ささやかな幸せを突如生き地獄へと突き落とす
その瞬間を今も世界中のカメラが捉え続けている
時刻は深夜1時半
ドライブスルーのATMで女性が現金を引き出そうとした瞬間
どこからともなく一人の男が…
女性に話し掛ける男のその手に握られていたのは…
男は女性を車から降ろすとそのままトランクに押し込んだ
そして一瞬…
防犯カメラをにらみ付けると…
そのまま車ごと女性を…
事件から2時間後
女性は自力でトランクから脱出
この映像が決め手となり犯人は逮捕された
中国湖南省の病院
その防犯カメラが捉えた衝撃の誘拐事件とは?
携帯電話で話す看護師らしき女
実はこの女こそが…
病院内を物色し生後わずか3日の赤ちゃんを誘拐
正面玄関から堂々と立ち去っていった
ことし3月。
アメリカワシントン州でカメラが見た幼児連れ去り事件とは…
画面右奥から走ってくる男
両手には小さな子供を抱えている
ところが…
その数秒後。
誘拐犯の後を追ったのは連れ去られた子供のお姉ちゃん
そしてお兄ちゃんも
この小さなきょうだいたちの勇気に犯人は子供を手放し逃走
逮捕された男は何と15歳の少年だった
185件。
これは今の日本で1年間に起きている誘拐連れ去り事件の数
その8割の被害者が子供たち
下校時間に狙われるケースが後を絶たない
そして世界では今この瞬間も信じ難い数の子供たちが消えている
卑劣な誘拐犯から…
カメラは奇跡の救出劇をも捉えていた
ブラジルサンパウロで…
これは誘拐犯たちのアジトを特定した警察が突入作戦を行った実際の映像だ
上がる歓声と飛び交う銃声
ルーカス君は無事救出され14人に及ぶ犯行グループも一斉検挙
実にふたつきぶりとなる帰宅にルーカス君が見たものは…
その帰りを待ちわびていた町の人々
そして愛する…
(スタッフ)うわ。
これ…。
世界で起きた恐怖の誘拐事件と奇跡の救出劇
そこにはわれわれの想像を超える物語がある
誘拐犯と戦うプロフェッショナルチームがいる
その活動拠点に初めてテレビカメラが入った
1,600kmの逃亡劇
FBIが公開した人質救出の瞬間に映っていたものとは?
身代金4億3,000万円
大富豪の孫娘が見た悪夢とは?
衝撃の瞬間映像。
その向こう側にあった家族の執念と世界の誘拐捜査最前線を徹底取材
そこにあった誘拐の真実とは?
意味ありげに後ずさりするバイクと一人の男
防犯カメラが捉えていたのはこの2人組が赤い服を着た4歳の男の子を誘拐する瞬間だった
何食わぬ顔で男の子に近づくと…
一瞬でバイクに乗せ連れ去っていく
画面右奥から5歳の男の子がスキップでやって来る
…と
中国の誘拐事情を物語る映像だ
こちらはスーパーの防犯カメラ映像
画面左に映る2人は一見親子連れに見える
だが映像をよく見てみると…
女の子が泣いている
さらに前を行く女の手元には女の子の傘
実はこの女は誘拐犯。
女の子から傘を奪い取り戻そうとするけなげな思いを利用して連れ去った
これらは決して一昔前の話ではない
世界第2位の経済大国となった中国で今起きている現実だ
その数年間20万人
1日に直すと500人を超える児童が毎日行方不明となっている計算だ
われわれが取材した今月2日も…
街角では子供を誘拐された親たちがどんな小さな手掛かりでも教えてほしいと涙ながらに訴えていた
われわれは誘拐大国中国を緊急取材
そこで目にしたのはこの国が抱える巨大な闇だった
これはある3歳の男の子の誘拐映像
画面右奥。
一人の男が歩道の脇におもちゃの車を置いた
すると画面右下の男の子がおもちゃに興味を持ち近づいていく
ついに遊び始めた男の子はいったん画面から消えるが…
次に2人が映ったときにはうれしそうに男の後をついていってしまった
男の子の名は…
私たちはその父海洋さんに会うことができた
事件から8年
今もわが子を捜し続ける父が語ったのは児童誘拐の残酷さだった
その日も未明から働きづめだった孫さん
ところが接客に忙しくほんのわずか目を離した隙に息子は消え去っていた
気付いたのは妻
夫婦は一心不乱に捜し続けたという
すると店の脇に…
目撃者はてっきり男の子の知り合いだと思い気に留めなかったという
そしてあの防犯カメラに2人は映った
顔が映った映像を孫さんは警察に持ち込んだ
しかし…
失意の孫さんは自らチラシを作り自力で捜索を始めた。
すると…
警察から同じような扱いを受けたという親から多くの連絡が来たという
孫さんはそんな彼らと共に中央政府に訴えるため北京へと向かった。
しかし…
地方警察に取り押さえられる孫さん
中央政府に無能の烙印を押されたくない地方政府は孫さんをマークし続ける
そして孫さんは懸命に…
息子を捜す孫さんが耳にした情報
子供が多く売られているという福建省
その真偽を確かめるため現地へ向かった
そこで出会ったのは自分たちも5歳の息子を誘拐されたという夫婦
いる。
夫婦は確かにそう言った
彼らの話によると男の子の人気が高くその値段は150万円ほどにもなるという
この地域の平均年収はおよそ23万円
その6倍以上の大金を払ってまで男の子を欲しがる理由はいったい何なのか?
年金などの社会保障がないに等しい農村部
老後に頼れるのは家に残ってくれる男の子しかいないという
さらに今の法律では誘拐や児童売買は犯罪だが子供を買った親は罪に問われないのが現実だ
「誘拐された子供とは知らなかった」と言われれば立証することは難しい
さらに子供が売買される原因の一つに中国のある政策が影を落としているという
中国で今も続く一人っ子政策
ある条件を満たさなければ第二子を出産した場合罰金を払わなければならない
貧しい家に2人目ができてしまえば罰金を払うことなど不可能だ
そこに児童売買のブローカーがはびこる
われわれは子供を売りたい親とブローカーの生々しいやりとりが記録された映像を入手した
画面左の女は今まさに2人目の…
ブローカーはインタビューにこううそぶいた
いつしかそんな常識が中国にまん延し金目当ての誘拐犯を大量に生みだしてしまったのだ
警察もそんな事態を重く受け止め毎年…
2011年には児童売買の根城になっていた福建省の小さな島に捜査が入った
救出されたのはまだ首が座ったばかりの赤ちゃん
この摘発では…
さらに四川省でも…
複数のアジトを一斉摘発
子供の誘拐に絡んだ608人を逮捕
178人の救出に成功した
しかし行方不明になる子供は年間20万人といわれる
救出される子供は氷山の一角なのだ
何者かに息子を誘拐された父
中国全土を捜し回ること…
ついに有力な情報を入手。
その村に息子はいるのか?
