癒し屋キリコの約束 #39【正直すぎる営業課長】 2015.09.24


(伝助)昭和堂の立てこもり男。
あいつはヤバいぜ。
えっ?
(谷下田)暑い。
耐えられん。
即刻冷房を買ってこい!
(伝助)あんな男全然怖くないって?分かってねえな奥さん。
ああいうやつが一番怖いんだよ。
えっ?こうなったらお前ら皆殺しだ!まあ俺がいりゃあ何とかしてやんのにさ。
えっ?ぐっ。
水。
水持ってきて…。
(キリコ)喉からっからなんじゃないの?
(キリコ)喉潤すにはビールの方がいいと思うけど?
(谷下田)いらんと言ったはずだ。
油断ならない女だな。
おい。
でかいの。
お前の魂胆は分かってるぞ。
(キリコ)はあ?私にビールをがぶがぶ飲ませてトイレに行かせようっていうんだろ?でその隙に私に襲い掛かろうっていうつもりだろう!
(キリコ)別に。
んなこと考えやしないわよ。
いや。
そうに違いない。
今私が欲しいものはただ一つ。
冷房だ!冷房はまだか?冷房はまだか?冷房はまだか?冷房はまだか?
(栞)お姉ちゃん。
冷房はどうした?
(キララ)団子坂のイチロ〜って人の電器屋あいにくお休みで。
はっ?他に店はないのか?
(清助)ないんだよねこれが。
上野まで行かないとさ。
(谷下田)じゃあそのイチロ〜の店のドアをたたいてたたいて電話して電話して冷房を届けさせろ!
(キララ)それがイチロ〜一家温泉旅行行っちゃったみたいで。
温泉旅行!?ふざけんな!自慢じゃないが私は営業職拝命中一度として家族旅行なんかしたことはない。
日曜や祝日も。
盆や正月だってお客さま回りにまい進していた。
それが何だ?暑さで参っている客を見捨てて電器屋が温泉旅行だと?日本人はいつからそんなに怠け者になってしまったんだ!
(キララ)駄目だこりゃ。
(清助)なあ。
ますますエスカレートしてるよ。
(せきばらい)課長さんって真面目な人なんだね。
典型的な日本人ってやつだ。
絶対に人には負けたくなくて一生懸命努力して休みも家族サービスも返上して頑張って人の数倍働いて。
だから営業第6課長にまで出世したんだよね?なのに会社は首になって奥さんは離婚届突き付けて19の娘と一緒に出てっちまった。
んではっと気が付いたら娘と同い年の女を膝の上に不格好に乗せて包丁突き付けてこんなことになっちまってる。
あんた本当に欲しいものは冷房なんかじゃないっしょ?ねえ。
何が欲しいの?あんたにとって今一番必要なものは何?そ…それは…。
まずは水だ。
動くなよ。
一息ついた?ねえ。
聞きたいな私。
あんたのこと。
(平瀬)一刻の猶予もならん。
応援を要請してる時間的余裕はな…ないとみた。
(谷下田)女だ。
女がいかんのだ。
(キララ)課長さん。
不倫しちゃってたの?
(谷下田)違う。
私はそんな不真面目な男じゃない。
生まれてこの方女房以外の女を知らないんだ。
その女房とも上司が勧めた見合いで結婚したんだ。
(キララ)その点はまさに見掛けどおりだね。
安心した。
(谷下田)だがその女のせいで私の人生はめちゃくちゃになってしまったんだ。
地震?
(谷下田)違う。
私が怒りに震えてるんだ。
悔しいんだよ。
その女のことを考えると私は。
私は…。
(谷下田)こうなったからって私を組み伏せて殴りつけたり蹴飛ばしたりしないでくれ。
分かってるって。
(谷下田)幻味堂もだぞ?
(清助)うん。
僕は決してそんなことはしないよ。
聞いてくれるか?私の話をきちんと。
聞いてあげる。
みんなで親身になって聞いてあげる。
そうか。
こんなことして悪かった。
(清助)あっ。
動きだしたね。
羽根を課長さんの方に向けてあげようね。
よっ。
(谷下田)ありがとう。
あんたたち優しいんだな。

(ドアの開く音)・
(平瀬)フリーズ!動くな!
(敦也)動くなー!
(平瀬)女を放せ!
(谷下田)私に一歩でも近づいたらこの女を殺す。
(敦也)ぐだぐだ言ってねえで栞ちゃん放せ!でねえとてめえぶっ殺すぞ。
(気合)
(平瀬)ちょっ…。
待て待て…。
一般市民は手を出すな。
ここは本官が。
ちょっと本官が…。
あっ。
あちゃー。
入道さん。
あっ。
(平瀬)あっ?
