(伝助)ああ。
分かった分かった。
じゃあな。
あっ。
どうもすいません。
今なキリコのやつが昭和堂に居候してる記憶喪失の女のことを調べるって言ってきたんですよ。
あんた見ただろ?ちんぴらをぶっ倒したり缶ビール握りつぶしたり。
(伝助)普通じゃねえんだよあの女。
えっ?まあ俺はだいたい正体分かってっけどな。
(伝助)またキリコだよ。
はい。
あっ!?
(カッキー)
アロハ。
私カッキーこと柿崎照美はスーパーのくじ引きに当選して今ハワイにいます
(キリコ)ありがとう。
(栞)わーっ!?キリコさん。
何やってるんですか?
(キリコ)やっぱりね。
頭じゃ忘れてても体は覚えてるってわけだ。
彼女はいったい何者なのでしょうか?
(栞)ねえ。
タマちゃん。
ホントに覚えてないの?
(タマ子)はい。
何か体が勝手に動いてて。
気付いたら握りつぶしてました。
(栞)そっか。
うん。
そうなの。
伝さん。
あしたの昼ごろこっち来るように言ってくんない?
(敦也)えっ?タマちゃんの正体が分かった?
(栞)うん。
だからキリコさんが臨時休業にしろって。
(キララ)どうせ暴走族とかそっち系でしょ?ちんぴら一発でやっつけたときから怪しいと思ってたんだよね。
(清助)そんな悪い子には見えねえけどな。
(キララ)人は見た目じゃ分かんないよ。
まあ私は見た目も清楚。
中身もピュアだけど。
何よ?何か文句あんの?
(清助)いや。
ありません。
(敦也)そういやキリコどうしたんだ?
(栞)あっ。
ちょっと買い物行ってくるって出てったっきり。
(清助)相変わらず自由だねぇ。
(笑い声)
(キララ)ごめんなさい。
今日臨時休業なんです…。
(小島)はあ?こっちは呼ばれたからわざわざ亀戸から来たんだろうが。
(柳川)小島!すいません。
すいません。
ごめんなさい。
あのう。
こいつ礼儀なってなくって。
あのう。
キリコさんって方どなたですかね?
(栞)ああ。
すいません。
ちょっと今出掛けちゃってるんですよね。
(栞)あっ。
こちらの席へどうぞ。
(柳川)はい。
(敦也)どうぞどうぞどうぞ。
(柳川)ごめんなさい。
すいません。
(栞)お飲み物は何かご用意しましょうか?
(小島)プロテイン。
(栞)えっ?
(小島)プロテインだっつってんだろうが!
(柳川)小島。
お前喫茶店にプロテインがあるわけないだろお前。
(柳川)ごめんなさい。
すいませんホント。
あのう。
水でもお茶でも何でも結構ですから。
(栞)は…はい。
(清助)何だ?あのでかい女とうさんくさい男は。
(敦也)知らねえよ。
キリコの知り合いだろ?
(清助)えっ?・
(ドアの開く音)あら。
もうお客さんいらしてたの?遅くなってごめんなさいね。
この店のオーナーの有村霧子です。
(柳川)ああ。
すいません。
あのう。
私亀プロ代表の柳川です。
どうも。
(敦也)何だ?亀プロって。
(小島)亀戸女子プロレスに決まってんだろ。
(清助)プロレス?
(柳川)ああ。
あのう。
私たちプロレス団体やってんです。
この世界も競争が厳しくってまあ今選手こいつだけなんですけど。
(キララ)ハハハ。
選手一人じゃ団体じゃないじゃん。
(敦也)言えてるな。
(キララ)ごめんなさい。
栞ちゃん。
上行ってタマちゃん呼んできてくれる?
(栞)はい。
ぶっちゃけた話さプロレスの興行ってもうかんの?
(柳川)いや。
まあうちらみたいな小さな団体ですとプロレスだけじゃ食っていけないですね。
えーっ。
(柳川)あのう。
実は私あのう。
焼き肉屋で副店長やってますし。
休みの日はこいつもね着ぐるみん中入ったりしてます。
(柳川)ゆるキャラの。
(小島)おす。
(清助)ゆるキャラ?
(女性)《風船下さい。
ありがとう》
(敦也)全然似合わねえな。
へえー。
プロレスだけじゃ生活できないんだ。
よくやってられるわね。
そんな金にならない仕事。
金のためじゃねえ。
夢のためにやってんだ。
(柳川)ほら。
小島。
お前。
まっ夢でおなかいっぱいになるなら別にいいけど?
