さまざまな人々の3日間を切り取ってきた「ドキュメント72時間」。
放送100回を記念して2013年放送の傑作を4夜連続でお届けします。
今夜は記念すべき第1作「歌舞伎町の花屋」です。
同じ場所に3日間72時間ず〜っといたらどんな事に出会えるだろう。
2月最終日の午後6時。
新宿歌舞伎町の花屋さんの前で撮影を開始した。
おっとこれは…。
花屋さんから出てきたのは大きなスタンド。
すごい。
お花の行列。
お練りみたい。
一体どこへ?届け先はニューハーフショーが人気の老舗パブだった。
(取材者)誰ですか?すぐ次の配達へ。
歌舞伎町ではお客さんの誕生日から開店祝スタッフの引退イベントまで花は絶対欠かせないそうだ。
花を巡るさまざまな事情。
今回は72時間この花屋さんで見ていこう。
まず目につくのは派手な飾りとこれでもかというほどのバラ。
さすがは歌舞伎町。
しかもここは全国でも珍しい24時間営業。
深夜や明け方にこの街で花を買う人って一体どんな人たちなんだろう?宵の口1人目のお客さんがやって来た。
うわ〜ホントにラメかけるんだ。
でもこれがこのお店では人気のサービスらしい。
今度はバラを1輪だけ注文した男性。
ホストらしい。
この世界に入って3年目。
600円のバラ1輪には秘めた事情がありそう。
花屋を出るとすぐに向かいのコンビニへ。
すごい買ってますね。
何やらお菓子をたくさん買ってきた。
えっ?そこに詰め込んじゃうの?実はこの花でお店のナンバーワン目当てに来るお菓子好きのお客さんの心をガッチリつかもうという事らしい。
頑張って下さい。
ありがとうございます。
さすが歌舞伎町。
バラは甘いだけじゃない。
いよいよ夜10時を回った。
仕事やつきあいで一杯飲んだお客さんが目立ち始めた。
何を買われたのか見せてもらってもいいですか?そういう事です。
店長が巨大な花束を作っていた。
「とにかく1人で持てないような大きな花束を」という注文が飛び込んできたらしい。
豪快なお客さん。
深夜に開いている花屋を探してわざわざ渋谷から来たそうだ。
渋谷のどなたに?今日何か…?ワッサ〜あったらヒャ〜ッてなるでしょ?それだけ。
うわっすっげえでけえよ!じゃあ。
確かにびっくりしますねこれは。
「はい」とか言うたらちょっとうれしいやん。
それにしてもこれ運べるの?枝入んないですよ。
ありがとうございます。
どうも。
気を付けて。
午前1時終電の時間。
多くの店が営業を終える。
花屋さんの商売はこれからが本番だ。
歌舞伎町で店の仕事を終えた女の子たちがやって来た。
ピンク系で。
お母さんは47歳。
明日山梨で看護学校の卒業式を迎えるそうだ。
すごい。
ありがとうございます。
休みを取ってこれからお母さんに花を届けに行く。
このサプライズ喜んでくれるといいね。
明け方4時。
この日一番びっくりさせられたお客さんと出会った。
すいませんお願いします。
あっ漫画家なんだ。
はい。
これから帰ってくる彼女はマッサージ師。
今日で仕事を退職する事になっているそうだ。
おめでとうございます。
なかなかもらうチャンスないじゃないですか。
予定日は夏。
彼女と話し合って結婚も決めた。
もうすぐ新しい家族の生活が始まる。
ご飯も作っといて…。
ありがとうございます。
新米パパに幸多かれ。
一夜明けたこの日は金曜日。
1週間で一番の書き入れ時だ。
うわっ。
えっ?何だろう?すごい風の音。
いやっ花が全部倒れてる!強風の正体はこの日観測された春一番だった。
それにしてもすごい風。
大丈夫ですか?はい。
春の嵐で気温が上がった午後1人の女の子が飛び込んできた。
結局定時制の高校は中退してしまったけれど先生は最後まで味方になってくれた。
自分がきちんと働いている姿を一刻も早く報告して驚かせたい。
ありがとうございます。
お願いします!はやる気持ちを抑えながらちょっと無理してタクシーで神奈川県の母校に向かった。
この日は夜からあいにくの雨。
客足がすっかり止まった。
お客さんじゃないから映さない方がいいよ。
深夜常連さんがやって来た。
この街で40年以上になるという栄子さん。
今日金曜日でしたけどどうでしたか?栄子さんは花が大好き。
帰り道にはいつもここに寄って花を見ていくそうだ。
息子さんが独立してマンションに独り暮らし。
栄子さんは部屋中を花で埋め尽くしていた。
花があると何が違いますか?これおいくつぐらいですか?アハハハ!そりゃうそだけどさ。
長い人生。
どしゃ降りの時もあれば晴れやかな日もある。
花は全てを優しく包み込んでくれる。
じゃあねおにいちゃんね。
はい。
お疲れさま。
お疲れさんね。
大変だね。
私がスターになったみたいじゃん。
スターですよ。
いやサンスターだから。
歯磨き粉だよ。
じゃあね。
どうもどうも。
ありがとう。
自転車気を付けて下さい。
またげないから。
じゃあね。
は〜い。
気を付けて。
うん。
お休み。
店員さんが配達先から回収してきた花を処分していた。
さまざまな思いを託され役目を終えた一本一本。
夜店先で真剣な表情で花を選んでいる人がいた。
いらっしゃいませ。
大親友だった女の子が突然仕事を辞めて岡山の実家に帰る事になったらしい。
出会ったのは4年前彼が役者を目指して上京した頃。
同じように夢を抱く彼女の笑顔や言葉に何度も救われてきた。
何で花なのか分からないですけど。
人生の別れと出発。
明日からはお互い別の場所で頑張る。
2015/09/22(火) 01:00〜01:23
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間 100回記念アンコール「密着 歌舞伎町の眠らない花屋」[字]
放送100回を記念して初期の傑作を4夜連続でお蔵出し。今回は2013年4月5日放送分。舞台は、新宿・歌舞伎町にある24時間営業の生花店。どんな人に出会えるのか
詳細情報
番組内容
放送100回を記念して初期の傑作を4夜連続でお蔵出し。今回は2013年4月5日放送分。舞台は東京・新宿歌舞伎町にある24時間営業の生花店。誰が、どんな事情で花を買いに来るのか?定年を迎える恩師への感謝。新しい命を宿した妻へのサプライズ。ともに夢を目指して頑張ってきた仲間との別れなど、人々がそれぞれに迎えた特別なときに思いがけず立ち会う。言葉だけでは伝えきれない思いを花に託し、人は今日を生きていく。
出演者
【語り】鈴木杏
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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