(真壁有希子)私は夫を急に亡くしました。
(真壁則行)僕のお父さんってなんで死んじゃったの?殺されたの。
(則行)犯人は?いつかお母さんが捕まえる。
(梶山勝利)彼女はまだ旦那の事を諦めていないようです。
(小石川春夫)隠蔽さ。
あの人が情報漏えいしたために提供先に殺されたらしい。
恥になるから他言するなって言われて今まで黙ってた。
でも仕組まれた事だったんじゃないかな。
いつも敬服しているよ。
(郷原政直)私は真相をしっかりと作るためにキントリを作ったんだよ。
(真田正巳)真壁さんってひょっとして未亡人?
(小石川)真田は信じてはいけない男だ。
真壁匡ってもしかしてあんたの旦那?彼とは何かと縁があってね。
どういう意味?
(真田)警察はあんたたちみたいな刑事だけじゃない。
警視庁の威信を守るんだ。
(真田)警察権力は強大だ。
人を変える。
(郷原)全ては正義のためだ。
(小石川)真田はかつて私の部下に近付いて情報漏えいをさせた。
真田はそれをネタに部下を脅してきた。
以来あいつの言いなりになって情報源となり続けた。
何を言われたか知らないがあいつとは関わるな。
さもないと君も当時の私の部下のように全てを食い尽くされてしまう。
必ず来ると思ってた。
何?
(真田)覚えて。
そこにいる人が僕の取材手帳を持ってる。
行って見せてもらうといい。
取材手帳?何が書いてあるの?あんたの旦那の事について人生を変えるような真実がそこに書いてある。
(電話)
(嘉納肇)はい毎度。
仁蘭です。
あの真田正巳さんに番号を伺ったんですが。
申し訳ありませんお客さん。
今ちょっと手が離せないんであとでかけ直します。
はい失礼します。
(嘉納)はいお待ちどおさまです。
(小石川)ありがとう。
嘉納。
はい。
よかったなここまでやり直す事が出来て。
小石川さんのおかげです。
いやお前が頑張ったんだ。
(扉が開く音)
(扉が開く音)はいいらっしゃい。
あんたさっきの電話の?はじめまして。
真壁と申します。
真壁…。
8年前に亡くなった真壁匡の家内です。
あなたが真田さんから取材手帳を預かってると聞きました。
そう。
失礼ですがあなたは誰ですか?誰って…ただの調理人だよ。
今表で小石川さんを見ました。
私も夫と同じく警察官です。
現在小石川さんと同じキントリ班におります。
知ってるよ。
あんたは旦那が死んだあと国立署の強行犯係を経て特殊班勤務。
そして今年からキントリに移った。
嘉納っていう。
俺も元お仲間だ。
嘉納さんって小石川さんの部下だった?どういう事ですか?あなたは真田にはめられて警視庁を追われたんですよね。
それがどうして彼の手帳を?せめてもの詫びにって渡されたんだ。
もし金に困ったら出版社に売れるからな。
拝見出来ますか?持ってない。
え?ここを借りる時情報屋に売ったんだよ。
大した金にはならなかったけどな。
嘘よ。
嘘じゃないよ。
嘘ね。
あなたがその手帳を手放すはずがない。
自分を退職に追いやった手帳よ。
下手に投げ出せば命を狙われる情報もあったはず。
真田もそれをわかっててあなたに預けたんじゃないの?さすがだね。
小石川さんがあんたの事褒めてたよ。
経験もセオリーも大した事はないが対象に切り込む力があるって。
でも売ったものは売ったんだ。
ここにはない。
じゃあ捜させてもらいます。
お前何やってんだ。
なんなら住居侵入で訴えて。
(嘉納)おい!よせ!寒いな。
腹減った。
いらっしゃい。
どうぞ。
あっ…!お取り込み中ですか?すいません。
すぐ用意します。
なんのつもりだ?夫は捜査情報漏えいで暴力団に殺された事になってる。
だから警視庁内でも夫の死に触れるのはタブー。
でも私は夫を信じてる。
本当の事が知りたいの。
手帳を見せて。
本当にここにはない。
明日用意する。
4時に裏の公園に来てくれ。
だましたら私地獄まで追いかけるわよ。
有給休暇?今うちに事件ないし休みも取ってなかったからいいでしょ。
体調でも悪いのか?ううん。
家族サービスをたまにはしたいだけ。
これでも子持ちのおかんですから。
わかった。
何日欲しい?3日。
いいだろう。
恩に着る。
何よ?気味悪いな。
「恩に着る」なんて言われると。
あらこう見えていつも優秀な管理官には感謝してるのよ。
今日は素直にその気持ちをお伝えしただけ。
へえそいつは全く知らなかったね。
鈍いんじゃない。
こんなに直情径行でストレートな人間なのに。
皆さん私がいなくなったらキントリは回らないでしょうね。
不安もおありでしょうがおやじパワーで頑張ってください。
ルーン!
