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Charlotte11話における中国マフィア考察と彼らの絆

 

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 最終回直前になって今更なんだという感じですが、僕はCharlotte11話に登場した中国マフィア4人衆が大好きです。好きで好きで堪りません。

 マフィア(ヤクザ)と言えば、譬えば殺し屋1では話の根幹に、神聖モテモテ王国では猟奇オチ用に、428なら全ての黒幕に……と云ったように基本的に話の流れに大きく関わり、伏線を何度も貼られて意味深な登場をする存在な筈です。

 しかし、彼らにそんな常識は通用しない。

 ある意味最もリアルなマフィア像です。現実には伏線もなければ唐突に理由もなく理不尽な展開に転がるモノです。F先生のSF短編にもありましたね。マフィアなんですから存在をバレてはいけないですしね。

 メタ的に見れば、兎に角タイムリープを封じつつ、主人公とヒロインの距離を縮める話を挿入したかったんでしょうけど。麻枝先生には結果のためなら手段や過程は関係なし。本作では常に中国マフィアに襲われる危険性がある前提で話が進んでいたのです。そう、Charlotteは漫画ゴラクの世界観だったんです。

 

 では、そんな魅力と唐突感たっぷりの彼らを一人一人見ていきましょう。

 

 まず左の褐色の女の子、かわいいですね。こんな可愛い顔して作中随一のナイフ使いです。彼女の身のこなしとナイフ捌きを合わせれば、主人公を隻眼の細山田にする事なんてお茶の子さいさいです。そして、この中国マフィア組織が色んな意味で崩壊した一番の元凶です。

 次に一つ右のマッチョメン。彼は11話において一番の功績者であり、理不尽な暴力という見た目通りの実力行使でメインヒロインをリョナってくれました。生意気系ヒロインは殴られている時が最もかわいいですからね。因みに某所ではこのマッチョがタイムリープし過ぎた主人公の成れの果て説もありました。まぁ12話で告白した相手といえども、あのウザさは一度殴っておきたいでしょうし有力説です。

 次は中央のグラサンボス。如何にもマフィアな雰囲気漂っています。が、実はこの人が一番個性なし。もうすぐ崩壊する長年の計画の成功を確信して余裕の表情です。この時が一番幸せだったでしょう。

 一番右は通訳の人。マフィアの癖して自身なさそうな表情がチャームポイント。彼は通訳の癖して片言全開です。もっと日本語に慣れている人とか雇えなかったんでしょうか? インテリっぽいメガネの割に頭悪そうに喋るのが可哀想。彼もボスが数年掛けてじっくり計画した作戦を遂行するため、必至に日本語を勉強してきたんでしょう、泣けます。

 

 さて、既に11話を観た皆さんにはお解りでしょうが、この中国マフィアたち、完全に使い捨てキャラです。さっきまでの紹介はなんだったんだ。

 しかし、この4人──正しくはヒロインに撃退された5人目の存在も確認されてますが、あの雑魚そうな人は置いておいてメインメンバーの4人は計画にかなりの自信がありました。

 何だって数年前から敵側の運転手の家族を人質にするくらいの気合の入れようですからね。運転手さんも数年間のうちに少しくらいどうにかできなかったんでしょうか。そもそも、組織の壊滅の危機に運転手の家族くらい見殺しにされるとは考えなかったんでしょうか。結果的にマフィアの計画は9割成功してますので文句は言えませんが。

 

 何だかんだあって、マフィアたちは主人公一人を呼び出すことに成功します。工場に呼び出すのがヤンキー漫画の雑魚っぽくて良いですね。因みにこの時点で主人公の能力でボスが躰を乗っ取られてしまい、あの状態で自殺とかされたら簡単に計画は破綻しますが、その辺の危機はマフィアパワーで主人公は考えつきません。

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 そして主人公のタイムリープ能力発動を防ぐため褐色の女の子が虚を突いて登場します。

 

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反撃対策も万全。目眩ましのために口内が光輝きます。こんな見た目しておいて黒い三連星みたいな攻撃に主人公は手も足も出ません。因みにこの子はこれ以上能力を使用した描写はありません。本当に口が光るだけの能力なら外れも良いところです。そりゃグレてマフィアに協力もしちゃいます。デ・ジ・キャラットぴよこですら口からバズーカは出せますからね。

