（女子服役囚たち）１２…１２…。
１２…１２…。
９０番。
（月本幸子）すいません。

（吉井春麗）何見てんだよ？
（春麗）何笑ってんだよ？笑ってねえよ。
（春麗）笑ってるだろうがよ！
（女子刑務官）やめなさい！
（笛の音）
（女子刑務官）やめろ！やめなさい！
（女子刑務官）２０４番３０３番実行！何だよー！やめろ！
（女子服役囚たち）１２…。
（亀山薫）「刑務作業は慣れてみると意外に楽しく特に洋裁は私に向いているようですっかりはまっています」「今日で折り返し地点」「新たな人生を歩み出す事ができた暁には服飾の仕事に就くのが今の私の密かな夢です」「私に罪を償い人生をやり直すチャンスを与えてくださった杉下さんと亀山さんに心からの感謝を込めて。
月本幸子」
（宮部たまき）素敵なお手紙ですねぇ。
もう最高っすよ。
これなんですよね刑事やってて一番うれしい瞬間は。
何かジーンときちゃったなぁ。
（亀山美和子）あぁ…感動に浸ってるとこちょっと恐縮なんだが。
ん？この月本幸子というのは一体誰かね？あそうかお前知らなかったか。
あっエジプトにいたのよね。
あぁ…。
ついてない女っていってな。
ついてない女？幸子って名前とは裏腹に何をやってもついてない不幸の塊みたいな人生を送ってきた人だ。
うちの人殺したの…あんたなんでしょ？
（笑い）何がおかしいのよ？
（向島茂）お前今頃かよ。
（向島）知ってて俺に抱かれてるんだと思ってたよ。
（銃声）夫に死なれヤクザの愛人になって生き延びてきたけどそのヤクザこそが夫を殺した張本人だという事がわかって復讐する事を決めたわけだ。
さようなら…ついてない私。
（銃声）
（角田六郎）いや向島つったらお前城代金融の大物だ。
（杉下右京）ところで月本さん。
何なんですか？
（芹沢慶二）月本幸子…これって月本司法書士の奥さんじゃないすかね？
（芹沢）ほら城代金融と繋がっていた代書屋です。
そうなるとさしづめ妻による夫の復讐ってとこですかね。
杉下さん…お願いだから邪魔しないで。
（幸子）全部捨ててやり直すんです。
絶対に飛行機に乗ります。
殺されてるかもしれねえつってんだよ！
（田村秀明）誰に？月本幸子。
杉下さんどいてください。
残念です。
あっ！？すべてを変えてやり直す事など本当にできるとお思いですか？あなたは月本幸子以外の何者でもないんですよ。
うわっ！？あぁ…。
月本さん！ご主人が亡くなられた日だそうですね？…去年の今日。
右京さん！向島を発見しました。
床下収納に。
わかりました。
どうやら香港へは行けないようですねぇ。
向島が発見されました。
行きましょう。
結局高飛び寸前に彼女の犯行を突き止め逮捕したってわけだ。
はぁ〜んでも何だか同情したくなっちゃうねぇ。
でも後日談があるんですよね。
そうそうそう。
撃った相手のヤクザはまだ息があって一命を取り留めた。
殺人未遂での起訴で済んだわけか。
でも銃も使ってるし高飛びの準備もしてたわけだから同情の余地があるとはいえかなり食らうでしょ。
ところがそうでもありませんでした。
この事件がきっかけで彼女を苦しめた城代金融という暴力団組織に再捜査のメスが入り一斉検挙に成功。
組織を事実上壊滅に追い込みました。
その際の彼女の捜査への協力が大いに評価され彼女への判決は実刑３年という思いのほか軽い量刑で済んだんです。
（裁判長）主文被告人を懲役３年に処する。
（裁判長）以上閉廷します。
残り１年半模範囚となればもっと早く出られるでしょう。
あの時亀山さんがおっしゃってた通りになりましたね。
え…俺何か言いましたっけ？幸子さんはこれまでついていなかったけれどこの先はつきまくりだって。