(中田善次郎)「ルーン!」って…。
やけにご機嫌そうですね。
(菱本進)もしや男と旅行か?アハハハ…。
ならいいですけどね。
まさかそんな事はないでしょう。
片付きすぎてますね。
待ってカイ。
待て。
(電話)
(真壁奈央)ノリ出て。
えー…。
早く出ろ!
(電話)もしもし真壁です。
もしもしノリ?帰ってたんだ。
うん。
宿題してたよ。
偉いじゃない。
ねえお姉ちゃんいる?うん。
「代わって」お母さん。
今無理。
何?今お姉ちゃんごはん作ってる。
そう。
じゃあ伝えて。
大事な仕事で帰れないかもしれないけど心配しないで。
お父さんの花忘れないで。
お願いね。
やめろ!切れちゃった。
「お父さんのお花お願いね」だって。
わかってるっちゅうの。
仕事一番のくせに。
嘉納さん?嘉納さん!
(悲鳴)救急車呼びます。
お願いします。
嘉納が死んだって本当ですか?お前の二課時代の部下だったな。
私は監察官室にいた時彼の捜査情報漏えいの調査をしました。
そういう過去があるから本庁で引き取った。
やっと生活を立て直したのに。
一体誰が…。
(渡辺鉄次)ガイシャは自宅兼店舗を午前11時過ぎに出ています。
その後どこかに立ち寄って16時に現場の公園にやってきたところを刺されました。
目撃者は?おりません。
ただ気になる情報があがっています。
なんだ?早く言え。
現場でガイシャの前にひざまずき必死で名前を呼ぶ女がおりました。
がその女は所轄が到着する前に立ち去ったそうです。
女?ここから先は梶山管理官と小石川さんには退席いただきたいのですが。
どうしてだ?いえその…。
構わないよ。
予測は付いてる。
その女というのは真壁有希子ですね。
ああ。
ガイシャの上着から採取した指紋が真壁有希子の指紋と一致。
通行人の目撃証言とも一致した。
なんだって!俺は信じられません。
きっと何かがあるんだと思います。
しかし現段階ではホシに最も近い重要参考人という事になるね。
現職の警察官だ。
緊急手配のようなまねはしたくない。
この事が世間に知れる前に確保しなさい。
(渡辺・監物)はい。
(中田)菱さん。
はいすいませんすいません。
(中田)いかがですか?小石川さんショックを受けられてるでしょ。
(菱本)嘉納の事を可愛がっていたらしいからな。
(サイレン)
(アナウンサー)「東京新宿区の公園で今日午後4時頃男性が刃物のようなもので刺されて死亡しているのが見付かりました」「警察の調べによりますと死亡していたのは公園近くの中国料理店の経営者嘉納肇さんです」「嘉納さんは元警察官で退職後調理師の資格を得て開業したという事です」
(携帯電話)「警察は嘉納さんがなんらかのトラブルに巻き込まれて殺害されたものとみて捜査を進めています」
(呼び出し音)
(呼び出し音)
(菱本)おばはんが嘉納をやったってえの?そんなのあり得んだろ。
どうしてこんな事になってるんですか?春さん心当たりがあるんじゃないですか?
(小石川)今から言う事は漏らさないでください。
外部はもちろん一課内にも。
知れれば真壁が更に疑いを受けます。
わかりました。
ここだけの話にします。
先日取り調べを担当した真田を仲介に真壁は嘉納と知り合ったと考えられます。
真田?
