副教材:「がん」項目でも不適切グラフ「配置、誤解招く」
毎日新聞 2015年09月28日 23時20分
文部科学省が作製した高校生向け保健副教材で、不適切なグラフの使用などが相次いで判明した問題で、さらに別のページに、がんの知識に関してグラフが不適切に配置されていることが28日、分かった。大学の教員らで作る「副教材の使用中止・回収を求める会」(共同代表・西山千恵子青山学院大講師ら)が同日、記者会見で発表した。
新たに判明したのは、がんの基礎知識をまとめた項目。表題や説明文で「がんの発生原因の6割は普段の生活と関係している」などと示したが、説明文に添えられた喫煙や飲酒など、生活と関係の深い原因によるがんの発生割合を示したグラフでは、計51.4%にしかならず、説明と食い違っていた。
文科省は「表題と説明文は、グラフとは別の資料から引用した。誤りはないが、配置が不適切で誤解を招くので来年度分で修正したい」としている。
「使用中止・回収を求める会」は、これまで発覚した多くの誤りや不適切なグラフの使用について、文科省などに24日、質問を申し入れた。これに対し文科省は28日、一部について「来年度分で修正を検討したい」と回答してきたという。【山田泰蔵】