(谷下田)私は本気だ。
業界では正直過ぎる営業課長で通っていた男だ。
やると言ったことは必ずやる。
(平瀬)ちょっと待て。
正直なのは大変に結構だがな今なら全て未遂で済むんだ。
ドアには鍵が掛かってなかったから。
監禁は未遂。
(平瀬)うん。
その子も傷つけてないから。
傷害罪は適用されずそれも未遂。
後はコーヒー代をきちんと払えば無銭飲食にもならないで済む。
(平瀬)うん。
そのとおり。
それからな…。
(谷下田)うーん。
ごちゃごちゃうるさいんだよ!
(一同)あっ。
おおー。
(谷下田)うわ。
暑っ!私を焼き殺すつもりか!
(清助)まずい。
温風出ちゃった。
(谷下田)おい。
幻味堂。
(清助)えっ?
(谷下田)お前何か細工したな?
(清助)そんなことしてねえって。
やはりお前らを信用しようとした私がバカだった。
えっ?もう金輪際お前らのことは信じないからな!もうお巡りさん。
最悪なタイミングで飛び込んできたわね。
待て。
すぐその女の子放せ。
悪いことは言わん。
これ以上罪を重ねるな。
来るな!来るな来るな!この暑さもこの不景気も私が首になったのもみんなみんな警察のせいだ!
(平瀬)そんな無茶振りしなくてもいいだろう。
栞ちゃんを救うためにもこの際抵抗しない方が。
ねっ?
(谷下田)そうだ。
無駄な抵抗はやめろ。
(平瀬)う…うん。
そうだな。
あんたの言うとおりだ。
全て警察が悪いんだ。
(谷下田)だろう?
(平瀬)うん。
(谷下田)なら留置場に入ってろ。
(平瀬)えっ?おい。
でかいの。
ここには地下室があるそうだな。
まああるけど。
(谷下田)そこにこのお巡りと気絶しちまったうどの大木を閉じ込めろ。
えっ?いや。
いや。
それは…。
死体が塗り込められてるっていう地下室を捜索するチャンスかも。
おい!言うことを聞かないと…。
お巡りさん。
お願い。
言うこと聞いて。
(平瀬)分かった。
市民を守るのが警察の役目だ。
この際残念ながら従おう。
キリコさん。
地下室への入り口は?あそこだけど。
(平瀬)うん。
本官はおとなしく従うがなこれは決して敗北したのではない。
市民を守るための粛々とした措置だ。
うん。
おい。
しっかりしろ。
おい。
しっかりしろ。
おい。
ちょっと。
(平瀬)おい。
おい。
もう。
(一同)ああー。
(平瀬)おい。
大丈夫か?おい。
よし。
(平瀬)しっかりしろ。
おい。
起きろって。
ああー。
よしよし。
こっちこっち。
(平瀬)こっち来い。
こっち来い。
何してるんだ?つかまれつかまれつかまれ。
こっちだ。
こっちこっちこっち。
よし。
よし。
(平瀬)よし。
気を付けろ。
ちょっとおい。
しっかりしろ。
(平瀬)気を付けろ。
よいしょ。
ああー。
あっ。
ああー。
あっ?ああー。
じゃあね。
バイバイ。
(谷下田)鍵を掛けろ。
えっ?もう。
(千香)ほら。
こんなパイ作ってみたから差し入れ。
(清助)バッ…。
(千香)どうしたの?ムッシュ清助。
そんな固まっちゃって。
(清助)あっあっ…。
嫌ーっ!あら。
もうみんな見てられないわね。
地下室。
うん?
(谷下田)その女と幻味堂も地下室に閉じ込めろ。
えーっ?即刻閉じ込めろ!はーい。
じゃあね。
おとなしくしててね。
仲良くするのよ。
フフフ。

(鍵の締まる音)
(千香)どうなっちゃってんのよ?清ちゃん。
(清助)世の中は予想しないことが次々と起こる。
現代とはまさにそういう時代なのである。
(千香)それ誰が言ったの?
(清助)ゆうべ母ちゃんが。
(千香)えっ?あのおばさんがそんな小難しいことを?
(清助)いや。
僕もそう思って見てたんだけど新聞を声出して読んでるだけだった。
ハハハ。

(たたく音)
(千香)えっ?
