NHK高校講座 国語表現「相手や目的に応じた文章」 2015.09.22


中江有里です。
今日のテーマは…皆さんも経験があると思いますが友達に文章を書く時と先生に書く時では表現のしかたが違いますよね。
どうも。
(2人)かもめんたるです。
確かにそうですね。
文章ではないんですけども私たちもライブで似たような経験があって…そうなんですか。
親子連れでお子さんがいる時とかは相方には女装をさせないとか。
何でよ。
別にいいでしょ女装は。
通報された事があって。
(槙尾)そんな事ないですけど。
そういう場合も相手や目的に応じて文章を変えているのと同じような事かもしれませんね。
そこで最初の演習です。
最初の演習は…まず皆さんには読み手に合わせて文章を書き換えてもらいます。
準備はいいですか?
(生徒一同)はい。
それでは例文を紹介致しましょう。
はいこちらです。
これは高校生から送られてきた一斉メールです。
文化祭で開くバザーへの協力のお願い文です。
この文面は女の子っぽいですよね。
じゃあ理乃これ読んでみて。
(理乃)はい。
理乃さんこの文章は一体誰に読んでもらう事が前提になってると思いますか?仲良しのお友達という感じがします。
うんそうですよね。
皆さんには…地元の人たちに配る依頼文になる訳よ。
だから書き直すのに約束事があります。
(岩崎)絵文字なしか…。
(槙尾)いけるでしょそれは。
じゃあ始めてくれ。
(生徒一同)はい。
文章は相手や目的に応じて表現が変わります。
それを文章の顔といいます。
ではどんな依頼文になったのか発表してもらいましょう。
「地域の皆様へ」。
「地域の皆様へ」。
先生皆さんの発表を聞いていかがでしたか?はい。
個人的なメール文を公の依頼文にするにはどのようにしたらいいのかというところがどのように変わっていくのかというところがポイントでした。
皆さんの書いた文章の中から1つを選んでポイントを整理してみたいと思います。
優津季さんが書いた文章を見てみましょう。
地域の人が見るという事できちっと依頼をしている事が大事です。
そこで依頼の言葉どこに出てくるかなというふうに見ていると「お待ちしております」がそうなのかなという気はするんですがはっきり「お願いします」という言葉がある訳ではないので「文化祭を見に来て下さい」という文章なのかなというふうに受け止めてしまわれる可能性もあります。
きちっとここの所で「お待ちしております」ではなく「ご協力をお願いします」という事が大事な事なのでこれは依頼文なんだよという事を示す必要があります。
あともう一点は文体についてなんですが上手に丁寧語を使っていますね。
「予定です」「おります」という丁寧語をきちっと使っているんですけれども「地域の皆さんへ」の「さん」の所は「皆様へ」にした方がいいですね。
フォーマルな文章という事で「。
」はない方がいいと思います。
あとですね「行います」という事でいいんですけれども「開催します」と言った方が丁寧な感じがします。
敬語も適度に使う事が大切です。
今先生がおっしゃった敬語なんですけどみんな前に習いましたよね。
(生徒一同)はい。
敬語といえば…ちょっとごめんなさい。
みんなに復習させてあげて下さい。
僕からお願いしていいですか?これを見て地域の人がバザーに来てくれました。
「会場を見て」ってその人たちに言うのを敬語でどういう表現になるでしょう。
分かる人。
敬語でね。
はい。
(岩崎)じゃあ佳波。
(佳波)「会場をご覧いただく」?実際に…。
いるんだよ。
「会場をご覧いただきます」。
あれ?
(不正解のブザー)
(岩崎)実際に人に「会場を見て」というのを敬語で。
秀太朗。
正解。
よかった…。
「会場をご覧ください」で正解ですね。
注意しなきゃいけないですよね。
東京・銀座で聞きました。
数字が入った言葉どんなものがありますか?
(取材者)難しい言葉。
(取材者)それは何で…。
個人的に好きな言葉だったんで。
…って感じ?三と二…三とか使いたいな。
三?いや二…。
「二人三脚」。
「二人三脚」いいね。
言葉の…。
(一同)言葉のプロに聞いてみよう。
今日の言葉のプロは…文学との出会いそして書き手としてどのように読み手を意識しているかを聞きました。
文学少女っていうイメージがあるんですけど小さい頃から…最初は私は文字が好きで文字を眺めてるのがとても楽しかったんですね。
だから鉄道が好きな子供が電車見るのが好きなのと同じで文字が書いてあるものを見るとずっと読んでて読めない漢字とかもあるんですけどそれでも形が面白いなと思っていてそれが高じて本を読むようになったんですね。
中江さんが本格的な執筆活動を始めたのは28歳の時。
初めて書いた脚本「納豆ウドン」が新人の登竜門とされるコンクールに入選したのが転機になりました。
脚本小説随筆スタイルが異なると思うんですが執筆する上で何か違いがありますかね。
一番大きな違いは読み手ですよね。
脚本の場合は例えばドラマや映画などもそうですしここの「国語表現」でも脚本ではないですけど構成の台本のようなものがあった場合にそれを読むのはスタッフであり出演者ですからその人たちに分かるものを書くという事ですよね。
小説は読者がいますよね。
随筆もそうですけども。
小説を読む読者が何を求めてるかっていうとやっぱり自分を面白いと思わせてくれるものや飽きさせないものとかそういうものかなと思ってます。
