離脱中の皆さんへ。
以下に記すステップ2は、ステップ1で離脱症状を安定させたのちに行うものです。
ただし、この方法は私が開発したものではありません。
また、減薬・離脱は、あくまでご自身のご決断・自己責任において行うものですので、万が一この方法で皆さんに問題が生じたとしても、残念ながら私は一切の責任を負うことができません。私自身も、基本的な方法以外、特別なアドバイスは何も受けていません。
ステップ2: Milk Titration & Taper
これは、牛乳を使ってダイアゼパム(セルシン)を溶かし、毎日決まった量を減らしながら、減薬していく方法です。
Titrationとは、液体中に別の物質をどれだけ加えて、それがどのような反応を起こすか? というような意味です。
Taperとは、「ゆっくりと少なくしていく」という意味です。
必要なもの:
★1サービングあたり、脂肪分が8%以上のオーガニック牛乳。
日本では、普通の成分無調整牛乳で全く問題ないです。
ただし、牛乳アレルギー、先天性乳糖不耐症の方は、残念ですがこの方法は使えません。
豆乳では、脂肪分が3%程度なので、無理だと思います。
また、水やベビーフードを使って減薬・離脱をしている方も多いですが、
脂肪分が全くない・少な過ぎるため、お勧めしません。
なぜかと言いますと、ダイアゼパムは脂溶性のため、水や脂肪分の少ない液体では、均等に溶かすことができないからです。
★100ml、200ml、500mlなど、ご自身の服用量に応じて牛乳を計れる、ふたつきの容器。
私は、たまたま捨てずに持っていた、100mlメモリ入りの青汁シェーカーを使っています。
★針なしシリンジ(オーラルシリンジ)。
1ml、5ml、10mlなど、服用量に合わせて。
私はテルモのオーラルシリンジを使っています。1ミリと10ミリです。楽天で購入できます。
プラスチック製で、とても便利です。
メモリは、1mlシリンジで、目盛りは0.01mlまであれば十分です。
使い捨てを100本ずつ揃えましたが、水で洗って冷蔵庫に保管しておけばカビも生えません。
よほどの長期戦でない限り、5~10本くらいずつ用意しておけば十分だと思います。
当初、アメリカ製のオーラルシリンジを購入しようとしましたが、20~30本で4万円近くするため、キャンセルしました。恐らく、ガラス製のため、値が張るのだと思います。
日本製のブラスチック・オーラルシリンジは1本5~10円程度。
耐久性に優れ、頻繁に使っても目盛りが削れることがないので、日本製をお勧めします。
ちなみに、米国では、どの薬局でも無料でオーラルシリンジをもらえるとのことです。
★自宅で服用しやすいように、小皿か小さなカップ。
★外出時に服用しなければならないときに、しっかりフタのできるボトルや小さい容器。
(私は、適当にスプレーボトルに入れています)
以下、私が実際に毎日行っている減薬法です。
なお、減薬の量・服用回数・日数などは、すべて自分で計算して割り出しました。
私は他の方の減薬スケジュールを作れる立場ではありませんので、大変申し訳ないのですが、ご自身で方法・日程表を作成なさってください。
離脱症状が激しく、おひとりで計算すると危険な場合、信頼できる方に助けてもらってください。
私はエクセルの使い方を忘れてしまったので、すべて手書きで日程表を作りました。
手書きの方が、あとで調整や書き込みもしやすいし、眼精疲労も防げるので、良かったと思っています。
まず、ステップ1で1日10ミリグラムで症状をなんとか安定させました。
その後、1日0.05ミリグラムずつ減らすことにしました。
0.05ミリ×20日で、1ミリグラム減らすことになります。
ダイアゼパム10ミリグラムを、牛乳100mlで溶かします。
10~20秒、シェイクするだけで、勝手に溶けてくれます。
パウダータイプのダイアゼパム・シロップ状のダイアゼパムは必要ありません。
ピルクラッシャーで粉状にする必要もありません。
錠剤タイプのものを、そのまま使ってください。
これで、牛乳0.1ml中、0.01ミリグラムのダイアゼパムが溶けていることになります。