 

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 少女の口から妖しく光る怪光線にたじたじ。あっさり右目を潰されタイムリープは封印されてしまいます。このカットで見ると腕でちゃんとガードできてるっぽくも見えますが、兎に角片目は潰れました。

 

 完全に計画は順調! 後は地下に人質のヒロインと濡れオタクが居ることを盾に、主人公を拉致さえすれば中国マフィアは最強の組織になる筈……。

 が、勿論そう上手く事は運びません。一体何故彼らは失敗したのか。そう、それは一見血も涙もない冷徹な彼らにも愛情と絆があったという、涙なしでは語れない事実が存在していたからなのです、

 

 

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 まず、この後タイムリープができなくなった主人公は反撃のために他の能力を使って鉄パイプを操作します。

 能力によって鉄パイプが向かった先は、褐色の女の子ではなくボス達の方。勿論、何の対策もしていなかったボスと通訳の人は逃げ出すしかない。ボス、本日二回目の生命の危機です。本当に長年じっくり計画してきた綿密な作戦なんでしょうか。

 

 ここで褐色の女の子は考えます。「──ボスが危ない!」

 

 肌の色で一目瞭然ですが、彼女は中華系ではなく中東の奴隷っぽい格好。きっと、彼女が奴隷市場で売られそうになっている時に、偶然通りかかった中国マフィアのボスに買って貰ったとか感動のエピソードがあったのでしょう。

 今回の作戦もまだ拙い中国語知識では理解できてなかった。なので、主人公を必要以上に傷つけると崩壊の能力が発動することも知らされてなかった。または、それを承知でボスの生命のために反射的に飛び出した! もしくは、本当に何も考えてなかったから取り敢えず刺した!

 

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 グサッと主人公の華奢な肩にナイフが突き刺さります。つい先日までただのカンニング魔だったのに、まさか中国マフィアの女の子に刺されるなんて想像もしていなかったでしょう。悲痛な表情と呻き声が視聴者の心を抉ります。

 ボスの生命のためなら崩壊を引き起こしても構わない。なんと美しい絆なんでしょう! 褐色の女の子の愛と勇気に感動の涙で前が見えません! 主人公一人行かせて碌に対策もしない味方サイドとは大違いですね!

 

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 この傷の痛みによって崩壊の能力が発動。工場はガタガタと崩れだし、中国語マフィアや地下のヒロインたちも含めて全てを押し潰します。

 

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 結局マフィア側も気絶状態、主人公サイドでは濡れオタクがヒロインを庇って死亡と、哀しい結末を迎えます。ある意味一番哀しいのは、毎回愉しみにこの作品を追っていたのに、突然現れた中国マフィアの所為で一気に作品の方向性が変わった視聴者ですが。因みに次回ではマフィアたちの記憶は消しておいたと、取ってつけたような補足が入ります。記憶を失ったボスたちは自分たちの言葉が通じない日本でどう暮らしていくのでしょうか。褐色の女の子は自分の口が光る事をどう受け止めるのでしょう。

 

 放送直後のネットの反応は正しく阿鼻叫喚地獄でした。はっきり申せば、中国マフィアの存在がそのままCharlotte迷走の象徴と言っても過言ではありません。この回以前ではこんな展開になるなんて全く読めませんでしたし。

 しかし、僕は彼らがキライではありません。何故なら彼らの計画もまた愛ゆえに失敗したのですから。Charlotteは他人を信じる物語です。褐色の女の子もボスとの大切な想い出を信じたのでしょうね。それを考えると責めることなんてできません。悪者なんて初めから居なかったのです。まぁマフィアが悪者じゃない訳ないですが。

 

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 そんなこんなで毎週愉しんだCharlotteも今夜で最終回です。果たして中国マフィアは再登場するのか。あのマッチョは主人公のタイムリープした果ての姿だったのか。ヒロインは恐らくマフィアにレイプされたままだが、その辺に触れるのか!

 にゃるらはCharlotte最終回を応援しています!