僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
「それ」とはゆがみのない真理。
明快で合理的な思考。
考えを伝えるための強力な武器。
今こそ手に入れよう。
第16話…
(手を打つ音)
(マリア)ネコにエサ…タネいいとこあるんだね。
話の流れはこれでいいんじゃない?
(圭次)でしょ。
タネの意外な一面も見せられるし物語も動き出したし。
(溝口)それはそうね。
だけど…。
(4人)溝口先生。
セリフの中に事実と考えがごちゃごちゃに入ってるわね。
冷静に考えを進めたい時にはそれは危険だわ。
どこがですか?どこだと思う?事実と考えが入り交じっている…。
あっひょっとしてアジオのセリフ「生き残った僕たちは3人とも2000年の2月29日生まれ。
それが生き残ったことに関係している」ってところ?
(来緋)あとタネが「新宿には誰もいなかった」って報告するセリフも少し違和感があった。
うっそ〜…。
(ノーノ)事実か自分の考えか?そう。
そして自分の考えには推測と意見がある。
事実か推測か意見か。
もっと詳しく説明しましょう。
ついてらっしゃい。
うわ〜漫画描いてる!すてき。
事実推測意見をきちんと区別する。
例えばこんなシチュエーション。
もちろんこれは客観的事実じゃないわ。
事実というのは客観的で確かな事。
それに対して推測はまだ確かではない事。
そして意見は主観的で個人的な事。
今のセリフで事実推測意見を区別してごらんなさい。
「客は入らない」っていうのは推測かな。
そう。
「客は入らない」というのはまだ確かな事ではないわね。
「ダサい店ができた」っていうのは事実でしょ?ダサいかダサくないかは人による気がするな。
女子と男子でも趣味って全然違うからさ。
そう言われると客観的な事実とは言えないか…。
これは主観的な意見ね。
じゃあ事実が一つもない。
…ん?でも「駅前に店ができた」っていうのは事実?そうそのとおり。
「駅前にダサい店ができた」というセリフの中には事実と個人的な意見が交ざっていたんだね。
ではこれはどうかしら。
では検証してみましょう。
「成績が悪い」っていうのは事実なんでしょ?事実ですよ…。
「演劇に夢中」なのも事実だよね。
でも「演劇が非常識」っていうのはこのお母さんの個人的な意見にすぎないよね!推測はどう?特に見当たらないけど…。
そうかしら。
あっそうか。
「成績が悪い」と「演劇に夢中」は事実。
だけどその2つに因果関係があるというのは推測だ。
演劇に夢中な事が成績が悪い原因とは言い切れないって事は「だからよ」のとこが推測なんだね。
事実は客観的に確かな事。
だけど考えはまだ不確かな推測だったり人によって意見が違ったりする。
だから事実と考えを区別してさらに何を考えて話し合っていくべきかハッキリさせる事が必要なの。
事実と考えがごちゃごちゃになっていると次に何を考えればいいのか分からなくなってしまうんだね。
ではあなたの台本に戻りましょう。
2000年の2月29日生まれだから生き残ったってこれはまだ推測なのに事実みたいに言っちゃってるよね。
ではどうすればいいかしら?…ってふうに変えるってどうかな?いいわね。
じゃあタネのセリフは?タネが新宿で生存者を見つけられなかったのは事実。
しかし新宿を全部調べた訳ではないから誰もいないというのはまだ推測にすぎない。
(ノーノ)それに「イヤな」とか「うるさい」とか「いい感じ」とか自分の意見が交ざり過ぎてるよね。
それなら「新宿では誰も見かけなかった。
もう誰もいないのかもしれない」っていうのはどう?「新宿では誰も見かけなかった」は事実。
「もう誰もいないのかもしれない」は推測。
ハッキリと分けて「かもしれない」で推測である事を明確にさせるって訳だ。
あとタネのセリフもだっけ。
ネコがおなかをすかせているかどうかはあくまでタネの推測なのにまるで事実みたいに言ってる。
正すなら「ネコが寄ってきたからお昼を分けてあげたんだ。
かわいかったしおなかがすいているように見えたんだ」って分ければいいんじゃない?でもどうしてカラスはいなくなったのにネコは生き残ってるの?変じゃない?変じゃないんだ。
実はそれはこの物語を読み解く鍵なんだよ。
何かそれ面白い!新たな謎が現れてこれから楽しみ!だけど事実と推測と意見って今まであまり区別してなかったかも。
自分の考えにすぎないのにまるで客観的で確かな事実のようにして押しつけてくる人っているよね。
いるいる。
事実を述べているふりをして自分の考えを押しつけてきたり事実の中にさりげなく自分の考えを忍び込ませたりするのは世間の常とう手段。
だまされてはいけないわ。
それを見破るのも「ロンリのちから」。
(アリス)ねえウサギさん何で自分の考えをまるで事実のように言う人がいるのかしら。
(ウサギ)そりゃああれだよ。
な〜に?根拠を言いたくないからだろ。
根拠って推測や意見の根っこだったよね。
「見せかけの根拠」でやったね。
そうだ!何でそう考えるのかしっかりとした根拠を言わなくちゃいけないんだった!そういう事。
でも事実なら「これは事実であ〜る」でおしまいにできるからね。
ずるいわね。
(チェシャ猫)ずるくなんかないぞ。
あっチェシャ猫。
不思議の国では考えた事が事実になるんだ。
だから考えと事実は同じなのさ。
そんなのでたらめだよ!ありえない!あっ。
アリス逃げよう。
どうしたの?チェシャ猫が僕たちを頭からがりがりかじるって考えちゃったんだよ。
それは事実になっちゃ嫌〜!2015/09/24(木) 23:45〜23:55
NHKEテレ1大阪
ロンリのちから・選「事実・推測・意見」[字]
議論をしているときに、事実と推測と意見が入り混じってしまうことがある。論理的に話し合うためには、何が事実で、何が個人の考えなのか、はっきりさせることが重要だ。
詳細情報
番組内容
議論をしているときに、事実と推測と意見が入り混じってしまうことがある。論理的に話し合うためには、それをはっきり区別しなくてはいけない。事実は客観的で確かなこと、推測はまだ確かではないこと、意見は主観的なこと。事実を述べているふりをして自分の考えを押しつけてきたり、事実の中にさりげなく自分の意見を忍び込ませたりするのは世間ではよくあること。しっかり見極めて、だまされないようにしよう。
出演者
【出演】緒川たまき,水石亜飛夢,阿久圭介,高橋春織,田中美海
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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