オイコノミア「どう選ぶ?住まいの経済学」 2015.09.25


(妹)ねえこの家って「買った家」なの?それとも「借りてる家」なの?
(母)もう!この忙しいときにどうしてそんなこと聞くの?
(兄)視聴者が疑問に思ってるらしいよ。
あの家は「買った家」なのか?「借りてる家」なのか?どっちなんだって?
(母)暇な視聴者が多いのねぇ。
勝手に想像させておきましょう。
大切なのは幸せに暮らせる家かどうかなんだから。
ねえお父さんピシッと言ってやってください!
(父)それより又吉って家買ったほうがよくないか?
(テーマ音楽)
(又吉)え〜最近ですねいろんな人に家を買ったほうがいいと言われるんですけどどうなんですかね?本当に買ったほうがいいんですかね?周りの勧めに押され気味の又吉さん。
すてきなお宅があると聞いて訪ねてみま〜す。
(平湯)あっいらっしゃい。
どうぞ!すいません。
え〜とじゃあどうぞ。
はい。
変わった玄関ですよね。
そうですかね。
ヘヘッ。
こだわりのライフスタイルを詰め込んだ家なんだそうですが又吉さん興味津々!うわ〜!すごい!すごい!何かワクワクする家ですね。
こちらのお宅なんと壁一面が全て本棚!読書好きのご主人が1万冊の本と共に暮らすというコンセプトで建てたんです。
家族3人本に囲まれて生活しているそうです。
普通のご家庭だと書斎とかじゃない所に本置かないでみたいな言うんですけどここはもうそういうのもう全部混ぜてオッケーでということで。
こういうあの家を見せていただくとなんかねえ作ってみたくなりますよね。
興味が湧いた又吉さん設計した建築家を訪ねました。
(杉浦)ああ!こんにちは!こんにちは!すいません。
杉浦伝宗さん。
個人住宅を数多く手がけている建築家です。
その特徴は…。
難しい条件の土地でも住む人の希望をかなえてくれる家作りにあります。
ウフッ。
すてき!例えば「幅2m50cmという狭〜い敷地に大きいお風呂が欲しい!」という注文で作ったのがこちらのお宅。
アハッ!ホントに大きい!他にも「お出かけせずにお花見がしたい!」という注文には…。
アハッ!こんなベランダを作って実現!住む人の夢をかなえてくれるんです。
まるで魔法使い!もし建てるとしたらどんな家ができるのかなと思って。
ああ。
それを相談しに来たんですけど…。
どういった環境の所にどんな家を建てたいかってことをまずお聞きしたいとこなんですが。
何かこう…又吉さん…こここの場所好きやなっていう場所が家の中に何か3つぐらい。
3つぐらい。
「誰と住むか?」っていうのもありますよね。
いずれはでも2人にならんと駄目ですもんね。
アハハハハッ。
ええ。
希望としては。
そしてもうひとつ…。
実際に都内の土地から候補を選んで理想の家を杉浦さんに考えてもらいます。
これだと結構狭いですか?いや狭くはない。
僕は狭いの得意ですから。
これでやって頂きましょうか。
はい。
又吉さんが選んだのは都内渋谷区の土地。
何だか細長〜い形ですがどんな家になるんでしょうか?あなたにとって「幸せな」住まいとは?家を買いたい人にも借りたい人にも役に立つ選び方経済学で考えます。
(大竹)今日はね杉浦さんのすてきなお宅にお邪魔してますけれども経済学で幸せな家っていうのはどんな家か考えていきましょうよ。
最近いろいろな人から家を買ったほうがいいんじゃないかと言われるんですよね。
うん。
芥川賞作家になったんですから又吉さんのような方っていうのはそろそろ家を買ったほうがいいんじゃないですかね。
芥川賞作家にふさわしい家を建ててください。
作ってほしいんです。
建てるんですか?建てるんです。
多分芥川賞取った人そのタイミングで家買ったりしてないと思うんですけどね。
(笑い声)いやいや。
年齢的なことも含めてもしかしたらそうですよね。
買うこととか考える時期かもしれないですよね。
今ね賃貸のマンションでしょ?そうです。
今後輩2人と3人で暮らしてまして。
それとは別に書くだけのアパートも借りてるんですけど。
いやでも……っていうのがやっぱり気になってなかなかこう決めきれないというか先送りになってしまうんですよね。
うん。
そこで街の皆さんに聞いてみました。
家は買ったほうがいい?借りたほうがいい?あなたはどっち?
