(真壁有希子)私は夫を信じてる。
本当の事が知りたいの。
(梶原勝利)真壁は真田を介して嘉納に会いにいったと思われます。
何か大きな情報をつかんだのではないでしょうか。
(郷原政直)例の件か?彼女が知りたい事は死んだ夫の事しかありません。
(郷原)こうなる事ぐらい私は予測してたよ。
(中田善次郎)真壁匡。
梶山管理官とは同期で2人とも郷原刑事部長の部下でした。
(中田)警備部の情報漏えい事件。
それを捜査中に通り魔に殺害された。
(小石川春夫)何かが隠れてるな。
実は漏えいした張本人が彼で提供先に殺されたと上から言われた。
気になるのはキントリのメンバーだ。
(郷原)おかしなふたを開ける者がいないように注意しなさい。
わかっております。
正義を守るには大掃除しかあるまい。
管理官をはめるのか?管理官は夫の死に関わってる。
多分部長も。
それからこれ。
私の代わりに真田に会って数字の意味を聞いてほしい。
答えなさい。
嘉納肇殺害容疑における重要参考人として特別取調室へ同行します。
罠にわざとかかって真実をあぶり出してやる。
重要参考人が取調官を剥ぐなんて前代未聞ですよね。
ご覧になってください。
夫への友情私たち家族への理解思いやり。
全て偽りだったんですね。
真壁有希子!私は最後まで諦めない。
真実をつかむまではね!
(銃声)どうしました?あなたが欲しがってる手帳です。
夫の死に関する新事実が書かれていると聞いて辞職を覚悟で手に入れました。
あなたの名前がなぜここにあるんでしょう?真壁取り調べをしてるのは君じゃない。
私だ。
これを初めて見た時心底驚きましたよ。
あなたは夫のよき友人だった。
夫の死を誰よりも無念に思ってくれて残された私たちを励ましてくれた。
そのあなたが夫の死に関する事を隠していた。
手帳を提出しなさい。
それは嘉納殺しの証拠品だ。
8年前夫の身に何が起こったんですか?黙りなさい。
なぜ夫は殺されなければならなかったんですか?どうしてあなたは黙っていたんですか?管理官…答えてください!真壁さん座りましょう。
逃げる気ですか!?座りなさい。
ここは緊急取調室だ。
私は君を重要参考人として取り調べてる。
(監物)ナベナベ!
(渡辺)はい。
(梅沢)課長。
嘉納が殺された新宿みやび公園の防犯カメラ映像です。
(監物)殺害現場は死角になってますが動線から考えてこの男の犯行に間違いありません。
(渡辺)真壁さんが現場へ来たのは刺されたあとです。
犯行に関わっている可能性は低いと思います。
(女性たちの悲鳴)
(松本)この男の逮捕状請求に入ります。
課長?
(相馬)逮捕状…。
しかしこの映像だけではどこの誰だかわからんだろう。
普通ならわかりませんがナベが覚えてたんです。
自分と警察学校で同期だった男に酷似しています。
(渡辺)名前は堤大介。
入庁して程なく退職しました。
まさかこんな事で顔を見るとは…。
確かに同一人物なんだろうな?
