2010年11月7日、14時40分から17時10分まで、日本平和学会2010年度秋季研究集会部会IVにおいて、「人民の自己決定権と沖縄―自治・独立・平和の実現を目指して」(企画担当:「琉球・沖縄・島嶼国及び地域の平和」分科会)と題する部会を開催しました
開催にあたり、鹿児島大学の木村先生、日本平和学会執行部、開催校の協力と理解をを得ることができました。心から感謝いたします。写真は三重大学の竹峰さんがとってくれました。多くの学会員がシンポに参加し、質問をしてくれました。
またシンポの報告者、司会、コメンテイターの先生方にも心からお礼申し上げます。
学会での議論を踏まえて、琉球、琉球人の自己決定権について考え、研究し、行動していきたいとあらためて決意いたしました。
司会は竹尾茂樹氏(明治学院大学国際平和研究所)、コメンテイターは金子マーチン氏(日本女子大学、反差別国際運動事務局)でした。
上村英明氏(恵泉女学園大学・市民外交センター)は「国連における脱植民地化プロセスと日本における「沖縄」の地位」と題して次のような報告を行いました。
上村氏は「沖縄」あるいは「沖縄の住民」、「脱植民地化」の概念内容を明確にしたのち、国連における脱植民地化プロセスについて論じました。そして「沖縄」と国連の脱植民地化プロセスに関し、その制度的実態、沖縄人が人民の自己決定権を行使するための方法等に関して考察しました。
島袋純氏(琉球大学)は「人民の自己決定権~スコットランドと沖縄~」と題して次のような報告を行いました。まず島袋氏は人民(人々・People)の自己決定権を、A海外植民地の人々(People)の自己決定権とB 本土(本国)の一部本土近接地域の人々の自己決定権の二つに分けました。
特にBは西欧諸国の国境地域、周辺地域の近代主権国家及び国民国家建設期において発生し、強制的編入、統合、強制的な同化の問題の対象となり、次第に本国人化したのちAになるとし、Bの具体例としてスコットランド事例と沖縄との類似性を明らかにしました。
そして、人民(People)を、主権国家を構成しうる人々の集団=憲法制定権力を持つ集団としたうえで、西欧諸国における周辺地域国境地域の人々の自己決定権の問題と欧州統合、スコットランドの事例と沖縄との類似性、東アジアにおける沖縄について考察しました。
佐藤幸男氏(富山大学)は「『東アジア海』の平和にむけた島嶼・平和学の問題展望と課題」と題して次のような報告を行いました。
佐藤氏は最初に日本周辺海域世界の軍事化現象について尖閣列島、沖縄、チェジュ島の「連鎖的軍事化構造」と名付け、日米安保による「公海の自由」と「離島防衛」論について考察しました。
その上で国益としての海洋資源、海洋基本法、法案成立後の海上保安庁強化、オーシャンガバナンスの問題性を指摘し、「海洋ニューディール」政策の限界、海人としての自己決定権、土地(陸地)領有を超えた価値観を共有する東アジアについて考察しました。
そして最後に「島嶼・平和学」の視座として人権問題、差別問題としての沖縄(島嶼)問題について明らかにしました。
松島泰勝(龍谷大学・ゆいまーる琉球の自治)は「人民の自己決定権と沖縄の脱植民地化」と題して次のような報告を行いました。
松島は近現代における日米両国による沖縄の植民地支配、今日的課題としての沖縄の植民地問題について歴史的、政治経済的に論じたのち、脱植民地化のために沖縄人が有する自己決定権の行使方法を特に国連脱植民地化委員会に焦点をあてて具体的に明らかにし、沖縄問題が人民の自決権行使に関する国際的な問題であることを指摘しました。
金子氏はご自身の沖縄との関係について述べるとともに欧州統合にともなう諸問題と関連させる形で沖縄における人民の自己決定権の行使に関してコメントを行いました。
また会場からは、国連脱植民地化特別委員会における脱植民地化の選択肢の一つである自由連合国の問題性、独立に関して統一的意思が沖縄側にあるのかどうか、沖縄において自己決定権の行使に関してどのような運動があるのか等の質問が出され、上村氏からはCOP10における尖閣列島のコモンズ化という台湾原住民からの提案についての紹介がありました。

