おはようございます。
9月22日火曜日朝7時になりました。
国民の休日のNHKニュースおはよう日本です。
モスクワを訪れている岸田外務大臣は、日本時間の昨夜、ロシアのラブロフ外相と会談しました。
北方領土問題の解決に向けて、1年8か月にわたって中断していた外務次官級での平和条約交渉を、来月8日にロシアで再開することで合意しました。
岸田外務大臣は、プーチン大統領の年内の日本訪問に向けた環境整備を行うため、モスクワを訪れており、日本時間の昨夜、ラブロフ外相とおよそ2時間半にわたって会談しました。
この中で岸田大臣は、ことし7月からロシアのメドベージェフ首相や閣僚による北方領土への訪問が相次いでいることについて、昨今の北方四島を巡るロシア側の一方的な言動は、日本の立場と相いれないと述べ、遺憾の意を示しました。
その一方で、岸田大臣はおととし4月の安倍総理大臣とプーチン大統領の首脳会談の際に発表した共同声明に基づき、双方が受け入れ可能な解決策を議論する必要があると述べたのに対し、ラブロフ外相も、対話は続けなければならないと応じました。
その上で両外相は、去年1月以来、1年8か月にわたって中断していた、外務次官級での平和条約交渉を、来月8日にロシアで再開することで合意しました。
会談後、両外相は、そろって記者会見しました。
この中でラブロフ外相は、プーチン大統領の日本訪問について、次のように述べました。
また、日ロ関係について、次のように指摘しました。
岸田外務大臣がロシアを訪問した背景には、プーチン大統領の日本訪問に道筋をつけなければ、安倍総理大臣が強い意欲を示す、北方領土問題の解決に向けた進展が遠のくという危機感があります。
岸田大臣は、外務次官級の協議再開や、首脳間の対話継続で合意したことは、日ロ関係を一歩前に進めるうえで有意義なものだったとして、会談の成果を強調しました。
ただ、ラブロフ外相は、岸田大臣を前に、北方領土問題を念頭に、首脳会談に前提条件をつけるのは非生産的だと述べ、経済協力の分野に重点を置きたい意向を強調するなど、意見の隔たりを改めて印象づけた形ともなりました。
政府はプーチン大統領の日本訪問の具体的な日程を確定させ、交渉を本格化させたい考えですが、メドベージェフ首相ら閣僚が、相次いで北方領土を訪問するなど、ロシア側が強硬な態度を取る中、今後の交渉で具体的な進展の見通しは立っていないのが現状です。
埼玉県熊谷市の3軒の住宅で6人が殺害された事件で、殺人などの疑いで逮捕状が出ているペルー人の男が、事件の前の今月13日に、任意で事情を聴かれた警察署で、日本にいる姉に電話をした際、仕事でストレスを感じているという趣旨の会話をしていたことが新たに分かりました。
警察は、事件の動機解明につながる手がかりの一つと見て、会話の内容を詳しく調べています。
今月14日から16日にかけて、熊谷市の3軒の住宅で6人が殺害されているのが見つかり、このうち田崎稔さんと妻の美佐枝さんが殺害された事件で、警察は殺人などの疑いで、頭の骨を折って意識不明となっている、ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者の逮捕状を取りました。
ナカダ・ルデナ容疑者は、事件の前の今月13日、熊谷市内の住宅の庭に入り込んでいるのを通報され、警察署で任意で事情を聴かれましたが、その際、神奈川県にいる姉に電話し、仕事でストレスを感じているという趣旨の会話をしていたことが、姉の警察への説明などで新たに分かりました。
ナカダ・ルデナ容疑者は、前日の12日、働いていた群馬県伊勢崎市の食品工場に出勤せず、会社側に仕事を辞めると伝えていました。
警察は、事件の動機解明につながる手がかりの一つと見て、会話の内容を詳しく調べています。
中国の習近平国家主席が、きょうからアメリカを国賓として訪れ、25日にオバマ大統領との首脳会談に臨みます。