(柳川)おい。
ルーシー?おい。
ルーシー玉木じゃねえか。
(小島)てめえ。
どの面下げて出てきやがった!何言っても無駄よ。
今その子記憶なくしちゃってんだから。
(柳川・小島)えっ?
(タマ子)あのう…。
どこかでお会いしたことが?
(柳川)お前。
ホント覚えてないのか?ルーシー。
(タマ子)すみません。
(キララ)まさかタマちゃん女子レスラーだったの?
(栞)えっ?
(柳川)そうなんです。
ルーシー玉木とデストロイ小島が亀プロの二枚看板だったんです。
(栞)それであんなに強かったんだ。
(敦也)でもどうやってタマちゃんがレスラーだって分かったんだよ?
(キララ)そうだよ。
この店に来たとき身元の分かるものなかったよね?まったく。
これだから素人は駄目ね。
隅々まで調べたらちゃんと手掛かりがあったのよ。
《うん?》《何じゃこりゃ?》何か怪しいなと思ってセンター街の伝さんに調べてもらったの。
そしたらさすが伝さんね。
すぐにタマちゃんの正体突き止めてこんなものまで見つけてくれたわよ。
(一同)おおー。
(キララ)タマちゃんカッコイイ。
(タマ子)あのう。
これ本当に私なんでしょうか?
(小島)てめえ。
すっとぼけてんじゃねえぞ!
(柳川)小島。
(敦也)落ち着けって。
(小島)この野郎!
(敦也)うわっ。
(清助)おおー。
(吹く音)ナイスディフェンス。
入道さん。
(敦也)ナイスじゃねえよ。
チクショー。
(柳川)ルーシー。
なあ?お前何か事情があったんだろ?だからあんなこと…。
(栞)あんなこと?
(柳川)いや。
ルーシーは…。
いや。
この子は巡業中にうちの団体の売り上げ持ち逃げしちまったんですよ。
(一同)えっ?
(柳川)教えてくれよ。
いったい何があったんだ?ルーシー。
その話の前にちょっと腹ごしらえしない?私朝から何にも食べてなくておなかすいちゃったの。
タマちゃん。
焼きそば3つお願いね。
(柳川)焼きそば?ああ。
さっき材料買ってきたから。
ほらほら。
(タマ子)ああ。
はい。
いっただっきまーす!
(柳川)いただきます。
この焼きそば昭和堂の新名物なの。
お味はどう?デストロイちゃん。
(小島)うまいに決まってんだろ。
もともとはうちの寮の名物なんだから。
(栞)寮の名物?
(柳川)亀プロの選手は基本的に寮に住み込みでやってもらってんですよ。
ルーシーは料理がうまいからいつも食事当番で特にこの焼きそばが大人気でした。
(小島)一人800gは食べてたね。
(キララ)800g!?
(清助)想像しただけで胸焼けが。
ってことでタマちゃん。
やっぱりあんたプロレスラーだったみたいよ。
(タマ子)そんなこと急に言われても…。
(敦也)焼きそばの作り方は体が覚えてるけど自分の過去は思い出せねえのか?
(小島)だったら体で思い出させてやるよ。
(柳川)おい。
小島。
(敦也)やめろって。
ああ。
ちょっちょっ…。
ちょっと。
(吹く音)
(清助)あっ。
はっ…。
はーい。
私もデストロイちゃんに賛成。
頭で思い出せないなら体で思い出させてあげりゃいいのよ。
それではこれよりルーシー玉木とデストロイ小島による因縁のシングルマッチを行いまーす。
(一同)タマちゃん。
タマちゃん。
タマちゃん。
タマちゃん…。
(キララ・栞)タマちゃん。
タマちゃん。
フゥー。
(せきばらい)青コーナー。
だいたい180ポンド。
亀戸女子プロレス所属。
デストロイ小島!
(小島)私はそんなに重くねえよ。
(ブーイング)続きまして赤コーナー。
純喫茶昭和堂所属。
タマちゃんことルーシー玉木!
(一同)タマちゃん。
頑張れ。
タマちゃん。
あっ。
でもここでプロレスするとお店壊れちゃうから腕相撲一本勝負ね。
デストロイちゃんが勝ったら借金でも何でもして持ち逃げしたお金全額返済。
タマちゃんが勝ったら無罪放免。
OK?私が負けるわけねえだろ。
(・『かけめぐる青春』)・「ビューティビューティビューティーペア」・「ビューティビューティ」
(タマ子)この歌…。
・「ビューティーペア」・「踏まれても汚れても野に咲く白い花が好き」
(ひかり)《ルーシーさん!》
(ひかり)《ルーシーさん!》
(ひかり)《頑張って!頑張って!》
(ひかり)《負けないで》
(ひかり)《ルーシーさん!頑張って!》タマちゃん。
戦う女の顔になったわね。
(柳川)レディーファイッ!
