AV出演拒否:女性勝訴「意思に反し許されない」東京地裁

毎日新聞 2015年09月29日 21時34分(最終更新 09月30日 00時04分)

 アダルトビデオへの出演を拒否した20代の女性が、所属プロダクションに違約金約2400万円を請求された訴訟の判決で、東京地裁が「本人の意思に反した出演は許されない」として、請求を棄却していたことが29日、分かった。判決は9月9日付。プロダクション側は控訴せず確定した。

 女性の代理人を務める伊藤和子弁護士は29日、記者会見し「アダルトビデオへの出演強要は人権侵害で、被害は後を絶たない。これまで同種の判決はなかったが、裁判所は実態を正しく評価してくれた」と話した。

 判決などによると、女性は高校生だった18歳の時、タレントにならないかとスカウトに勧誘され、内容をよく理解しないまま契約書に署名。強引にビデオに出演を迫られ「いやなら違約金を支払え」「親にばらすぞ」と脅された。

 女性が契約解除したいと伝えると、撮影予定のビデオ1本の売り上げを約200万円として違約金を請求された。

 原克也裁判長は「プロダクションは、莫大(ばくだい)な違約金をたてに、意に反して出演を迫った」と指摘。女性には契約を解除するやむを得ない事情があるとして、支払い責任はないと述べた。

 女性を支援する「ポルノ被害と性暴力を考える会」によると、2012年以降、アダルトビデオへの出演強要や、違約金などをめぐる相談は40件以上に上るといい「困ったら連絡して」と呼び掛けている。メールアドレスはpaps@paps−jp.org(共同)

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