大河ドラマ「花燃ゆ」総集編(3)「女たちの園」 2015.09.23


はい!
旦那様。
私がお勤めを許された奥とは200名余りの女たちが暮らす女の城です
文は毛利家奥御殿に女中見習いとして入った。
文の夫久坂は幕府との激闘の末京で命を落とす。
更に久坂家はお家断絶に。
(椋梨)お前に何ができる?おなごの分際で。
できる事はただ一つ。
己の無力を泣け。
愛する人たちはなぜ死んでいったのか。
文は城に入って確かめようとする。
旦那様。
これまでの私はもうおりません
文という無力な女の名は捨てます
「みわ」…。
伊之助から美和という名を授かる文。
女の城奥で新たな一歩を歩み始めた。
見習いは水くみからじゃ。
心して働くよう。
何から何まで勝手の違う奥の暮らしに美和は戸惑う事ばかり。
ご無礼致しました!今日よりは銀姫様の御次としてお仕えするよう。
(銀姫)お前か。
お家を朝敵に追いやった久坂の妻とは。
(手をたたく音)賭けをせぬか?この者がいつ逃げ出すか泣きだすか。
おそれながら。
賭けにはならぬかと。
ほう。
長州藩では椋梨藤太が復帰し反対派の粛清が始まった。
(椋梨)高杉晋作桂小五郎の両名を捜し出し必ず捕らえよ!
(一同)はっ!
(中川)高杉ですが。
10月27日姿を見せるやもしれませぬ。
吉田松陰の命日です。
高杉はその日欠かさず墓に参るんじゃとか。
なるほど。
師の前で討ち取るもまた一興。
高杉様の行方を捜して椋梨様が躍起になっておられるのです。
高杉様を見つけ次第斬れと。
「雅様。
高杉さんに危険が迫っております。
もし居所をご存じなら急ぎ高杉さんにお伝え下さい」。
使いを出す訳にはいかぬ。
何としても命を助けたいんです!お力をお貸し下さい!私はお前が嫌いじゃ。
懸命になれば思いは必ず通じると信じておる。
私は…。
(銀姫)奥とはそのような場所ではない!ここはただお家のため一人でも多くの子をもうけ育てる。
そういう場所じゃ。
諦めよ。
姫様!子のない私はここでは人ではない。
追い詰められた美和は一計を案じる。
(潮)羊羹?せんだって御萩をこしらえました折元徳様より大層お褒めのお言葉を頂きました。
このようにうまい御萩を食べたのは初めてじゃ。
ここは姫様の手で新しき菓子などを作ってさしあげれば…。
確かに船橋屋の羊羹は江戸暮らしの頃より元徳様の好物であった。
お話も弾みご夫婦の仲もなお一層深まりましょう。
遠からずお世継ぎも。
よくぞ申した!お前潮を抱き込んだか。
なぜそこまで…。
兄を失い夫を失い兄を慕う大勢の者を亡くしてきました。
これ以上誰も死なせとうないんです。
亡き夫と共に歩んできた方たちのお命をお守りしたいのです。
気に食わぬ。
気に食わぬ。
気に食わぬぞ。
姫様しっかり力を入れて下さい。
ここで手を抜いてはあんが焦げてしまいます。
分かっておる!いかがでございますか?うん!皆もなめてみよ!ほら!ほら!お前も誰かに食べさせたのか?兄が好物でした。
一度だけ夫となった者にも食べてもらおうとこしらえた事があるのですがケンカを致しまして。
食べさせ損ねたか。
なんと間の悪い。
食べたら何と申したでしょうね…。
そして10月27日となった。
(銀姫)赤子が生まれた家臣の祝いの品にと思い立ちまして。
御前様にぜひお味見をと。
いかがでございましょう?
(都美姫)美味じゃ。
心得のある女中に指南を受けまして。
喜べ。
御前様よりお褒めを賜ったぞ。
(都美姫)またお前か。
恐悦至極に存じます。
この者に褒美などとらせとう存じますがいかがでございましょう?褒美。
どのような?申してみよ。
おそれながら今日は兄の命日でございますれば同じものを兄の墓前に供えたいと存じます。
相分かった。
許す。
ありがとう存じます。
昨日祝いの品を届けた家より礼が参った。
(銀姫)奥方より「主は無事でございます」と。
さすがに私の名の入った品は誰もあらためなかったようじゃの。
ありがとうございました。
私はお前が嫌いじゃ。
一人では何もできぬくせに潮を丸め込みあげく私の名を使って。
あっ。
何じゃ?羊羹…。
そういえば元徳様の分…。
忘れておった。
(2人の笑い声)姫様のお話をする元徳様は楽しそうでございました。
どうじゃ?おきれいでございます。
(女中)元徳様のお成りにございます。
姫様?姫様!姫様!姫様!