北京からおよそ350km離れた河北省
この地でわれわれは…
楊増健さん。
その人を追って…
7年前の夏。
農業を営んでいた楊さんは8歳になる息子天賜君を突然連れ去られた
自宅の庭で遊んでいたところを狙われたのだ
全てを失った楊さんは7年間北は吉林省から南は雲南省まで息子を捜し続けた
そんな楊さんを取材中支援団体のスタッフから驚くべき情報が
情報によれば河北省の2つの村によそからやって来てことし16歳になる少年がいるという
そのどちらかが楊さんの息子ではないかというのだ
われわれも2人の車を追う
まず向かった村でよそから来た少年はカク・セイシという名で暮らしているという
2人は村の手前で車を止めた
これまでもこうした情報を基に捜索を続けてきた楊さんは見知らぬ村で子供を捜す難しさを痛いほど知っていた
子供を買った親はいつ本当の親が捜しに来るか警戒しているという
せっかく情報が正しくてもこちらの動きに気付かれ逃げられてしまっては元も子もない
早速逆に聞き返された
話をそらし写真を見せてみるも…
思わず子供を買った家はないかと聞いてしまった楊さん
失敗だったかもしれない
居所はおろかその存在すらつかめず
今度は同情を引く作戦に
結局この村で…
翌日。
2つ目の村へ捜索に向かう
しかし見えてきたのは…
互いをかばい合うことに加え出稼ぎに来る人も多いこの村では住所も分からない個人にたどりつくのは至難の業
唯一の救いはより具体的な情報があることだ
父の名はリ・ミンボウ
その家には何年か前にリ・シコウという少年が突然現れ今16歳になっているという
一人の少年を捜すには広過ぎる
まずは家を突き止めるため手当たり次第に聞き込みを始める
朝から延々聞き込みを続けても村民は一様に知らないと言うばかり
ところが偶然たばこを買いに立ち寄った店で事態は動き始める
リ・ミンボウは確かにこの村にいるようだ。
が…
図らずも自宅近くをうろついてしまったことで村人に警戒され始めたようだ
ここからは2人別々に行動する
と聞き込みで…
親がいない。
それならば…
村の学校の前を2人の少年が通り掛かった
年のころは15〜16歳だろうか?
すかさず支援スタッフが話し掛ける
何を話しているのか?
およそ…
2人を見送った支援スタッフは即座に車に乗り込んだ
そして私たちにもすぐ乗れと指示してきた
支援スタッフは興奮気味に話し始めた
支援スタッフは身分を偽り会話を撮影していたという
シコウ。
そう聞いたスタッフは驚きのあまりまだ聞いていないはずの名字まで口にしてしまったのだ
だがそのとき捉えた少年の顔は楊さんの目鼻立ちによく似ていた
こうした状況証拠が揃うと警察が少年と楊さんのDNA鑑定をしてくれるという
早速…
警察はその日のうちに少年の血液を採取
さらに楊さんの血液も採り後は1週間後の結果を待つだけとなった
果たしてあの少年は7年前に誘拐された楊さんの息子なのだろうか?
世界有数の…
事件発生。
そのとき誘拐警報が発令される
救出した被害者は700人以上
事件を早期解決する大捜索システムを追った
去年11月。
アメリカオクラホマ州
7歳の女の子レイシーちゃんが何者かに誘拐される事件が発生した
レイシーちゃんを車で連れ去った男を複数の人が目撃
直ちに似顔絵が作られたが犯人を特定するには決め手に欠けていた
しかし警察はアメリカが誇る…
有力な情報を手に入れた
容疑者として浮上したのはこの男
ダストンは自らをモバイルDJと名乗り動画投稿サイトに自分の映像をアップしていた
その顔は…
確かに。
似顔絵によく似ている
誘拐現場に隣接する地区
銃を手に抵抗するダストンを2人の警察官が組み伏せる
そして…
レイシーちゃんは生きて救出された
事件発生からおよそ19時間
これほどのスピード解決をしたのには訳がある
そこには最先端の捜索システムの存在があった
それは…
誘拐警報とはいったいどんなものなのか?