(取材者)買った家ですか?借りた家ですか?
(取材者)どんな点がいいです?
(取材者)前より賃貸の時より広いんですか?全然広いですし。
庭でバーベキューができること。
そうそう。
バーベキュー。
…とは思ってます。
はい。
いろいろ…いろいろやっていきたいなというのがあるのでそれだと賃貸だといろいろできない制約あるので。
自分は。
(取材者)どうしてですか?買ったらなんかずっとそこに住まなきゃいけないんでなんかやっぱこっちがよかったなとか。
…って聞くんで。
(取材者)借りるほうがいいですか?理由は?やっぱり…他の所に。
そうすると隣の人がうるさいですとかそういったときにずっとそこにいないといけないのでちょっとリスクが大きいのかなって思うので借りるほうが自分はいいです。
いろんな意見がありますけれども杉浦さんどうですか?僕26で結婚してこの家建てたの27なんですけどもじゃあ結婚してじゃあ…う〜ん。
ところがローンで払うことができたならば…建てるんだというふうに僕は思ってます。
なるほど。
いや確かに建てれたら楽しそうやなと思うんですけどもし隣にメチャクチャ変な人とかが住んでてトラブルになった場合とか。
その辺が大変ですよね。
そうですね。
ではね今度は経済学の観点から家を買うのと借りるのとどっちが得かっていうのを考えていこうと思います。
もし…家を買った場合と借りた場合どちらがお得なのか?同じ…ではその家を買ったときのコスト。
まず家を買うための購入費ですね。
家の価格そのもの。
それからこの家を買うのにお金を全額借りたとするとローンの金利が必要になりますよね。
まずは家を買った場合のコスト。
家の価格つまり購入費が1000万円。
そこに住宅ローンを使えば金利の総額がプラスされます。
更に不動産会社に支払う売買の取引手数料。
家にかかる固定資産税。
そして住んでいるうちに発生する家の修繕費がかかってきます。
これらの費用が300万円だったとすると購入費と合わせて1300万円かかったことになります。
さて持ち家は売却することもできます。
するとその分お金が戻ってきます。
600万円で家が売れた場合かかった費用の総額1300万円から600万円を引いたものつまり700万円がこの家を買って10年間住んだときのコストになるのです。
うん!それで家を借りたときのコストっていうのはどうなるかっていうと基本的に同じ家なんですから同じだけのコストがかかってる訳ですよ。
次に同じ1000万円の家を借りて10年間住んだ場合を考えます。
借りた場合コストは家賃で払っていきます。
買った場合と同じコストつまり700万円はもちろんかかるのですが…それだけではないんです。
これだけだと一緒のように見えるんですけど実は借家の場合にはですね他にも費用がかかってくるんです。
何だと思います?よく借家だと何か管理人さんがいたりしません?はいはい。
しますね。
はい。
だからそういうのが「エージェンシーコスト」って言われてだからまあきちんと家を使ってるかどうかとかトラブルを起こしてないかどうかとかっていうのを大家さんが監視するわけですよ。
ああなるほど。
そのためのコストっていうのが借家のほうがこの分は高くなる。
そうなんですね。
はい。
コストがかかると。
はい。
もうひとつ借家と持ち家の場合にかかってくるコストが違うものがあるんです。
はい。
大家さんは人にお金え〜と家を貸しますからそこからもらう家賃には税金がかかってくる。
あ〜!なるほど。
だから大家さんの取り分から考えてみたらこれだけの家賃をもらわないとペイしないということなんですよ。
なるほど。
家を借りたとき支払う家賃は大家の収入になります。
所得税がかかる分手取りが少なくなります。
そこで収入を減らしたくない大家はあらかじめ家賃に税金分を上乗せします。