(小石川)ご存じのように真田は表向きはジャーナリストでしたが裏社会に通じる情報屋でした。
嘉納は真田の協力者として食い物にされ警察を追われました。
恐らく今回も真田はなんらかの情報を餌に真壁に近付き嘉納に会うように言ったと考えられます。
つまり殺された嘉納はいまだに真田と関わりがあったって事か。
残念ながらそのようですね。
私はすっかり切れて立ち直ったと思っていたんですが。
しかしなんの情報ですか?真壁さんが裏社会につながる情報屋から仕入れたい情報などないと思うんですが。
管理官ご存じないですか?あなたと真壁は以前から知り合いだったんでしょ。
真壁の亡くなった亭主真壁匡は私の同期でした。
8年前彼は通り魔に殺害されました。
殉職ですか?いえ非番の日の被害でした。
(菱本)ホシは?まだ見付かっていません。
もし真壁がなんらかの情報を得ようとしたならその事件に関してではないかと思います。
まあいずれにせよ単独行動は危険だな。
とにかく手配されて捕まる前に我々の手で捜しませんか?ええ。
お願いします。
私ももう一度電話をしてみます。
(携帯電話)梶山だ。
どこにいる?なぜ辞表なんか書いた?逃げなきゃならない理由があるのか?教えてくれ真壁。
善さん菱さん。
管理官の様子が気になりませんか?
(中田)やはり同じ事を感じていたようですね。
何か我々には言えない事があるんじゃないんでしょうかね。
(菱本)だとするとおばはんは我々が思ったより大きな何かに巻き込まれてるのかもしれないな。
提案ですが真壁を捜すと同時に管理官の事も探りませんか?管理官も?もしかしたらそれが一番真壁にたどり着く早道かもしれません。
わかりました。
では管理官は私が見ますよ。
春さん菱さん真壁さんをお願いします。
(菱本)はい。
じゃあ。
(ノック)
(郷原)はい。
失礼します。
どうだ?電話に出ません。
GPSを恐れて電源を切っているんでしょう。
(郷原)君はこの事態をどう読む?真壁は嘉納をやったのか?そんなはずはありません。
じゃあなぜ姿を消してる?これは小石川さんから口止めされましたが…。
真壁は真田を介して嘉納に会いにいったと思われます。
恐らく嘉納から何か大きな情報をつかんだのではないでしょうか。
それを確かめるために逃げた。
大きな情報…。
例の件か?彼女が知りたい事は死んだ夫の事しかありません。
よくないね。
とにかく彼女が全てを知る前に確保するしかない。
手段は選ばない。
頼むよ。
はい。
ここか嘉納の店は。
ええ。
これからって時だった。
すいませんが嘉納さんのお知り合いですか?客です。
殺されたってニュース見て。
レバニラうまかったのになってな。
そうですか。
お手数ですがちょっと話聞かせてもらっていいですか。
また?迷惑かかるような事ありませんから。
(客)いやそうじゃなくて…。
ついさっき刑事さんに聞かれたばかりだから。
ついさっき?どんな事を?女の人の写真見せられて「見た事あるか?」って。
その女性というのは…。
この人ですか?そうそう。
マスターが殺された前の日に店にいたからそう答えたよ。
この人が来てた?
(客)うん。
何時頃ですか?どんな様子でした?夕方5時頃かな?なんやもめてたっちゅうか…。
もめてた?
(客)まあそんな感じ。
そうですか。
もう1つだけ。
それを聞きにきた刑事っていうのはこの人ではないですか?そうそうこの人。
1人で来た。
どうもありがとうございました。
(菱本)どうも。
(菱本)おばはん!真壁。
(監物)わかってるな。
嘉納の件で容疑がかかってる。
一緒に本庁へ来い。
俺は真壁さんが嘉納を殺したとは思っていません。
ちゃんと潔白を証明してください。
全て本庁でお話しします。
ただその前に子どもに会わせてください。
ダメだ。
お願いします。
私は警察官です。
逃げたりしません。
(菱本)おばはん信用してやってくれ。
モツさん俺からもお願いします。
15分だけだ。
ありがとうございます。
私が責任を持つ。
(小石川)なぜ忠告を聞かなかった?真田とは接触するなと言ったろ。
すいません。
亡くなったご主人の件で嘉納に会ったのか?記録では夫は警備部の情報漏えい事件を捜査中に殺害されたとなってます。
でも実は漏えいした張本人が彼で提供先に殺されたと上から言われた。
漏えいの事実は隠してやる。
そうすれば君も警察を辞めなくて済むし生活にも困らないだろうとまで。
でも夫は誰よりも正義感にあふれた人だった。
それは私が一番よくわかってる。
機密情報を漏えいするはずがない。
きっと彼は別の理由で殺された。
いつか真実を明かして夫の名誉を挽回してやる。
警察に残っていれば必ずその時がくる。
そう信じたからこそ屈辱や悔しさに耐えて仕事に打ち込んでこられた。
そしてようやく真田と出会った。
(真田)真壁匡ってもしかしてあんたの旦那?警察はあんたたちみたいな刑事だけじゃない。
え?
