先人たちの底力 知恵泉「組織での生き残り方 外様大名・細川親子の情報活用術」 2015.09.22


是非是非。
これで夏を乗り切れそうです。
次回は「洋風のボトルサラダ」をご紹介します
人が集まるところにうわさあり。
気になるうわさを「情報」として活用する知恵があるんですって。
う〜ん…。
どうしたんですか?店長。
そんな難しい顔して。
いや今ね手紙読んでるんですけどねこんなに届いているんですよ。
手紙で悩むって何かしら。
内容気になっちゃいます。
ラブレターとか?だったらうれしいですよ。
ところがね先代の店主からの手紙がこんなに届いている。
中はというとほんと細かくて例えばね「商店街の会長に何か頼む時はまず隣のスナックのママに相談した方がいいぞ」とか「クリーニング屋の跡取りは店を潰して居酒屋を始めたらしいから気をつけろ」とか。
まあすごい。
だって貴重な裏情報?裏情報なんですよ。
いや大事なのは分かるんですけれどもこの量ですからどうやって活用して生かしていったらいいかというのが悩んじゃいましてね。
どうしましょうねこんなにね。
こんばんは。
あっ城さんいらっしゃい。
宮崎さん人事コンサルタント会社を経営されている城幸司さん。
時々来て下さるんですよ。
どうも。
よろしくお願いします。
外で郵便屋さんに会いましてこれ預かっちゃったんですけど。
(近田宮崎)これもしかして?はい井上二郎やっぱり。
見て下さいこの量。
商店街の情報びっしり書いて生かせよという事で手紙をいっぱいくれるんですけれども。
こんなにたくさん集まってきた情報ってやっぱり生かさないと生き残れなくなっちゃいますよね。
やっぱり情報重要ですか。
重要ですね。
今日はこれでいきましょう。
今日のメニュー。
皆さんと一緒に味わっていこうと思います。
かつて日本一の巨大組織だった徳川幕府。
江戸城には権力を持つ官僚がひしめく一方遠く離れた地方を治めたのが外様大名です。
仮に幕府を巨大なグループ企業の東京本社とすれば外様大名は地方の子会社の社長のようなもの。
その多くはもともと徳川家と天下を争ったライバルでしたが関ヶ原の戦い以降徳川グループの傘下に入った人々です。
いわば外様大名はライバル企業に吸収合併された弱い立場。
本社・徳川幕府からは何かとにらまれ少しでも機嫌を損ねればすぐに社長解任。
そんな厳しい環境にあって組織の情報を巧みに活用する事で見事生き残った大名親子がいました。
九州・細川家の初代藩主細川忠興と二代目忠利です。
彼らが活用したのは親子でやり取りした膨大な手紙。
残っているだけでなんと3,000通。
本拠地の九州や出張先の江戸で入手した幕府の内部情報を親子で共有し生き残り戦略に生かしていました。
例えば…。
「将軍家の娘が病気で大変な時にそばにいるべき婿殿は相撲観戦を楽しんでいた事がばれて大騒ぎらしい。
あの婿殿とのつきあいも考え直そう」。
幕府の人間関係からライバル大名の動向そしてゴシップ記事のようなうわさ話まで。
多岐にわたる情報を細川親子はどのような知恵を駆使して生き残りに活用したのでしょうか?今回細川親子の知恵に迫るのは人事コンサルタント会社を経営している城幸司さんです。
城さんの仕事は組織とそこに所属する人にまつわるさまざまな問題を解決する事。
そのためには組織を飛び交う「情報」を徹底的に集め分析するのだとか。
また城さんは個人が組織の中でやりがいと存在感を高めて生き残るためにも情報の生かし方はとても大事だと言います。
現代のプロフェッショナルとともに江戸時代の細川親子の知恵「組織で生き残る情報活用術」を堪能しましょう。
なるほどね。
すごい親子ですね。
そうなんです。
親子の間で3,000通?すごい数ですよね。
筆まめってレベルじゃないですよね。
メールでもこれだけできないですよね。
城さんは細川忠興忠利の印象というのはお持ちでしたか?文化人というイメージがありますよね。
茶とかそういうイメージがすごく強くてどちらかというと政治家というより文化に携わってる方というイメージが強かったのでこれだけ筆まめな政治家だとは思っていなかったですね。
こんばんは。
あっ山本先生いらっしゃい。