家の借り手は大家が払う所得税の分まで負担することになるのです。
ちなみに家を買った場合を経済学ではこんなふうに考えます。
自分で買った家に住むのは自分の家を自分に貸しているのと同じ事。
つまり自分で払った家賃を自分でもらっていると考えるのです。
経済学ではこれを「帰属家賃」と呼んでいます。
これはまあ言ってみたらあの実態のないというか実際にお金が入ってくるわけじゃないですから税金払わなくていいんです。
なるほど。
所得税がかからないんですよ。
これには。
はい。
結局同じ1000万円の家を買った場合と借りた場合をコストで比較すると管理人に支払うエージェンシーコストと家賃にかかる所得税の分家を借りるほうが高くつくのです。
この合計が200万円だとすると家を買った場合のコストが700万円だったので借りた場合のコストは900万円となります。
はぁ〜!ちょっとびっくりしましたね。
純粋にお金だけを見たら明らかに持ち家のほうが得だということが…。
う〜ん。
あるんですね。
又吉さんのビジョンからいったらどっちなんですかね?いやそれを含めてもやっぱりすごい拮抗してるというか難しいんすよね。
でも自分でその作って自分の意見が反映された家を作れたら楽しいっていうのが1個あるなとは思うんですよね。
その生活していくために家には住まないといけないんですけどそれを買うのか借りるのか損か得かだけで考えるところに1つそのどっちがテンション上がるかという。
なるほど。
それを考えると作るっていう事も思いますよね。
なるほど。
ところで皆さん家を買う場合にはもうひとつ考えなくてはならない大切なコストがあるんです。
将来自分がその家に住まなくなってからかかるコスト。
そう。
「空き家」のコストです。
今日本では「空き家」の増加が問題になっています。
その数はおよそ820万戸。
既に総住宅数の13.5%が空き家になっています。
「空き家」は治安や街の景観を損ねるだけではないのです。
えっと持ち家として買った場合あるいは相続して家に住んでるっていう場合も人口が減ってきてると自分で住まないとか人に貸す事もできないっていうことで空き家になるっていうことが多いわけです。
やっぱりそうですよね。
核家族化してきて子供たちが出てってもう年寄りだけが残って年寄りはもう自活できなくなって老人ホームとかそういう所行っちゃったらもうその家完全空き家になりますよね。
僕も沖縄と大阪にそれぞれ実家というかおじいちゃん住んでた家。
でうちの親が住んでる家とあるんでその辺考えとかんと駄目ですよね。
何か今から考えてることあるんですか?どうしたらいいんですかね?
(笑い声)沖縄のほうはねやっぱ本籍地なんで残すにしても大阪はもし両親とか姉とかみんなそれぞれ出て行ったら田舎に戻るとかなったらそれはもう売ったりするんですかねやっぱり。
今年なんかは「空き家対策特別措置法」っていうのが施行されてるんですよね。
うん。
これは危険な空き家というふうに見なされると自分はあのまだ空き家のままにしたいと思ってても強制的に撤去されてしまうという場合もあると。
空き家になるじゃないですか。
でだんだん古くなってきたら潰さないといけないんですよね。
それもお金かかるんですよねでも。
こっち負担ですよね。
はい。
…あるんですよね。
う〜ん。
ってことは早急に売ったほうがいいんでしょうね。
(笑い声)先を見越したら。
そうですね。
へぇ〜!「空き家対策特別措置法」によって危険な空き家と見なされ撤去を命じられた場合家を撤去する費用を負担しなくてはなりません。
更に土地だけになると建物があった場合と比べて最大で6倍の固定資産税を支払わなくてはならなくなるのです。
自治体も対策に乗り出しています。
例えば都内の自治体では空き家を買い上げて整備し「憩いの広場」として地域に役立てる活動を進めています。
うん。
(妹)空き家問題って大変!