(真田)警察権力は強大だ。
そこにいる人が僕の取材手帳を持ってる。
(小石川)その相手が嘉納だったのか?このチャンスを逃したくなかった。
なのに彼は…。
私と出会う直前に殺されてしまった。
(小石川)それで手帳だけを抜き取って逃げたのか?どうしても真相が知りたかった。
遺体を前にしてなぜ逃げた?警察官失格だぞ。
警察官の前に不当に夫を殺された女よ。
なんで仲間を殺人容疑で確保しなきゃなんねえんだよ。
あれ?あんたおばはんの天敵じゃなかったのか?天敵ですよ。
だからこそいなくなってもらっちゃ困るんだろ。
そうですよね。
真壁さんがいないキントリは考えられませんね。
おいおい。
それは俺らに失礼だろ。
やられた!逃げられた。
は?
(監物)ナベ裏回れ!
(渡辺)はい。
(相馬)どうした?
(中田)ああ…。
ちょっと調べものを。
何を調べる必要がある?今キントリには事件はないはずだ。
はい。
殺された嘉納さんについてちょっと知りたい事がありまして。
余計な事はしなくていい。
(監物)課長。
真壁の家まで行って逃げられるとはどういう事だ!すいません。
これから逃走経路を全力で当たっていきます。
急げ!
(監物・渡辺)はい。
(監物)行こう。
(シャッター音)
(菱本)はいどうもいただきます。
お母さんから何か連絡あった?昨日電話がありましたけど。
なんか言ってた?いや特別な事は。
(則行)言ってたよ。
お父さんのお花忘れるなって。
(奈央)それいつもでしょ。
格好いいお父さんじゃない。
はい優しかったです。
(菱本)あそう。
僕は会った事も話した事もないけど。
この頃いじけちゃって。
母が犯人を逮捕したらねって父の話あんまりしないんです。
犯人を逮捕?母なりのけじめがあるらしくて。
お母さんなんかあったんですか?どうして?いや警察の仕事で家空けてるのに同僚の刑事さんが家まで来るなんて不思議でしょ。
さすが真壁刑事の娘さん。
鋭いね。
でも心配いらないよ。
お母さんに頼まれたんだ。
外回りのついでに子どもたちの様子見てきてくれって。
そうでしたか。
だったらいいです。
母に元気だって伝えてください。
はい。
(携帯電話)あ善さんだよ。
真壁さん逃げたそうですね。
こちらも管理官についてちょっとした事がわかりましたよ。
(郷原)さすがだね真壁も。
4人の刑事を巻いたとは。
申し訳ありません。
発見していながら。
でもこれで真壁が本気だという事がわかった。
仕方がない。
緊急手配しよう。
容疑は嘉納に対する重要参考人だ。
はっ。
気になるのはキントリのメンバーだ。
おかしなふたを開ける者がいないように注意しなさい。
わかっております。
我々は彼女を甘く見たようだ。
ちょうどいい機会だ。
正義を守るには大掃除しかあるまい。
はい。
(中田)真壁さんのご主人の件ですが管理官の言ってる事は事実とは思えませんね。
(菱本)じゃあ春さんがおばはん本人から聞いたとおりか。
ええ。
ご主人のお名前は真壁匡。
梶山管理官とは同期で元警備部の捜査員です。
2人とも郷原刑事部長の部下でした。
8年前に殺されているのは事実なんですよ。
警備部の情報漏えい事件。
それを捜査中に通り魔に殺害された。
何かが隠れてるな。
(中田)もちろん調べてみました。
その頃一課にいた先輩に聞いてみたんです。
お茶を濁した感じっていうか詳しい事は覚えてないって言うんですよね。
正直な人なんでどうも腑に落ちないんです。
管理官は当然事情を知ってたはずだ。
我々に何も言わなかったって事は…。
真壁も旦那の死に疑問を感じている。
そのために真田の言葉に乗って嘉納に会いにいった。
しかしその嘉納も殺されたんです。
恐らく管理官は上とつながってますね。
全て明かしたら警察全体を揺り動かす一大事になるかもしれない。
踏み込んではならない禁断の聖地。
(小石川)注文いい?