新型大国関係と銘打ち、アメリカとの対等な関係を目指している中国。
今回の訪米をどう位置づけ、どのように臨もうとしているのでしょうか。
きょう、アメリカに向けて出発する習近平国家主席。
まず、積極的に経済外交を展開します。
西海岸のシアトルを訪れて、ボーイング社の工場を視察。
また、アメリカ財界の有力者が参加する、経済フォーラムに出席します。
主催者によると、アップルのティム・クックCEOや、著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏などが参加する予定で、習主席には中国経済の先行きへの不安を払拭するねらいがあると見られます。
出発前には、アメリカの企業幹部たちと会談。
中国経済は依然として巨大な潜在能力を持っていると発言し、今後も安定した経済成長を続けると内外に印象づけました。
さらに先週、中国とアメリカの企業が、アメリカで高速鉄道を建設するため、合弁会社を設立することで合意したと報じられました。
米中関係の専門家は、両国の経済協力は、さらに拡大していくという見通しを示しています。
中国には、経済分野での協力や連携を前面に打ち出すことで、政治的に対立する課題で、アメリカが中国に対して強攻策を取りにくくするねらいがあると見られます。
首脳会談の焦点の一つは、中国の海洋進出。
中国は南シナ海で、人工島に3000メートル級の滑走路3本の建設を進めていると指摘されています。
また、アメリカは中国からのハッキングによって、国内の企業秘密などが盗まれていると主張。
先週、オバマ大統領は次のように、中国をけん制しました。
習主席は、南シナ海への海洋進出については、主権の範囲内だと突っぱねる一方で、サイバー攻撃については、中国も被害者だとして、協力を呼びかけるものと見られます。
これまで強い経済力を背景に、アメリカに対して、対等で、中国の立場を尊重する新型の大国関係を迫ってきた中国。
経済が減速する中で、アメリカのさまざまな圧力をかわしながら、どこまで協調関係をアピールできるかが、中国側の焦点です。
首脳会談に先立って、ホワイトハウスのらいすだいーほさかんは21日、地球温暖化対策や、北朝鮮への対応では、米中両国の連携と協力を確認するという考えを示しました。
一方で、アメリカでは企業の重要な情報がハッキングで盗まれ、中国の関与が疑われていることに、いらだちが高まっているとしたうえで、次のように述べました。
さらに、東シナ海や南シナ海での中国の海洋進出の問題に対して、率直に懸念を伝えるというアメリカ側の方針を明らかにしました。
今回の首脳会談は、協力と対立の間を揺れ動く両国の今後の関係を左右する重要な会談になるだけに、注目されます。
空爆に巻き込まれ、頭に大けがをした少年。
難民キャンプで懸命に生きようという人たち。
内戦が続く中東のシリアから逃れた難民たちです。
シリアの人々の写真を撮り続けている、こちらの28歳の日本人女性。
写真に込めた思いを取材しました。
東京で開かれている、シリア難民をテーマにした写真展。
撮影したフォトジャーナリストの安田菜津紀さんです。
安田さんが初めてシリアを訪れたのは大学生のとき。
町並みは美しく、人々は安田さんを温かく迎えてくれました。
とりわけ印象に残ったのは、子どもたちのあふれる笑顔だったといいます。
しかし、内戦でシリアの状況は一変。
400万を超える人が、難民となって国外に逃れています。
シリアの人々はどんな思いでいるのか。
フォトジャーナリストの道を選んだ安田さんは、隣国のヨルダンで取材を続ける中で、ある少年と出会いました。
空爆に巻き込まれ、大けがを負ったアブドゥラくん5歳。
ヨルダンの病院で、笑顔もなく、気力をなくして、ただ一点を見つめていました。
それでもこの写真を母親に渡すと、喜んだといいます。
この写真を撮った2週間後、アブドゥラくんは容体が急変し、亡くなりました。