(兄)結局家を買うのと借りるのとどっちがいいんだ?
(母)ああますます分からなくなったわ。

(父)又吉もきっと迷ってるぞ。
考えるポイントは分かったんですけどやっぱり買うか借りるかどっちがいいのかとなるとやっぱり迷ってしまいますね。
さっきはね経済学の観点でコストを比較するっていうことをしてみたんですよね。
でも…まあせっかく杉浦さんにも来ていただいてますから建築家の視点から……を教えてもらいたいんですけど。
そうですね。
まあここはあの来て頂いてるっていうかこれ僕の家ですからよくいらっしゃいました。
あのう買うか借りるかっていうお話をされてましたけど単にこう買うとなるとやっぱり消費してそれがドンドンドンドン目減りして価値が無くなってってしまいにはゼロになっていくんですけども家をずっと使い込んでいければ別に価値なんて関係ない話なんですね。
家は…「家を使い込む」ことが大切という杉浦さんご自宅をどんなふうに使い込んでいるんでしょう?こちらはですねまあ35年36年前ですか建てたんですよね。
その時はまだこちらはなかったんですけども。
36年前新婚で建てた家。
崖にある斜面の安い土地にせり出すように建てた2LDKです。
その後お子さんが2人生まれて手狭になり1階部分を増築。
そして2年前土地を買い足して今度は趣味を楽しむ場所を作ったそうです。
まあこの辺もこう休みになるとこう作るんですけどね。
作業スペースですか。
杉浦さんの趣味は木工で椅子や道具を作ること。
ここは好きな道具に囲まれて木工を楽しむ作業部屋なんです。
他にも趣味の音楽を楽しむための部屋。
着物が好きな奥様のための和室もあります。
更に取って置きの場所があるそうですが…。
こちらにですねもうひとつこれあの自分で隠れ家じゃないんですけどこもり部屋がありまして。
はい。
あっなんかありますね。
「ど壺」って言うんですけど。
ど壺。
へぇ〜!ど壺にはまる感じですね。
杉浦さんが仕事に煮詰まったときによくこもるという「ど壺」。
一体どんなツボなの!?ヒーッ!はい。
ちょっとじゃあ。
入らしてもらっていいですか?這って入ってってもらえますか?暑いですよ。
あっ「ど壺」って書いてますね。
おお!なるほど。
これはすごいな。
へぇ〜!先生も入れるんじゃないですか。
入れますね。
面白いっすね。
はい。
いろいろ書いてる。
上空いてるんですね。
窓になってるんですね。
はい。
「天と地を見据える」。
うん。
「老いぼれたら老いぼれたことがわからなくなる」。
ああなるほど。
下もこれ空いてるんですよほら。
あっホントだ。
2人ともなんだかとっても落ち着いている様子…。
よいしょ。
暑いね。
いやいいですね。
家の中でああいうスペースがあるっていうのはちょっと楽しいですよね。
確かに困った時とかあそこ行ってなんか集中できそうな気がしますね。
あの女房は全然入らないんですよね。
ああいう狭いとこは嫌だって言うんです。
女の人は多分苦手。
男の特性ですねきっとねあれはね。
家の資産っていうのは売らないで自分の価値っていうのを売らないことを前提の価値っていうのもあって私的価値っていうんですけれども…だから必ずしも私的価値が共通価値と同じである必要は何もなくて家を持ってるっていうのは人が評価するよりも高い価値が自分にとってあるんだから持っている。
これに対し…家を持つ人の多くは自分の家に対し共通価値よりも高い私的価値を感じているそうです。
私的価値って僕初めて知ったんだけどそういう家をこだわって家を作って何かあって家を売らなきゃいけないというときに家を売るときにそれは100人対象にして売るんじゃなくて…だからそれは非常に自分だけで思ってるだけじゃなくて…なるほど。
結構そういう例がね実際あるんですよ。
又吉さんが住んでた家だったらすごくプレミアついて高く売れるんじゃないですか。
(2人の笑い声)そんなことないと思いますけど。
芥川賞作家が住んでた家なんていったらそりゃあもう。
そうですかね。
うん。