東京大学史料編纂所の山本博文先生で店の常連さんです。
じゃ何でも聞けちゃうわけですね。
店長表で郵便屋さんからこの手紙預かりました。
まただ。
また来た。
これやっぱり井上二郎ですから。
でも手紙といえば今ちょうど細川親子と手紙のやり取りの話をしていまして3,000通。
これって当時として量としては…。
他の所はそんな送ってないです。
手紙書いて送るでしょ。
また新しい情報あったらその日のうちにまた送るんですよね。
1日3通?一大名が手紙を3,000通も言葉は悪いですけれどもちまちま何やってんのかなという印象を受けるんですけれどもそんな事はないんですか。
そんな事はないですね。
やっぱり江戸で刻々と移る人事情報とかいろんな情報を知っとかないと対応できないわけですね。
だからそれだけの事をやってたって事ですね。
他の藩と比べてその部分が手厚かったと。
そうですね。
それも手厚いですしやっぱり情報に対する感度というのが非常にすごいんですね細川家の場合は。
じっくりとお話を伺っていきたいと思いますが…その知恵をひもといていきましょう。
群雄割拠の戦国乱世。
あまたの戦国大名が生き残りを懸け武力を競い合った時代。
そんな血生臭い時代も関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利する事で幕を下ろしていきます。
そして迎えた江戸幕府の世。
これは外様大名たちにとっても生き方に大きな変化を求められる事になりました。
徳川幕府はもともとは競争相手だった外様大名を隙あらば潰して自分の息のかかった大名に交代させようとそのチャンスを虎視眈々と狙っていました。
そんな幕府の厳しい方針の中でも特に外様大名たちを震え上がらせた事件がありました。
元和5年広島藩の有力大名福島正則が幕府によって領地没収。
きっかけは台風で広島城の石垣が壊れたので正則が修理した事。
これに対して幕府は「石垣修理の許可申請が出ていない。
無断で城の守りを固めて謀反を起こすつもりであろう」と言いがかりをつけ広島藩から追い出してしまったのです。
徳川政権が始まった頃全国各地を多くの外様大名が支配していました。
ところが法律違反やお家騒動などで…細川忠興も外様大名として九州・小倉藩の藩主を務めていました。
忠興にとってどうやって幕府に忠実に従って信頼を獲得し難癖をつけられないようにするかが死活問題でした。
当時参勤交代のため国元の小倉と江戸を交互に行き来していた忠興と息子の忠利。
細川親子は一体幕府にどう対応していたのでしょうか?その戦略の全てが2人が交わした手紙にありました。
細川家の古文書が保管されている熊本大学です。
手紙は忠興から息子忠利へ1,802通。
忠利から父忠興へ1,084通。
多い時には1日に3通も送っていた事が分かっています。
細川家にまつわる古文書の研究をしている…これだけの…全体で3,000通ぐらいでしたっけ。
原本だけでもですよね。
元和2年大事件発生。
日本中に衝撃が走ります。
江戸幕府の創業者初代将軍…幕府は二代将軍秀忠体制に移行しますがそこには重大な問題がありました。
実は秀忠はこの10年ほど前に最高権力者である将軍の座を既に継いでいました。
ところが隠居したはずの家康は裏で権力を握って手放しません。
言ってみれば社長と会長の二重支配体制。
その家康が死んだ事で家康派だった側近たちと秀忠派の側近たちの間で生き残りをかけた権力闘争が激しくなるのは明らかでした。
今後幕府重役の誰を頼ればいいのか選択を間違えれば共倒れしかねない重大事態に細川親子の間では手紙が飛び交います。
これは家康の死から2か月後に国元小倉の忠興から江戸の忠利に出された手紙。
その長さは2m以上にも及びます。
手紙からは細川親子が幕府内外の人間関係にいかに細心の注意を払っていたのかうかがえます。
金地院崇伝とは幕府の重要幹部で家康の元ブレーン。
細川家にとってこれまで大事な相談相手でした。
実力者のまさかの失脚。
忠興の戸惑いがうかがえます。
一方こちらは…藤堂高虎は激動の戦国時代を生き抜いた名将で外様大名ながら家康や秀忠の信頼を得ていた人物です。