われわれはその実態を知るため巨大都市ニューヨークを管轄する場所へ向かった
迎えてくれたのは州警察で誘拐捜査に当たる特殊被害者チームのアンバーアラート担当官
誘拐事件で最も優先すべきは被害者の命を救うこと
アンバーアラートはその鍵を握るという
誘拐が発生した場合被害者や犯人の情報を地域に一斉発信する
いわば…
そう。
アメリカは世界有数の…
FBIの統計では18歳未満の行方不明者は年間およそ46万7,000人
全米で何と1分に一人子供たちがこつぜんと消え去っているという
システムが生まれたきっかけは19年前アンバーちゃんという女の子が誘拐され捜査の遅れにより幼い命が奪われたこと
その反省からつくられたのがアンバーアラートだ
警察がアンバーアラートを発令すると…
(警報)
テレビでも…
(女性)ミズーリ州警察は何者かによってベッドから連れ去られた女の赤ちゃんを捜しています。
ラジオでも…
(男性)アンバーアラートです。
アーリントン警察によると…。
電光掲示板には犯人の車の特徴を表示し行方を捜す
こうして様々なメディアが連動し市民に情報提供を呼び掛けるのだ
ニューヨーク州では今月だけでも2件のアンバーアラートが発令
容疑者の顔写真や車のナンバーをいち早く公開し女の子を保護している
去年のレイシーちゃん事件ではオクラホマ州全域に一斉に警報を発令
誘拐されたレイシーちゃんの年齢や服装などを詳しく伝えるとともに…
事件現場で目撃された男の容姿車の色など犯人の情報が発信された
地域の住民が捜査に協力するシステムが整っているからこそ事件のスピード解決に成功したのだ
アメリカではこれまでに770人以上の子供たちを救い出すことに成功している
おととし。
全米を揺るがせた誘拐事件もまたこのアンバーアラートが事件解決の糸口となった
ことし2月
アメリカFBIが初公開したのは誘拐された少女が救出されるまさにその瞬間だ
全米を揺るがした奪還劇の真相が今明らかになる
ヘリのカメラが捉えたのは40歳の誘拐犯と16歳少女の人質
ことし2月。
アメリカFBIが初めて公開した少女奪還の息詰まる瞬間だ
空に向かい大きく手を振る少女に待ち受けていた結末とは…
事件の始まりはカリフォルニア州にある人口350人ほどの田舎町だった
そんな町で後に全米を揺るがす事件は幕を開ける
闇夜を焦がした火事
その焼け跡から不可解な2人の遺体が見つかる
母クリスティーナ・アンダーソンと息子のイーサン
この家の…
しかも母の頭部には12回もの殴られた痕
2人は何者かに殺害され火を放たれていた
翌日
容疑者は事件後に姿を消した家のあるじ…
殺された2人とは家族ぐるみの付き合いだった
だが本当の事件はここから始まる
ディマジオは2人を殺害したばかりでなく一家の長女ハンナを連れ去っていた
16歳。
ここから1軒の火災は前代未聞の誘拐事件へと姿を変える
捜査当局はカリフォルニア州およそ3,500万人の携帯電話にあのアンバーアラートを発令した
しかし有力な目撃情報はなぜか一向に寄せられない
闇に消えた誘拐犯ディマジオとはいったいどんな人物だったのか?
私たちはディマジオの友人だったという近所の男性に話を聞くことができた
そう言いながらもこちらがハンナの名を口にするとその顔が苦々しくゆがんだ
ハンナがディマジオを崩壊させた
その真相を知るには時間を巻き戻す必要がある
ハンナが暮らしていたのはディマジオの自宅から車で1時間ほどの町
当時単身赴任中だった父の友人ディマジオはまるで親類のようによく一家の面倒を見ていたという
弟のイーサンももちろんハンナも幼いころからよくしてくれるディマジオを慕い信頼していた
事件直前にはハンナ16歳の誕生日を祝い2人でハリウッド観光まで楽しんでいたという
仲むつまじく写る姿はまるで本物の親子のようだ
父親不在で多感な年ごろのハンナにとって悩み事まで相談できるディマジオは頼れる大人だったに違いない
だがディマジオは…
(ハンナ)えっ?
ハンナに禁断の恋心を抱いていた
行き過ぎた愛情がディマジオを犯行へと駆り立てていった
火災の前日ディマジオは「家を引っ越すことにしたから最後に遊びにおいで」とハンナたち家族を自宅に招待した
「お母さんと弟は先に着いているから」
ディマジオはそう言ってハンナを誘い出したという
しかし…
底知れぬ不安を感じたハンナは…
今まで家族のように思っていたディマジオが豹変した瞬間
そう言うとディマジオは銃を突き付けた
ハンナには言いなりになるしかなかった
こうしてディマジオは自宅に火を付け逃亡
しかし…
火災から3日がたっても…
2人の行方はようとして知れなかった
ハンナの友人が訴える
そして最もディマジオを信じていた父は…
だがそんな叫びもむなしく捜査は難航を極めた
その訳を事件の取材をしていた記者はこう語る
火災現場の捜査資料にディマジオの周到さが刻まれていた
タイマー式の発火装置
火災が発生し事件が明るみになったころにはディマジオはハンナを連れ去りはるか遠くへと逃亡できる仕掛けだった
つまり本当の誘拐事件は火災の丸1日前から始まっていたのだ
カリフォルニア州のアンバーアラートで何一つ手掛かりがつかめなかったのはそのときすでに州の外にいたからだと考えられる
そのためアンバーアラートはオレゴン州ワシントン州にも拡大された
事件の行方は連日報じられ小さな田舎町で起きた誘拐は全米を巻き込む大事件へと発展していく
だがそれでも2人の足取りは一向につかめなかった
捜査の網をかいくぐりディマジオはある場所へと向かっていた
16歳の少女を誘拐しディマジオは…
その手掛かりはディマジオが事件の前日にスーパーで買い物をしたときのレシートにあった
これらを買い揃えディマジオが向かっていたのは…
森の中だった
捜査の網が都市部に広がる中その裏をかくように山奥へと逃げ込んだ
1万平方kmという広さは実に青森県の面積に匹敵し流れる川は激流のあまり戻れない川と呼ばれる
ディマジオの自宅からおよそ1,600km
北海道の端から九州の南端に匹敵する距離をディマジオは車で走破していたのだ
(ディマジオ)カモン。
レッツゴー。
目的はただ一つ。
愛する…
逃げる気力や体力を奪うためなのかハンナに重さ23kgの荷物を持たせ山の奥へと入っていく
私たち取材班もその森を訪ねてみたが…
車が入れるのはほんの入り口まで
後は歩くしかない
巨大な森はそこで人に会うことさえ奇跡のような場所だった
(スタッフ)うわっ。
結構登るなここ。
おっとっと。
そこはまさにディマジオが望んだハンナと2人だけの世界のはずだった
だがそこで想定外の事態が起こる
人と出くわすことなどないはずの森で馬の遠乗りを楽しむ一行と出会ってしまったのだ
(ハンナ)はっ!?
彼らもまた5時間もかけてこの森へやって来た人々だった
わずか…
だがこのとき彼らは強い違和感を感じたという
その訳をわれわれの取材に語ってくれた
中でも強く焼き付いていたのは…
おびえるハンナの目だった
そして…
ついにディマジオとハンナの居場所を警察がつかんだ
通報を受け警察とFBIは現場に急行
200人態勢で捜査を開始した
すると山の入り口付近であるものを発見
当時の捜査資料にその写真が残されている
(スタッフ)えっ?これ車ですか?