だんだんちょっと作るほうになんかこう動きつつある。
フフッ。
なるほど。
…っていう今状況ですね。
はい。
はい。
僕が杉浦さんにお願いした理想の家というのはどんなふうになったか見せて頂けますか?はい分かりました。
又吉さんの理想の家の3つの条件覚えていますか?さてどんな家になったのでしょうか?え〜とこれがまあ一応簡単なスケッチになるんですがこれ実際あの地下1階の地上3階建てで考えました。
はい。
こちらが杉浦さんが設計した又吉さんの理想の家。
細長〜い土地に地下1階地上3階建てになっています。
杉浦さんはどのように又吉さんの理想を形にしたのでしょうか?それに対して杉浦さんが考えたのは…。
屋上にある緑豊かな庭。
都会に居ながらにして自然を感じられるオアシスのようなスペースです。
又吉さんの希望どおり家の中に木や竹を植えて居住空間を緑で包むように配置し光と風緑を感じられるようにしています。
すてき!又吉さん…杉浦さんが考えたのはまずは屋上の「こもり部屋」。
そして「和室」。
竹を眺めながら執筆ができます。
3つ目は「地下室」。
音楽鑑賞だけでなく「ケイコ場」にもなるそうです。
いいっすね。
それで3階に行きますとえ〜ベッドルーム寝室ですね。
ベッド2つありますけど。
確かにベッドは2つありますけどまずはお相手からですね。
又吉さん。
とここで杉浦さん…。
え〜っ!?模型まで!うわ〜!図面で見るより立派で広く感じますが…。
ところで壁一面にある「はしご」みたいなものは何でしょうか?ここにこういうシマシマになってるのこれ本棚です。
じゃどれだけ本が収蔵できるかっていうと2万5000冊です。
う〜ん。
すごいですね。
すごい。
こんだけあれば…。
はい。
又吉さんへのサプライズ!屋上でこもったり緑の中を散歩したりいろんなアイデアが湧いてきそうです。
お風呂場から見える竹。
リラックスして読書もできそう。
アハハッ。
もう夢みたい…。
へぇ〜!面白いですね。
作業スペースがこう2つあるっていうね。
この小屋もやっぱり気になりますし。
どうですか?もうかなり具体的になってきてますけど。
そうですね。
ほし…欲しくなってきますよね。
ただ具体的っていうかねこれはあの今後の又吉さんのその生活ぶりはなかなか予想つかないところありますんでその辺は盛り込んでないんですよ。
そのあと又吉さんが自分のその匂いとか色を住みながらつけてけば一番体になじんだいい家ができるんじゃないかなと僕は思うんですよね。
なるほど。
そういう余裕は作ってあるという事なんですか?そう。
だからこれはほとんどワンルーム。
だから自由に入れ替えできるんですよね。
子供ができれば仕切ってもいいしあと模様替えも自由にできると。
ただ実際それやってくとなるとやっぱりお金もかかりますけどね。
お金はもう問題ないんじゃ…。
いやいやありますよ。
全然問題ありますよ。
ところでね今のお話の中に経済学で考える幸せな家のヒントっていうのがあったんですよ。
又吉さん何か分かります?幸せな家のヒント?はい。
そうなんですよ。
はい。
こちらです。
「順応仮説」っていうのがあるんですね経済学で。
人は……ということ。
幸せには刺激的な変化が必要なんです。
例えば…だから…なるほど。
慣れっていうのはね…。
怖いと。
はい。
確かに…はい。
ホントはね変化っていうのはちょっと変えるだけで随分気持ち変わるんですよね。
だからそういった変化ってのは当然ねもう身近に感じるように家の中にこう入れるんですよ。
家の中に木を入れてくと。
木もどんどん成長していきますね。
それから四季があるんですよね。
季節を感じられる。
もう春夏冬じゃもう木の姿も違うわけですよ。
はい。
そういう自由度っていうのは持ち家のほうがあるかなと。
賃貸はねあの変えられないんですけどね。
まあ変えるためには引っ越さなきゃいけない。
うん。
そっか。
そういうことですよね。
はい。