随筆はエッセーですけどもエッセーは気軽に読めるっていうあまり力を入れなくても楽しめるようなものというのを求めてる事が多いのかなと思うので…よく型なしではいけないと。
型破りならいい。
でもそのためには型がないと駄目なんだっていう…。
だから型っていうのは非常に重要だと思いますね。
後半の演習は…次の演習は中学生に向けて皆さんが通っている高校の紹介文を400字程度で書いてもらいます。
後輩たちに自分の学校のすばらしいところをPRしてもらいます。
何でもいいよ。
学食がおいしいとか部活動が盛んとか校門がぴっかぴかとか。
(槙尾)そこ?
(岩崎)何でもいいから。
今回のポイントを思い出して下さい。
だから中学生の心をぎゅっとつかむような文章を書いてみよう!
(生徒一同)オ〜!中学生に伝わるように分かりやすい具体例を挙げて学校の特徴を伝えましょう。
どんな文章が出来るかな。
それでは紹介文を発表してもらいましょう。
優津季さんは校舎が5年前に建て替えられたばかりで勉強に集中できるよい環境だという事を強調しました。
圭祐君は学校が駅に近い事そして生徒数や部活の数が多い事を挙げて学校が最高だとアピールしました。
佳波さんは自分の高校を「自由な楽しさ」という言葉で表現しました。
充実感や達成感が得られると説明しています。
秀太朗君は新しい校舎の事や文化祭に力を入れている事そして文武両道が学校のモットーであると書いています。
先生いかがでしたか?大切な事は…それでは皆さんが書いた紹介文を例にポイントを整理してみましょう。
はい。
瑞生君が書いた文章を見てみましょう。
相手や目的に応じた文章になっているかな?まずは読み手を意識してるかという事なんですができるだけ中学生が抵抗のないような言葉遣いという事で……というふうに丁寧な言葉を使いながらも語りかけるように書いています。
2つ目ですが明確に伝えたい事が書かれているかという事ですがはっきりと伝わる言葉は「自由」ですね。
たくさん書かれています。
これがキーワードになってる訳なんですが同じ「自由」でも洋服の自由髪形の自由それを選ぶ自由という事で自由という内容を少しずつ変えながらも説得力のある主張をしています。
次に理乃さんが書いた文章を見てみましょう。
さて相手や目的に応じた文章になっているかな?やってみませんかといったような語りかけるような読み手をより意識した語り口というのがポイントになります。
でも一方で伝えたい事ははっきりしてますね。
「楽しい」という言葉がたくさんキーワードとして出てきます。
文章からも楽しさが伝わってくるんですがそれを支えるように具体例もたくさん入っています。
勉強も行事も全員が参加して高め合うようにみんなで頑張っている。
楽しさが伝わる具体例が入っています。
強いて言えば少しスペースがありますので具体的な行事の内容が入ってもより詳細な具体例になりますのでいいかもしれません。
後輩たちは皆さんの紹介文を読んで是非同じ高校に通いたいと思うかもしれませんよ。
わ〜。
わ〜。
わっ!わっ!生徒の皆さん今日はどうでしたか?じゃあ秀太朗君。
やっぱり年上でも年下でも言葉の使い分けする事によって言葉に表情が生まれるというのがすごい実感する事ができました。
表情が生まれるというのはすごくすてきな表現ですけれども。
やっぱり同じ内容でもより伝わりやすくなりますよね。
最初の演習でやったみたいに人によって意識すると結構表現が違うんだなという事を実感しました。
そうですよね。
文章の顔っていうのがねやっぱりそれぞれによって違ってくるっていう事を意識するだけでもまた変わってきますよね。
かもめんたるの2人はいかがでしたか?今までは読み手とか聞き手とか特に意識せずに自然に変えてやってたと思うんですけども今日の演習で考えて意識的にそれをやる事によってより伝わるっていうのが分かりました。
すごくみんな上手にできてたんでびっくりしました。
う〜ん…今日みんなすごい頑張っていろいろやってくれてて本当大変そうだなと思って…。
みんなじゃなくてよかったなって思う。
何ですかそれ。
(岩崎)大変だなあと思って…。
ここ…これでみんなも相手や目的に応じた文章作りの達人じゃ。
じゃ〜!それでは皆さんさようなら〜。
(生徒一同)さようなら。
2015/09/22(火) 14:10〜14:30
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 国語表現「相手や目的に応じた文章」[字]

読む、書く、聞く、話す。あらゆる教科で必要な表現の基礎力を養います。ユニークな演習や様々な分野で活躍する表現の達人へのインタビューで、表現のコツを学びます。

詳細情報
番組内容
誰に向けて書くのか、何のために書くのかで、文章表現のスタイルは変わってくる。相手を理解させ、納得させ、説得する文章の書き方について学ぶ。「言葉のプロに聞く」のコーナーでは作家としても活躍する中江有里さんに話を聞く。【出演】中江有里・かもめんたる【講師】石垣明子(つくば国際大学)
出演者
【講師】つくば国際大学教授…石垣明子,【司会】中江有里,【出演】かもめんたる,中嶋理乃,大野瑞生,佐藤優津季,薗佳波,斉藤圭祐,吉田秀太郎,【語り】田中杏沙

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

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