僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
「それ」とはゆがみのない真理。
明快で合理的な思考。
考えを伝えるための強力な武器。
今こそ手に入れよう。
(マリア)みんないなくなる。
立ち上がる。
(手を打つ音)
(圭次)…ってここまでは書けたんだけどさこのあとをどうしたらいいか…。
ここからが一番大事な最後の場面でしょ?タネが1人になったのは他人を拒絶したからなんだ。
(ノーノ)この世界はタネの気持ちでつくられてたんだね。
うん。
だからタネが受け入れようとしたものだけが残った。
(来緋)カラスは拒否したからいなくなった。
でも猫は受け入れたから残った。
だからこの劇のラストは…。
タネが他人を受け入れて世界が復活する。
でもどうやって他人を受け入れる方向に持っていくか…。
(溝口)難しいわね。
(4人)溝口先生。
ついてらっしゃい。
第20話…
(ノーノ)ここ一体何部なの?ここはコンテンポラリーダンスと現代音楽の合同クラブよ。
お互い部員不足で廃部になりそうだったから合併したの。
この学校の部活やクラブは自由にいくらでも作られているように見えるけどその一方でなくなっていくものもあるのよ。
私たち演劇部は大丈夫だよね?えっ私たちも人数少ないしもしかして…。
そう。
残念ながら職員会議でこんな議論があったの。
何かこれって駄目な議論の見本市みたいになってない?「水掛け論」だよね。
上から目線で押さえつけようとしてる。
説得力があるようで実はない。
演劇部の話をしているのに去年の文化祭の話を持ち出すなんて論点がずれてるね。
あっこれって!「横ならび論法」。
ほかの高校に演劇部があるからってうちの高校になければいけないって事はない。
私もつい感情的になってしまったの。
先生は僕らの味方だよね。
僕らもロンリのちからを身につけてきた訳だしじか談判して戦おうよ!頼もしいわね。
だけどロンリのちからが本当に力を発揮するのは戦いの場面ではないの。
どういう事?今までいろいろなロンリのちからをあなたたちに教えてきた。
だけどそれを支えているのはただ一つの事。
…という姿勢。
無理。
演劇部を潰せなんて意見尊重できる訳ないよ。
異なる意見を尊重するという事は決して相手の言いなりになるという事ではないわ。
じゃあ私は私あなたはあなたでお互いに干渉し合わないようにするって事?それも異なる意見を尊重するという事ではないわ。
干渉し合わないのだとむしろ無視してるって感じ。
じゃあ自分と違う意見を尊重するって…。
どうしてそう考えるのかその理由も理解する。
そしてその上で…私たちちょっと体育館を使い過ぎかもね。
部員を増やす努力もしなくちゃいけないし…。
どうして演劇部をなくそうと考えているのかその理由が分かれば演劇部をもっといい部にできるんじゃないかな。
そうか!うわっ!びっくりした。
劇の台本だよ。
タネは意見が違う人たちとは一緒にやっていけないって考えて他人を拒否した。
だけど大事なのは異なる意見を尊重するって事なんだ。
それはみんなが同じ意見になるって事とは違う。
それだよ!来緋。
あっ何か最後のシーンが見えてきた。
えっ?
(手を打つ音)「16歳の国」。
とうとう完成したね!完成した〜!完成した〜!この劇が評判になれば演劇部の存在をアピールできる!ここから意見を出し合って学園祭までにもっといい作品に仕上げていこう!タネを演じる事で僕もちょっと成長したかも。
自分と違う意見を尊重するって難しいけど大事だね。
なぜ自分とは違う考え方をするのかその理由をきちんと理解して自分とは違う意見から学ぼうとする。
もしかしてこれも?そう。
これも「ロンリのちから」。
(アリス)ウサギさん。
不思議の国の人たちの意見って私には理解できない。
(ウサギ)自分と異なる意見はすぐに理解できない事も多いよ。
大事なのは理解しようとする姿勢を持ち続ける事。
すぐに理解できなくても諦めちゃ駄目さ。
「諦めちゃ駄目」…分かったわ。
でもね…。
なんだい?不思議の国の人たちってお互いを理解しようとする事を諦めてない?えっ!?異なる意見から学ぶ事を諦めちゃってない?そっそうかな…。
だったらやっぱり私この国にはいつまでもいられない。
お互いに理解して学び合おうとする国に戻らなくちゃ。
アリス…。
ウサギさん!ありがとう。
チュッ。
あっ…。
(アリス)夢だったのかしら。
そうね私は夢からも学べるけど夢は私から学べない。
(キティー)ニャ〜。
でもあんな夢ならまた見たいな。
ニャ〜。
2015/09/25(金) 01:15〜01:25
NHKEテレ1大阪
ロンリのちから「異なる意見を尊重する」[字]
有意義な議論をするために最も大切なのは「異なる意見を尊重する」こと。相手の主張の理由を理解しようとすることにより初めて、建設的な議論をし、成長することができる。
詳細情報
番組内容
これまで論理的にものを考え、人に伝えるための「ロンリのちから」を学んできた。根拠を示さず主張するだけの「水かけ論」、高圧的な態度で意見を通そうとする「ニセモノの説得力」、論点が違う「ずれた反論」など、まやかしの議論にだまされてはいけない。しかし最も大切なのは「異なる意見を尊重する」こと。相手がある主張をする理由を理解しようとすることにより、初めて建設的な議論ができ、自分も成長することができるのだ。
出演者
【出演】緒川たまき,水石亜飛夢,阿久圭介,高橋春織,田中美海
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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