SEO対策で見落とされがちな社名、商品、ブランド名など指名検索キーワードを抑えて機会損失をなくす方法

こんにちは。サイトエンジンの毛塚です。

本日は非常に簡単に取り組めてすぐに効果の出やすいSEO対策の方法をご紹介します。

あなたの商品やサービスの名前、ブランド名、社名などを含んだキーワードをしっかりと抑えるという方法です。特定のサイトを探している人たちが検索する商品、ブランド、会社名などのキーワードを「指名検索キーワード(Navigational Query ナビゲーショナルクエリ)」と呼びます。

何か買いたいと思っている人が、そのサービス名や商品名に関連したキーワードで検索したときに製造元の会社のサイトが見つけられず、他の通販サイトやポータルサイトなどに流れていってしまっていることがあります。

たとえば、「ブランド名 購入」、「サービス名 退会方法」などのキーワードで上位表示できていないと、対策が漏れていて他のサイトに拾われてしまうことがあります。具体的には口コミサイト、ポータルサイト、ニュースサイトといった様々な会社の情報を取り扱っているサイトのほうが上位になってしまい、多くの人がまずそちらから見ることになります。

あなたの商品やブランドだけで検索した場合には、だいたい1位になっているはずです。しかし、他のキーワードと組み合わせた2語、3語の検索になってくると、他のサイトがあなたのサイトよりも上位になっているものがあります。商品やブランドに関連した組み合わせキーワードですべて1位になっているような対策が済んでいる会社はほとんどありません。

せっかく興味を持ってくれて、あなたのサイトに訪問しようと検索しているのに、他のサイトにアクセスされてしまうのは非常にもったいないです。

こうした状態を改善するために、自社でコンテンツを用意しましょう。あなたの会社独自の商品やサービスであれば、コンテンツを用意さえすれば上位に表示されやすいです。なぜならあなたの会社のサイトは公式サイトにあたるためです。

商品を買いたいと思っている人に適切な情報を見せるだけで、いままで他のサイトに訪問していた人たちがまず最初にあなたのサイトを見ることになり、他に流れてしまっていた機会損失をなくすことができます。

以下でその手順を説明します。


1.キーワードを洗い出します


まず、以下のようなツールを使ってあなたの会社の商品名やブランド名を含んだ関連したキーワードをできるだけたくさんリストアップしてください。

Google AdWords: Keyword Planner
goodkeyword – Google/Bing/Yahoo関連キーワードツール
関連キーワード取得ツール(仮名・β版)

なお、ある程度の知名度がある状態でないと、上記のようなツールではキーワードを取得できません。

他にもカスタマーサポートや営業にどのような質問が来ているのかを聞いて、キーワードに落としこむのも有効です。
キーワードの探し方については以下の記事を参考にしてください。

ロングテールSEOを実践するためのキーワード選定の方法とツールまとめ


2.キーワードのグループをつくります


同じような意味を持っているキーワードのグループをつくります。

キーワードの羅列からできるだけ様々な意図を読み取って、たくさんのグループをつくりましょう。
先入観、思い込みでキーワードを切り捨てないように注意してください。
想像もしていなかったキーワードが見つかるはずです。


作業をイメージしやすくするためにこの記事の後半で実例をあげています。


3.グループごとに対応したコンテンツをつくります。


グループを作成したあとは、そのグループのキーワードを検索している人たちが求めている情報は何かを考えて、それにあわせたコンテンツを作成します。

あなたが把握している範囲の情報でほとんどのキーワードへの回答になるコンテンツを作成できるはずです。もし足りなくても、社内の誰かに連絡して情報を送ってもらえるように依頼すれば、すでにある情報だけで事足りることが多いでしょう。


キーワードグループの例とコンテンツ案


以下にユーザーの意図別にまとめたよくあるグループの例です。
グループごとにどういった情報をサイトに掲載すればよいかについてもまとめています。


購入方法を知りたい


購入する意欲が高い人たちが検索している抑えておきたいワードです。

購入、通販、販売店、店舗、注文方法、予約、申込、会員登録

代理店、ディーラーなどが存在している会社の場合は、社名やブランド名に地名を組み合わせて検索されることが多いです。

「購入」、「通販」などのワードはコンテンツを独自に作るのが難しいため、自然な形でサイトの一部に追加するようにします。
「注文方法」や「予約」は専用のページをつくって説明するか、ページ内に解説を追加します。「販売店」や「店舗」は店舗ごとの専用のページをつくって対応するのが良いです。手間をできるだけ減らしたいということであれば、すべての店舗の住所や電話番号などをまとめたページを作成しましょう。