ああそうですよ！服飾の仕事だってね絶対就けます！うーんついてない女改めついている女ってわけか。
そういう事だなハハハ…。
（女子刑務官）前へ進め！
（医師）食欲は？普通です。
もともと食は細いほうなので。
うーん…気分が悪いとか吐き気がするとかは？あ…たまにめまいがしたりは…。
でも昔から貧血気味なので。
うーん…。
（ため息）何か？いや先日の健康診断でねあなたの血液検査にちょっと異常な数値がね…。
異常な数値…？
（医師）いやまだわからないけどさ…。

（女子刑務官）３０３番９０番乗りなさい！
（男子刑務官）３０３番９０番２名ですね？はい！じゃ移送します。
あなたもどこか悪いの？
（戸崎美佐）９０番私語は禁止！
（白バイのサイレン）
（白バイのサイレン）
（白バイのクラクション）
（美佐）どうしたの？
（女子刑務官）何…？３０３番座れ！座りなさい！
（美佐）９０番も！座る！
（ノック）この車両に危険物が仕掛けられているという情報が入りました。
調べさせてもらいます。
何ですかね？君は降りるな。
はい。
どうしました？あすいません。
ちょっと警察手帳を見せてください。
開けろ。
（白バイ警官）開けろ。
降りろ！降りろほら！
（白バイ警官）ほら…ほら！開けろ！開けろ！早くしろ！ほら。
おいやれ！
（銃声）
（幸子の悲鳴）開けろ！開けなきゃ次はそいつの右足だ！わかったわかったわかったわかったよ…。
（男子刑務官）ああ…痛ぇ…！
（男子刑務官のうめき声）刑務官！全員降りろ！早くしろ！ほら。
早く降りろ！ほら。
（白バイ警官）早くしろ！
（美佐）ああー！
（男子刑務官）戸崎君やめろ！戸崎…！
（春麗）やあーっ！
（美佐）あ…ああ…。
戸崎君！！
（春麗）ああーっ！
（美佐）あぁ…。
お前らよくやった！こいつは人質にとる！早く車出せ！ああ…！はぁ…やった…。
ついにやった！ハハハ…。
笑わせないでくださいよ。
君を笑わせる趣味はありませんよ。
エイプリルフールはまだまだ先ですよ。
たった今第一報が入ったところです。
行きましょう。
本当なんですか？そう言っています。
月本幸子が…。
脱獄しました。

（伊丹憲一）おめえらには関係ねえだろうが！逮捕したのは俺たちだろうが！送検したのは俺たちだろうが。
しかし女子刑務所は比較的警備が緩やかとはいえ当然ながら脱獄は容易ではありません。
また月本幸子にそのような能力があるとも思えないのですが。
（三浦信輔）牢屋破りではありません。
移送中に逃走したそうです。
移送中ってどこに？詳細はまだわからない！
（芹沢）詳細わかりましたよ！
（芹沢）詳細わかりました！何だ何だ？こりゃねとんでもない事件ですよ。
何者かが移送車を襲撃して奪っていったらしいです。
移送車ごと強奪か！？ええ。
とんでもない事件ですねぇ。
同乗してた服役囚３０３番がリーダーシップをとってたんだな？刑務官たちの証言では。
３０３番が主犯か。
月本幸子が３０３番と共謀している可能性だってある。
おおそうだ。
あるわけねえだろ！いえ可能性としてはわずかながらも現時点では否定しきれません。
ま…まあそうですけど…。
（中園照生）おいみんな秋川署に捜査本部を置く事になった！捜査員は全員ただちに拳銃を携帯して本部へ移動！
（一同）はい！
（捜査員）４８番！４８番！
（捜査員）６４番！６４番！被疑者が拳銃を発砲する恐れがあるため身柄確保が困難な場合発砲を許可する。
（一同）はい！
（伊丹）お前は何をしれーっと普通についてきてんだよ！うるせえな。
行けよ！うるせえ！
（伊丹）これこれ。
やったぁー！ハッハ…やった！うわぁ〜。
