(トーア)」悪用した児童ポルノ法違反 京都府警ら全国初摘発
更新発信元の特定を困難にする匿名通信システム「Tor(トーア)」の専用サイトに未成年者のわいせつな画像などを投稿したとして、京都、新潟、沖縄3府県警は29日、児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで、名古屋市中川区春田のパート従業員、福岡裕之容疑者(47)ら5人を逮捕した。
京都府警によると、トーアを利用しないと投稿できない専用の児童ポルノ投稿サイトの利用者を摘発したのは全国初。府警が逮捕した3人は「トーアを使えばばれないと思った」などと供述しているという。
逮捕容疑は、平成25年12月~今年7月までの間、会員制サイト「まじかる☆おにおん」を利用し、女児の裸体が写った児童ポルノ画像などを投稿し、不特定多数のサイト会員に閲覧できる状態にしたなどとしている。
府警によると、サイトは投稿すれば、会員専用のポイントが加算される仕組み。所有するポイントに応じて、別の動画などをダウンロードできるほか、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」を使ってポイントが購入できる。府警は、ビットコインの購入履歴などから容疑者を特定したという。
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Tor(トーア) 発信元を特定されにくくする匿名化ソフトで「The Onion Router」の略。米軍の支援で開発されたとされる。世界中の数千台のサーバーからランダムに選んだ数カ所を経由させた通信で、発信元の情報を隠す。平成24年に4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件でも、犯行声明や殺害予告のメール発信、サイトへの書き込みに使用され、捜査の妨げとなった。