(平瀬)死体だ。
死体だ。
ここには必ず死体が埋まってる。
うあっ。
あっ。
あっ。
よし。
えい。
(千香)何?何?何?・
(たたく音)女を呼べ。
(キララ)あんたの他は女ばっかじゃん。
(谷下田)違う。
あの女を呼べ。
はいはい。
どこのホステス?
(谷下田)バカ野郎。
あの女だ。
後藤だ。
後藤妙子だ。
(キララ)誰?それ。
(谷下田)私を首に追い込み私の人生をめちゃくちゃにした女だ。
おい。
私の胸ポケットから紙を取れ。
(谷下田)住所なら分かってる。
ここだ。
(栞)後藤妙子。
台東区谷中9丁目23番地。
フェアリーマンション703号室。
(キララ)ここの近くじゃん。
携帯番号は?
(谷下田)知らん。
おい。
けばいの。
今すぐ呼んでこい。
(キララ)えっ?また私?
(谷下田)つべこべ言うな。
おい。
おい。
どこに電話するんだ?そのマンションなら近くに知り合いが住んでるからその人に連れてきてもらった方が時間が省けるっしょ?
(谷下田)信用できるやつなのか?まさか警察?私がこの世の中で一番信用してるやつ。
(呼び出し音)
(涼)ああ。
キリコさん。
(涼)えっ?女を一人連れてきてほしい?うん。
(平瀬)あっ。
あっ。
あっ…。
うっ。
(清助)あのう。
もしもし。
(平瀬)うっ。
うっ。
おっ。
ヘヘヘ…。
(清助)駄目だ。
うちの父ちゃん状態になってる。
(千香)えっ?
(清助)いったん猫まんじゅうを作りだしたら火事になろうが地震が起きようが…。
(太郎)《見とけよ清助。
一子相伝の技だぞ》・
(平瀬)ウハハ。
(太郎)《一子相伝の技だぞ。
この腰の動きだ》《見とけよ清助》
(平瀬)うーん!ああーっ!アハハ!まだか?まだか?
(キララ)んなこと言ったって新しい冷房はまだどこにも頼んでないけど。
(谷下田)違う。
今や冷房なんぞはどうだっていい。
後藤妙子はまだか?後藤妙子はまだか?後藤妙子はまだか?
(後藤)人助けだってどういうわけ?
(涼)俺にもどういうことか分かんないっす。
(谷下田)後藤はまだか?後藤はまだか?後藤はまだか?後藤はまだか?後藤はまだか?・
(駆ける足音)
(後藤)えっ?谷下田課長!?ハハッ。
灼熱地獄へようこそ。
(後藤)これはいったい?キララちゃん。
(キララ)えっ?あっ。
カリンさん。
(谷下田)お前ら知り合いなのか?
(キララ)あっ。
まあね。
(谷下田)どういう知り合いだ?
(キララ)いや。
まあいいじゃん。
座れ。
ここに座れ!でないと…。
(栞)えっ?えーっ?
(涼)おとなしく言うこと聞いといた方がよさそうだね。
どうぞ。
この女のせいで私は会社を首になりよわい46にして情けないことにプータローになっちまったんだ。
私の人生をめちゃくちゃにしたのはこの女だ!課長さん。
ひとつ忘れてない?奥さんそんなあんたに愛想尽かして19になる娘連れて出てっちゃったんっしょ?そうだった。
肝心なことを忘れてた。
おい。
後藤妙子!
(後藤)それも私のせいですか?
(谷下田)そうだ!
(後藤)どうして?
(谷下田)お前が私を首にしろと会社にねじ込んだからだ!
(後藤)それと課長の離婚とは関係ないんじゃ…。
(谷下田)ある!大いにある。
(後藤)そ…そうかなぁ?
(涼)あの2人不倫関係か何か?
(キララ)ううん。
そうじゃないみたいだけど。
(谷下田)つべこべ言うな。
妻と娘が出ていったのもそれもこれも全部。
後藤妙子。
お前のせいだ!ちょっと待った。
課長さん。
さっき言ってたよね?《私が会社を首になった途端待ってましたとばかりに離婚届だよ》《定年まで待たなくてよかった》《よかったよかったって小躍りしてさ!》ってことはさ少なくとも離婚に関してはこの後藤妙子さん?関係ないんじゃないの?