(竹山)堤のマンションの管理人に見せたところ防犯カメラに映っていたのと同じジャンパーを着ていたという事です。
よし逮捕状の請求だ。
ただし焦るなよ。
凶器を持って逃走している元警察官だ。
拳銃携帯許可を発令する。
(一同)はい!モツさんどうかしました?いやなんでも…。
いくぞ!はい。
(相馬)堤大介です。
(郷原)確保したら私に知らせてください。
はい。
(電話)はい。
何!?相馬君!わかった。
小石川が撃たれたそうだ。
拘置所の前で。
(心電図モニターのアラーム)私の推理を言います。
聞いてない。
この手帳の持ち主は裏社会に通じていたジャーナリストの真田です。
彼は8年前警視庁に関するネタを追っていた。
ここにある10桁の数字は恐らくそれに関わる事でしょう。
お金か不祥事かはわかりませんがそれを知る人物が夫でありあなたであった。
下手なミステリー小説だな。
事実は小説より奇なり。
警察官になってたくさんの事件を捜査しキントリに来て数多くの被疑者を取り調べてまさにそのとおりだと思いました。
この世には想像もしたくないような事が山のように転がってる。
では紛れもない一つの事実を言います。
8年前この手帳に名前が挙がった2人の人物はそののち全く違う人生を歩んだ。
真壁匡すなわち私の夫は殺害され捜査情報を流した裏切り者として処分された。
梶山勝利すなわちあなたは異例の出世を果たした。
私はこう考えます。
警察組織にとって知られてはならない事実を知った夫は…あなたに消された。
バカな…。
僕が真壁を?ハハッ!あり得ない。
もちろんあなたが直接手を下したとは言ってない。
でもね…私の夫は誰よりも曲がった事が嫌いで正義感溢れる人だったんですよ。
妻の私があきれるくらいにね。
今度は甘ったるいラブストーリーか?ええそうよ!私は夫を愛していた!突然命を奪われ捜査情報を流していたと言われ死にたいぐらいショックだった!でも私は…死なないと誓った。
子供たちにお父さんは裏切り者じゃないと言いたかったから。
そのために真犯人を捕まえたかったから!お願い…本当の事を教えて。
(ドアの開く音)取調中です。
(菱本)はい了解してます!今連絡がありまして春さんが…!春さんがどうかしたんですか?東京拘置所の近くで何者かに撃たれました!容態は?意識不明です。
春さんどうして拘置所なんかに…。
私の代わりに真田に会って数字の意味を聞いてほしい。
私が春さんに頼んだから…!私のせいだ…。
病院に…。
春さん!駄目だ。
取調中だ。
どいて!真壁さん落ち着いて!ね!とにかく許可を…!どいて!
(中田)真壁さん!真壁公務執行妨害で逮捕する。
くっ!
(ノック)堤さーん。
(ノック)堤さーん。
いくぞ。
(2人)はい。
入るぞ。
開けてもらえますか。
(管理人)あっ…はい…。
(渡辺)モツさん!
(監物)どうした?
(監物)堤に間違いないようだな。
(渡辺)遅かったようですね。
(監物)嘉納が殺され小石川さんが撃たれ今度はこいつか…。
一体なんなんだ?俺…怖くなってきましたよ。
俺もだよ。
でもやるしかないだろ。
(監物)おい!鑑識に連絡。
嘉納殺害と関連があるかどうか証拠を捜すぞ!
(梅沢)わかりました!
(梅沢)例の被疑者宅に鑑識要請。
繰り返す…。
(小石川の声)私は君がここへ配属された時あまり歓迎していなかった。
でも今は違う。
キントリの仲間として君を認めている。
(有希子の声)春さん私を行かせて。
子供たちを悲しませるような事はするなよ。
春さんは?意識はまだなんとも…。
生きてるんですよね?当たり前でしょう。
春さんがそう簡単には死にませんよ。
あの程度の公務執行妨害で長々と留置するわけにはいきません。
それに真壁さんもう重要参考人ではなくなりました。
え?
(菱本)嘉納を殺害した男が判明したよ。
いくぞ。
堤を確保しようとしましたが当人のマンションですでに死亡していました。
自殺の可能性が高いと思われます。
(相馬)それと彼の部屋から凶器となった包丁を発見。
自殺に使った拳銃を調べたところ意外な事実が判明しました。
(渡辺)堤大介は拳銃で胸部を撃ち抜いて死んでいました。
自殺?
(監物)しかも奴の拳銃は小石川さんを撃ったものとも線条痕が同一だった。
(中田)その堤が嘉納を殺し春さんを撃ち自らの命を絶ったという事ですか。
それだけじゃない。
まだ何かあるの?驚かずに聞けるか?もう何も驚かないわよ。
この拳銃だがな8年前に真壁匡が撃たれたものとも一致した。
(銃声)
(菱本)じゃあ堤はおばはんの亭主も…!
(渡辺)ブツからはそう考えられます。
全ては繋がってるって事だ。
(真壁則行)犯人は?捕まったの?いつかお母さんが捕まえる。
あれ?えっちょっと待って…。
ちょっと待って…。
じゃあ…私は…私はもう…夫を殺したホシを逮捕出来ないって事?真壁さん…。
あと…あともう少しだったのに!?春さん…ごめん…。
ごめんなさい。
(菱本)謝るのは早えよおばはん。
諦めるつもりですか?春さんのためにも真実を追究すべきでしょう。
取調室で真壁さんの話を聞いてどんな邪魔が入ろうとこの事件の真相を探らなければならないとそう思いましたよ。
私らみたいな老いぼれにどこまで出来るかわかりませんがね。
そう。
老いぼれだから出来る事もあるさ。
ありがとうございます。
もちろん諦めません。
8年前ご主人を射殺し今回春さんを撃った拳銃は警察の押収品だったそうです。
警察の?