(しんじ・かやの)はい。
(かやの)なんにしましょう?
(しんじ)今日いい魚入ってますよ。
いや肉焼いてくれる?これから大事な仕事があるんだ。
どこにいるんでしょう?あいつに殺しなんか無理だ。
頑固で生意気で人使いが荒くて女忘れてるけど罪を犯せるやつじゃねえ。
そうですよね。
(監物)全くどこまで心配かけやがるんだあいつは。
梶山だ。
何度でもかける。
どこにいるんだ?事情があるなら誰にも言わない。
俺だけには連絡をくれ。
直情径行でストレートな君らしく打ち明けてくれ。
旦那が死んだ時からずっと思ってた。
力になりたいんだ。
(真田)あんたの旦那の事について人生を変えるような真実がそこに書いてある。
ここしかないと思った。
真田に会って事実が聞きたいんだろ?手配されてるのにど真ん中に来るはずないって思わなかった?君はそういう女だ。
よく知ってる。
真田に面会させてくれない?無理です。
真壁有希子あなたを嘉納肇殺害容疑における重要参考人として特別取調室へ同行します。
今回は我々キントリの一員が重要参考人です。
私が主任取調官を務めます。
(郷原)警視庁の信頼に関わります。
しっかり解明してください。
サブは?善さんお願いします。
はい了解しました。
善さん…。
では行きましょうか。
はい。
ちょっと出てきます。
仲間が仲間を取り調べるなんて見ていられない。
案外気が小さいね。
ええ。
君を取り調べる事になるとはね。
それはこっちのせりふ。
容赦はしません。
これは取り調べです。
ご存じのとおりここで供述した事は全て証拠として裁判所へ提出されます。
はい。
あなたを犯人だと断定したわけではありません。
正直に話してくれれば釈放も可能です。
あなたは嘉納の殺害現場に最初に駆け付けた。
そして彼の上着から手帳らしきものを取りその場を急いで立ち去った。
全て目撃証言がありました。
なぜそんなに焦って姿を消したんです?警察官なら到着した所轄に協力すべきだった。
また11日あなたは東京拘置所に真田を訪ねましたね。
彼は3名殺害により死刑判決を受けていたがあなたの取り調べによりパチンコ店店員向井の殺害は彼ではなく向井の妻によるものだったと判明した。
11日はその取り調べの日からわずか数日後です。
あなた一体なんのために真田に面会したんですか?同じく11日あなたは中華料理店経営の嘉納を訪ねている。
これに関しても店の客から裏が取れてます。
そして翌日彼は殺された。
嘉納は小石川刑事の部下で真田にはめられ警察を辞めています。
小石川刑事はあなたに真田は危険な男だと忠告していた。
なぜそんな男に会いにいったんです?なぜ彼と関わりのある嘉納の殺害現場にいたんです?彼から何を探ろうとしたんです?