(谷下田)うるさい。
部外者は口を挟むな。
そうはいかない。
あんたが課長さんなら私はこの店のオーナーさんだ。
人質事件だか立てこもり事件だか籠城事件だか知らないけどこのとてつもなく不条理な現状を解決に導く責任がある。
世の中乱れに乱れて殺伐としてる。
でも人々は。
課長さん。
あんたが言うように何事もないように太平楽に日々を過ごしてる。
でしょ?だが一方でそんな現状を憂い悩み心痛めてる人もまた数多い。
ここはそういう人たちを救い手助けをする場所。
この大昭和御霊神社におさい銭を捧げてお願い事をするとあーら不思議。
心がどんどん軽くなる。
フフッ。
ともかくさ神様の代わりにこの不肖キリコが課長さん。
あんたがどうしてこんなふうになっちゃったのかじっくり聞いてさしあげようじゃないの。
(平瀬)うっ。
ウハハ!もう少しで壁が崩れるぞ。
死体は。
死体はまだか?
(千香)清ちゃん。
(清助)千香。
(清助・千香)ああーっ。
(平瀬)うわーっ。
ああーっ。
(清助)おっ!?
(千香)キャー!怖いよ。
怖いよ。
怖い。
(平瀬)あっ。
開いた。
開いた。
死体。
死体。
死体。
(谷下田)後藤妙子。
私はな最初お前を派遣で来た時給何ぼのかわいそうな婦女子だと思って色々目をかけてやったんだ。
なのにお前の正体は首切り要員を品定めするためのコンサルタントだった。
おかげで営業第6課は解散。
私はリストラ部屋に押し込められ3カ月たったら…。
無情にも有無もいわせず退職勧告。
そうだ。
私はまだ46だぞ。
46で会社を放り出されたんだ。
お前みたいな女がちょこまか動き回ったからだ。
後藤妙子。
お前は労働者の敵だ!首をはねる殺し屋だ!
(後藤)そう思われても仕方ないかも。
でもね谷下田課長。
私も犠牲者の一人なんです。
(谷下田)言い逃れをするな!
(カッキー)暑い。
(カッキー)
東京はハワイより暑い
私が昭和堂に到着するまであと1時間半
あの女自分も犠牲者だって言ってたな。
会社から男を追い出した後いったい何があったんだ?キリコのやつこの事件を丸く収められんのか?いよいよあしたは最終回。
見逃すなよ。
2015/09/24(木) 13:25〜13:55
関西テレビ1
癒し屋キリコの約束 #39[字][デ]【正直すぎる営業課長】

ついに最終週!キリコ(遼河はるひ)の店にサラリーマン風男性・谷下田(ドランクドラゴン・塚地武雅)やナゾの女性・小島(南海キャンディーズ・山崎静代)らが続々登場!

詳細情報
番組内容
 純喫茶・昭和堂で栞(吉原茉依香)を人質に、エアコンを買って来るよう要求している谷下田(ドランクドラゴン・塚地武雅)。キリコ(遼河はるひ)は課長にまで出世しながら会社をクビになり、妻子が出て行ってしまった谷下田の荒れた心に寄り添うようにして、癒しの正攻法で彼を落ち着かせようとする。
番組内容2
 次第に落ち着いてきた谷下田が栞を解放しようとしたその瞬間、騒ぎを聞きつけた平瀬巡査(小宮孝泰)の乱入により、癒されかけた谷下田は再び心を閉ざしてしまう。
 谷下田は「もう誰のことも信用しないぞ」と叫ぶと、自分がリストラされたことも何もかもすべてはあの女のせいだ、女を呼んで来いとまくしたてる。涼(戸塚祥太)に連れられてやってきたのは、谷下田と同じ職場で働く女性だった。
番組内容3
「私の人生を滅茶苦茶にしたのは、この女だ!」と詰め寄る谷下田に、私も犠牲者のひとりなんです、と語る女。そんなふたりを前にキリコは、じっくり聞いて差し上げようじゃないの!とデンと構えると…。
出演者
有村霧子:遼河はるひ 
柿崎照美:前田亜季 
上山 涼:戸塚祥太(A.B.C−Z) 
小出清助:長谷川朝晴 
都幾川敦也:小林正寛 
キララ:中山来未 
本城 栞:吉原茉依香 
小笠原千香:月船さらら ほか
スタッフ
【原作】
森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎文庫)
【脚本】
佐伯俊道 
【演出】
星田良子 
【プロデュース】
市野直親(東海テレビ) 
高橋萬彦(共同テレビ)
【音楽】
森英治 
【主題歌】
「Thank You For The Music」ラストヒロイン(中山来未)(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
【制作・著作】
共同テレビ
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
http://tokai−tv.com/iyashiya_kiriko/
【昼ドラ公式ツイッターアカウント】
@hirudoraTokaitv
【LINEアカウント】
@hirudora
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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