(中田)ええ。
その時の押収品管理担当者は郷原部長の直属の部下です。
え?
(中田)ご主人が亡くなった時初動捜査で凶器が押収品だとわかってもいいはずなんです。
しかしそうはならなかった。
当時の資料を当たったら捜査終了の命令を下したのが郷原部長でした。
郷原部長…。
堤は捜査二課時代潜入捜査で不祥事を起こしたらしい。
それに目こぼしをしてやったのが部長だったそうだ。
不祥事を起こした堤を部長が汚れ役として使っていた事は十分に考えられます。
(中田)我々警視庁の職員はおよそ4万人います。
その中には信頼を失墜しかねない人間だっているんです。
それが組織っていうものです。
だから行きすぎた処理をした。
管理官。
何しに来たの?もちろん春さんの様子を見に来た。
春さんが死んだほうがいいんじゃないの?あんたたちの秘密が暴かれずにすむから。
部下が死んでいいと思うはずがない。
人間らしいふりしないでよ。
とっくにご存じだと思いますけど春さんを撃った拳銃と夫を撃った拳銃が同じものでした。
3人もの人間が死んだ…。
そこまでして部長が守りたいものって何?やっとわかったんだ…。
どうして私がキントリに呼ばれたのか。
私がひそかに夫の死の真相を探ってる事を知った部長は…。
本日付で緊急事案対応取調班に異動を命じる。
統括は…梶山管理官だ。
(有希子の声)直属のキントリに私を呼び腹心のあなたに監視させてた。
残念だったな…。
残念?あなた私をかってキントリに呼んでくれたと思ってた。
部下としてそれに応えてたつもりだったから。
確かに素晴らしい部下だった。
梶山あんたにとって警察官という仕事は何?いきなり青い事を聞くんだな。
私にとっては日々の任務であり生活の糧であり仲間と出会う場所であり誇りだった。
青くなきゃ命がけで誰かを守ろうなんて思えない。
春さんも善さんも菱やんもモツナベもみんなあんな顔して青いのよ。
言っておく。
私はこのまま引き下がりはしない。
キントリで身につけた力をもって丸裸にするのは郷原部長だと訴えるつもり。
限界です部長。
このまま口を閉ざしているわけにはいかなくなりました。
そう…。
説明が必要です。
わかった。
なら私を取り調べればいいだろう。
逃げも隠れもしないよ。
あ…どうぞ。
「しっかり撮ってくれよ。
全て包み隠さず話すからね」
(電話)はい控え室。
うん…。
あっはい…。
あっそうですか!おい!春さん意識戻ったよ!
(菱本)あっどうもありがとうございます!はい!真壁匡警部補が殺害された事件を覚えておいでですか?もちろん覚えてるよ。
彼を殺害した犯人を逮捕する事は出来ませんでしたが先頃堤大介という元警察官が自宅で拳銃自殺を図りました。
その拳銃は真壁匡警部補を撃ったものと同じものでした。
「その拳銃についてあなたは事件当時押収品とわかりながら捜査終了を命じています」「なぜでしょうか」なぜだと思う?あなたは真壁匡が殺害された事を隠したかった。
そのために捜査終了を命じた。
隠すという言い方はしてほしくないな。
彼の名誉を守ってやったんだ。
名誉?
