これらのエネルギーを合わせた……という事なのだ。
(垣内)よいしょ〜。
隊長お昼にしませんか?
(関口)うん。
今日はこれ卵を使ったサンドイッチを私作ってきたんですよ。
だから一緒に食べましょう。
いいね。
ん!?偶然ですね。
隊長も卵ですか?ええゆで卵。
でもサンドイッチにするためじゃないのね。
このゆで卵今日のテーマ「地球の構造」と深い関係があるんですわ。
ん?ゆで卵と地球の構造。
一体どんな関係があるんですか?このゆで卵の断面よく見てみますとどう?当たり前だけど一番外側は殻でその内側は白身。
更にその内側は黄身ですよね。
…ですよね。
地球の内部ってのは大体こんな感じな訳なんですよ。
詳しく言うと例えばこの殻なんだけど…。
隊長!ちょっと待って下さい。
私おなかぺこぺこなんです。
これじゃ勉強できないのでまずは腹ごしらえさせて下さい。
まあいつも食い気ばかり先に。
うんおいしい!まあいいけどさ。
とにかく今日のテーマいっときましょう。
「地球の構造」。
はい地球の内部に迫りま〜す。
地球の内部は当たり前の話ですが目で見る事はできませんね。
だから昔からいろんなふうに想像されてたの。
想像しかできないからね。
そうですね。
例えばこんな想像した人がいたみたいですよ。
何ですか?これは18世紀の人が考えた地球内部の想像図だって。
これですか?何の事か分かんないでしょ。
分かんない。
地球の中は外とつながってるんだけどがらんとした空洞になってて。
それで真ん中に光ってるこれ。
もう一個星がこの中にあると思ってたんだって。
でもあれですね。
ここからた〜っと入っていって地底旅行できますね。
まあね。
まあ何にもないからつまんないのかなぁ。
何しろですね地面の下は見えない訳ですからいろいろ想像するしかなかった訳ですよ。
じゃあ隊長。
実際地球の内部はどうなってるんですかね。
はい。
それを知るためのキーワード出しますか。
お願いします。
いつものように3つ。
まずはこちら…。
それで…。
はたまたどうして…。
まあ見えないとこ探ってく訳ですからね。
まずはこれですかね。
今や科学の時代ですからすごいのありますよ。
例えば……というのは海底にパイプを下ろしてそこからドリルで掘り進んで地球の内部を調べる船なのね。
海底を掘るんですか?そう。
海底をどんどん掘ってってマントルへの到達を目指しちゃってるんですね。
隊長。
そのマントルってどういう所なんですか?マントル?うん。
実はですね地球の内部っていうのはこういうふうになってるって考えられてんのね。
地球の半径は6,400kmですね。
そのうち地表の部分ね。
深さ数kmから70kmぐらいまでを地殻っていう訳。
でね岩石の層なんですねここはね。
でその下。
深さ2,900kmぐらいまで。
ここがそのちきゅうが目指してるマントルってやつですね。
ここここ。
一番薄い色の所ね。
それで更に5,100kmぐらいまでの事を外核。
ちょっと濃いやつね。
そう言う訳。
更にその下6,400kmの地球の中心までの事を…ここだわね内核と呼んでます。
でも隊長。
最新鋭の地球深部探査船が目指してるのがこのマントルですよね。
そうそう。
という事はまだ直接には誰も見た事がないんですよね。
なのに何でマントルとか外核内核って分かるんですか?そう思うよね。
不思議な事ですな。
そこでこちらですね。
どうやって調べたのかっちゅう事ですよね。
でもどうやってですか?それは地震…この地震の波…地震波を使うの。
地震波?はい。
地震が起きた時って当たり前だけど地面揺れるでしょ。
はいグラグラっと。
そう。
この揺れを伝えるのが地震波なのね。
地震波にはP波とS波という2種類の波があります。
弦巻きばねを使って2つの波の違いを見てみましょう。
P波は波の進む方向と同じ方向に振動する縦波です。
地震波では最初に地震が来たぞと感じる波。
一方S波は波の進む方向と直角方向に振動する横波で地震波では大きな揺れをもたらす波です。
どちらも地震発生とともに伝わりますが性質に違いがあります。
まず地震波には2種類の波がある事分かってもらえましたか?はい。
P波とS波。
はい。
P波とS波では伝わり方に違いがある訳ですな。
…というのがポイントでございます。
でもう一個のポイント。