そんな高虎の生き方は今後きっと役に立つので仲良くしなさいという人脈作りの勧めです。
更に手紙にはこんな裏情報まで。
お世話になっている2人が実は仲が悪いというつきあい方要注意の情報です。
生き残りのためにこんな細かい人間関係までつかんでいた細川家。
忠興の長い手紙に書かれた情報は20項目以上。
他にどのような情報が並びそれをどう生かしていたのか。
更に詳しく見ていきます。
さあ今ご紹介しました忠興から忠利への手紙。
皆さんにもじっくり見て頂こうと思いましてこちらに用意いたしました。
全てではないんですけれども全部は20項目以上あるので一部抜粋してまとめました。
その中でも例えば人事情報それから人間関係の情報など情報のジャンルごとに仕分けたんですが宮崎さんもし興味のある…。
私ね贈り物情報がやっぱり気になります。
他の大名たちからご祝儀が贈られるだろうから我らも考えようとか次は我らはしないでおこうとか。
宮崎さんが注目したのは贈り物について書かれたこの2つの情報。
死亡した家康への対応と次の将軍候補の家光への対応がまるで逆です。
これは一体どうしてでしょうか?家康様にはどちらかというと距離を置いてるんですけれども一方で家光様には少しご祝儀を贈ろうという。
そうですね。
やっぱり二の丸に移ったという事になると次代の将軍になるのは確実なわけですからここで何かやっとかなきゃいけないだろうというのはやっぱりあるわけですよね。
更に贈り物の情報は続きます。
他の大名の情報を仕入れた上でそれに流されない判断基準がうかがえます。
「五十日の法事」というのは死んだ時の話じゃないのでやっぱり親藩とか譜代が贈るべきで自分たち外様大名は少しそれと距離を置いた方がいいという事ですよね。
出過ぎるとそれだけでまたいちゃもんつけられる。
細かい。
城さんの視点でこれはちょっと面白いというような情報ありますか?人事情報にちょっと注目してたんですよ。
手紙の中で多いのは幕府内の権力争いで失脚した者出世した者の情報です。
その中で城さんが目をつけたのは「加増出世した者のリストを受け取った」という事務的な一文です。
城さんはここから細川親子の情報活用の深い知恵を読み解いたというのですが…?このリストをちゃんと読んで将来のためにそれをちゃんと見ておきなさいという。
これすごく重要なポイントじゃないかと思うんですよ。
これから新しい時代の中で…あれ何でこの人加増されたのかなという人が恐らく今後の…人事の仕事をしてると分かるんですけど…やっぱり目の付けどころが違いますよね。
そのとおりだと思いますね。
旗本というのは外様大名からとったら全然取るに足らない存在なんだけど…だからこういうリストをお互いにやり取りしてるんですね。
恐らくなんですけども世の中の外様大名がやってるから自分たちもやろうという右向け右じゃない事をやっているという事は…今言われた事をちゃんとやろうとか…また忠興の2mにも及ぶ手紙の中でも特に文字数を費やして書かれている人物がいます。
外様大名黒田長政。
内容は長政が2人のライバル同士の幕府高官に近づこうとしてその八方美人ぶりに両方から愛想を尽かされたという情報。
そんな長政を忠興は手紙の中で痛烈にあざ笑っています。
ここ気になりません?「黒田の擦り寄り方は前々からうまいがこの度は尻尾が見えた」。
これ見てると黒田に関してだけが多少感情的になっているような印象もするんですけれども宿命のライバルなわけなんですね細川家黒田家。
そのライバル競争に打ち勝つためにも実は細川家はその持ち前の情報活用術を遺憾なく発揮したんです。
続いてはその知恵についてじっくりと見て頂きます。
細川家の宿命のライバル黒田家。
当主の黒田長政は父黒田官兵衛譲りの勇猛果敢な大名でした。
細川家と同じく豊臣恩顧の上関ヶ原の戦いで活躍。
長政はその功績によって中津藩から福岡藩に移ります。
そこに同じく関ヶ原で手柄を立てた細川家が入ります。
いわば細川家にとって黒田家は机を横に並べる競争相手でした。
一方の黒田長政も生き残りをかけて将軍徳川秀忠へのパイプを作ろうと奔走していました。
その動向を細川親子は事細かにチェックしていたのです。
国元の小倉にいた父忠興から江戸の息子忠利に宛てた手紙です。
