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 ドイツの検察当局は28日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制試験をめぐる不正問題で、引責辞任したマルティン・ウィンターコルン前最高経営責任者(CEO)について、詐欺容疑で捜査に着手したことを明らかにした。独メディアが一斉に伝えた。

 検察当局は声明で、排ガス規制試験を不正にかいくぐるソフトを搭載していると知りながら、ディーゼル車を販売していたかどうかが捜査の焦点になると指摘。購買者を欺いた詐欺容疑にあたるとみられる。名前は明らかにしていないものの、前CEOのほかにも不正に関わった疑いがある人物について、VWから告発を受けているとしている。

 不正問題を巡っては、前CEOら同社幹部が、排ガス規制試験をクリアしたように見せかけるソフトをディーゼル車に搭載していた実態について、事前にどこまで把握していたのかなどが焦点となっている。同社は、不正に関わった疑いがある複数の社員を停職処分にしたことを明らかにしている。

 独メディアによると、ウィンターコルン氏は2007年にVWのCEOに就任。拡大する中国市場の開拓に注力するなどして14年に初めてグループの世界販売台数で1千万台を超えた。VWは米国では08年以降に販売したディーゼル車に、問題となったソフトを搭載していたとされる。