それは…波を伝える物質が変わると波の速さが変わるんですか?そうなのよ。
実はですね波の伝わる速さが変わるとある現象が見られるんですわ。
それを実験で見てもらいましょうか。
隊長地震の波って見えるんですか?簡単には見えないわね。
でもですよ垣内隊員思い出してほしい事があります。
目で見える波ってあったでしょ。
何だ?ほらほらこれです。
これこれ。
これ。
見てみてピヨヨヨン。
う〜ん…。
ふむふむ思い出しました。
光は波の性質を持っているって中学校で習いました。
なるほど光なら目で見えますね。
そうでしょ。
でね地震波の実験だと思って見てて下さい。
はい。
地球に見立てた丸い容器です。
中は空気で満たされています。
地震波に見立てたレーザーの光を当ててみます。
波は一様な物質の中をまっすぐ進みます。
容器の中に半分ほど水を入れます。
光を通すと曲がりました。
波が異なる物質の境界に斜めに進む時このように曲がる現象を…光の角度を変えてみます。
光が跳ね返るようになりました。
波の反射という現象です。
波が異なる物質の中を進むとその境目で屈折や反射が起こります。
光の実験で見てもらいましたが…つまり地震の波を伝える物質の種類とか状態が変わって地震波の速さが変わるとね…。
隊長。
この2つの地震波の性質を利用すれば地球内部の様子が調べられるって事ですか?そういう事でございます。
どんな事が分かったんですか?P波とS波の進み具合を詳しく調べたのがこれなんです。
何か変な進み方ですね。
まっすぐじゃないんですね。
そうなのよ。
地球の中が一様ではないという証拠ですな。
そうか。
じゃあ垣内隊員の理解度チェックといきますか。
ん?何ですか?P波が赤いやつなんだけど見てみて。
こことここもう一個こことここで急に曲がってますね。
何ででしょうか。
屈折ですね。
という事はこことここあとこことここが異なる物質の境目って事ですか?そのとおりでございます!今日はさえてるな。
おっ!ゆで卵。
はい!では今度S波ね。
この青いのがそうなんだけどさ。
何かこっち行ってるわね。
何でこっち来ないんでしょうか。
えっとS波は固体中しか伝わらないから。
だからつまりここは固体じゃないって事ですね。
そのとおりでございます!何か今日は調子いいな。
ねえ。
よくできました。
はい。
こんなふうにして地震波で調べた結果地球の内部はこんな感じになってるっちゅうふうに考えておる訳でございますよ。
こちらをご覧下さいませ。
地球の内部は地殻は固体マントルも固体。
で外核は液体。
でまたまた内核の方は固体。
…という層構造をしてる事が分かった訳ですな。
それじゃあそれぞれの層はどんなものでできてるんですか?はい。
それを知るのが最後のキーワード…地球の内部ってのはもちろん見えない訳ですが地球の表面に出てきてるものもありますね。
はい。
地層や岩石ですね。
そのとおり。
地層や岩石を調べるといろんな事が分かってくる訳です。
では一番外側の地殻の部分これとこれ。
地殻は主にこの2種類の岩石でできてるのね。
こっちの花こう岩は主に大陸の地殻でこっちの玄武岩は主に海洋の地殻に見られます。
それじゃあ地殻の下のマントルはどういうものでできてるんですかね?マントルも岩石でできてて主なものはこの…このかんらん岩というのは8月の誕生石…隊長。
それ私の誕生石です。
ペリドット見たい!見たい?うん。
ほかにもね…それでは行ってきます。
出た。
ついには目的も聞かずに行きましたよ。
という事で垣内隊員がやって来たのは…ここには世界中から集められた宝石とその原石がた〜くさん展示されています。
先生こんにちは。
お願いします。
(渡来)こんにちは。
こちらも宝石大好き…先生マントルには宝石になるものが多いって聞いたんですけどどういうものがあるんですか?例えばあちらのダイヤモンドがそうです。
ダイヤもですか?見たいです。
行ってみましょう。
このダイヤモンド炭素がマントル上部地下150〜200kmの温度や圧力のもとで結晶になったものなんです。
それを磨くとこんなにきれいなダイヤモンドになるという訳。
お〜美しい!先生私の誕生石のペリドットもそうだって聞いたんですけど。
はいそのとおりです。
このかんらん石という鉱物はマントルに含まれる鉄マグネシウム二酸化ケイ素という成分が高い温度圧力の条件で結晶になったものなんです。