上村さんの発表です。

島袋さんの発表です。

佐藤さんの発表です。

私の発表です。

金子さんのコメントです。
開催にあたり、鹿児島大学の木村先生、日本平和学会執行部、開催校の協力と理解をを得ることができました。心から感謝いたします。写真は三重大学の竹峰さんがとってくれました。多くの学会員がシンポに参加し、質問をしてくれました。
またシンポの報告者、司会、コメンテイターの先生方にも心からお礼申し上げます。
学会での議論を踏まえて、琉球、琉球人の自己決定権について考え、研究し、行動していきたいとあらためて決意いたしました。
司会は竹尾茂樹氏(明治学院大学国際平和研究所)、コメンテイターは金子マーチン氏(日本女子大学、反差別国際運動事務局)でした。
上村英明氏(恵泉女学園大学・市民外交センター)は「国連における脱植民地化プロセスと日本における「沖縄」の地位」と題して次のような報告を行いました。
上村氏は「沖縄」あるいは「沖縄の住民」、「脱植民地化」の概念内容を明確にしたのち、国連における脱植民地化プロセスについて論じました。そして「沖縄」と国連の脱植民地化プロセスに関し、その制度的実態、沖縄人が人民の自己決定権を行使するための方法等に関して考察しました。
島袋純氏(琉球大学)は「人民の自己決定権~スコットランドと沖縄~」と題して次のような報告を行いました。まず島袋氏は人民(人々・People)の自己決定権を、A海外植民地の人々(People)の自己決定権とB 本土(本国)の一部本土近接地域の人々の自己決定権の二つに分けました。
特にBは西欧諸国の国境地域、周辺地域の近代主権国家及び国民国家建設期において発生し、強制的編入、統合、強制的な同化の問題の対象となり、次第に本国人化したのちAになるとし、Bの具体例としてスコットランド事例と沖縄との類似性を明らかにしました。
そして、人民(People)を、主権国家を構成しうる人々の集団=憲法制定権力を持つ集団としたうえで、西欧諸国における周辺地域国境地域の人々の自己決定権の問題と欧州統合、スコットランドの事例と沖縄との類似性、東アジアにおける沖縄について考察しました。
佐藤幸男氏(富山大学)は「『東アジア海』の平和にむけた島嶼・平和学の問題展望と課題」と題して次のような報告を行いました。
佐藤氏は最初に日本周辺海域世界の軍事化現象について尖閣列島、沖縄、チェジュ島の「連鎖的軍事化構造」と名付け、日米安保による「公海の自由」と「離島防衛」論について考察しました。
その上で国益としての海洋資源、海洋基本法、法案成立後の海上保安庁強化、オーシャンガバナンスの問題性を指摘し、「海洋ニューディール」政策の限界、海人としての自己決定権、土地(陸地)領有を超えた価値観を共有する東アジアについて考察しました。
そして最後に「島嶼・平和学」の視座として人権問題、差別問題としての沖縄(島嶼)問題について明らかにしました。
松島泰勝(龍谷大学・ゆいまーる琉球の自治)は「人民の自己決定権と沖縄の脱植民地化」と題して次のような報告を行いました。
松島は近現代における日米両国による沖縄の植民地支配、今日的課題としての沖縄の植民地問題について歴史的、政治経済的に論じたのち、脱植民地化のために沖縄人が有する自己決定権の行使方法を特に国連脱植民地化委員会に焦点をあてて具体的に明らかにし、沖縄問題が人民の自決権行使に関する国際的な問題であることを指摘しました。
金子氏はご自身の沖縄との関係について述べるとともに欧州統合にともなう諸問題と関連させる形で沖縄における人民の自己決定権の行使に関してコメントを行いました。
また会場からは、国連脱植民地化特別委員会における脱植民地化の選択肢の一つである自由連合国の問題性、独立に関して統一的意思が沖縄側にあるのかどうか、沖縄において自己決定権の行使に関してどのような運動があるのか等の質問が出され、上村氏からはCOP10における尖閣列島のコモンズ化という台湾原住民からの提案についての紹介がありました。
上村さんの発表です。
島袋さんの発表です。
佐藤さんの発表です。
私の発表です。
金子さんのコメントです。
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