ねぇ。
えっ？これどういう事なの？あの人たちは？あんたついてるわね。
ついてる？この車に乗ったおかげで一緒に脱獄できた。
脱獄…！？こいつらはね私を助け出しに来た兵隊。
ね？
（久保）はいお嬢様。
お見事だったでしょう？褒めてあげて。
私脱獄なんてするつもりない。
私刑務所へ戻る。
ね車から降ろして。
何バカな事言ってんのよ。
せっかく自由の身になれたんじゃない。
ちゃんと勤め上げてきれいな体になってやり直したいの。
真面目なんだね。
お願いあと１年半なの。
１年半…？へえ〜そりゃよかった。
私はね６年。
あと５年と７か月もいなきゃならない。
でも出られるじゃない。
５年と７か月真面目に勤めれば罪を償える。
気が遠くなる。
青春は台なしよ！罪を犯したんでしょう？仕方ないわよ。
でもちゃんと償えばやり直せる。
これは素晴らしい事よ。
ねぇ逃げ回る人生より正々堂々と生きたほうがずっといい。
そうでしょ？そうね…。
（幸子）うっ…！？虫唾が走るのよ！あんたみたいなタイプ一番むかつく！決めた。
絶対に逃がしてあげない。
私と一緒に逃亡犯として警察のアホどもに追われましょう。
アハ…あごめんあそばせ。
（笑い）タバコある？タバコ。

（芹沢）囚人番号３０３番。
名前は吉井春麗２５歳。
（芹沢）窃盗麻薬所持など犯罪歴多数。
強盗致死で６年の服役中。
刑務所内では問題行動多発の要注意服役囚だったそうです。
それともう１人。
囚人番号９０番月本幸子３４歳。
以上です。
わかった。
外周配備班は待機拠点で検問。
何としても身柄を確保しろ！
（一同）はい！医療刑務所への移送はなぜ？持病の喘息が悪化していて入院治療が必要という事でだいぶ前から移送は決まってたらしいです。
（中園）襲撃した男たちとの関係は？まだ不明ですが吉井は「自分はもうすぐ刑務所を出るんだ」と親しい服役囚に吹聴していたという話もあります。
（中園）青梅女子刑務所へ行って詳しく調べてこい。
（伊丹・三浦）はい。
はい！要するに３０３番こと吉井春麗とその仲間の犯行にたまたま健康診断で異常が発見されて移送車に乗り合わせた幸子さんが…。
巻き込まれてしまったという事のようですねぇ。
ついてない女はどこまでいってもついてないって事ですか…。
無事だといいけど…。
（中園）石田署長検問には引っかかりませんか？
（石田署長）人員を総動員して高速の入り口と主要幹線道路はただちに検問を敷いていますが。
（飯島刑事）すでに事件発生から１時間以上。
都内にはいないかもしれませんね。
そうとは限らないと思いますよ。
（中園）あっお前たち何しに来てる！？目立つ移送車で幹線道路を走るのは極力避けるでしょうしましてや高速には乗らないでしょう。
恐らく人目につかない場所で移送車を捨て別の車両に乗り換えていると思います。
了解！移送車両発見したそうです！何…！？おいどこだ？はい。
（巡査）「偶然通りかかったところ…」乗り捨てられてます。
無人であります。
場所はどこだ！？八王子市戸吹の街道沿いの脇道です！
（飯島）向かいます！
（石田）おう。
おい行くぞ！
（一同）はい！うまくやれば検問にかける事も可能かもしれません。
（中園）何？どうやるんですか？襲撃地点から移送車を乗り捨てた場所まで幹線道路を使っていなければ…。
５０分以上かかるはずです。
だとするならば車を乗り換えたばかり。
一か八かエリアを絞り込んで検問を集中させるんです。
そんな危険な賭けです。
でも今のまま幹線道路張っててもどうせ引っかからないと思いますよ。
しかしこういう場合は主要幹線道路を塞いでおくのが…。