そのかんらん石。
磨くと美しい8月の誕生石ペリドットに変身。
ふ〜ん。
地球の営みが作ってくれた私へのプレゼントって訳ですね。
はぁ〜きれいだったな〜。
誰かプレゼントしてくれないかな〜。
最後に地球中心の核の説明をしようかな。
お願いします。
それも私が大好きなものからできてるんですか?それはどうでしょうかね。
え〜…。
こんなだよ。
何ですか?この石。
これは宇宙から飛んできた…な〜んだいん石ですか。
随分態度が違うじゃないよ!…と考えられております。
外核と内核があって外核は液体でしたよね。
そうそう。
外核では金属が溶けちゃって液体になってると考えられてるのね。
真ん中の方の内核は圧力がめちゃくちゃに高いもんですからぎゅ〜っと押しつぶされて固体になってると考えられてます。
温度や圧力の関係で液体だったり固体だったりするんですね。
そう。
地球の内部ってのも不思議がいっぱいでしょ。
うんいっぱいですね。
でも私はやっぱり宝石が気になります。
でしょうね。
こんにちは。
こんにちは。
今日は地球の内部の層についていろいろ説明したけれども。
しかし地球内部の話よりもよっぽど何光年も離れた宇宙の向こうの方が人類詳しいってのも変な話ですね。
そうですね。
どうなんですか?最近分かってきた事とかないですか?世界で初めてマントルの底ですとか地球の中心の核の温度圧力状態を実験室で作り出すのに成功したんです。
へぇ〜。
じゃあ今ホットな話題なんですね。
この地球の中は。
ホットな話題でして…観察できるようになった。
はい。
じゃあ結構今初めて分かってきた事がどっさりある感じなんですか?そこから。
その実験によって結晶がどんな結晶に変わっていくかというのも追跡で観察する事ができるようになったんです。
結晶?例えばペリドットとか?そうですね。
ペリドット…今日は宝石を見て頂きましたけどマントルの上の方ではきれいなああいう状態でかんらん石って呼ばれる結晶なんですがそれが地球内部の高い圧力状態になっていくと別の名前の結晶に変わっていく。
ペリドットじゃなくなる?はい。
結晶の形が変わっていくこういう事も分かってきたんです。
第一線の研究の一つが地球の内部に迫るという話になっています。
なるほど。
隊長。
それにしても不思議だと思うのが宇宙は私たちは見えるじゃないですか。
でも地球に住んでるのに地球は見えないんですね下は。
そんなもんだよ。
私ら人間だってそうじゃないよ。
何かさ人の事ばっかり詳しくなっててさ自分の事よく分かってないとかさ。
うまいですね隊長。
でしょ?はい。
だけど一旦今度は自分の事を知ろうと思えばね詳しくなるように地球の内部の事重要だなと思うようになったこれからはパ〜っと詳しくなっていくんじゃない?確かに視野は広がりますよね。
まず私たちは見えるところから興味を持ってあとで見えないところの興味が湧いてくるってふうになってるのかもね。
わっ何か今日隊長の事ちょっと見直しました。
あらまあ!2015/09/23(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「地球の構造」[字]
「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。
詳細情報
番組内容
地球の内部は、大部分が人跡未踏の地。地球内部は、一体、どのような構造をしているのだろうか。また、地球はどのような物質からできているのだろうか。今回は、地球内部を探ることがテーマ。地球内部を調べる方法を知り、その仕組みを考えよう。さらに、地球を構成する物質を観察すると、地球が層構造をしていることへの理解が深まることだろう。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】渡来めぐみ
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【出演】茗渓学園中学・高等学校講師…渡来めぐみ,【語り】市川展丈
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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