見つからぬよう木の枝で隠した隙間にうっすらとのぞく青いボディー
ディマジオの車だった
そして…
上空から捜査していたFBIのヘリがついに2人の姿を捉える
これがそのときの実際の映像だ
青いテントから離れていくディマジオとハンナ
命令されているのかハンナはディマジオに従っているように見える
向かったのは湖だった
ディマジオは帽子を脱ぎ…
視線を感じたのか一瞬ヘリを見上げる
そして上半身裸に
洗濯をしているのか?
その後ろでハンナはじっと立ったままだ
ディマジオが立ち上がると2人が会話を始めた
そしてハンナをその場に残すとテントの方へ戻っていく
すると…
ハンナがヘリに向かって大きく手を振り始めた
ディマジオの一瞬の隙を盗み必死に助けを求めていたのだ
それは命懸けのSOSだったに違いない
地上では特殊部隊による救出作戦が始まった
自動発火装置を操るディマジオは爆弾や銃を持っている可能性もある
ディマジオを刺激せずハンナを…
そして…
スナイパーの銃口がついにディマジオを捉えた
とその気配に気付いたのか…
(ハンナ)えっ?
FBIのカメラがその瞬間を捉えていた
ディマジオが撃たれたと同時に隊員の元へ駆け寄るハンナ
40歳の男がただ愛する少女と一緒にいたいと始まった8日間1,600kmに及ぶ誘拐逃亡劇はこうして幕を閉じた
だが救い出されたハンナに喜びなどあるはずもない
待っていたのは母と弟を同時に失った現実
事件解決後ディマジオの生命保険はその受取人がハンナの家族になっていたことが分かった
こんな結末まで想定していたのか?
しかしディマジオからもうその真相を聞くことはできない
多くの客でにぎわう白昼のスーパーマーケットで誘拐事件が発生
防犯カメラは犯行の一部始終を捉えていた
経営者の息子を狙い綿密に計画された誘拐
男の子を奪還することはできるのか?
誘拐事件が日常化するブラジルサンパウロ
誘拐専用の保険まで存在するこの国で衝撃の瞬間映像が捉えられた
そこから始まる犯人グループと警察の戦い
カメラはその結末までを見届けることになる
ブラジル北東部にある人口およそ6万人の町モラダ・ノーヴァ
町の唯一のスーパーマーケットはあの日も買い物客でにぎわっていた
このカメラが犯行の全てを見ていた
その日店には店主とそのおば
そして店主の息子6歳のパウロ君がいた
ヘルメットをかぶった2人組が現れる
奥にいる男が辺りを見回した次の瞬間カウンターの中にいたパウロ君に手をかけた
必死に抵抗する父親とおば
男は拳銃を取り出し殴りつける
そして銃を突き付け脅している間にもう一人が男の子を抱えて連れ去った
店の外には車が待機
男たちはパウロ君を乗せ猛スピードで走り去った
この間わずか50秒。
白昼の凶行だった
・
パウロ君の命と引き換えに身代金の要求をしてきたのだ
前代未聞の誘拐事件の解決に乗り出したのが誘拐対策のスペシャリスト。
州警察の…
これまでに担当した誘拐事件を一人の犠牲者も出さず全て解決してきたすご腕のリーダー
ロメルは現場近くのホテルに誘拐対策本部を設置し18人のチームで捜査を開始した
父親には犯人にまったく心当たりはないという
いったい…
その日の深夜
ロメルの元へ盗難車に乗った不審人物の情報が入った
盗難車が止まっている町外れの一軒家
室内には2人の人物がいた
家の住人の女とそのおいエンヒケ
だが2人には犯罪歴がなく盗難車も誘拐に使われた車ではなかった
犯罪と関わりのない人間がなぜ盗難車に乗っているのか?
ロメルの勘が働いた
そしてその勘は後に的中することになる
特別に見せてくれたのは警察が傍受した電話の通話記録だった
ここにパウロ君の誘拐をほのめかす重要なやりとりが記されていた
事件の鍵を握る電話の主は…
何と服役中の凶悪犯だった
6歳のパウロ君が誘拐される前後警察は不審な電話のやりとりを傍受していた
州警察誘拐対策本部長のロメルが突き止めた電話の主は…
何と服役中の受刑者だった
看守の目を盗み持ち込んだ携帯電話で外部と連絡を取り合っていたのだ
受刑者の名は…
強盗殺人の罪で懲役20年
さらに8つの容疑で裁判中の凶悪犯だった
不審な通話の内容はこうだ
一見何げない会話にも聞こえる
だがロメルはある言葉にぴんときたという
誘拐当日も何度も電話をしていたバケイロ
この男が首謀者であるとロメルは確信した
だが受刑者が町で誘拐を実行することは不可能だ
ではパウロ君を連れ去った犯人はいったい誰なのか?
バケイロの通話から相手を追跡していくと…
浮かび上がったのはあの2人
盗難車に乗っていた女とそのおいのエンヒケだった
そして彼らが乗っていたあの盗難車は犯行後の追跡を逃れるため逃走中に乗り換えた車だったのだ
さらにロメルの捜査で犯行グループの全容が明らかになった
事件の首謀者バケイロの指示を受け犯行の指揮を執っていたのはあの家に住む女
店に押し入りパウロ君を連れ去った実行犯の3人
そしてエンヒケは食料品などを調達する役目使いっ走りだった
だがまだ一つ大きな問題が残っていた
実行犯とパウロ君の居場所が分からないのだ
ロメルはここで賭けに出た
女とエンヒケの逮捕に踏み切ったのだ
ロメルの狙いはグループの中で一番若いエンヒケだった
エンヒケは誘拐の実行犯ではなく自分の置かれた状況も把握できていない
ロメルは一気に畳み掛けた
(エンヒケ)…の森です。
パウロ君が監禁されていたのは町から60kmも離れた森の中だった
2機のヘリ。
5台のパトカー
23人の警察官による救出作戦が始まった
現場へ急行するロメル
パウロ君は果たして無事なのか?
6歳のパウロ君の監禁場所がついに判明した
それは町から60kmも離れた森の中
地元の人間でもめったに入らない場所だ
監禁場所のテントを発見
エンヒケの情報によるとここにいる実行犯の3人は武装しているという
日没まであと2時間。
タイムリミットが迫る
パウロ君はこの森のどこにいるのか?