(潮)姫様!どうした?早うお話がしたくて。
姫らしい。
まことに姫らしい。
(2人の笑い声)奥に政を邪魔立てした者がおると?高杉の逃亡を助けた事が椋梨の耳に入り美和は追及を受ける事に。
(都美姫)知らぬと申すのだな。
身に覚えはありませぬ。
しかし現に高杉は追っ手を逃れ萩からも脱したという。
お前は奥より下がるがよい。
御前様。
(銀姫)お待ち下さいませ!勝手に暇に出されては困ります。
美和は私の女中でございます!
(都美姫)姫…。
子ができました。
えっ…。
世継ぎ…。
つまらぬ事でお世継ぎ誕生に障る事がございませぬよう平にお願いする次第にございます!姫様…。
私はこれから戦わねばならぬ。
この子の母として。
お力になりとう存じます。
できるか?お前に。
必ずや。
小田村様が投獄されました。
兄上が?小田村殿。
(鞠)小田村様に謀反の兆しありと。
長州藩に大粛清の嵐が吹き荒れ伊之助の斬首も決定した。
お願い。
なんとかお前の力で…このとおり!姉上…。
旦那様をお助け下さい!姉上…。
閉門!邪魔じゃ!あの人を私たちのもとへ!どうか!どうか!どうか!意を決した美和は…。
お願いがございます…。
小田村様をお助け下さい。
(都美姫)美和。
ご無礼は重々承知の上でございます。
ですがどうしても椋梨様に…。
なくてはならんお人です!美和!何なら代わりに私の命をお召しとりに…。
どうか!お願い致します!誰か!誰かこの者を捕らえよ!どうか!椋梨様お願い致します!お願い致します!姫様…。
先ほどは勝手致しましてまことに…。
申したはずじゃ。
「この子を頼む」と。
なのに私事で動くとは…恥を知れ。
おわびの申し上げようもございません。
早う行け。
命に代えても惜しゅうない大事なお人なのであろう?初恋の人にございます。
美和は最後の別れを告げようと伊之助に会いに行く。
(伊之助)美和…。
よくここまで…。
私にとって兄上は空のような方でした。
気付けばふとおっていっつも見守って下さって。
小田村伊之助様。
あなたは至誠そのものです。
兄上のような方がいなければ…。
この先この国はどうなってしまうんか…。
まだあの男がおるではないか。
えっ…?村塾一の暴れ牛高杉晋作が。
美和…見届けてくれ。
この国が変わり皆にまた笑顔が戻る日を。
そして誰も恨むな。
愛せ。
幸せになってくれ。
ところが伊之助の処刑直前にこの男が奇跡を起こす。
(晋作)これより長州男児の肝っ玉お目にかけ申す。
出陣じゃ!
(一同)おお!たった今知らせが。
高杉晋作下関にて挙兵。
諸隊を率いて役所に攻め入ったと。
なんと!高杉…!
(松原)処刑はひとまず取りやめじゃ。
しばらくそこにおれ!高杉さんが挙兵…。
いでよ。
すぐに姫様のもとへ参りお守りするのじゃ。
80名余りの反乱軍を討つべく椋梨は出兵を命じた。
その数およそ3,000。
しかし…。
行け〜!名もなき民の力を得て反乱軍はいつしか1,000名近い軍勢へと膨れ上がっていた。
申し上げます!絵堂大田の戦いにおいてお味方総崩れにございます!萩に残るすべての軍勢に命じて諸街道の口を固めるのじゃ。
高杉たちを決して萩に入れてはならん!
(一同)はっ!勢いを増す反乱軍に対し戦を止めようと立ち上がった者たちがいた。
(晋作)杉様…。
(梅太郎)我々に和議の仲立ちを任せてくれんでしょうか?戦をやめよと?何としても殿様にお目通りし藩政をあるべき姿に戻して頂くようお頼みしてみる。
これ以上の攻撃はせんでつかぁさい。
このとおり。
(敬親)藩政を正せと申すか。
椋梨様は幕府への恭順を我らに強い従わぬ者をことごとく投獄し処刑しあまつさえ民を困窮と不安に陥れております。
どうか長州が中から崩れ落ちる前に何とぞ!その思いは聞き入れられた。
椋梨の役を解き藩政を改めるという決断は直ちに諸隊に伝えられた。
勝ったぞ!おお〜!獄にあった者たちも次々と釈放されていた。
そして重臣たちの顔ぶれも一新された。
(敬親)これからは幕府に対し恭順を示しつつもひとたび事あらば武力をもって決然とあらがう事も辞さず。
これを藩是と致す。
(一同)御意!城を去る椋梨を最後に送ったのは美和だった。
お引き取り下さいませ。
城で最後に会うたのがお前とはの。
椋梨の失脚によりすべての幕府恭順派は一掃された。
(産声)そして…。
銀姫様無事おのこご出産。
お世継ぎ様のご誕生にございます。
おお…でかした!よう頑張られました。
毛利家に生まれた待望の男子は興丸と命名された。
姉上。
文さん!よういらして下さいました。
何か急な御用が?父上のお体がちいと…。
えっ?