安田さんは、一人一人が懸命に生きる姿を伝えたいと考えています。
この女性は、難民キャンプで長男を出産。
いつか平和なふるさとに子どもと戻りたいと、僅かな希望を見いだしています。
遠く離れた地の出来事と捉えられがちな難民問題。
少しでも身近に感じ、関心を持ってほしい。
安田さんが写真に込めた思いです。
安田さんとシリアの皆さんの距離感、その距離感そのままに、私たちも安田さんの写真と向き合いたいですね。
胸に刺さりますね。
安田さんは写真を見た人が、シリアの人々に長く思いを寄せ続けてほしいと願っています。
この写真展は、あすまで開かれています。
では次です。
日本やアメリカなどのG5・主要5か国がドル高の是正で一致したプラザ合意から、きょうで30年になります。
その後、急激に進んだ円高ドル安によって、日本企業のグローバル化が進むなど、戦後の日本経済にとって、大きな転換点となりました。
30年前のきょう、日本やアメリカなど、G5・主要5か国の大蔵大臣などが、ニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル高の是正で一致したプラザ合意。
合意の背景には、当時、アメリカの貿易赤字が膨らみ、日米の貿易摩擦が激しくなったことなどがありました。
プラザ合意を受けて、為替市場では円高ドル安が急速に進み、円は1ドル240円台から、僅か1年で150円台にまで急上昇。
その後の円高不況、そしてバブル発生のきっかけともなり、戦後の日本経済にとって、大きな転換点となりました。
急激な円高で、自動車や電機など、輸出立国を支えた産業は海外進出を迫られ、経済産業省によりますと、1985年度に2.9%だった製造業の海外生産費率は、2013年度には22.9%まで上昇。
プラザ合意を機に、日本企業のグローバル化が進みました。
通貨の変動に翻弄された日本。
今後の取るべき対応について、次のような指摘もあります。
プラザ合意から30年。
日本経済は、今もアメリカの利上げが金融市場に与える影響などが焦点となっています。
続いてスポーツは向井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
けさ、まずはラグビーのワールドカップからですね。
いいスタート切りましたね。
そうですね。
日本時間のあす行われる第2戦で、日本代表は、スコットランドと対戦します。
その第2戦を前に、記者会見に臨み、意気込みを語りました。
会見には、日本代表のキャプテン、リーチ・マイケル選手と、エディー・ジョーンズヘッドコーチが出席。
初戦の勝利に浮かれず、気持ちを引き締めていました。
初戦で、過去2回の優勝経験がある南アフリカから、歴史的な勝利を挙げた日本。
スコットランドとの第2戦も期待がかかります。
日本は初戦から中3日で試合を迎えるため、先発を6人入れ換えます。
フレッシュなメンバーで、前半に勝負をかけます。
その中で、初先発で注目されるのが、大学生ウイングの福岡選手。
チーム一のスピードを誇ります。
強豪、南アフリカを破っただけに、選手の皆さん、そしてバックの人たちからも、表情に自信がうかがえますね。
また新しい選手、どこまでできるか期待ですね。
注目の第2戦、日本時間のあす夜10時半、試合開始の予定です。
続いてはプロ野球。
フルスイングで沸かせたこの選手です。
中日の小笠原選手、寂しいですね。
小笠原道大選手、セ・パ両リーグで最優秀選手に輝きました。
きのう、ナゴヤドームで引退試合に臨みました。
41歳の小笠原。
5番ファーストで先発出場しました。
4回の第2打席は、2アウト1塁2塁のチャンス。
これが内野安打になって、通算2120本目のヒットをマークしました。
プロ19年目。
現役最後の打席は7回、ファンの大声援を受けました。
ジャイアンツファンからも。
最後もフルスイング。
いい当たり?