忠興は黒田長政が徳川一族と親戚になる事で強力な関係を作ろうとしている情報をキャッチ。
一方忠利も黒田家のなりふり構わぬ将軍家への接近策を耳にします。
長政は秀忠への徹底的な服従の態度を見せる事で自らの忠誠を示そうとしているようです。
長政の幕府のトップに狙いを絞った作戦。
一方細川家の作戦は幕府のあらゆる人事情報に気を配る事でした。
その理由は…。
当時幕府は西国大名の水軍の武力を制限する方針を敷いていました。
積載量が500石以上の軍船や商船を没収する大船没収令です。
外様大名の軍事力を制限する締めつけ策。
早速細川忠利は…その役人は江戸で幕府の船を管理する小浜光隆。
大名に比べ石高は僅かですが役人としての力は大きなものがあります。
細川家をはじめ西国大名を取り締まる重要人物をいち早くキャッチした忠利は直ちに小浜に接触。
父忠興に報告しています。
忠利は小浜にライバルの黒田家との関係がないと見るや細川家との家ぐるみのつきあいを画策。
これはチャンスと小倉にいた忠興も小浜が大坂に到着するやいなやすぐに使者を出して小浜と親密な関係を築こうと動いたのです。
こうした細川のキーパーソン取り込み策が5年後に実を結びます。
黒田家が所有する船が500石を超えているという疑いで幕府に告発されたのです。
後に黒田家の船は500石を超えていない事が判明。
えん罪だったとはいえ幕府に報告が上がった以上黒田家に対して悪い印象が残りました。
果たしてこの事件細川家と小浜の関係から生まれたものかは分かりませんがこれでライバルに一歩リードしたのは間違いありません。
こうした情報活用術を重ねながら幕府ににらまれないように努力した細川家。
寛永9年ついに息子忠利が小倉39万9,000石から熊本藩54万石の藩主に指名されます。
熊本藩は幕府が最も警戒する摩・島津家の抑えとなる要衝です。
幕府の信頼なくしてこの地位は得られずライバル黒田家に差をつける大抜てきと言えます。
細川家は細かい人事情報を基に役立つキーパーソンに接近。
その力を生かしながらライバルとの競争を生き延びていったのです。
うわ〜すごい。
今の「小浜さん黒田さんとは仲いいの?」と聞いてるわけですよね。
あそこまで聞いていいんですね。
率直に聞いてますよね。
小浜の方も「一度行っただけで全然親しくない」とか言って答えてるわけですからね。
恐らく今の方というのは戦国時代とかであればそれほどのキーパーソンにはならないと思うんですよね。
そうですね。
しょせん幕府の旗本なんですね。
船手という水軍の長官の一人なんですがそれが大坂に赴任すると。
すると参勤交代で九州から江戸に行く人はみんな大坂まで船で来るんですよね。
そこで船の査検をされるのでやっぱり気をつけなきゃいけないという事なんですね。
他にも例えば長崎奉行なんかも随分気にしてるんですね。
長崎奉行というのは外国との貿易を全部管轄する役目なんでこれも旗本なんですけども彼と話をしてるとどういうものが安く買えるかとかから始まって何を仕入れていいかとかあと西国全体を特に九州のキリシタンの取り締まりにも当たるんでそのキリシタンの取り締まりをどういうふうに行えばいいのか教わったりそういう事をしてるんですね。
リーダーシップの時代ですから当然将軍様に行くわけですよね今回も。
ところがこれから先はどうなんだという時に細川家はもう…キーパーソン有事平時という話で言うとこれは現代でも通ずる事ですか?全く変わらないですね。
それを見ていかないといけなくて…しっぺ返しがありますね。
どうしたら見抜けますか?見つけるキーパーソンを。
やはり意思決定ができるかどうかなんですよ。
何かを決める力があるかという事ですね。
例えば営業職の課長さんという方がいますよね。
そういった方ももちろんいますけど例えば購買担当の課長とか今で言えばコンプライアンスとかありますね。
重要なポイントの中でチェックをする人とかあるいは先ほどの話でもそうですけど駄目な人を指摘するとかそういう権限があるじゃないですか。
そういった方はやっぱりキーパーソンなんですよね。
ですからそういった方を見つけていく。
時代で変わっていきますよね。