(亀)このところひどくお疲れのようで…。
無理ですよね。
お宿下がりなんて。
私はまだ奥から外へ出られる立場では…。
(都美姫)銀姫!まあ〜…なんという事を!姫が手ずから湯に入れるなど!できるだけ己の手をかけこの子を育ててまいりたいと思うだけでございます。
お世話は守り役に任せよ。
では守り役と共にこの子を育ててまいりとう存じます。
うん。
守り役の美和と共に。
えっ?そのころ幕府との戦に備えて城が萩から山口へ移される事となった。
(都美姫)美和。
はっ。
守り役の話だが美和が山口に参った後身を賭して務めるというのなら考えてもよいと思うておる。
ただし美和が今後一切の私情を捨て奥と興丸のためだけに尽くす覚悟があるならの話じゃ。
そして城移りの前日。
(銀姫)美和。
はい。
半日の宿下がりを許す。
家へ戻り父上を見舞え。
明日の出立までには戻れ。
おそれながら。
それはできませぬ。
何じゃと?美和。
これは恩情ではない。
命令じゃ。
お前の家族の話をもっと聞かせてほしいのじゃ。
私の話を…。
お急ぎなさい。
家には知らせを出しております。
申し訳ございませぬ!美和?奥に入れて頂きここまで無我夢中でした。
やのに今…家の明かりや懐かしい温かいものに触れてしもうたら私…とてもその手を振り払う事なんて…。
それでもよいではないか。
そのように懐かしく温かいものを何より大事にするそなただからこそ私はお前を信じた。
どねぇしたん…。
文さん!ただいま戻りました。
文さんが!文!母上。
まあまああか抜けてしもうて。
(百合之助)ぬくい。
土がぬくいぞ。
本当に。
花が…。
桜か。
まことは私…戻ろうと思うて来たんです。
この家に。
父上の娘に。
ハハハハ見よ。
散っておりますね。
散っちゃおらん。
解き放たれとるんじゃ。
人も花と同じじゃ。
放たれて旅立つ。
己を惜しみなく降り注ぐ事ができる場所への。
父上。
これが父百合之助との最後の別れとなった。
銀姫。
美和を知らぬか?興丸様でしたらこちらに。
お前…。
美和…。
興丸様今朝は大変機嫌ようされております。
興丸はお世継ぎというだけではない。
新しき政を始める長州の皆の心を一つにまとめる希望である。
この命守れるか。
この身に代えましても。
本日この時より美和を興丸の守り役と致す。
御前様…。
皆の者参るぞ!一方そのころ。
まずはほれ。
坂本龍馬の仲立ちで長州と薩摩が手を結び薩長同盟が成立した。
長州征討のため幕府軍は広島に陣を進めていた。
その長州を討てと再び勅許が下された!出たか。
(利助)全国32藩に出兵を命じたそうです。
その数総勢15万。
我が藩の兵力はおよそ6,000。
腕が鳴るのう。
こうして幕長戦争が開始された。
大島が?
(小忠太)攻め取られたとの知らせが。
砲弾が撃ち込まれ民家が焼き払われ女子どもまでもが犠牲になっておると。
討て!明かり目がけ撃て〜!
(山田)撃て〜!周りに見えるんはすべて敵じゃ!撃ち込めるだけ撃ち込め!
(銀姫)御前様これは…。
この城に攻め入られる事も十分ありうるであろう。
その時私は戦うつもりじゃ。
姫はどうじゃ?無論私も戦います。
おそれながら私も。
おそれながら…。
私は逃げたいと。
姫様興丸様をお連れし逃げてどこまでも逃げ延びて…。
興丸様さえご無事なら毛利家は必ずや復興しましょう。
お許し頂けますなら申し上げたき事が。
これが山口城にございます。
東と南にあります外門の警護をまず固め…。
美和は兄松陰仕込みの戦略を披露する。
ここにおなごたちを集めその奥に興丸様を。
隙を見て勝手口から外門へお逃がしします。
はあ…。
気に入った。
一方戦は諸藩の寄せ集めである幕府軍がまとまりを欠き長州軍が各地で勝利を収めていた。
今日これより門司田野浦に奇襲をかける。
先手必勝。
我らが流れを作る。
(一同)おお!