(郷原)「真壁匡は警視庁上層部をゆすっていた」当時の警視総監は警察組織の改革を掲げていた。
私はその理念に深く共感していた。
存じ上げております。
しかし理想の実現のためには金が必要だった。
そこでその資金作りを極秘裏に始めていた。
真壁匡はそれを知ってあなたを脅したんですか?ああ。
(真壁匡)警視庁の上層部がこのような事をしていいのでしょうか。
私はマスコミに訴えますよ。
(郷原)理想だけで物事は動かせない。
あくまでこの金は正しい事に使うものだ。
決して私利私欲のためじゃない。
そんな理屈世の中に通用しますかねえ。
何が目的だ?さあ?よくお考えくださいよ。
だが真壁匡は殺害された。
(銃声)犯人は堤大介。
(銃声)あなたの元部下だった。
(郷原)「堤は警視庁を辞め金に困っていた」「真壁を殺し彼の持っていた情報を盗んだ」「あなたはどうしたんですか?」「堤と取引をした」殺害を黙っている代わりに裏金の件を黙っているよう告げたんですね?断腸の思いだった。
だが警察を守るためにはそうするしかなかった。
それが私の任務だ。
任務?梶山君だったらわかるだろう。
梶山あんたにとって警察官という仕事は何?
(郷原)おいどうした。
質問はこれで終わりか?管理官…。
私にとっては日々の任務であり仲間と出会う場所であり誇りだった。
青くなきゃ命がけで誰かを守ろうなんて思えない。
春さんも善さんも菱やんもモツナベもみんなあんな顔して青いのよ。
申し訳ありません!これ以上私には取り調べをする資格がありません。
取調官の交代をお願いしてもいいでしょうか。
真壁警部補。
取り調べを命じる。
(菱本)春さん。
ああ菱さん…。
菱さんに言いたい事が…。
えっ?大丈夫か?靴…。
な…何?靴の中…。
(菱本)靴どうした?
(中田)部長を取り調べるなんて思ってもいませんでした。
見るに堪えんね。
ハァ…。
「最初にお伝えしておきますが…」ここでの取り調べは全て録音録画されています。
冤罪を防ぐため裁判に証拠として提出出来るためです。
それは相手が警察官であっても同じです。
郷原部長…真実を述べていますか?あなたは先ほど「真壁匡が警察をゆすった」「そのために殺害された」と供述しました。
「私には事実とは思えません」取調官が個人的見解かな?証拠があります。
私がここにいる事です。
あなたは私の辞職を許さなかった。
まさか辞めようなんて思ってないだろうね?本来なら警察をゆすった男の妻など辞めさせるべきでしょう。
でもあなたは子供たちのために夫の不祥事は不問にすると言い私に恩を売った。
でも本当は私を手元に置き夫がたどり着いた事実に気づかないよう監視していた。
彼女はまだ旦那の事を諦めていないようです。
(郷原)じゃあよく見て逐次報告してくれ。
違いますか?
(パトカーのサイレン)
(菱本)話は?
(渡辺)聞きました。
(菱本)よっしゃ!
(監物)よっしゃ!こちらです。
(監物)貸金庫のナンバーだったのか。
(菱本)この上3桁は銀行番号中3桁支店番号。
で最後の4桁がロッカー番号だ。
(小石川)この数字何を意味してるんですか?
(菱本)この中に裏工作資金が入っているという事を春さんが真田から聞き出したんだよ。
靴の中…。
(ガラスを叩く音)
(菱本)これかい?6501番ですね。
(菱本)はい6501です。
(叩く音)何もねえじゃねえか!見たらわかるだろこれ!あっ!答えてください。
どうして夫は…。
真壁匡はなぜ殺されたんですか?君はどう思うんだ?私はあなたが殺害を命じたと考えます。
(笑い声)
(笑い声)「そんなにおかしいですか?」「ああおかしいね」「あまりにも荒唐無稽だよ。
ハハハハハ…!」「ではあなたはなぜ夫が殺された時…」捜査終了を命じたんですか?拳銃があなたの管理下で押収されたものだとわかっていたのに!全て私が仕組んだ事だからだよ。
真壁匡には死んでもらうしかなかった。
真壁匡には死んでもらうしかなかった。
…と私に言わせたいならもっと工夫したらどうだね?ストレートに声を張り上げるだけの追及で凶悪犯が吐くと思うかね?
(郷原)キントリだろ?
(監物)えーっと最後に貸金庫が開かれたのは今日午前9時…。
あっこいつだ。
誰だ?これ帳簿でしょうか?
(菱本)うん?おい…。
(相馬)なんだ?
(監物)一緒に…来て頂けますか?