(たたく音)
(一同)タマちゃん。
タマちゃん。
タマちゃん。
タマちゃん…。
(小島)何で売り上げ持ち逃げしやがった?
(タマ子)金が必要だったんだ。
(小島)どうせ男に貢いだんだろ?違う。
女だ。
女の子だ!
(ひかり)《頑張って!》ああ?
(タマ子)いつも応援しに来てくれる女の子。
あの子のために金が必要だったんだよ。
(小島)はっ!
(タマ子)くっ…。
(柳川)試合終了!
(清助)ああー。
(柳川)勝者デストロイ小島!はい。
デストロイちゃん。
約束の優勝賞品。
タマちゃんが持ち逃げした300万円。
きっちり入ってる。
でもリングアナウンサーのギャラとしてこっから5万円もらっとくわね。
どうも。
(柳川)ルーシー。
お前この金使ってなかったのか?これから使うつもりでした。
でも病院に行く途中で倒れて気ぃ失っちゃって。
いつも父親と一緒に試合見に来てくれた女の子。
ひかりちゃん。
病気で保険の利かない治療受けなきゃいけなくてまとまった金が要るんです。
私何とかしてあげたくて。
それで団体の金に手付けちゃって。
(柳川)ルーシー。
(タマ子)ホントにすいませんでした!
(柳川)おい。
小島。
(小島)てめえ。
ふざけんじゃねえよ。
何で最初っから相談しねえんだよ?私も柳川さんも同じ釜の飯食ってきた仲間じゃねえのかよ?
(タマ子)デストロイさん…。
(小島)あの子のためだったらこんな金くれてやる。
(柳川)そうだな。
もう亀プロには俺たちしかいねえんだ。
ずっと応援してくれたあの子のために使って解散するのがいいのかもな。
えーっ。
解散?それって最悪の選択じゃない?部外者がつべこべ言うんじゃねえ。
そう?じゃあ当事者呼んじゃおっかなぁ。
カモン!涼君。
(タマ子)ひかりちゃんのお父さん。
(佑二)どうも。
望月です。
(佑二)いつも楽しい試合を見せてくれてありがとうございます。
(涼)さっきひかりちゃんに会ってきた。
タマちゃんが治療のためにお金用意してることも伝えて。
(佑二)本当にありがとうございます。
でもせっかくですがお金は受け取れません。
(清助)えっ?何で?その金で娘さん助かんだろ?
(涼)これひかりちゃんからタマちゃんへのメッセージ。
(ひかり)ルーシー玉木さん。
デストロイ小島さん。
(ひかり)代表のおじさん。
(ひかり)私のためにお金用意してくれてありがとう。
(ひかり)すごくうれしかったよ。
(ひかり)でもね私が元気になったとき亀プロがなくなってたら寂しいなって思ったの。
(ひかり)だからお金はもらえません。
(ひかり)私ルーシーさんの倒れても倒れても立ち上がって戦うところが大好き。
(ひかり)私もあんなふうになりたいな。
(ひかり)病気なんかに負けたくない。
(ひかり)退院したらまた応援に行きたいしもう少し背が伸びたら亀プロに入りたい。
(ひかり)だから私が元気になるまで待っててね。
(涼)っていうことなんだけど。
(佑二)治療に掛かる費用は何とか工面できそうです。
ひかりのことは私が必ず守ります。
だから解散なんて言わないでください。
亀プロはひかりの希望なんです。
未来なんです。
(タマ子)キリコさん。
皆さん。
お世話になりました。
(敦也)タマちゃんの焼きそば食べれなくなると思うと寂しいねぇ。
(清助)あれは絶品だったもんな。
(柳川)うちに入ればいつでも食べれますよ。
(清助)えっ?
(小島)一人800gな。
(栞)それはちょっと…。
(清助)うわ。
それは無理だわ。
タマちゃん。
(タマ子)はい。
これ少ないけどバイト代。
(キララ)えっ?私一銭ももらってないんだけど?
(敦也)そんなの俺だってタダ働きだよ。
(栞)私も。
うちの給料は出来高制なのよ。
カッキーがいなくなって一番売り上げに貢献したのはタマちゃんでしょ?