しっかり捉えた当たりでしたが、好守に阻まれました。
かつてのチームメート、巨人の高橋由伸選手から、花束を贈られました。
きのうの結果です。
首位ヤクルトが、2位阪神との直接対決を制しました。
順位表、ヤクルトと阪神とのゲーム差は2に広がり、3位巨人がゲーム差なしで続いています。
以上、スポーツでした。
続いて、気象情報です。
秋の連休、天気のいい日が続いていますね。
南さん。
きょうも晴れる所が多い見込みです。
午前3時の天気図です。
日本海に高気圧の中心があって、本州付近を中心に、晴れ間が広がっています。
ただ、北海道は高気圧のへりにあたって、ところどころで雨が降っていますし、また沖縄付近も、高気圧のへりにあたって、ところどころで雨が降っています。
夜になると、高気圧の中心は北日本付近に移る見込みです。
北海道の天気は回復に向かいますが、九州は高気圧の後ろ側に入って雲が広がりやすくなり、九州も雨の降る所が出てきそうです。
昨夜からの雲の移り変わりです。
雲は少なくなって、現在、本州付近を中心によく晴れています。
ただ、北海道の一部、雨雲があるのと、また沖縄付近にも雨雲が見られます。
その雨雲の様子です。
沖縄本島の周辺に雨雲があります。
また日向灘にも雨雲があって、日向灘の雨雲は西の方向へ進んでいますので、このあと宮崎県内などに一部かかってきそうです。
また北海道にも雨雲があります。
北海道の雨雲は、少なくなってきましたが、まだ網走の周辺や、留萌の周辺などに、小さな雨雲が残っています。
きょうのこのあとの天気の移り変わりです。
北海道は午前中はまだ雨の降る所があるでしょう。
そのあとの所はおおむね晴れますが、沖縄本島付近は雨が降りやすく、また九州も午後になると、雲が広がって、宮崎県内などを中心に雨の降る所が出てきそうです。
また西日本の太平洋側は、東海地方などでも少し雲が多く、一部でにわか雨がある見込みです。
そのほかの所は、晴れの天気が続くでしょう。
けさお伝えしているニュースです。
モスクワを訪れている岸田外務大臣は、日本時間の昨夜、ロシアのラブロフ外相と会談しました。
両外相は、北方領土問題の解決に向けて、1年8か月にわたって中断していた、外務次官級での平和条約交渉を、来月8日に、ろしあで再開することで合意しました。
埼玉県熊谷市の3軒の住宅で、6人が殺害された事件。
殺人などの疑いで逮捕状が出ているペルー人の男は、事件の前の今月13日に、任意で事情を聴かれた警察署で、日本にいる姉に電話をした際、仕事でストレスを感じているという趣旨の会話をしていたことが、新たに分かりました。
警察は、事件の動機解明につながる手がかりの一つと見て、会話の内容を詳しく調べています。
では、為替と株の値動きです。
青森県にある国の重要文化財、弘前城。
今、世紀の大工事が行われています。
総重量400トンの城を動かす曳家と呼ばれる技術です。
すごいな。
感無量ですね。
現場の指揮を任されたのは、一人の曳家職人です。
ひび割れた壁。
腐った土台。
老朽化が進んだ城を相手に、職人としての経験と、プライドで立ち向かいます。
弘前城で進む世紀の大工事、曳家。
その舞台裏に密着しました。
こちらは今の弘前城です。
全国でも数少ない天守が残っているお城でして、地元のシンボルとして、多くの人たちに親しまれています。
その弘前城で今、進められているのが、曳家です。
天守をそのまま移動させようという大工事。
作業が続く弘前城には、増子アナウンサーがいます。
増子さん。
こちらが移動中の弘前城、その天守の部分です。
そしてその下のほうを見てみますと、こうして鉄のレールの上に載っているの、分かりますよね?
分かります。
このレールの上を通って、今、弘前城、動いているところです。
この作業、曳家といいます。
このように建物をそのままの状態で動かすこと、この作業のことをいうんですね。
もともと弘前城があった場所からもう、すでに30メートルも動いているんですが、このあとはこちら、まだ途中でして、さらに40メーター離れたこちらの石垣の部分に。
動くことになっています。
これね、簡単にちょっと模型で説明しますね。
こちら、弘前城の天守です。
高さ14.4メートル、そして重さはなんと400トンあります。
それをジャッキで持ち上げて、レールの上に載せます。
そして、ずいーっと引っ張って、少し回転をさせて、さらにレールの上を引っ張りました。
ここが今、ご覧いただいた中間地点、30メートルの地点なんです。
このあとおよそ1か月かけまして。
まだ途中なんですよね。
こちらをずいーっとまだまだ引っ張っていきますよ。
引っ張って、もう一度、方向転換をして、そして最後は、よっこいしょと持ち上げて、この上に載せるという形で、今回、この曳家の作業が行われます。
あそこに載せられるわけですけれども、まさに移動中、最中というこの弘前城の曳家なんですけれども、おとといからは、あるイベントも行われています。
そちら、ちょっとご覧ください。
曳家!そーれ!