そのとき…
周辺に潜んでいた…
そのとき撮影された映像がこれだ
この男こそあの日パウロ君を連れ去った犯人
テントの中には大きな鍋や水衣服などパウロ君が監禁されていた痕跡がある
しかし肝心の本人がいない。
果たして…
事件発生から72時間
ロメルはパウロ君の救出に成功した
救出直後に撮られた写真
犯人たちが逃走を始める中茂みの中を逃げた小さな体は傷だらけになっていた
そしてパウロ君は両親の元へ
ロメルの手に抱きかかえられたパウロ君
再会の瞬間だ
あのとき目の前で奪われた息子が家族の元へ帰ってきた
この後…
首謀者のバケイロも再逮捕された
あの事件から2年半
パウロ君はどうしているのか?
今月8日。
自宅を訪ねると9歳になったパウロ君が元気な姿で遊んでいた
パウロ君は今も…
平穏に暮らすことは当たり前ではない
親子はそうかみしめながら今日を生きている
34年ぶりに謎が解けた幼児連れ去り事件
今アメリカでは長年未解決だった誘拐事件の被害者たちが続々と救出されているという
時を超えて事件を解決する最先端技術に迫った
世にも数奇な人生を歩んできた男がいる
(スタッフ)ヘイ。
ナイストゥミートユー。
(カーター)ナイストゥミートユー。
その生い立ちとは?
自分はどこで生まれ両親はどこの誰なのか?
謎に包まれたカーターさんの出生の秘密をある最先端技術が34年ぶりに解き明かした
カーターさんの人生が大きく変わったのは生後6カ月のとき
その後身元が分からないままハワイの…
いったい…
カーターさんは思い付くままのキーワードをパソコンに打ち込み検索してみた
すると…
自分そっくりな男が画面に現れた
34年前にハワイで連れ去られ捜索願が出ている赤ちゃん
その子は成長するとこのような顔になっているという
自分の顔とあまりにも似ている
警察に相談したカーターさんはDNA鑑定を受けることに
すると驚くべき結果が
連れ去られた赤ちゃんはカーターさん自身だと判明
34年の時を超えて幼児連れ去り事件の謎が解けた瞬間だった
手掛かりとなったこの画像技術とは…
誘拐や行方不明になった子供の成長した顔を予測しコンピューターグラフィックスなどを用いて描く最先端技術だ
今長年未解決だった誘拐事件がこの技術によって次々と解決している
3歳のときに誘拐された男の子はこの画像を見た町の人の通報により9歳で救出
フランスで誘拐された3歳の女の子は3年後にカナダで発見
生後2カ月で誘拐された赤ちゃんは22年後に免許証の写真で身元が判明した
エイジ・プログレッションの画像はどのように作られているのか?その制作現場を取材した
必要なのは対象となる子供の写真と両親の顔写真
それを解剖学的な視点と経験を基にデジタル処理していく
人の顔はパーツによって成長に伴う変化が違うのだという
パーツごとに成長を予測し未来の顔を科学的に作っていく
そこで番組は実在する女性の21年前の写真を持ち込みエイジ・プログレッションで現在の顔を予測してもらった
5歳のときの顔写真と両親の顔写真を用意
目の大きさと間隔は2〜3年ごとに1mmから2mmずつ大きくなり7歳までにほぼ確定するという
鼻は両親の形状を引き継ぐ形で成長
口元は歯の成長に合わせて年齢と共に横に広がっていく
後は両親からの遺伝的特徴を分析し加えていく
こうして完成したのが21年後の顔
実際の顔がこれだ
頬骨の高さや鼻の形など見事に予測している
エイジ・プログレッションはこれまでに1,200人以上の子供たちの発見に貢献してきたという
長い時間未解決のままだった誘拐事件を今最先端の技術が解決に導いている
中央アジアで続く誘拐婚
その一部始終をカメラが捉えた
誘拐婚の被害女性がその苦悩を語る
世界の犯罪組織と戦う被害者救出のプロフェッショナル集団
秘密の活動拠点に世界で初めてテレビカメラが入った
4億円を超える身代金
大富豪の孫娘が武装した誘拐団に連れ去られた
カメラが捉えた誘拐の瞬間
ことし8月
アメリカマイアミで事件は起きた
早朝の薄暗い路地で自転車を押して歩く女性
すると…
突然背後から男が襲い掛かる
必死に抵抗する女性。
しかし…
力ずくで覆いかぶさる男に引きずられ画面の外へ消えた
この後男の隙を見て女性は逃げ出すことに成功
警察は男の似顔絵を公開し行方を追っている
マレーシアの路上。
防犯カメラが事件を捉えた
男の子を連れ去ろうとする犯人
その後を追うのは男の子の母親だ
すでに息子は助手席に乗せられている
わが子を奪われまいと必死に戦う母親
そのとき刃物を取り出す
しかし母は絶対にひるまない
車に乗り込もうとする男を髪の毛をつかんで引きずり出す。
だが…
強引に車を発進させ息子は連れ去られてしまった
母親はインターネットで息子の捜索を呼び掛けた
すると2日後警察が息子を発見
救出に成功した
ことし5月。
イラクの首都バグダッド
自宅の前で遊ぶ子供に男が近づいた
そして…
男の子の手を取り歩きだす
誘拐犯だ
家の中にいた女性が異変に気付き車へ駆け寄る。
しかし…
子供を乗せた車は走り去った
イラクでは今身代金目的の児童誘拐が多発しているという
カメラは救出の瞬間も捉えていた
ウクライナの地方都市
車載カメラが記録した衝撃の瞬間
突然ワゴン車が前方の車の前に割り込むと…
特殊部隊が包囲。
車から男を引きずりだした
この車には身代金を要求する誘拐犯と人質の男性が乗っていた
特殊部隊が突入。
御用となった
カメラの前でその誘拐は行われた
(悲鳴)
これは誘拐の決定的瞬間を捉えた実際の映像だ
誘拐の首謀者と被害者の女性
そしてこのわずか…
何と2人は夫婦になった
女性を誘拐し花嫁にする
こんな衝撃的な結婚が今も行われている場所がある
誘拐婚が伝統的に存在するという中央アジア
かつてソビエト連邦の一部だったキルギスへ向かった
日本の半分ほどの国土におよそ560万人が暮らすのどかな国
首都のビシケク
一見私たちと変わりのない現代的な生活を送っているように見えるのだが…
(スタッフ)すいません。
多くの人は恋愛やお見合いで結婚しているが誘拐婚は今でも決して珍しいことではないという
特に誘拐婚が多いのは都市部に比べ伝統的な価値観がいまだに残る農村部だという
ことし誘拐先から逃げ出してきた女性がいると聞き向かったのは首都ビシケクから車で6時間の田舎町
あの女性だろうか?