都心方面へ向かったと想定しましょう。
思い切って国道のポイントは捨てて細かい裏道を塞ぐんです。
ここここここここ…。
これでいかがでしょう？参事官！お前の指示に従うわけじゃないぞ…。
私もこう考えてた！もちろんそうでしょう。
よーし大至急配置換えだ！おい！了解！みんな集まれ！
（一同）はい！早く着替えなよ。
いろいろ用意してくれてるよ。
センスはイマイチだけど。
頭悪い。
（春麗）え…？逃げ切れるはずない。
もうとっくに警察が検問を張り巡らしてる。
余計な心配しなくていいから。
計画がずさんすぎる。
念入りに準備してもうまくいかないものなのに。
知ったふうな事言わないでくれる？横領？脱税？どうせそんなところだろう。
私の罪状教えてあげようか？強盗致死。
怖いものなんか何もない。
どんな手段を使っても絶対逃げ切ってみせる！ああ…。
逃げるって…どこに逃げるって言うのよ。
私の国よ。
着替えろよ。
痛っ…。
検問の配置変更すべて終わりました！あとは運を天に任せましょう。
引っかかるといいですね。
本当にいいんですか？私は主要幹線道路を塞いでおくべきだと思います。
だいたいこの人たちは何なんですか！？この捜査の担当じゃないはず。
元に戻すべきです！フン…どう？９０番。
検問になんか一度も引っかからない。
警察がやる事なんかお見通しなのよ。
（久保）おいそこ脇に入るんだぞ。
（市川隆夫）わかってる。
（笛の音）おいどうした？検問やってるぞ！あぁ？何でこんなとこで！？知るか！引き返す！後ろに車がつきやがった！えっ！？突破しろ！こっちには人質がいるんだ。
（久保）いいかおとなしくしてろよ！
（春麗）９０番！余計な事するんじゃないよ。
いいかお前らバレたら構わず警官を撃って強行突破だ！セオリーを無視してもし裏目に出たら参事官の責任問題にもなりかねないかと。
ましてや部外者の意見を取り入れてとなったら…。
とにかく私は忠告いたしました。
ご苦労さんでした。
はい次！配置を元に戻すぞ！ちょっと…参事官！もうしばらく様子を見たほうが得策かと。
うるさい！ここの指揮官は私だ！おい！もう一度検問を敷き直すぞ！ちょっと待ってくださいよ。
いいから。
早く集まれ！いいか主要の幹線道路に検問を元に戻すんだ。
先ほどの形だ。
右京さん。
はいありがとうございます。
ご苦労さんでした。
どうぞ。
はい次！はいこんにちは。
ありがとうございました。
次！こんにちは。
免許証拝見できますか？
（市川）はい。
後ろのドア開けてもらってもいいすかね？
（市川）え…？あちょっと待って。
はい。
（無線）「ＰＳからマル検滝山２区」「滝山２区は現拠点より甲州街道方面に拠点移動を願います」了解しました！検問解除！拠点移動だ！失礼します。
急げ！ついてる。
ハハハ…。
やっぱりそうだ。
あんたがついてるんだよ。
あんたのツキもう少し使わせてもらうよ。
（春麗の笑い声）もはや検問にはかからないでしょう。
別の手がかりを探しましょう。
どこに行くんですか？とりあえず乗り捨てられた移送車を見に行きましょう。
はい！どうも。
（米沢守）あどうも。
（米沢）とんでもない事になりましたねぇ。
何か見つかりました？指紋毛髪タバコの吸い殻その他いろいろありますが興味深いのは…。
血痕ですね。
（米沢）ええ。
暴行を加えられた？
（米沢）でしょうね。
状況から考えて人質になっている女子刑務官か幸子さんのものでしょうね。
（米沢）どちらの血液かはすぐにわかると思います。
お願いします。
米沢さん血液はできるだけ採取してください。
調べてもらいたい事があります。
わかりました。