(涼)確かに。
ちんぴらも撃退したし。
うん。
(入れる音)
ひかりちゃんが元気になりますように
このときみんなの願いは一つだったと思います
(タマ子)あのう。
ホントに復帰していいんですか?私。
(小島)ひかりちゃんに免じて許してやるよ。
それに…。
(タマ子)それに?
(小島)プロレスは一人じゃできねえだろうが。
そして記憶喪失のタマちゃんは亀戸女子プロレスのルーシー玉木に戻りました
(涼)病気よくなるといいねひかりちゃん。
大丈夫。
よくなるわよ。
何でそう思うの?だってあの子タマちゃんの世界一のファンでしょ?憧れの存在を追い続けることが生きる力になるはず。
憧れの存在を追い続けることが生きる力になる。
さすがは癒し屋キリコさんだね。
そんなお世辞言ったって何にも出ないわよ。
いや。
お世辞じゃなくて俺はホントに…。
涼君さ今幾つだっけ?えっ?24だけど。
24か。
あんなに小さかった子が旅をして大人になったわけだ。
若者は自分の居場所を探しに旅に出る。
それ誰の言葉?さあ?誰だったかなぁ。
・
(ドアの開く音)
(キララ)おはよう。
(栞)おはようございます。
わあ。
何これ?
(敦也)ういーっす。
(栞・キララ)カワイイ。
アロハ。
(キララ)わっ。
キリコさん。
どう?
(敦也)何やってんだよ?夏もう終わったぞ。
これカッキーがワイハから送ってきたお土産。
あっ。
これ。
あんたたちのもあるわよ。
(栞・キララ)えっ?
(栞)ああ。
カワイイ。
ホント。
どう?どう?どう?あっ?
(キララ)ちょっちょっ。
メードインチャイナって書いてんだけど。
(栞・キリコ)えっ?
(敦也)これ俺のなんて子供用サイズだぜおい。
確かに。
(敦也)ほら。
(栞)カッキーってしっかりしてそうなのにちょっと抜けてるとこあるよね。
(敦也)あるよな。
ホント。
あーあ。
(敦也)見ろよ。
カワイイの。
(キララ)カワイイ。
(敦也)カワイイなこれ。
(キララ)カワイイ。
若者は自分の居場所を探しに旅に出る。
涼は長い間旅をしてようやく昭和堂って居場所にたどりついた。
記憶喪失の女の居場所はプロレスのリングだった。
あんたの居場所はどこだい?キリコの居場所は本当に昭和堂なのか?2015/09/22(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
癒し屋キリコの約束 #37[字][デ]【少女に捧ぐプロレス愛】
ついに最終週!キリコ(遼河はるひ)の店にサラリーマン風男性・谷下田(ドランクドラゴン・塚地武雅)やナゾの女性・小島(南海キャンディーズ・山崎静代)らが続々登場!
詳細情報
番組内容
タマ子(高畑こと美)の知り合いだという悪役レスラー・デストロイ小島(南海キャンディーズ・山崎静代)と、プロレス団体社長・柳川(瀬下尚人)が純喫茶・昭和堂に乗りこんでくる。
女子プロレスラー、それがタマ子の正体だった。店に来たのは相方のレスラーと所属団体の経営者。癒し屋の仲間たちはタマ子が暴れたチンピラをいとも簡単にとっちめた理由が分かり、納得する。
番組内容2
「何で売り上げ持ち逃げしやがった!」「男に貢いだのか!」と凄い剣幕でまくしたてる小島。ところがタマ子は、小島たちを目の前にしても自分のことをまだ思い出せない様子。そこで、キリコ(遼河はるひ)は「頭で思い出せないなら、体で思い出せてあげる!」と、タマ子と小島を対決させる。対決に負けたタマ子は売り上げを持ち逃げした理由を白状。はたして、小島も涙したその理由とは…。
出演者
有村霧子:遼河はるひ
柿崎照美:前田亜季
上山 涼:戸塚祥太(A.B.C−Z)
小出清助:長谷川朝晴
都幾川敦也:小林正寛
キララ:中山来未
本城 栞:吉原茉依香
小笠原千香:月船さらら ほか
スタッフ
【原作】
森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎文庫)
【脚本】
和田清人
【演出】
星田良子
【プロデュース】
市野直親(東海テレビ)
高橋萬彦(共同テレビ)
【音楽】
森英治
【主題歌】
「Thank You For The Music」ラストヒロイン(中山来未)(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
【制作・著作】
共同テレビ
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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