(係員)こちらにご記入ください。
はい。
どうしても真相が知りたかった。
(小石川)遺体を前にしてなぜ逃げた?警察官失格だぞ。
警察官の前に不当に夫を殺された女よ。
春さん私を行かせて。
え?明日拘置所にいる。
きっと梶山が来るはず。
管理官をはめるのか?管理官は夫の死に関わってる。
多分部長も。
私をキントリに呼んだのもその理由かと。
それからこれ。
(小石川)「4030956501」。
メモして。
私の代わりに真田に会って数字の意味を聞いてほしい。
どうしてもわからなかった。
嘉納さんのためにも突き止めたい。
私が行かなければ彼は殺されなかったかもしれないから。
2つの事件に関わりがあるかどうかわからない。
きっとある。
本当に申し訳ないと思ってます。
君は大丈夫か?梶山は君を潰しにかかるかもしれない。
上等ですよ。
罠にわざとかかって真実をあぶり出してやる。
重要参考人が取調官を剥ぐなんて前代未聞ですよね。
ったく…。
任せて。
ただじゃ転んでも起きないから。
子どもたちを悲しませるような事はするなよ。
もちろん。
子どもたちに堂々と父親の話をしてあげたいですから。
供述を拒むつもりですか?もう少しでわかるの。
何がです?夫の死の真相。
真壁匡彼は捜査中に殺された。
他にどんな真相があるんでしょうか?あなたは私よりもっと詳しく知ってるはずです。
久しぶりですね。
なんの用です?小石川さん。
嘉納肇が殺されました。
真壁に嘉納と会うようあなたが指示したそうですね。
いやいや僕は関係ない。
塀の中です。
直接手は下してないでしょう。
ただ嘉納はあなたに振り回された結果殺された事は確かです。
8年前と同じようにね。
そして今真壁有希子が嘉納殺しの重要参考人として取り調べられています。
あなたには嘉納の事で恨みもあった。
が今は大切な協力者だと思っています。
この数字何を意味してるんですか?答えなさい。
話が脱線してしまいました。
本題に戻しましょう。
嘉納の上着から抜き取った手帳を提出してください。
あの…。
なんですか?手帳らしきものって証言にあったんですよね?それをここで手帳と言い切ってもいいんですか?恐らく手帳だと判断しました。
そうですか。
わかりました。
さあ提出してください。
あなたはそれが手帳だとわかっているのでは?いいえ。
恐らくと言ったはずですが。
それは納得出来ません。
理不尽を強要されるのは心外です。
この横暴な行為記録に残されるんですよね?手帳を出すんだ!やっぱり手帳だってわかってるんですね。
ジャーナリストは取材ネタを手帳に記す人が多い。
手帳らしきものと聞いてあなたはそれは嘉納が真田から預かった手帳に違いないと直感した。
どうしてそんなに手帳が欲しいんです?あなたにとって何か不利な事が書かれているかもしれないから?真壁落ち着いて聞いてくれ。
私?落ち着いてるわ。
取調官としてそっちに座ってる時よりずっと。
僕はもう君につらい思いをさせたくない。
あの8年前のように。
匡との約束を守りたいだけなんだ。
約束?同じ警察官としてもし自分の身に何かあった時は残った方がお互いの家族を見守ろうと誓ったんだ。
そう…。
だからいつも気にかけてくれてた。
ああ。
だからキントリに部下として呼んでくれたの?ああ。
だから夫の件を調べ直すなら頼れと言い今回も力になると言ってくれた。
嘘よ。
もうあなたの事は信じられません。
どうぞご覧になってください。
お気に召しました?こうやって改めて見ると「勝利」って立派な名前。
人生の勝利を得るようにご両親が付けたんでしょうね。
取り調べに戻ります。
だとしたら随分お喜びでしょうね息子がこんなに出世をして。
でもその陰にたくさんの犠牲があったとしたら?真壁有希子!あなたの事がわからなくなりました!夫への友情私たち家族への理解思いやり。
全て偽りだったんですね。
あなたが本当に大切にしてるものは他にあるはず。
キントリに来た私をみんなは受け止めてくれた。
本当に感謝してます。
でもあなたはそんなみんなの事も裏切ってた。
だから…。
私は最後まで諦めない。
真実をつかむまではね!警察のおじちゃんたち優しかったね。
うん。
生きてたらお父さんもあんな感じかな?そうだね。
(銃声)2015/09/24(木) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
緊急取調室[再][字]
“逃げる女”
有希子(天海祐希)は夫の死の真相を記した手帳を手に入れようとするが手帳の持ち主が殺害される!殺人現場から彼女は手帳を持って逃亡…殺人の重要参考人に
詳細情報
◇出演者
天海祐希、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、篠井英介、草刈正雄、でんでん、大杉漣、小日向文世 ほか
【ゲスト】浅野和之
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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