ドキュメント72時間 100回記念アンコール「工場閉鎖の街で」 2015.09.24


さまざまな人々の3日間を切り取ってきた「ドキュメント72時間」。
放送100回を記念して2013年放送の傑作を4夜連続でお届けします。
今夜は…ご覧下さい。
まさかと思って信用してなかったんですが…街を支え人々の誇りでもあった工場が閉鎖になると聞いてやって来た。
工場は明日で最後。
そこで働く人々や街の人たちはどんな思いを抱えているのだろう?これからどうするのだろう?3日間出会う人の声を聞いてみる事にした。
大手家電メーカーの主力工場として33年。
最盛期には4,000人以上が働きビデオカメラやゲーム機を次々と生み出してきた。
閉鎖は半年前突然発表された。
生産拠点を海外に移す中役割を終えたのだという。
中は取材を許されなかった。
閉鎖の期限は明日。
門の外で話を聞かせてくれる人を待つ事にした。
あ〜よく見えるね取材に。
最初に話しかけてきたのは通りかかった近所の女性。
(取材者)借家という事は…。
部屋を従業員に貸していたというので見せてもらう事にした。
この奥なのよ。
この車庫の上。
あ〜ら。
ばあちゃんおしっこ。
おしっこなの?よしよし。
おしっこが出てる。
お友達はどうしたの?カメラが回っとるで。
えらいこっちゃ。
隣の家の人も話に加わってくれた。
その帰り道近所の高校生が声をかけてきた。
連れてって。
家が工場に出入りする仕事をしているというのでついて行くとクリーニング屋さん。
こんにちは。
こんにちは。
今ソニーの工場をいろいろ取材しておりまして…。
ご苦労さまです。
出してきてくれたのは30年間洗い続けた工場の制服。
その最後の1着だった。
売り上げは工場が頼みだった。
閉鎖がもたらす街への影響は計り知れない。
夕方5時勤務を終えた人が出てき始めた。
すいません。
NHKの者なんですがこの工場の取材で伺ってましてひと言だけでもお話を…。
どれぐらい働いていらっしゃったんですか?この半年の間に9割以上の従業員が工場を去り最後まで出勤を続けたのは200人余り。
みんな口は重い。
30人余りに声をかけた頃…。
どれぐらい働いていらっしゃったんですか?ようやく答えが返ってきた。
夢にも思わなかった工場の閉鎖。
ほとんどの人が次の仕事をまだ見つけられていないという。
ありがとうございます。
工場閉鎖まであと21時間。
初日の撮影は終わった。
最後の出勤日となったこの日門の前の雰囲気はいつもと違っていた。
新聞テレビ各社が一斉に工場最後の日を報じようとしていた。
富士通が撤退しそれから日立が撤退し今度ここでしょう。
大変よね。
疲弊していく地域。
生産ラインは止まり今日は後片づけが中心。
出勤時間もばらけていた。
10時過ぎベテラン風の社員に会った。
エンジニアとして24年勤めてきた…今日は同僚と最後のお別れ会を開く予定らしい。
従業員の3割ほどを占める正社員の一人。
県外の別の工場に移る選択も用意されているが多くの人はまだふんぎりがついていないという。
写真を撮っている人に出会った。
こんにちは。
こんにちは。
ここで働き多くの家族が生まれた。
工場は街の人々の人生そのものでもあった。
気が付くと最後の姿を焼き付けておこうという人があちこちで写真を撮っていた。
すいませんNHKの者なんですが…。
工場から外国人風の男性が出てきた。
実は従業員の3割800人はブラジルなど海外からの契約社員だったという。
出稼ぎに来て8年になるマリオさんが向かったのはブラジル人向けの雑貨店。
チョコレートを買って同じ製造ラインの日本人たちに渡すらしい。
2つで2,000円。
慣れない仕事を支えてくれた仲間への精いっぱいの感謝。
ソニーフィニッシュ。
コドモフィニッシュ。
ママストップワーク。
フィニッシュワーク。
オカネナイ。
ムズカシイネ。
今どうですか?生活は。
タイヘンネイマ。
夕方5時半。
工場が最後の時を迎えようとしていた。
じっと工場を見つめる女性がいた。