価格を知りたい


買うときにどれくらいお金がかかるのかを調べるときのキーワードです。商品名やブランド名と以下のようなワードの組み合わせで検索されます。

だいたい共通で使われるもの
価格、料金、値段、金額、安い、激安、中古、最安値

商品やサービスによっては使われるもの
維持費、修理費、税金、燃費、部品代、月額、年額


それほど商品の種類が多くない場合は料金を表などでまとめたページをつくりましょう。
取り扱い商品数が多いサイトの場合は、それぞれの商品を紹介するページに上記のようなワードを追加してみてください。


商品やサービスのより詳しい情報を求めている


商品に興味を持っていて、より詳しい情報を求めている人たちが検索しているキーワードです。

スペック、性能、効果、効能、つかいかた、新型、新機種、比較

型番で検索されるのもこれに該当します。

商品の解説文を追加してより丁寧に説明することで上記のようなキーワードを含めるようにします。
複数の類似品がある場合はそれぞれの違いについて比較するページをつくるのもおすすめです。


他の人の感想を知りたい


他の人の意見を読みたいと思って検索しているキーワードです。

評判、口コミ、体験談、事例、感想、レビュー


人気のものを知りたい


同じブランドの商品のうち、特に売れている商品を知りたいと考えている人が検索します。

人気、おすすめ、ランキング


売れ筋の商品をランキング形式で紹介する方法は特にECサイトでは定番です。SEO対策に効果的なだけでなく、サイトの購入率も上がることが多いおすすめのコンテンツです。


特定の会社の情報を知りたい


会社の特定の情報を知りたいと思って検索されているワードです。

電話番号、営業時間、住所、社長の名前


特に対策しなくても上位になっていることが多いですが、飲食店などの場合、口コミサイトのほうが上位になっているケースもあります。


トラブルを解決したい


何かしら困っていることがあって、その現象をそのまま書いているか、対策方法を探しています。

故障、修理、壊れた、保障、動かない

公式の修理窓口などがあればそこを見つけられるように専用のページをつくってください。


ブランドから離れたい


会社にとっては顧客離れに繋がる危機的キーワードです。

解約、退会方法、返品方法

質問サイトやブログなどで事実と異なることが書かれて、それが上位に表示されることもあるので、自社のサイトで公式情報として説明しておいたほうがよいです。ごまかして解約や退会の方法を説明しないのはより強いブランド毀損になりかねないので、正直に方法を書いたほうが良いでしょう。


できれば関係を継続してもらえるような情報を一緒に提供するのが望ましいです。

たとえば単純に使いかたがわからないから使うのをやめるという人は一定数いるので、その人たちに使い続けてもらえるようにわかりやすく説明するコンテンツをつくるといった方法です。

過去にお客様が解約や返品に至った理由を把握していれば、それぞれの理由に対して思いとどまってもらえるようなコンテンツをつくっていいくのがおすすめです。


取り組みの優先順位


購入、申し込みなどのサイトの成約に近そうなキーワードから順番に対策していくのがオススメです。
それからただ商品を調べているだけでまだ購入意欲があまり高くない人が検索しそうなキーワードに少しずつ広げていきます。

「成約に近そう」というキーワードがどのようなものかという考え方は以下の記事を参考にしてください。
SEOの効率を上げるユーザーの目的・動機によるキーワード分類と動機別の中間ゴールの設定

以下は指名検索キーワードではありませんが、ユーザーの興味関心の度合いでキーワードを分類したものです。
レーシック

また、現在どのような順位になっているかを把握して、まったく上位になっていないキーワードグループに対してページをつくるのも効果を実感しやすいです。

自社の商品やブランドといったキーワードで検索する意欲の高い人たちを他のサイトに誘導されてしまうのは非常にもったいないので、ぜひ対策しておきましょう。

この記事を書いた人

毛塚智彦
毛塚智彦代表取締役 社長Twitter:@tomohiko11
1985年生まれ。学生時代の2004年にSEOの代理店でアルバイトを始めたところからウェブマーケティングの仕事に携わり続ける。
2008年サイトエンジン株式会社を設立。2010年にはタイに関連会社(ユニモン株式会社)を設立。

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