（春麗）どこに向かってる？成田から台湾に飛ぶんじゃないのか？台湾！？偽造パスで日本の空港を出られると思ってるの？お前に訊いてない。
答えろ。
羽田沖のほうのビルである方がお待ちです。
パパ…？父は日本に来てるのか？ええ。
（せき）ちょっと大丈夫ですか？
（幸子）大丈夫ですか？あ…ちょっと。
もうこの人降ろしてあげて。
バカ言うなよ。
こいつは私たちの行き先を聞いたかもしれない。
気絶してて聞いちゃいないわよ。
人質なら私１人いれば十分でしょう。
勝手に人質にならないでくれる？あんたは私と同じ脱獄囚。
共犯者が人質になれるはずないだろう！
（せき込み）
（久保）大丈夫ですか？
（春麗のせき込み）
（久保）ちょっと…お嬢様大丈夫ですか？
（春麗のせき込み）
（久保）おいポリボックスだ！
（久保）お…おいおい！あっ…！？
（警察官）大丈夫ですか？大丈夫ですか！？
（ため息）
（久保）てめえ何しやがる！？この野郎！
（久保）おいこの車もうやべえぞ。
もうすぐ着く！
（春麗）９０番てめえ…。
（春麗のせき込み）
（市川）どうぞ。
（春麗）ここか？父がいるのは。

（春麗）父はどこだ？
（市川）もうじきいらっしゃいますよ。
（久保）時間にルーズな方ですから。
（幸子）ああ…！あなたのお父さんって何者なの？教えてあげようか。
（中園）台湾のマフィア！？はい。
吉井春麗が刑務所内で吹聴していた内容です。
父親は台湾のマフィアのボスで自分を刑務所から助け出しに来ると。
おい本当にマフィアのボスなのか！？またかよ！うっとうしいなお前。
今三浦さんが調べてますが父親が台湾人なのは事実です。
では春麗も台湾生まれですか？はい１２歳の時に両親が離婚してで母親の母国である日本に来ています。
だが母親はすぐに病死して親戚をたらい回しにされています。
そのうち悪い連中とつるむようになって。
犯罪の道へってやつか。
この国に来てから嫌な事ばっかり。
だからね父に手紙を書いたの。
刑務所から助け出してほしいって何通も。
そんな内容検閲で墨引かれるわ。
それでも内容は伝わるわ。
ついに４日前父から手紙が来た。
で４日前に台湾から届いた手紙がこれです。
敵は台湾マフィアかよ…。
やり方が問答無用なわけだ。
台湾への高飛びが目的でしょうねぇ。
偽造パスポートで日本の空港を通過できるとも思えませんが。
船かもしれませんしそもそも移送車を強奪するような非常識な連中ですから何をするかわかりませんよ。
あんたも台湾に連れていってあげてもいいのよ。
私はいい…。
いい所なのに…。
日本なんかよりずっと。
（三浦）台湾の当局と連絡取れました。
え〜吉井春麗の父親は周文健といって確かに台湾の裏社会にいる人物です。
しかも現在日本に来てます。
日本に…！？
（伊丹）間違いなくこいつが今回の黒幕だな。
住所はわかるか？あ住所ここです。
行ってみます！おい！おう！はい！
（三浦）頼むぞ。
右京さん俺たちも！あ…どうかしました？三浦さん。
はい。
春麗の父親が日本に入国したのはいつでしょう？えーっと約１か月前ですね。
しかし４日前に彼から届いた手紙の消印は台湾です。
（一同）えっ…！？これはどういう事でしょう？それに墨の引き方ですが…。
「お前自身が心配だ。
待っていてくれ」「パパが必ず助け出してやる」「約束する。
もうすぐチャンスが来る」あ…！？刑務所の検閲がこのようなずさんな墨の引き方をするでしょうか？まるで重要な文面だけをわざと読み取らせようとしているかに見えます。
右京さんどういう事なんですか？警視庁へ戻りましょう。
はい！
（久保）はい。
おい父はまだか？もうすぐですよ。