それを見つける事だと思います。
その時代にまず追いついていかないといけない。
黒田と細川の戦略の違いがあったじゃないですか。
黒田家の婚姻戦略の結果というのはどうだった…?結局なかなかうまくいかなくて全てうまくいってないですね。
それを踏襲してるわけですね。
でも細川はそれで失敗してる例をいろいろと見てきてるんでそれはうちはやめるというかやらないという事を考えてるわけですよね。
でも恐らく多分これから先ずっと長く太平の世があるという事を細川家は分かってたんじゃないですかね。
情報の収集によってですけどね。
黒田家は恐らくそこがもしかしたらそうじゃなくてもうちょっと何か起きるんじゃないかという事を思ってたと思うんです。
それはこれまでの過去の経験で何回も何回も変わってきたじゃないですか戦いによって。
それがこれからも起き続けるんじゃないかと思ってたと思うんですよ過去の経験で。
そこが大事なんですね。
なかなか大河の黒田官兵衛を見てるとすごいなと思いますけどもやっぱり細川から見ると…。
そうですね。
黒田官兵衛の時代はそういう事をいろいろと注意してるんですけど子供の長政更にその子供の忠之は細川家の目から見るとすごくそういう事が拙いというかそういう大名として描かれてますね。
ただこれはお互いにライバル関係にあってあいつのやる事が気に入らないとかそういう要素もあるんですけどね。
情報と一口に言いましてもさまざまなものがあるじゃないですか。
更なる知恵をご賞味下さい。
いつの時代も世の中はスキャンダル下世話なうわさ話が大好き。
実は父細川忠興はそうしたゴシップ記事のような情報も手紙で息子に知らせています。
「二代将軍秀忠様の愛娘初姫様が危篤状態に陥った。
その時夫の京極忠高は大好きな相撲を興行中。
姫様危篤の知らせを聞き幕府高官が駆けつけると情けない事に京極は慌てて奥に引っ込み見物人も逃げ隠れの大騒動。
京極は秀忠様の怒りを買うだろう」。
「素行が悪い事で評判だった将軍秀忠様の三男忠長様のうわさだ。
最近江戸でつじ斬りが多発している。
幕府は犯人を殺さず捕まえよとお触れを出した。
江戸では犯人は忠長様かとうわさが立っている。
もしもそうなら幕府を揺るがす大スキャンダルだ」。
お殿様もこんなうわさ好きなんですね。
…というわけではなく実はこうしたうわさ話も油断すると自分の身を危うくすると細川家では警戒していたんです。
忠利が熊本の藩主になって5年目の冬。
九州を揺るがす大事件が発生します。
天草四郎を総大将に3万7,000人もの一揆軍が島原半島の原城に立て籠もりました。
一揆鎮圧で名を上げ将軍へアピールしようと意気込む九州の大名たち。
忠利も後れを取るまいと2万3,000もの軍勢で挑みます。
総勢12万を超える幕府軍が一揆軍に攻め込み激戦を繰り広げました。
大きな戦果を上げたのです。
細川家活躍の知らせを聞き大喜びの江戸屋敷の家臣たち。
ところが細川の名を世間で高める絶好のチャンスにもかかわらず父忠興は意外な命令を下します。
たとえ戦果を上げた手柄話でも妬みでわざとねじ曲げられたりうわさが広まるうちに間違って伝わったりするかもしれません。
忠興はそれを恐れたのです。
その後細川勢の活躍は将軍に報告された上で幕府が公式発表。
それまで忠興は情報公開を止めたと言われます。
こうして情報活用術を駆使した忠興忠利親子。
すごいな。
だって一番乗りで手柄を立てた。
いやそれは自慢話はしたくないって奥ゆかしいという事じゃないんですものね。
そうですね。
そういう事じゃないんですよね。
実際に天草四郎の首もとってるんで言いたいわけですよね。
それが軍隊の働きというのを全部幕府に報告する事になっていて…しかもあまりの大戦果なので「それは違うんじゃないか」ってどうしても批判も来るわけですよね。
だからそれを忠興が気にしたわけですね。
しかし今も昔もうわさ話というのはみんな好きなんだなというのが分かりましたけれども細川家がそこまでうわさ話を気にしてた気をつけてたんですか?自分のうわさというのも流れてる可能性もあって。
例えば忠興は京都でしばらく病気で休むんですね。
江戸に出てこないと「仮病を使って参勤交代してない」とかそんな事を言われて。
