東京地裁:「契約金は標準額超過」…巨人軍の請求棄却
毎日新聞 2015年09月28日 23時16分
プロ野球の読売巨人軍が、一部選手の入団時に球界で申し合わせた「最高標準額」を超える契約を結んだとする朝日新聞の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、同社に5500万円の賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、巨人側の請求を棄却した。本間健裕裁判長は「最高標準額の申し合わせを明らかに超過し、記事の重要な部分は真実」と指摘した。
朝日新聞は2012年3月、巨人が1997〜04年度、新人6選手と最高標準額(1人当たり1億5000万円、うち出来高払い5000万円)を総額で27億円上回る計36億円の契約を結んだと1面で報道。「金権野球で、ドラフト制度を根幹から揺るがす」と批判した。
巨人は「36億円には契約金の性質ではない出来高払いの報酬も含まれ、上限を超えたルール違反はない」などと主張。しかし判決は「条件の達成がある程度見込まれ、契約金に準ずるものとして選手と合意したのであれば、広義の契約金と解するのが相当」とした。
▽読売巨人軍広報部の話 事実を誤認した不当判決。直ちに控訴する。
▽朝日新聞社広報部の話 弊社の主張を認めた妥当な判決だ。
【島田信幸】