彼女は弁護士を志す21歳の女子大学生
重い口を開いてくれた
きっかけはことし2月。
同級生からノートを貸してほしいと頼まれたことだった
彼女は3人組の男たちに力ずくで車に押し込まれ遠くの村へと連れていかれた
さらに彼女を追い込むもの
結婚を迫るのは男だけではないのだ
何と誘拐婚は家族ぐるみで行われていたのだ
必死の抵抗を続けた彼女は間一髪救出にやって来た兄の友人たちに助けだされ結婚から逃れることができた
それでも彼女のように抵抗し誘拐婚から逃げ出せる女性は少ないという
キルギスには今どれだけの被害者がいるのか?
被害者支援団体が口にしたのは驚くべき数字だった
伝統と捉える人も多い誘拐婚
しかしキルギスでは誘拐婚は法律で最大禁錮7年の刑と定められている
それでも後を絶たないのはいったいなぜなのか?
誘拐婚の被害に遭った女性たちにその訳を聞くことができた
誘拐先から逃げ出したこの女性もいまだにその呪縛からは逃れられないという
中央アジアでは伝統的にひとたび男性の家に入ると女性は純潔が失われたと見なされ実家に戻るのは一族の恥と考えられている
根強い恥の意識を逆手に取り親に結婚を反対された若い男女が形ばかりの誘拐を演じ既成事実をつくる
いわば駆け落ちのような結婚も長く存在してきた
ところがそれは時代とともに変化し女性を無理やり誘拐すれば結婚できるという誘拐婚の慣習が生まれてしまったのだという
われわれはアメリカ人ジャーナリストが撮影した誘拐婚の一部始終を捉えた映像を入手
記者は自らを結婚式専門のカメラマンと装って接近
撮影に成功した
多くの場合実行メンバーは友人や親戚の男たち
伝統的な結婚の方法だと思っている彼らに撮影への抵抗はない
この男が女性を連れ去り誘拐婚をしようとしているいわゆる新郎だ
狙った女性を安心させるため時には女友達をも巻き込む
男が狙うのは顔見知りの女性
もちろん今日連れ去られ結婚することになるとは思ってもいない
そして…
(悲鳴)
女性を家まで連れてくることができれば男たちの役目は終わる
代わりに彼女を取り囲んだのは一族の女たちだ
白いスカーフは花嫁の証し
これをかぶれば結婚を受け入れることになる
こうした説得は女性が諦めるまで数時間時には数日にわたって続けられるという
こんな光景が今も中央アジアの各地に見られる
誘拐婚をした男から話が聞けるかもしれない
被害者支援団体に入った情報を基にわれわれは加害者の男がいる村へと向かった
メディアの取材はもちろん加害者が話をすることはめったにないという
男が姿を現した
男の希望で村から遠く離れた人けのない公園に向かう
聞けば最近誘拐婚をしたばかりだというこの男
ことし6月。
自らの誕生日の朝に誘拐婚を決意したと語り始めた
われわれの取材にも答えてくれるか交渉を試みる
カメラ取材に応じてもいいという
男は32歳。
職業は運転手
何が彼を誘拐婚という犯罪に駆り立てたのだろうか?
男が誘拐した相手は以前結婚したいと伝え断られた女性だった
さらに男の口から驚くべき事実を告げられる
伝統という名の下に中央アジアで続く誘拐婚
こうしている今も新たな被害者は生まれている
世界中で頻発する誘拐や人身売買
その危険な現場に潜入し被害者を救出するプロ集団がいる
彼らは綿密に作戦を立てそして一気に突入
ミッションを成功させてきた
チームを率いるのはこの男
ティムは元CIA覆面捜査官の経歴を持つ
チームは結成から1年半で世界9カ国20回以上のミッションを遂行
300人以上の被害者を救い出した
そのほとんどは連れ去られた子供や女性
その秘密の活動拠点に世界で初めてテレビカメラが入った
犯罪と戦う救出ミッション。
その全貌に迫る
彼らの拠点はアメリカユタ州のとある町
チームの名は…
救出のプロフェッショナルが集まった民間団体だ
この日は次のミッションに向けての作戦会議
現地に潜入しミッションを遂行するメンバーはジャンプ・チームと呼ばれる
犯罪組織に潜入する彼らはカメラに顔を見せることはできない
その経歴を聞いて驚いた
ジャンプ・チームのブレンドンはアメリカ軍で18年間特殊作戦に参加
その後は警察で殺人事件担当の捜査官だった
他にも元CIAや世界最高峰の特殊部隊として知られるNavySEALsの元隊員など犯罪と戦う精鋭たちが勢揃いしている
武器を持たず体一つで潜入する作戦も多い
危険なミッションを成功させるには強靱な肉体と精神が必須なのだ
中心メンバーはそれぞれの特性を生かした役割で構成されている
現地でおとり調査を行うメンバーブレットの場合…
女性も救出作戦には欠かせない存在だ
そして彼はあらゆる機密情報を収集するエキスパート
チームのリーダーティムの居場所を聞くと…
ティムは絶対に場所を明かせない秘密の活動拠点にいるという
そこは子供がいる家族が暮らす一軒家
だがその地下に秘密の部屋があった
時に犯罪組織から狙われるメンバーは身を隠す必要がある
この日海外での現地調査から帰ってきたティムは手応えをつかんでいた
そんな彼らの次なるミッションの地は…
身元不明の子供が集められているという情報を基に彼らの救出作戦は始まった
誘拐や人身売買の被害者を救出するプロ集団…
去年1月。
彼らは中米ハイチへ向かった
世界でも貧しい国の一つ
慢性的に治安が悪く凶悪な誘拐事件が多発している
そこでメンバーを待っていたのは息子を誘拐された父親だった
5年前当時3歳の息子ガーディ君が誘拐された
父親がすがったのは国境を超えて誘拐組織と戦うティムのチームだったのだ
メンバーはまず地元の人々から情報を収集
するとある場所にたどりついた
そこは一見養護施設だがなぜか身元の分からない子供たちが集められているという
ここハイチは度重なる災害で親を亡くした子供が大勢いる
人身売買の標的となってしまうケースも多い
この場所にあのガーディ君も連れてこられた可能性が高いというのだ
ジャンプ・チームはいよいよ子供たちの救出作戦を実行に移すことに
この2人が子供を買いに来た外国人夫婦を装い取引を持ち掛ける作戦
使用する札束の番号は一枚一枚控え作戦に備える
地元警察とも連携し当日の動きを細かく決めていく
そしてついに作戦決行の日
子供のいない夫婦とそのブローカーに成り済ましたメンバー
早速経営者の女に交渉を持ち掛ける
女は買い手の身分を確認しようともせず交渉を受け入れ金額を提示してきた
早速代金を支払うと持ち掛け女をホテルに連れ出す
手にした札束をテーブルに置く
この後女は金を受け取った
これが決定的証拠となった
その瞬間外で待ち構えていた警察が動いた
最後までブローカー役を装うティム
経営者の女は現行犯で逮捕
これまでにも多くの子供を犯罪組織に売っていたことが判明した
そして誘拐されたガーディ君はどこに?
