お客もお店も元気になる　買い物って楽しい！

「これからもお店で買い物してほしい！ 」町のお店がいま、楽しく変わり始めています！

触れて試して買って下さい！
　　　　　★最新家電３５種類お試しＯＫ！

関東地方を中心に展開している中堅の家電量販店。店内では、調理家電でフレンチトーストや炭酸水を作って実演販売をしていました。１０種類ほどの商品を実際に使って味を確かめてもらい販売につなげる作戦です。「何もしなければインターネットに取られちゃう。飾ってあるだけであれば、"ショールーミング"されるだけになってしまいます（家電量販店部長・森越康昭さん）」"ショールーミング"とは...まるでショールーム代わりに使われてしまうという意味。店にやってきたお客さんに商品を見てもらい丁寧に説明しても、お客さんが実際に買うのはネットで探した安いお店...これはお店にとって大問題なんです。

販売戦略を担当する森越さん。この日、実演販売に続く新たな一手を打ち出しました。家電製品を、一泊二日、無料で貸し出すというのです。「お試し」できるのは、話題のダニ取りクリーナーに調理家電など、35種類、最新の製品ばかり。会員限定のこのサービスで、ネットや他の店に客が逃げるのを防ぐのが狙いです。

サービス開始後、はじめての週末。「お試し」のコーナーに早速、お客さんが。お目当ては全自動のコーヒーメーカー。森越さん、すかさず「普段、何杯ぐらい飲まれるんですか？」「毎日飲みます。」「それだったら絶対に全自動だと思います。一回お試し頂いて、ご検討頂ければ。」森越さんの声がけにお試し成立！その後も、次々と「お試し」のお客さんが。油なしで揚げ物を作れる調理家電をお試しする一家に、取材をOKしてもらいました。

この家族が、この製品に注目したのは、お子さんが揚げ物が大好きだからです。早速、唐揚げを作ってみると...「あっ、すごい。カリッとしている。油で揚げたものとそんなに変わらない。」と大満足のご様子。...しかし前日にテレビを購入していたため、今回は節約のため購入は見送りました。返却のときには、「次はホットプレート買いにきます」「はいお願いします」というやりとりも。"無料お試し"を通して、客と店との距離は少し近づいたようです。

ネットへの対抗策はネット!?
　　　　　スマホが変えた★買い物事情

２人の子育て真っ直中の原島こと味さん。お買い物の強い味方が、スマートフォンです。「近所のよく行くスーパーを何店舗か登録していて、そこから毎朝、特売情報が届くんです」この日、原島さんの心をつかんだのは特売の「秋鮭」。さらに特売情報の下には参考になるレシピが。実はこのサービス、大手レシピサイトを通じて提供されているんです。原島さん、お昼のメニューは秋鮭ときのこの炊き込みご飯に決定。店に着くと、まっすぐ、目的の秋鮭のコーナーへ。ネットを上手に活用したお買い物。どんどん進化しているんですね。

情報の発信力がお店の売り上げを左右する時代。スーパーの側は、どう対応しているのでしょうか。「安さだけじゃダメなんですよ。安くて質も最高級のものでないとダメなんです。」密着取材に協力してくれた、田口晴久さん。ネットショップの台頭には危機感を募らせています。毎朝５時。青果市場での仕入れ開始。田口さん、とにかく安くていい物を探し求めて市場中を駆け回ります。しかし、悪天候が続き、品不足。まったくの売手市場に大苦戦。それでも、何とか安く買えそうな品を発見し、他の市場の値段も引き合いに、粘り強く交渉を続けます。

交渉は成立し、何とか安いブロッコリーをゲット。店に戻ると、すぐにインターネットの担当者と打ち合わせをして、その日の仕入れ結果をもとに、特売品を決定します。折り込みチラシでは出来ない芸当。すぐさまパソコンに情報をアップします。この時点から、利用者は情報を見ることが出来るんです。きょうのイチオシは北海道のブロッコリー。相場より50円ほど安いという価格設定で、情報をインターネットで流します。店頭に並ぶと飛ぶように売れていきました。

しかしあいにくの雨。ブロッコリーの頑張りにも関わらず、客の入りは、いつもの半分以下。そこで・・・「お昼12時までにクーポンのタイムサービス！」なんと田口さん、卵100円引きのクーポン券で、集客のテコ入れです。レジにも情報を伝えて、タイムサービス開始！果たしてお客さんはやってくるのか。あっ！スマホを見ているお客さん！卵のクーポンでお買い上げ。しかも卵以外もこんなに！「（客）ついでにいろいろ、ついつい買っちゃって。」町のスーパーのネット活用も、しっかり身を結んでいるようですね。

ネットショップも大進化中です
　　　　　人気サイトが町にお店を開店!?

大阪にあるネット通販会社。扱うのは、日曜大工などのＤＩＹ用品。売り上げは、この分野で日本一を誇ります。ＤＩＹ部門の最も優れたネットショップとして、大手通販サイトからも３年連続で表彰を受けました。この会社を短期間で急成長させたのが、社長の山田岳人さんです。でも、山田さん、ここに至るまでは苦労の連続でした。戦前から続く工具の問屋に、山田さんは１７年前、先代の娘婿として入社しました。当時、熾烈な価格競争に会社は倒産寸前。建て直しのためにすがったのが、ネット通販でした。

業界の先駆けだったネット通販の売り上げは、時代の波に乗って順調に右肩上がり。ところが６年前、売り上げが突然落ち込み、前年割れに。山田さんは原因を探りました。「ふと気づいたら競合だらけですよ。伸びていくってみんな分かっていますから、そうすると同じようなお店がネット上にいっぱい出来たんですね。」差別化のため山田さんは、扱う商品の数を一気に５倍に。他のサイトを圧倒する品揃えで、再び売り上げは増え始めました。しかし山田さんは、ネットの限界も感じ取っていました。そして、業界他社があっと驚く戦略に打って出たのです。

それはお店を出すこと。ネットの世界の価格競争より、リアルな店での客とのお付き合いの中に未来があると考えたのです。店の奥には、広いレンタル作業場が。置いてある道具すべて使い放題で、２時間たったの1000円。さらに全ての道具に付けられたＱＲコードをスマートフォンで読み込むと、自社のネットショップに飛ぶしくみです。「まぁ、いわゆるショールｰミングをここでやっていただいて、僕たちの店で買っていただくと。」

その戦略は大当たり。４月には、東京・二子玉川のショッピングセンターにも誘致されました。多いときは、１日3000人も来店する人気店になっています。毎日開催される多彩なワークショップに、子どもたちが殺到！この日はなんと、金属板の加工に挑戦です。ＤＩＹの需要を掘り起こし、固定ファンを増やすために、山田さんは、今後も出店を進める考えです。

カビラさん選曲のエンディングの曲

曲名：「Love in Store」
歌手名：Fleetwood Mac