まあその別に賃貸の部屋でもですねまあちょっとカゴを動かしたりそれだけでもだいぶ変わりますしそれからあのまあ新しく作らなくてもリフォームでもねそんなにお金かけなくても簡単にできるんですよ。
そういうちょっとしたスペースを見つけだしてあのそこに自分の好きなものを持ち込んで本当に自分の好きな空間を作りだすってことは簡単にできますんでぜひそういうことをねぇやってもらいたいなっていう気がしますよね。
うん。
今の話を聞いててもうひとつ大切なポイントを見つけたんですよ。
又吉さん自分の理想の家をこうやって考えたり杉浦さんと話したりしてる時って楽しくないですか?楽しいですね。
ムチャクチャ。
ねえ。
はい。
そのときの又吉さんっていうのは行動経済学から考えたら幸福度が間違いなく上がってますよね。
はい。
それからそのこれね……だっていうことが分かってるんですよ。
経験ですか。
はい。
ちょっとこのボードを使ってボードに書いてください。
はい。
あの最近1万円以上払って買ったものとか使ったもので経験に使ったっていうものとモノに使ったっていうものそれぞれ1つずつあげて下さい。
1万円以上の。
最近あなたが…何ですか?ちょっと見せていただけますか?はい。
え〜と又吉さんが温泉という経験それからモノはジャケット。
で杉浦さんは経験のほうは旅行だと。
モノは工作材料。
じゃあそれぞれ2つを思い浮かべてどちらが幸福度を感じましたか?う〜ん。
僕はやっぱりまあ温泉旅行なんですけど温泉旅行ですね。
やっぱり旅行のほう。
はい。
僕は両方だね。
両方同じぐらい。
同じぐらい。
まあでもどっちかって言えばそれは旅行のほうがたくさんお金かかってますからね。
アハハハッ。
あのこういうねアンケートというか質問を20代から60代まで1000人以上の方に行った結果っていうのがアメリカで行われたんですね。
アメリカで行われた「お金と幸福度」に関する調査です。
100ドル以上を支払って購入した「経験」と「モノ」を1つずつあげてもらいました。
「経験」として多かったのは「コンサート」「旅行」。
「モノ」としては「服・宝石」が多くあげられました。
それでちょうどお二人にした質問と同じようにこういう経験とかモノからの幸福度っていうのを1から9段階「9」はまあものすごく幸福だと。
「1」はそれほどでもない。
そうやって評価してもらったものの結果がこうなんですね。
100ドル以上支払った「経験」と「モノ」について幸福度を9段階で評価してもらった結果です。
想像したとき幸せか?生活を幸せにしたか?お金をうまく使えたと思うか?いずれも「経験」のほうが高い満足度を得ています。
それからねあの今又吉さん年収上がってますからその又吉さんに大事な情報なんですけど。
はい。
年収の違う人々で比較した調査。
更に年収の違う人々に「経験」と「モノ」とどちらが「幸福度」を強く感じるか調べたところ年収が高い人ほど「経験」を選ぶ割合が増えていく事が分かります。
特に年収がおよそ1500万円を超えると「経験」を選ぶ割合が70%を超えていきます。
「経験」の中でも自分の家を建てるとなれば一生に一度あるかないかの大きな出来事。
人生を左右するとても大切な経験になるのです。
あの確かに…大きな経験というかすごいですね。
影響はね。
やっぱり家1軒作るとなると普通の家でも設計に半年工事に半年。
まるまる1年かかるでしょ。
それを四六時中考えるわけですよね。
お金出して作る本人だけじゃなくてその例えば家族とかそういったものまで全部大きな影響を与えますから。
特に子供なんかそうだと思うんですよね。
小さいうちにお父さんが部屋作ってたってところを見るのはすごい経験だと思うんですそれ。
人生変わるぐらい。
今回はあのねえ。
考えていただきましたけど杉浦さんに。
何かこれを見るとああ自分って確かに自分と似てるというかこうやなっていうふうに。
うん。
そういうのも分かるんじゃないかなと。