(菱本)どうぞ。
(相馬)お前ら何をしてるかわかってるのか?さあかけてください。
はい時間取らせませんから。
はい座って座って。
はい。
小石川お前…。
どうしても課長と話がしたくてね…親切なお釈迦様に連れてきてもらいましたよ。
私は止めたんですけどね。
あんたが裏帳簿のデータを持ち出したのはわかってる。
提出してもらおうか。
断る。
課長証拠があります。
こんなものは証拠にはならん。
なんなら出るとこ出ても構わんぞ。
課長あんたまで手汚す事はないよ。
私は…任務を遂行しているだけだ。
(小石川)上が守ってくれると思ってるんですか?目を覚ましたほうがいいです。
組織を守ろうとしてるのは雲の上の上司だけではありませんよ。
(郷原)「どうした?手詰まりか?」「はい」私は…キントリでたくさんの被疑者に向かいました。
でも取り調べの技術は役に立たなかったし新たに身につける事も出来ませんでした。
いつもその時その時の生身の感情でぶつかるしかなかった。
「でもそのむき出しの感情が…」彼らを動かしたのではないかと思っています。
郷原部長…。
尊敬していました。
本庁に呼んでくれた事も夫との結婚を喜んでくれたのも嘘だとは思っていません。
新人時代にあなたに言われた言葉を今も覚えています。
警察官は青いくらいでちょうどいい。
青くなきゃ命を投げ出して市民を守るなんて割に合わない事出来ない。
だからいつまでも青いままでいろ。
私はあなたのその言葉を守って今ここにいます。
部長真実を話してください。
真壁匡の殺害を堤に命じたのは…あなたです。
梶山どうしたんだ?彼女に同情したのか?いえ。
もし真実を明らかにするなら私が追及すべきだと思ったからです。
君も青いね。
はい。
私も部長を尊敬して今までついてきました。
梶山…君が知ってる事を話しなさい。
梶山…君が知ってる事を話しなさい。
真壁匡は上層部をゆすってなどいなかった。
正義を通そうとした。
あなたはその正義を恐れて彼を潰した。
(真壁)警視庁の上層部がこのような事をしていいのでしょうか!?
(郷原)理想だけで物事は動かせない。
あくまでこの金は正しい事に使うものだ。
そんな理屈世の中には通用しません。
警察官は青くなければならないと言ったのは郷原さんじゃないですか!
(郷原)君は真面目で優秀で警察官のかがみのような男だ。
ならば今の警察が堕落してる事はよくわかってるはずだ。
警察の信頼を失墜する人間を動かし不要な情報を処理するには金がいるんだ。
だから裏金ですか。
我々も君のような人間が味方になれば心丈夫だ。
ぜひ仲間になってほしい。
梶山君も同じ考えだ。
君の未来は保証する。
家族のためにも安定は必要だろ?ん?裏金作りを認めるわけには…いきません。
(ドアの開閉音)残念だね。
この事が公になれば警視庁の信頼は失墜する。
待て真壁。
離せ!郷原さんは私腹を肥やすためにやってるわけじゃない。
いいか?組織には必要悪ってものがある。
嘘をつけとは言ってない。
黙ってろと言ってるだけだ。
梶山…お前いつからそんな人間になったんだ?目的が正しければ何をやってもいいのか?戦争と同じ理屈じゃないか!
(真壁)有希子に2人目の子供が出来た。
俺は不正を知りながら黙って見過ごすような父親にはなりたくない。
だから夫の命を?警察組織を守るためだ。
それがさらに犠牲を生んでも?君は何もわかってない。
警察は市民の平和のためにある。
その組織を健全に保つには陰で泥を被る人間が必要だ。
かけがえのない一人の命を粗末にする警察がどうやって大きな組織を守れるんですか!「市民を守る警察には正義が必要?」「正義を守るためには犠牲が生まれる?」「犠牲を伴う正義なんてない!」そんな警察なら潰れてしまえばいい!よく言ってくれたね。
堤も私に死をもって訴えようとしたんだろう。
(郷原)もう終わりにすべきだと。
だからあの拳銃を使った。
(銃声)
(郷原)道を踏み外した彼を利用した私の責任だ。
この取り調べの記録を今すぐ保全しなさい。
ぐずぐずするな消去されるぞ。
急げ。
(菱本)善さん。
(中田)ああ。
「部長もしかして…」この証言をするために取り調べに応じたんですか?真壁。
泣き落としというテクニック身につけたじゃないか。
(小石川)郷原部長は正義を守りましたよ。
正義…。
皆が同じほうを向いて正義を振りかざしたらそれもまた怖い組織だろう。
(小石川)それでも正義を守ろうとする。
それが警察なんじゃないですか?