（市川）きっと身だしなみを整えるのに時間がかかってるんじゃないですか。
感動の親子の対面ですからねぇ。
スリーカードハハハ…。
（市川）クソッまったく…。
（米沢）あ…！お待ちしてました。
なかなか興味深い事がわかりましたよ。
襲撃した二人組が乗り捨てた白バイからいくつか指紋が取れたんですがその中の１つが前科者の指紋と一致しまして。
「市川隆夫」…台湾マフィアとの繋がりは？一課が調べ始めてると思いますが角田課長のほうが詳しいかもしれませんね。
僕がお願いした件はいかがでしたか？移送車から採取した血液ですか。
誰の血液でした？血液型からいって月本幸子のものに間違いないでしょう。
恐らく口の中を切ったんだと思われます。
幸子さんのか…。
大したケガじゃなきゃいいんだけど。
問題なのはその血液です。
問題って？警部に指示された通り検査に回したところまったくの正常。
健康そのものの血液でした。
でも健康診断で異常数値が出たんでしょう？
（米沢）あの結果は考えにくいですね。
じゃ健康診断は誤診だったってわけですか？幸子さんが健康であった事は喜ばしい事ですがそれ以上に恐ろしい事態である可能性が高まりました。
え…？つまり何者かが幸子さんの検査結果を意図的に改ざんした可能性もあるという事です。
もしそうだとするならば…。
幸子さんは偶然ではなく計画的に移送車に乗せられたって事になる。
それが彼女自身の工作でない限り。
そしてそれは同時に刑務所内に犯人グループの内通者がいる事も意味します。
まさか…。
血液検査の結果を改ざんできる人物というと医務課の医師ですか？とは限りません。
健康診断では医師や医療助手その他に通常の刑務官も借り出されるでしょうから。
刑務所の職員全員に可能性があるという事ですねぇ。
そう考えればあの手紙のずさんな墨の引き方も理解できます。
内通者がわざと文面を春麗に読み取らせたってわけですか。
あっでもじゃあ幸子さんはなぜ？台湾マフィアはなぜ幸子さんを刑務所から連れ出す必要があったんです？恐ろしい事態である可能性とはそこです。
え…？
（ドアの開く音）すいません。
秋川署の飯島と岡と申します。
お話伺えますか？ああ…ごめんなさい。
ちょっとまだ混乱していて…。
そうですか…無理ありません。
少し時間を置いてまた来ます。
（岡刑事）何か思い出したら言ってください。
どんな細かい事でも構いませんから。
ではお大事に。

（警察官）どうしました？
（美佐）ちょっとトイレへ…。
（警察官）あ…どうぞ。
この中華屋か…？ええ。
住所は間違いありません。
よし…裏から行くぞ。
…はい。
この店にこの写真の男…。
（周文健）どうしましたか？
（伊丹）あんたマフィアのボス？え…？
（角田）はぁ…あんまり聞きたくないんだけどねお前らの頼みは。
そう言わずに。
おう市川隆夫ね。
え〜こりゃかなりのワルだなぁ。
ここ数年はおとなしくしてたみたいだが物騒な組織をいろいろ渡り歩いてやがる。
台湾と繋がってそうな組織ありますか？いえ僕が調べてほしいのは台湾マフィアとのコネクションではありません。
え？恐らく台湾マフィアは無関係だと思います。
しらばっくれるな！周文健。
お前が移送車を襲わせたんだろう！？な…何を言ってるんですか？私何も知りませんよ。
娘に刑務所から助け出すっていう手紙出したでしょう！？出してませんよ！おい嘘をつくんじゃねえよ…！嘘ついてませんよ。
手紙ちゃんとあるんですよ！巻き込まれたのは幸子さんじゃなくて吉井春麗のほう？仮に犯人グループの目的が初めから幸子さんだとしたらその可能性が高いでしょう。
春麗に来た手紙は？春麗の父親を装った何者かが書いたと考えれば説明はつきます。