引っ張ってるのは総勢100人の、市民の皆さんなんです。
このイベント、曳家ウィークというふうに名前が付いてまして、事前に応募した方が、お城をこうやって引っ張って、今、目盛り見えますよね。
少しずつ動いているのが、100人が一生懸命、こうやって引っ張って動かしているんですよ。
1日に4回行われまして、すでにきのうとおとといで、引っ張った方もそうですし、観光客の皆さんも含めますと、なんと1万3000人がこちらの弘前城に訪れまして、その様子を見守っていたということなんです。
大変な盛り上がりでした。
ではなぜこの弘前城、曳家を行うことになったのか、実はその理由があるんです。
それがこちら、ご覧ください。
弘前城の天守のあった部分の下の石垣が見えてきたと思いますけれども。
石垣、見えてきました。
この足場が組まれている部分の下の部分、これ、石垣なんですが、この石垣が老朽化して、ゆがんできてしまっているんですね。
このままにしておくと、崩落してしまうおそれがあるので、大規模な改修を行うことになったんです。
というわけで、その上に載っていた天守を、このように曳家で動かしているという理由なんですよね。
とはいいましても、これだけ大きな建物を動かすわけですから、そこには大変な苦労があります。
今回の曳家を任された一人の職人に密着しました。
日本屈指の桜の名所として知られる弘前城。
毎年、大勢の観光客でにぎわいます。
満開の桜の中、城へと向かう人がいました。
今回、曳家工事を任された、石川憲太郎さん40歳です。
職人歴22年の石川さん。
これまでに30以上の曳家を手がけてきました。
お寺などの文化財から古民家、学校の校舎に至るまで、建物を傷つけない、丁寧な仕事ぶりが評価され、今回、弘前城の曳家を任されたのです。
石川さんは、ただ建物を動かすのでなく、そこに込められた人々の思いや記憶も運びたいと考えています。
そんな石川さんの前に立ちはだかった弘前城。
総重量は400トン、3か月かけて、70メートル移動させるという難事業です。
弘前城には、大きな問題がありました。
ゆがんだ石垣の影響で、城が傾いています。
このまま持ち上げると、重心が崩れ、倒壊のおそれがあります。
築年数は200年以上。
老朽化のため、壁や柱の至る所に亀裂が入っています。
入り口の土台はぼろぼろ。
持ち上げるためのジャッキすら設置できません。
その入り口にある分厚い扉。
重さ200キロ以上あると見られ、持ち上げたときに、壁ごと崩れ落ちてしまうおそれがあります。
この扉だけは外すことができないか、石川さんはそう考えていました。
ところが、文化財保護の担当者は。
城には手を付けずに作業してほしいというのです。
さらに、建物ばかりか、床下の地面にも手を加えられません。
これでは柱の下にジャッキを入れることさえできないのです。
城に手を加えることなく動かす方法はあるのか。
石川さんは、戦略を練り続けました。
7月。
石川さんが手配した資材が、現場に届きました。
16本の鉄骨です。
この鉄骨を使えば、床下の地面を掘ることなく、城を持ち上げられるというのです。
石川さんは、柱の両脇に鉄骨を並べました。
そして、柱を傷つけないようにしながら、鉄骨で挟み込みます。
その鉄骨の下にジャッキを設置しました。
城の柱11本すべてに施されたこの仕掛け。
柱を下から持ち上げるのではなく、鉄骨で挟んで、その鉄骨を持ち上げるという作戦でした。
老朽化した壁を持ち上げる方法も考えました。
そこで使おうというのが、この金具です。
ジャッキを設置した鉄骨と壁の両方に引っ掛かるように、金具を取り付けます。
鉄骨を上げれば、同時に壁も持ち上がる仕組みです。
ところが。
きつい。
思った以上に隙間が狭く、奥まで入りません。
石川さんは、金具を使うのをやめ、別の方法に切り替えることにしました。
持ってきたのは、爪ジャッキと呼ばれる工具でした。
奥まで差し込まなくても、壁を持ち上げることができます。
しかし、柱と壁、それぞれのジャッキを同時に操作しなければなりません。
石川さんに大きな負担がかかります。
すべてのジャッキは、電動パネルに接続して遠隔操作します。
パネルの左側で柱を、右側で壁を持ち上げる操作をします。