(ドアの開閉音)
(相馬)「郷原政直警視監あなたは刑事部長という組織をまとめる人間でありながら今月14日に発生した東京拘置所横路上警察官銃撃事件そして平成18年3月4日に発生した千代田区高架下…」
(リポーター)「殺人教唆の容疑で逮捕された警視庁前刑事部長の郷原政直容疑者が本日身柄を東京地検に送られます」「一部の捜査関係者によりますと警視庁幹部が違法な裏金を運用していた疑惑があり郷原容疑者はこれにも深く関与していたと見られています」
(菱本)あの記録が提出されれば郷原部長が1人で考えてやったって事になるな。
それが現段階における最良の方法と考えたんでしょう。
警視総監まで一網打尽にしてはそれこそ警察の信頼は失墜する。
1人で背負っても負の連鎖を断ち切りたかったという事ですかね?管理官よ部長の思い無駄にするなよ。
はい。
そのために残りました。
本来なら私も退職すべきです。
いいえ。
今後真相を追究出来るのはあなたしかいない。
管理官の決断は正しかった。
(かやの・しんじ)お待たせしました〜!ありがとう。
(しんじ)今日はやけにおとなしいですね。
(かやの)事件解決したんじゃないんですか?解決する事件なんてないの。
えっ?どういう事?
(戸の開閉音)
(しんじ)いらっしゃい!
(菱本)おうモツナベ!おっ奇遇だなぁ。
えっ?みんないるから来ようって…。
(監物)ちょっと…!ナベ何言ってんの?バカじゃないの?よかったら一緒にどうぞ。
仲良く。
いいんだよいいんだよもう。
とりあえずビールね。
(かやの)はい。
来なさいよ。
遠慮する事ないじゃない。
遠慮してねえし。
うるさいよ!あれはあれこれはこれ。
お前の事認めたわけじゃねえからな!僕は認めてますよ。
あらいらっしゃいこっち!どうぞどうぞ。
(渡辺)はい。
(監物)ナベお前…!
(渡辺)すいません自立しまーす!いい心がけじゃない。
キントリ呼んであげようキントリ。
いえモツさんと組みますよ。
いつまでも。
何が「いつまでも」だよ!お前なんかいらねえよ!自立しろ!嬉しいくせに。
わーっ!うわーっ!ちょっと!
(一同の笑い声)喜んでるかなぁ?旦那か?全て明らかになるにはまだまだ時間がかかるしたくさんの人が傷つく。
喜んでるさ。
少しずつでも近づけばいいんだ。
うん。
管理官私…。
にしても物持ちいいなお前。
えっ?8年経ってもまだ好きなのか?いやだって一途しか私取りえないし。
口説いても無理だよ。
(笑い声)口説いても無理だよ〜。
2人に話があるの。
お父さんを殺した犯人をようやく捕まえた。
巻き込まれた事件の真相も全部つかんだ。
まだわからない事はたくさんあるけどあなたたちのお父さん真壁匡は最期まで立派な警察官でした。
そっか。
はいあなたの好物。
(中田)ええ?いやスポーツはでもねわからないから…。
(菱本)18本あったほうがいいらしいんだけどね。
(中田)あそうですか。
うん80になった時…。
数か月前から起こっていた連続通り魔殺人の犯人が逮捕されました。
彼は現在緊急取調室に向かっています。
皆さん出番です。
(口笛)見事丸裸にしてやる。
(菱本)出しゃばるなおばはん。
俺にかっこつけさせろ。
いや私がむきます。
いやいやいや。
みんなで一丸となって落としましょうよ。
ねっ。
はい。
はい。
(一同)はい。
取り調べを担当する真壁有希子です。
テクニックはございません。
丸裸であなたにぶつかります。
2015/09/25(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]緊急取調室[再][字]
有希子(天海祐希)の夫・匡(眞島秀和)の死にまつわる真相を掌握する、重要人物の存在が急浮上!キントリ・メンバーは、その男をマル裸にすべく取り調べに挑む!!
詳細情報
◇出演者
天海祐希、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、篠井英介、草刈正雄、でんでん、大杉漣、小日向文世 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:39031(0x9877)