父親が日本に来ている事を知らずに台湾から出したって事か。
警察の目をくらませて脱走を速やかに行うために利用したのでしょう。
じゃあ真の犯行グループは？
（ドアの開く音）
（春麗）パパ…。
（春麗）パパ！そんなまさか…！？だってあの組織は完全に壊滅したはずですよ。
しかし幹部の何人かは逮捕を逃れています。
だけど…。
確かに考えにくい事ではありますがまったくありえない事ではありません。
残りわずか１年半の刑期を待たず強行手段で彼女に復讐するという事も。
（角田）「銀友会」…こいつ銀友会にいたのか。
銀友会って…？いやちょっと待った。

（角田）やっぱりそうだ。
誰だ？お前。
ハハ…知ってて俺に抱かれてるんだと思ってたよ。
（銃声）待たせたな幸子。

（角田）こいつがいた９２年から９５年にかけて城代金融の取り立てを請け負ってる。
繋がりました…。
何てこった…。
はいはい。
ちょっと待ってください。
あ…署長参事官に電話です。
誰だ？特命係の亀山刑事です。
参事官はただ今お忙しい。
緊急と言ってますが。
特命係の電話は取り次がなくてよろしい。
はい。
大事な話なんですって！繋いでくれよ！おおあった！元・城代金融専務向島茂の現住所。
生き残った連中が根城にしてるのはここだ。
亀山君。
取り次いでくれません！仕方ありません行きましょう。
はい！
（角田）おいちょっと待て！お前ら丸腰だろう？あぁ…うちの連中連れていけ。

（春麗）９０番こいつら誰なんだ？おい９０番！
（向島）田村！この女どけろ。
（田村）はい。
（春麗）離せよ！パパが黙ってないぞ！
（田村）はいはいパパね。
マフィアのボス？すごいすごーい！ハハ…。
（春麗）ああ…！お前ら何者なんだ…？パパの部下じゃないのか！？
（田村）パパとは縁もゆかりもない日本のヤクザ屋さん。
パパから手紙が来た。
ほほう誰が書いたんだろうね？台湾からの消印があった！俺たちの昔のお友達が台湾にいたりしてヘヘヘ…。
（田村）ありがとうな。
いろいろ脱走に協力してくれて。
うれしいねぇ。
俺との再会を涙を流して喜んでくれるなんて。
俺も会いたかったよ…。
ああ…！うぅ…。
（泣き声）亀山君。
はい！
（鍵を開ける音）一気に行きましょう。
（一同）はい。
ゴー！警察だー！動くな！すでに引き払った後のようですねぇ。
クソッ！根城を変えたのでしょう。
どうだよ？うん？やっぱり銃は向けるより向けられたほうが怖いだろ？
（泣き声）
（笑い）ああ…！幸子ー！！2015/09/25(金) 16:00〜16:58
ＡＢＣテレビ１
相棒　ｓｅａｓｏｎ６[再][字]

ゲストはあの鈴木杏樹！杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)の名コンビがあらゆる難事件に挑む！

詳細情報
◇番組内容
第１１話「ついている女」
あの月本幸子（鈴木杏樹）が脱獄した！？
驚きを隠せない右京（水谷豊）と薫（寺脇康文）は早速捜査に乗り出す！
「ついてない女」と称された幸子が今度は「ついている女」として登場！
幸子に一体なにがあったのか！？
◇出演者
水谷豊・寺脇康文・鈴木砂羽・高樹沙耶（益戸育江）
鈴木杏樹・ＭＥＧＵＭＩ・潮哲也・池田政典・正城慎太郎・児玉貴志
川原和久・大谷亮介・山中崇史・山西惇・六角精児・小野了

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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