家を作るときに自分がどんなスペースを大切にしてるのかとか自分で考えたときに僕がもし作業スペースを一切作らずにリラックスする場所ばかり作ったとしたらよっぽど自分が疲れてたんやなってことが分かるとか家を作るときにここ欲しいとかでそういう経験にもなると思うんですよね。
なるほど。
まあ家の価値についていろいろ考えてきましたけどもまあ今ね大活躍の又吉さんですからそろそろ家を買ってもいいかなという気持ちが湧いてきたんじゃないんですか?確かにこんなすてきなおうちやったら住みたいなって思うんですけど気になるのがやっぱりこの実際にこの家を建てたらどれぐらいの金額になるのかっていうのが知っときたいですね。
目安として。
気になりますよね。
はい。
どうでしょう?え〜とですね確かにあのここ1〜2年非常にあの建設工事費が上がってますね。
まあ2割〜3割ぐらい。
ここ2年間ぐらいで。
まあ今はね話題になってる新国立競技場もそうですけど実際そのぐらい上がってますね。
まあそれを考慮したうえでじゃあこれがどのぐらいかかるかって言いますとまあ7000万〜8000万ぐらいは…かかるでしょうね。
まあ今だったら9000万ぐらい。
9000万ですか。
9000万。
まあ8000万ぐらいでいけるかもしれないですね。
8000万。
8000万。
全部合わせて8000万?いや。
建物。
建物ですよ。
うわっ!もう絶対無理じゃないですかそんな。
いやいや。
建物が8000万でしょ。
土地の値段もあるんですよね。
又吉さん選んだその土地いくらぐらいか分かってます?いや。
あんま分かってないです。
あの7000万なんです土地だけで。
えっ!?だから7000万プラス8000万ですから1億5000万ですね。
はぁ〜!じゃ駄目じゃないですか。
ハハハッ。
そうですか?いやいや。
(2人)ねえ。
今のあれだったら印税が…。
印税だけ計算すると…。
ちょうどそれでいけるぐらいの計算はしてみたんですけど。
いやそうですかやっぱり。
それぐらいかかります?かかりますね。
でもこの家誰か僕以外の人が買ってほぼ新築に近い状態で借りるとなったら月どれくらいでしょうね?家賃。
借りる。
70坪あるからね。
まあ2万円ぐらいするかな。
坪当たり。
そしたらもう150万。
えっ!?100万かかる。
そう考えたらまた迷いますよね。
(笑い声)住むんじゃなくて貸しちゃうんですか?いや違います。
毎月100万ぐらいの家賃を払うって精神的にストレスなんですよ。
うん。
でもこの家がいつか自分払い終わったときに自分のものになるっていう…考えて払っていくっていうのは買うほうが断然いいような気がしてきましたね。
次回はローンのことも勉強しますしもう家の建て方も勉強してあとは実践あるのみですよね。
そうですね。
はい。
急に何か追い込まれてきた感じがします。
(笑い声)又吉さん住まいについてどんな事を学んだんでしょうか?僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
2015/09/25(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「どう選ぶ?住まいの経済学」[字][再]

持ち家と借家、どちらがおトク?自分の家を建てることの、本当のメリットとは?家を買うべきか否か、迷っている又吉さんと皆さんのために、経済学で徹底検証します!

詳細情報
番組内容
最近まわりの人たちから頻繁に「家を買ったら?」と勧められている又吉さん。買うべきか否か、経済学で考えてみることに。まずは、持ち家と借家、どっちがおトクなのか?コストを徹底比較。さらに、大金を払って家を建てることにどんなメリットがあるのか、意外なポイントを検証。とうとう建築家に、理想の家の模型まで作ってもらったのですが…又吉直樹、ついに決断なるか?
出演者
【ゲスト】建築家…杉浦伝宗,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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