後輩所有のプリウスを拝借、隣県まで用事を済ませに行った。
昨年2月納車、総走行距離14500km。色はシルバー。グレードは不明。いたってシンプルだったので下位グレードかな。
外観からグルリと見回す。昨年納車のわりには塗装が貧弱。多分コーティングもしてないのだろう、かなりくすんだ感じ。デザインに関しては語るべきものは皆無。しいていうなら「見飽きたなぁ~」。
さてコックピットに入る。そろそろ末期モデルに差し掛かっているプリウス。ぼんやり見るとそうではないが、目を凝らすとダッシュボード、ドアパネル、シートの素材等は300万円台の車としては少々淋しい質感。すでにATレバーの塗装が剥げていた。
2回目の運転。エンジンをかけるも当然無音。早速走り始める。結構全幅あるな。1780㎜ぐらいあるのか??意外と左のドアミラーが遠く感じた。フロントガラスは大きく視界も良好だけれど、空力最優先のため、ボンネットが一切見えない。バックミラーは見やすいけれど、後ろの特徴あるデザインのため、ミラーのちょうど真ん中にトランクピラーが写る。昔のホンダCR-Xを思い出す。さして不自由はない。
さて乗り心地から…
とにかく緩い。前に試乗した時こんな感じじゃなく、結構カッチリしてるじゃんという印象があったけれど、その時はチョイノリだったからか、印象ががらりと変わった。あと、私がいつも主張するように日本車は1万キロ超えたら全てがヤレる。それが原因かもしれない。
サスがフニャフニャ。そのくせタイヤがやたら突っ張るので乗り心地は硬いのに段差を超えるとボヨンボヨンとなる。ロードノイズはつねに「ゴー」と良路以外は入ってくる。例の超段差の所はもちろん全部サスを使い切って脳天を割るようなショックが入ってくる。まあこれはプリウスに限ったことではい。
高速は終始ユラユラ。空力性能を生かして地を這うような安定性はなかった。
ハンドリング
街乗りでは特に不自由を感じず。軽く扱えて普通のハンドリング。しいて言えば、もう少し剛性を上げてくれるといいね。高速道路では終始タイヤのインフォメーションが不足。昔のクラウンみたいにタイヤと路面に薄いゴム板が挟まっている感じ。雨の日は少々不安を感じそう。
燃費
コンピューター計測で高速100km/h巡行で27km/L。街乗りは非常に幅が広く、40を超えることもあるし、9になることもある。後輩曰く「ガンガン飛ばすと余裕で10km/L切りますよ」とのこと。
モード
EVモードとパワーモードは使わず。ECOモードは正直私には耐えきれないものだった。最大積載量を超えるようなトラックの発進加速にも追いつかないぐらいのレベル。普通のモードでアクセルを踏み流れに乗ろうとするとすぐにパワーモード領域に入ってしまう。少々丁寧に発進加速すると途端に前方車から取り残され、すぐに割り込まれる始末。他人の車なのでアクセル全開加速をためらいやっていない。
エンジン
これはもう秀逸。エンジンスタートストップが最後まで全く分からなかった。メーターパネルで確認して分かるだけで、一切エンジンのON OFFがいつ行われているのか分からなかった。少なくともエアコンを入れる時期はそうだろう。エンジン単体でも直4とは思えない静けさ、少なくとも1年15000kmでは…。
回生ブレーキ
前も書いたけれど、トヨタは回生ブレーキにおけるいわゆる「カックンブレーキ」を完全に克服している。硬質なタッチ風のブレーキと表現していい。「風」と書いたのはじゃあ踏めば踏むだけ強固なブレーキ反応が得られるかというとそうではないからだ。
総評:走っている最中も超高度な制御が行われているにもかかわらず、何事もないかの如くしずしずと走るこのハイブリッド車はまさに日本の技術の凝縮像。プリウスは偉大なる平凡車。この車でフィードバックされた技術が他のハイブリッド車に活かされている。ただちょっと大きくなり過ぎたかな?看板的役割もあろうが、もうアクアとカムリに小型・中型ハイブリッド車の進化の研究を譲って、プリウスはFCVとして生まれ変わるべき。初代プリウスのように採算度返しでFCVを市場に投入すべし!その名も「プリウス」。
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