(せきこみ)
(前原)高杉さん!高杉さん!高杉さん!まさか高杉さんが…病?どうも肺をやられておるらしい。
もし今晋作に何かあれば長州軍は総崩れとなるやもしれぬ。
興丸の事重ねて頼む。
はい。
高杉殿かの富士山丸に小舟を近づけ砲撃を加えたと。
小舟?
(潮)砲弾は次々命中したものの巨大な軍艦を破壊するには至らず…。
せわぁない。
どねに心配で気に病む事があってもせわぁない。
そう言うて我が家では皆働きました。
働くというても…。
種がございます。
奥に広がる不安を打ち消そうと美和は父が残してくれた種で畑を作った。
見ろ。
煙が出とらん。
機関の止まっとる船などただの塊じゃ。
撃て〜!幕長戦争は長州軍の歴史的な勝利に終わった。
どうじゃ…先生…。
久坂…見たか…。
俺はやったぞ。
面を上げよ。
(都美姫)初めてお前に会うた時なんという者が奥に参ったのかと私は思った。
しかし今は…。
この奥も変わらねばならぬ時である。
より寛容にそしてしなやかに…。
そう美和に教えられた気が致す。
めっそうもない事でございます。
美和。
そなたを中臈に任ずる事に致す。
(都美姫)そして家名断絶となっていた久坂家。
再興せよとのお許しを得た。
恐悦…至極に存じます。
美和は病の高杉を見舞うため宿下がりを許された。
では興丸様。
この美和しばらく宿下がりをさせて頂きます。
その間畑のお世話お願い申し上げます。
(興丸)相分かった!では行ってまいります。
下関の外れの庵で高杉は療養していた。
それで私に話とは…。
ほかでもない久坂の事よ。
久坂の事?京に子がおる。
えっ?
(辰路)ごめん。
(秀次郎)お母ちゃんお帰り!秀次郎ええ子にしてたか?
(晋作)忘れ形見よ。
それは…。
引き取る気はないか?母となりその子を育てるんじゃ。
えっ…この私が?考えてみてくれ。
そのころ伊之助は広島九州の諸藩との講和を成功させ城へと戻ってきていた。
(敬親)こたびの働きまことに大儀であった。
時に伊之助。
これを機に名を改めてはどうかの?
(元徳)父上は心配しておられるのじゃ。
名を変えねば幕府方に命を狙われるのではないかとな。
ありがたき幸せ。
この後小田村伊之助は名を楫取素彦と改めた。
あの事考えてくれたか?あ…。
やはり私には久坂の子を引き取る事はできません。
俺は心配でたまらんのじゃ。
これからの日本が。
松陰先生やわしらの志を教え伝えていく者がおらねばならん。
久坂の子だけではない。
お前にはわしの子の梅之進塾生たちの子らも皆育ててもらいたいんじゃ。
新しい日本をつくる新しい日本人を。
新しい日本人…。
それが天命じゃ。
(晋作)「おもしろきこともなき世におもしろく」。
幕末の志士高杉晋作が波乱万丈の人生をここに閉じた。
享年29。
時代は間もなく明治へ。
この先美和にどんな運命が待ち受けているのか。
2015/09/23(水) 08:15〜09:00
NHK総合1・神戸
大河ドラマ「花燃ゆ」総集編(3)「女たちの園」[解][字]

文(井上真央)は夫・久坂の死後、名を「美和」と変え、毛利家の“大奥”に入る。奥御殿の女帝・都美姫(松坂慶子)や次期藩主の正室・銀姫(田中麗奈)と渡り合う美和は…

詳細情報
番組内容
文(井上真央)は夫・久坂の死後、政の中心に近づくため、名を「美和」と変え、毛利家の“大奥”に入る。奥御殿の女帝・都美姫(松坂慶子)や次期藩主の元徳の正室・銀姫(田中麗奈)と渡り合いながら成長していく美和。一方、高杉晋作(高良健吾)は、保守派の椋梨藤太(内藤剛志)を倒し、幕府との戦いに備える。戦いの後、病に倒れた高杉は美和に重大な秘密を伝える。そして美和は、新しい生き方を模索しながら明治を生きていく
出演者
【出演】井上真央,大沢たかお,伊勢谷友介,東出昌大,高良健吾,北大路欣也,原田泰造,優香,久保田磨希,森永悠希,瀬戸康史,劇団ひとり,佐藤隆太,要潤,大野拓朗,音尾琢真,鈴木伸之,阿部亮平ほか
原作・脚本
【脚本】大島里美,宮村優子

ジャンル :
ドラマ – 時代劇
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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