国交省贈収賄:航空局運航安全課係長を収賄容疑で逮捕

毎日新聞 2015年09月23日 20時55分(最終更新 09月24日 00時45分)

 ◇金沢市の航空機整備会社の元社長を贈賄容疑で逮捕

 羽田空港(東京都大田区)の航空機格納庫用地の使用許可を巡って便宜を図った見返りに現金約50万円を受け取ったとして、警視庁捜査2課は23日、国土交通省航空局運航安全課係長、川村竜也(りゅうや)容疑者(39)=千葉市稲毛区小仲台5=を収賄容疑で逮捕した。また、金沢市の航空機整備会社「Wings of Life」元社長で韓国籍の伊集院実(本名・金沢星=キム・テクソン)容疑者(61)=金沢市高尾2=を贈賄容疑で逮捕した。捜査関係者によると、川村容疑者は総額で数百万円を受け取っていたとみられている。

 捜査2課によると、2人とも大筋で容疑を認めているという。

 川村容疑者の逮捕容疑は国交省首都圏空港課係長だった2013年12月下旬、W社が国から使用許可を受けていた羽田空港の整備用格納庫用地に関し、13年度分の使用料支払いや使用許可更新で便宜を図った見返りなどとして、伊集院容疑者に現金約50万円を銀行口座に振り込ませたとしている。

 捜査2課によると、伊集院容疑者が経営していたW社は11年度末に羽田空港内の土地使用許可を取得し、そこに格納庫を保有して航空機の整備・修理事業を行っていた。年間約1億円の土地使用料を国に納める必要があったが、初年度から納付が遅れがちで、督促も受けていたという。

 川村容疑者は滞納業者に督促を行う担当者の一人だった。伊集院容疑者とは業務を通じて知り合ったとみられる。同課は、川村容疑者が使用許可の延長などに関して省内で働きかけをしていたとみて調べを進めている。

 川村容疑者の逮捕を受け、国交省航空局は「このような事態に至ったことは極めて遺憾。警視庁の捜査に全面的に協力し、具体的な事実関係が明らかになり次第、厳正に対処する」とのコメントを出した。

 国交省を巡っては7月にも、東京空港事務所(東京都大田区)の消防設備点検業務を落札した消防設備会社の社長ら2人が談合容疑で警視庁に逮捕され、起訴されている。【福島祥、宮崎隆、坂口雄亮】

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