無事であれば今8歳になっているはずだ
建物の中には目を覆うような実態が広がっていた
不衛生な狭い環境に閉じ込められた子供たち
やはりここは養護施設などではなかった
この作戦で28人の子供が助けだされたがほとんどは戸籍上この国に存在していない子供たちだった
しかしそこにあのガーディ君の姿はなかった
子供たちは設備の整った養護施設に引き取られた
だがチームの仕事はこれで終わりではない
子供たちが人生を取り戻していくまでサポートすること
それが彼らの考える本当の救出なのだ
彼らの救出ミッションは終わらない
ガーディ君の捜索は今もなお続行中だ
その物語は中国で奇跡の再会と呼ばれた
誘拐犯に連れ去られた息子
父はついに見つけた息子の奪還に向かった
年間20万人の子供が消えるという中国
誘拐され見つからないことが当たり前
そんな中奇跡の奪還を果たした父親
過ごしてきた涙と戦いの日々を日本のメディアに語るのは初めてのことだ
彭さんは11年前深で小さいながらも自分の店を持った
よくとし待望の長男文楽君が生まれる
やんちゃで明るい笑顔はいつも家族の真ん中にいた
その成長だけが楽しみだった
愛らしい踊りをファインダーに収めながら何があってもこの幸せを守ると誓ったという
しかし…
文楽君3歳のその日
店先で遊んでいたはずの息子が突然姿を消した
悪い予感は的中してしまう
店近くの防犯カメラが最悪の瞬間を捉えていたのだ
黒い服の男に抱きかかえられ連れ去られていくのが文楽君だ
よく見れば嫌がって身をよじっているようにも見える
別のカメラからはその誘拐が人混みの中平然と行われていたことが分かった
その日から彭さんの必死の捜索活動が始まった
仕事を辞め配り続けたビラは実に3万枚
店の前には大きな看板を掲げ多額の懸賞金で協力を呼び掛けた
しかし…
心無い言葉に傷ついてはそれでもわずかな望みに飛び付き…
息子を奪われて2年半
もがき苦しむ彭さんが救いを求めたのはインターネットの世界だった
このメッセージがSNSで拡散するとある日見知らぬ人から1枚の写真が届いた
撮影し送ってくれたのは実家に帰省していた大学生だった
「ネットで見た写真とそっくりな少年がいます」
そう送られてきたメッセージは何と彭さんが住む深から遠く2,000kmも離れた町から出されたものだった
2,000kmの道のりを彭さんははやる思いで駆け抜けた
すでに地元警察が息子を保護しているという
「本当に文楽は現れるのか?」
落ち着かない彭さんにスタッフが声を掛ける
無理もない
何度もだまされ傷ついた日々が彭さんを疑心暗鬼にする
とそのとき…
間違いない。
夢にまで見た息子がそこにいた
3年ぶりに抱き締めるわが子のぬくもりと大きくなった体
彭さんの執念の奪還劇は奇跡の再会と呼ばれ中国全土を涙で包んだ
しかしこの物語にはまだ続きがある
知られざるもう一つの悲しい物語
中国全土を感動させた彭さん親子の…
しかしこの物語の裏側では知られざるもう一つの涙が流されていた
誘拐された文楽君を3年間育てた高永侠さん
江蘇省の農村に暮らす育ての母だった
ある日突然夫が小さな男の子を連れて帰ってきた
それでも病気で子供を産めず親族から冷遇されていた彼女は受け入れるしかなかったという
息子がやって来て1年後。
夫はがんでこの世を去った
誘拐の真相など最後まで聞かされぬまま残された高さんは血のつながらない息子に愛情の全てを注ぎこんだという
それはつまりあの奇跡の再会の日は…
高さんにとって身を切られるような別れの日だったのだ
彼女もまた誘拐という犯罪に人生を翻弄された一人だった
気持ちの落ち着いた彭さんはある人を訪ねる
その手には菓子折り
文楽君を3年間育ててくれた高さんだった
ふと添えられた手と手
高さんが見せてくれたのは文楽君が自慢の息子だった証し
そういう高さんにもささやかな願いがあった
息子を奪われた父とその子供を育てた母
誘拐。
その犯罪が残していく傷痕はたとえ奪い返してもなお癒えることはない
東京都の半分ほどの面積に700万人以上が暮らす世界屈指の経済都市香港
そんな香港を代表するファッションブランドが世界30カ国以上に展開するボッシーニ
創業者はアパレル界の帝王と呼ばれた大富豪だ
そんな華麗なる一族の孫娘が29歳のクイニー・ロー
ロンドンで学んだ彼女はデザイン事務所の若き経営者だ
香港屈指の高級住宅街
4mの壁と厳重な警備に守られた大豪邸
あのクイニー・ローの自宅だ
わずか…
ここが香港を騒然とさせる誘拐事件の舞台となった
時刻は深夜2時
1階ではすでに両親が就寝中
クイニーは2階の寝室で日課にしていたInstagramを投稿していた
あの夜クイニーが投稿した画像
尊敬するオノ・ヨーコの夢についての名言だ
だがその直後クイニーはその目で悪夢を見ることになる
ナイフで武装した6人の実行犯がセキュリティーをかいくぐり自宅へなだれ込んだ
(悲鳴)
主犯格の男は中国で強盗を繰り返してきた凶悪犯
香港で大金を奪いカナダへ逃亡する計画だったという
香港では…
武装した彼らは省港旗兵と呼ばれ恐れられていた
クイニーの自宅を襲った強盗団は金庫にあった3,000万円以上もの装飾品を奪った
だが…
(悲鳴)
犯人は娘のクイニーを利用し身代金を奪う計画に切り替えた
娘の命と引き換えに要求したのはおよそ6億円
(クイニー)お父さん!