当時参勤交代をさぼったりすると改易にもなりかねないわけですからね。
そういう事があるし江戸の中でも細川家の事をあしざまに言う人間は2〜3人はいる。
自分はそれを知ってるみたいな事を忠興言ったりしてるんですね。
それだけ自分に対するうわさそれから他大名へのうわさというのはよく気をつけておかないと何が起こるか分かんないという事なんですね。
うわさは確かに気になりますよね。
気になりますしね。
でも自分でコントロールできるわけでもないしそれが正しいかどうかって全く分からないし不確かな情報ですよね。
うわさで流れてしまうと自分は違うと言っても誰も信じてくれないわけでやっぱり誰か他の人があれは違うよと言ってくれるのが一番いいわけですよね。
自分から発信したものってやっぱりどうしても何か言い過ぎてたりとか言い訳に聞こえますよね。
山本さん改めて際立った細川親子の部分というのはどんな…情報活用に関して。
当時としては稀有の存在なんですね。
一方摩の島津氏は細川家はやり過ぎだと言ってるんですよね。
あんなにやんなくていいのにという。
いろんな大名のタイプの中で…だからこそ悪口なんかも言われるというそういう事なんじゃないでしょうかね。
組織内の優等生といえばそうなってしまうんですかね。
人というのは足を引っ張りたいものじゃないですか。
「組織で生き残る情報活用術」。
城さん流の大事な点教えて下さい。
例えば先ほど有事と平時って言ってたじゃないですか。
やっぱり平時になったぞという事が分かる事が重要じゃないですか。
だからずっと同じように起きている出来事の中で何か変化があるわけですよね。
その変化を見つけてそれに対応する事が重要ですね。
情報を探す時に触れる時に意識した方がいい事はどんな事ですか。
目的意識ってすごく重要だと思うんですけど例えばインターネットでよくキーワードを入れて検索しますよね。
例えば毎朝朝礼で何かしゃべらなきゃいけないと思えばその朝礼のネタを探すために情報を探すじゃないですか。
ですからそれと同じように例えば細川家では自分たちが生き残るために必要な情報って何だろうかって事を考えてそれを探しに行ったと思うんですよ。
だから目的意識を持ってキーワード検索するという事ですね。
だってあふれるほどありますからね。
目的意識。
そして継続して情報を集めて変化に気付く。
この2点。
いや〜勉強になりました。
ほんとに。
その意識でこの先代からの手紙をちょっと気持ち新たに読んでいこうかなと思います。
愛情ですからね先代からの。
いや気が重くなってきましたね。
手伝ってくれませんか?いやいやいや!1杯サービスしますから。
2015/09/22(火) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
先人たちの底力 知恵泉「組織での生き残り方 外様大名・細川親子の情報活用術」[解][字]

世間にムダな情報などない!取りつぶしの嵐吹き荒れる江戸初期、裏の人事からスキャンダルまで情報活用したくましく生き残った大名、細川忠興・忠利親子の役立つ生存戦略!

詳細情報
番組内容
あなたは、生き延びることができるか?組織のトップ=幕府ににらまれれば即クビ!という過酷な江戸初期。九州の大名・細川忠興・忠利親子がみごと生き残った秘密は、父子間の3000通もの手紙!幕府の裏人事やライバルの接待情報、将軍家の極秘スキャンダルまであらゆる情報を交換し徹底分析。その情報活用法の重要ポイントとは?企業など組織での生き残りテクニックのプロ・高城幸司さんとともに、細川親子の生存戦略を探る。
出演者
【ゲスト】宮崎美子,人事コンサルタント…高城幸司,東京大学史料編纂所教授…山本博文,【司会】近田雄一

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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日本語(解説)
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