地元岡山を出て派遣社員として職を転々とする中2年前にようやく腰を据えたのがこの工場だった。
タイでは月給10万円に満たないコールセンターの仕事に就くつもりらしい。
グローバル化が思いも寄らぬ選択を迫っていた。
ここに来るのも本当に最後ですね。
そうですね最後ですね。
最後です…。
また出てこられましたよ続々と。
皆さん荷物を持って。
いよいよ最後の瞬間。
勤務を終えた人たちが出てきた。
お疲れさまでした。
(一同)お疲れさまで〜す。
アハハ…。
花うれしいですね。
じゃあね。
お疲れさまです。
ありがとうございました。
また誘って下さいね。
またお茶でお誘いします。
ありがとうございました。
人生の掛けがえのない時を共に過ごした工場の仲間たち。
エロイ!オー!ナイストゥシーユー。
朝会った正社員の横井さんたちの集まりを訪ねた。
取材に答えたくない人がいるので終わりまで待ってほしいという。
2時間後。
誰も新しい働き口は見つかっていない。
でも不思議と会社への恨み言は出ない。
何て言ったらいいですかね…県外への配置替えを受け入れれば会社に残る事はできたけどみんな悩んだ末にそれを断ったそうだ。
待ち構えるのはいばらの道。
それでもこの土地で生きていく。
2,000人を超える皆さんが職を失うという状況になっています。
私たち労働組合はソニーに対してきちんと雇用に対する責任を果たして頂きたい。
働いてる人を路頭に迷わせる事のないように責任をきちんと果たして頂きたい。
その日の夜。
ある従業員の家族から悩みを聞いてほしいという連絡が入った。
(チャイム)あっすいません。
はいこんばんは。
工場の前で動画を撮っていたブラジル人男性のエロイさんだった。
最後の日まで工場に勤務していたという妻のジョセリンさんも一緒だった。
何か楽しそうですね本当に。
この街に来て12年。
職場にも溶け込み3年前家を買った。
住宅ローンを抱え日本で暮らし続けるか迷っているという。
失業した2人に重くのしかかるローン。
悩みはそれだけではないらしい。
生活のために16歳になる娘ディアナさんにも高校への進学を諦めてもらっている。
厳しい現実の中で人は何をよすがに一歩を踏み出すのか。
アルバイトに出ているディアナさんを交え明日これからの事を決めるという。
翌朝。
3人は既に話を始めていた。
ディアナさんは初めて日本人と外国人の仲立ちをする通訳になりたいと話した。
そのためにここで高校に入り勉強したいという。
確かな事は何もない。
でもここには家族が協力しながら歩んできた歴史がある。
改めて3人はこの日ここでふんばっていこうと心に決めた。
はい行ってらっしゃいね。
行ってらっしゃい気を付けてね。
こっちです。
行ってきます。
行ってらっしゃい。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
2015/09/24(木) 01:00〜01:26
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間 100回記念アンコール「工場閉鎖の街で」[字]

放送100回を記念して初期の傑作を4夜連続でお蔵出し。今回は2013年5月10日放送分。舞台は33年の歴史を閉じる大手メーカーの工場の門前。人々は何を思うのか。

詳細情報
番組内容
放送100回を記念して初期の傑作を4夜連続でお蔵出し。今回は2013年5月10日放送分。岐阜県の大手メーカーの工場が33年の歴史を閉じた。最盛期には4千人の従業員を抱え、ゲーム機などの商品を送り出してきたが、グローバル化の中で役割を終えた。かつての熱気を惜しむ熟練技術者、明日からの仕事を探す派遣社員。大工場の終了は地域の雰囲気も一変させる。最後の日々、人々は何を思い、どんな一歩を踏み出すのか。
出演者
【語り】仲里依紗

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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