ジャッキの数は20以上になります。
ボタンを押して、ジャッキ一つ一つに圧力をかけます。
ずらりと並んだメーターを見ながらの微妙な操作。
僅かなずれが生じても、柱や壁は壊れてしまいます。
20年以上のキャリアの中でも、これほど複雑な操作を経験したことはありません。
そして、問題のあの扉。
石川さんは、周囲の壁に補強を施していきます。
崩れ落ちないよう、周りの壁で扉を支える作戦です。
いよいよ城を持ち上げる日を迎えました。
すべての準備を整え、石川さんは本番に臨みます。
柱の前には、状況を報告する作業員たち。
本番のときを待ちます。
いくよ。
スタート。
メーターを見ながら、少しずつ圧力を加えていきます。
柱からは悲鳴のような音。
作業員たちは、一つ一つの柱がどれぐらい持ち上がっているか、ミリ単位で測っていきます。
あと5ミリ。
あと5ミリぐらいです。
はいよ。
石川さんは、城全体が均等に上がっていくよう、圧力をかけるジャッキを瞬時に選んでいきます。
入り口に駆け寄る石川さん。
問題の扉は。
無事に持ち上がっていました。
壁や柱、どこにも亀裂は入っていません。
石川さん、初めて安どの表情を見せました。
その後も慎重に続けられる作業。
地面との間に、隙間が広がっていきます。
最終的には60センチまで城は持ち上げられました。
そして、城は2日間で22メートル移動。
最終地点に着くまではあと1か月。
石川さんの挑戦は続きます。
本当にさまざまな制約がある中で、大変な作業だったんですね。
しびれますね。
本当に職人の技を見たという感じがしますよね。
そしてけさは、曳家職人の石川憲太郎さんにお越しいただきました。
よろしくお願いします。
お願いします。
おはようございます。
おはようございます。
本当にさまざまな苦労がありましたけれども、一番大変だったっていうところはどういうところですか?
そうですね、もともと重要文化財というところで、すべての作業にもちろん気を遣わなければいけないというのもありますけれども、本当にさまざまな規制だったり、制約の中での作業というところでは、本当に苦労しました。
例えば建物を動かすときのポイントですとか、一番技術的に気になったところは、どういうところなんでしょうか?
まずは、そのジャッキアップにいかに頼るかということで、老朽化が進んでいるようなところもありまして、補強をどのように入れて、どのようにバランスよく上げるかというところで、ジャッキの配置だったり、鋼材の置き方だったり、そういったところで、本当にたくさん考えておりました。
そのへんは職人の技というか、感覚の部分なんでしょうね。
非常に油圧の部分でね、最後、一緒に持ち上げたじゃないですか。
あのボタンを押すときっていうのは、どういう気持ちだったんですか?
やっぱり、常にジャッキアップにしても、建物の移動にしても、回転にしても、すべてそうなんですけども、ポンプの操作一つでやってるもんですから、自分の指先にやっぱりすべてかかってきてるところでも、機械は100%、完全に動いてくれるんですけども、自分が間違わなければというところで、本当に責任を感じて、緊張しながら押してました。
どきどきなんですか?
そうですね。
気が抜けなかったですね。
さて、VTRの中で、石川さん、建物を動かすだけではなくて、そこにある人々の思い、そして記憶も一緒に動かしたいというお話をされていました。
今回の工事についても、やはり同じような思いがあったんでしょうか?
もちろん、日頃より、どんな建物に関しましても、一般の住宅でしたら、そこに住んでらっしゃる家族の思い出だったり、そういったものも忘れずに、一緒に建物と運びたいなというふうに考えてますし、こういう重要文化財等、歴史的な構造物に関しては、その当時の設計された方だったり、その施工に関わった業者さんたちの苦労を感じながら、自分たちも、それを背負って、無事に壊さずにこのまま残していけたらなというふうに考えて、いつもやってます。
弘前市民の方はもちろん、観光客の方も、ここには大変な思いを持っていらっしゃる方も多いでしょうし、きょうもすでに、たくさんの観光客の方、いらしてますけれども、やはりそのあたりの責任は感じますか?
