思いだすままに……(19)
大阪高裁宛、上告手続きを取った。
並行して、実況見分調書と日○工○鑑定センターの鑑定書をドイツ語に翻訳してもらい、ドイツ、デクラ社へ鑑定依頼の書類を送った。
大阪高裁での審議までに、日○工○鑑定センター中○氏の鑑定書を立証してもらうためだ。
二月程して、ドイツ、デクラ社からの鑑定書が届いた。
日○工○鑑定センター、中○氏の作成した鑑定書に間違いは無く、今回の事故は大型貨物車の追突事故であると言う証明書類だった。
私は、日本語訳されたドイツ、デクラ社の資料を見て、家内と手を取り合って喜んだ。
事故後半年もして、やっと入手した実況見分調書を見た時の私の違和感は正しかった……。
これで息子の無念を晴らす事ができる……。
これで警察の怠慢や作為を糾弾する事ができる……。
大阪高裁に、添付書類としてドイツ、デクラ社の書類を提出すれば、京都府警○条警察署の警察官が作成した実況見分調書の誤りを訂正すべく、京都地裁宛に審議のやり直しが通達される事は間違いない。
私は、このような理不尽な事故処理がある事を、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い報道各社にも訴えた。
報道に取り上げられれば、もしかして、視聴者の中に事故を見た目撃者が現れるかもしれない。
そうすれば、西○運○、高○英○の偽証も露見する!
手紙と資料を見たテレビ局が、警察の実況見分調書の不備を指摘すべく取材に来た。
実況見分調書の信憑性を確認するため、念の為に、国内でも、千葉県銚○市にある千○科○大学、工学博士、嶋○教授に今回の事故鑑定を依頼してくれと言う連絡があった。
教授の大型貨物車の追突と言う確認が取れれば、日○工○鑑定センター、デクラ社の資料も合わせて、大々的に報道すると言う事になった。
これで、報道各社が、警察作成の実況見分調書が、如何にいい加減なものか追求してくれる……。
報道に取り上げられれば世論も味方してくれる……。
大阪高裁も京都地裁へ審議のやり直しを命じざるを得ないだろう。
私は、テレビ局との細かい打ち合わせをしながら、大阪高裁での結審の日までにこの事故内容が放送される事を望んだ。
結審まで時間が少ない……。
私は、情報を集めていく報道関係者の力強い動きに頼もしさを感じた。
が、何か……、全ての動きに不安も感じていた……。