中国人強盗団に狙われた大富豪
巨額の身代金誘拐事件が発生した
中国人強盗団に誘拐された大富豪の孫娘クイニー
拉致された彼女は自宅の裏手にある険しい山の中を歩かされていた
急斜面の森が続く山間部
道なき道を5〜6時間も歩かされたとみられる
そして着いた先にあったのは…
天然の洞窟だった
6畳ほどの狭い横穴に布が敷かれ外から見えないように遮蔽
洞窟での長い監禁生活が始まった
翌朝両親の元に一本の電話がかかってきた
犯人からだ
用意できる現金は限られている
父親の必死の交渉で身代金が決まった
その額およそ4億3,000万円
両親は警察に通報
クイニーの救出に向け重大事件調査チームが捜査を開始した
クイニーが誘拐されてからすでに30時間以上が経過していた
このとき犯人グループの一人が食料の買い出しで山を下りていた
監禁場所から山道を4km
向かったのは…
買い物客でにぎわうこの市場だった
いつ終わるとも知れない洞窟での監禁生活
クイニーはパンや水を与えられ飢えをしのいだ
すでに事件発生から50時間が経過
長い週末を終えた月曜日
父親は身代金を現金で用意した
その額日本円でおよそ4億3,000万円
警察は特殊技術によって一枚一枚に目に見えないマークを付けスーツケースには追跡用のGPSが仕掛けられた
再び犯人から電話が
(通話の切れる音)
(不通音)
犯人の行方はつかめず要求どおり身代金の受け渡しに応じるしかなくなった
指定された受け渡し場所は監禁場所の洞窟やクイニーの自宅からも近い山道
香港を一望する夜景が見える人気スポットの近くだった
約束の夜8時
クイニーの父が4億3,000万円を手に指定された場所に到着した
そのとき…
現れたのは主犯の男を含む2人組
男たちは4億3,000万円を確認すると足早に現場を立ち去っていった
(男性)はい。
奪われた4億3,000万円
クイニーの命は助かるのか?
警察は犯人確保のために香港中で一斉検問を開始
何も知らない市民は大混乱となった
だが警察の捜査網になぜか犯人たちは引っ掛からない
スーツケースに付けたGPS信号も途絶え捜査は完全に行き詰まった
犯人と4億3,000万円。
そしてクイニーは香港の闇の中へと消えた
その日の深夜。
山の麓にある住宅
扉の向こうにいたのは…
クイニーだった
身代金を受け取った犯人はクイニーを解放するよう指示
見張り役に担がれ山を下りたところで彼女は解放された
クイニーが無事解放されてから2日後
香港中が注目する記者会見が開かれた
その後犯人グループは相次いで逮捕
しかし…
2015/09/23(水) 19:00〜21:54
関西テレビ1
世界誘拐ファイル カメラが見た!犯行&救出の決定的瞬間 3時間スペシャル[字]
全米震撼!誘拐逃亡8日間…少女救出映像▽テレビ初公開!救出プロ集団が“売買”寸前の子供達を奪還▽「誘拐婚」拉致されてきた花嫁▽誘拐3年から…奇跡の再会
詳細情報
番組内容
去年、13歳未満の連れ去り事件が9年ぶりに100件を超える(警察庁発表)など、今日本では子供の連れ去り・誘拐事件が増加傾向にある。しかし、世界各地で報告される誘拐事件の現状はもっとすさまじい。アメリカでは年間46万人超(2014年)、中国では年間20万人の子供たちの行方が分からなくなっているという(2013年)。中南米では身代金目的の誘拐が、“日常茶飯事”と化している。
この番組は、
番組内容2
世界中で映像に記録された「誘拐の瞬間」「救出の瞬間」映像をきっかけに、世界各地で誘拐と闘う人々に密着取材する。「ある日突然、愛する家族を奪われたら…」。凶悪な誘拐犯を追い、大切な家族を奪い返す人々と奇跡の救出までを追ったドキュメント番組である。
●日本メディア初取材!
誘拐・人身売買被害者救出チーム「O.U.R.」(Operation Underground Railroad)
番組内容3
世界の発展途上国で、誘拐や人身売買された子供や女性たちを救出する団体「O.U.R.」。その救出作戦会議をテレビ初取材。世界中の犯罪組織と命がけで渡り合い、被害者を救出する彼らの決死の救出作戦の記録を日本のテレビ初公開。
ほか、年間20万人にものぼる中国・行方不明児童、中央アジアで伝わる「誘拐婚」、ブラジルの6歳男児救出劇などについても取り上げる。
出演者
【ナレーション】
高川裕也
茶風林
松野芳子
スタッフ
【総合演出・プロデューサー】
西村陽次郎(フジテレビ情報番組開発センター)
【演出】
京田宣良
小出和平
【構成】
石井成和
石原大二郎
足立昌也
【ディレクター】
高山賢一
伊藤義
丸山薫
橋本直樹
二瓶知樹
長谷川千代美
高橋優介
酒瀬川茂雄
新垣博章
瀬口美夕紀
滝口佳祐
【プロデューサー】
杉山宏道
吉川和仁
本多孝成
大波多洋貴
スタッフ2
【制作協力】
バンエイト
ケーテン
駿
バンエイト
クリーク・アンド・リバー社
ライド
【制作】
フジテレビ情報制作局情報番組開発センター
ジャンル :
ニュース/報道 – 海外・国際
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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