やっぱりこの弘前城に関しましては、現存している12天守の1つということで、本当に建てられたときから、ここまで長い歴史の中で、いろんな地元の方はもちろん、観光客の方も来ていただいてますし、そういう強い思いが、たぶん込もってるのかなというところで、僕たちも、気を抜かずに、その思いを背負って、無事成功させたいと思ってます。
8月から始まって、予定どおりいくと、あと1か月ぐらい?
そうですね。
まだまだ難しいポイント、残ってるんですよね。
まず、このイベントで、前半戦、終了という形でして、このイベントが終わりしだい、また残りの工程、半分ぐらいありますけれども、その中で一番これから重要視してるのは、もう一度、ジャッキアップという作業がありまして、仮の基礎の基礎の上に載せるときに、高さが足りないので、また1メーター50ぐらい上げなきゃいけないんですけれども、そこでもまた、高い所でのポンプの作業がありますので、そのへんもちょっとまた、気を抜かずに緊張してやりたいと思ってます。
前半でお見せしたジャッキの所に載せるのが。
それも気を遣いますね。
そうですね。
一歩間違えば、本当に調整が利かずに建物にいろんな影響が出るということもありますので、そのへんは本当にバランスを見極めて、しっかり操作したいと思っています。
まだ気持ちが落ち着かない日が続くと思いますけれども、ぜひ頑張ってください。
どうもけさはありがとうございました。
ありがとうございました。
頑張ります。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
このあと、弘前城が元の位置に戻るには、およそ6年の期間を要するとしています。
しかし、この弘前城が今、動く姿を見られるのは、今だけなんです。
残念ながら、実際に自分が引く体験をするイベントの募集は終わっていますけれども、実際に城が間近で動く様子は見ることができますので、ぜひ皆さん、今度の27日日曜日まで、こちら、弘前のほうで、この曳家ウィークが行われていますので、お近くの方も、ぜひその世紀の瞬間をご覧にいらしてください。
以上、中継でお伝えしました。
無事、作業が完了することを、われわれもね、願っております。
中継でした。
弘前城で行われている曳家についてでした。
ではニュースを続けます。
タイの首都バンコクで、来年開業する予定の高架鉄道で使われる日本製の車両がタイに到着し、きのう披露されました。
バンコクを走る鉄道で、日本製の車両が導入されるのは、これが初めてです。
きのう、タイの港に第1陣として日本から到着した車両6両が披露されました。
バンコクに来年8月に開業する予定の高架鉄道パープルラインに導入されることになった車両です。
日本のJR山手線の車両をモデルに作られたステンレス製で、パープルラインを示す紫色の線が描かれ、熱帯のタイの気候に合わせて、強力な空調設備が取り入れられているのが特徴です。
交通渋滞に悩まされてきたバンコクでは、鉄道の整備が進められていて、パープルラインは日本政府からの円借款およそ790億円が建設費に活用されています。
この路線は、開業後、バンコク郊外と近郊の県の間のおよそ23キロを結び、バンコク中心部を走る地下鉄に接続することになっています。
(大悟)たたきのめしてやる。
2015/09/22(火) 07:00〜08:00
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
▼日ロ外相会談で、領土問題の解決に向けた議論に進展は?▼中国の習近平国家主席が訪米、首脳会談を前に経済界の有力者と対話。その思惑は▼連休の道路の混雑は?
詳細情報
番組内容
▼日ロ外相会談で、領土問題の解決に向けた議論に進展は?▼中国の習近平国家主席が訪米、首脳会談を前に経済界の有力者と対話。その思惑は▼連休の道路の混雑は?最新情報。▼シリア難民を撮り続ける日本の女性写真家の個展が東京で開催。難民たちの過酷な状況と写真家の思いをリポートで▼7時半からは特集。国の重要文化財・弘前城で、400トンもの天守をそのまま移動させる大工事が。伝統技術の舞台裏をたっぷりと。
出演者
【キャスター】近田雄一,上條倫子,【スポーツキャスター】向井一弘,【気象キャスター】南利幸
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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