実際の重さは、牛乳100ミリ+ダイアゼパム10ミリ、ですが、この点は無視していただいて全く問題ありません。
1日目:
溶解液から、オーラルシリンジを使って、0.5ml吸い取ります。
これで、0.05ミリグラムの減薬となります。
(溶解液99.5ml イコール ダイアゼパム1日9.95ミリグラム)
この溶解液を、6時間以上間隔を空けないように、1日4回に分けて食前、就寝前に服用します。
食前に飲むのは、空腹時の方が、小腸で吸収されるのが速いためです。
1日4回服用の場合、1回あたり24.875ml服用となりますが、そこまで厳密にしなくて大丈夫です。
小数点第2位、24.87mlくらいで大丈夫です。症状が落ち着いてくると、小数点第1位まで大ざっぱにしても、問題ないです。
離脱症状は夕方~就寝時に酷くなるので、寝る前の服用分を少しだけ多くするという手もあります。
ステップ1で1日5回、6回服用にした方は、血中濃度を安定させるため、同じように5回、6回服用にしてもいいと思います。
服用するときは、小皿や容器に1回分ずつ取り出して飲み干します。
小皿・容器の底に残った分は、水を足して飲み切るか、ペロッとなめちゃってください。
(ここは、恥も外聞もなくいきましょう。私も毎日、お皿をぺロぺロなめています)
2日目:
溶解液から1ml吸い取ります。これで0.1ミリグラムの減薬となります。
(溶解液99.0ml イコール ダイアゼパム1日9.9ミリグラム )
服用方法は1日目と全く同じ。
3日目:
溶解液から1.5ml吸い取ります。これで0.15ミリグラムの減薬です。
(溶解液98.5ml イコール ダイアゼパム1日9.85ミリグラム )
服用方法は、1日目・2日目と全く同じ。
これを毎日繰り返します。
2011年8月18日現在、私は72.5ml、つまり、ダイアゼパム1日7.25ミリグラム服用しています。
このまま毎日続けて、あと150日で終わりです。
最初は、非常に苦しいです。これは仕方がないです。覚悟なさってください。
私は今でも、苦しいです。
でも、アシュトン・マニュアルと違うところは、
・毎日、決まった量を減らし、頻回服用することで、血中濃度が保たれる
・その結果、離脱症状が、耐えられる程度に抑えることができる
・減薬中に、身体・脳がダメージの修復を同時に行ってくれるので、心身ともに楽になってくる(GABAの量が毎日少しずつ戻ってくる)
・毎日、コンスタントに行うので、正しく行っていれば完全断薬のゴールがはっきり見える
・毎日同じことをするだけなので、慣れてくると、「今日は○ミリグラム、明日は・・・」と、強迫観念にかられることがなくなる
・牛乳に含まれるトリプトファンのおかげか、寝つきが良くなり、睡眠の質・時間が大きく改善される。私は、1日1~3時間から、5~8時間弱までぐっすり眠れるようになりました。
私はアシュトン教授を批判しているわけではありません。
ただ、あのマニュアルは、スケジュールがあまりに速過ぎ・短か過ぎます。
そして、「○ミリグラム減らしたら、○週間待つ」という、cut&hold メソッドというやり方に、大きな危険を感じたのです。
つまり、非常に単純な疑問・疑念として、
1ミリグラムを一気にカットして2~4週間こらえるのと、
0.05ミリグラムを毎日コンスタントにカットして、20日かけて1ミリグラム減らすのとではどちらが負荷が軽くて済むだろうか? ということです。
この方法が皆さん全員にお役に立てるかどうかは、わかりません。
「絶対効くからオススメします!」などということは、何があっても言えません。
けれど、私に限って言えば、離脱症状が激減していったことは事実です。
私が行っている方法とは異なるのですが、似たような減薬方法がYouTubeで紹介されていますので、「こんな感じなのかな」とイメージしていただけば幸いです。
――ということで、この方から紹介のあったYouTubeをお知らせします。英語ですが、やっていることを見れば、だいたいのことは想像つくのではないでしょうか。
http://youtu.be/2RzUvM6M55s
(パート2もあります)。