恋とは甘美な毒
上記のようにシェイクスピアが綴ったのは17世紀ですが、今も昔も恋は人を狂わせ、正常な判断力を奪う魅惑の罠。恋愛中の人間は困難が大きければ大きいほどその関係にのめり込み、引きずりこまれ、気がついたときには抜けられない蟻地獄の中に捕われているものです。
かの有名なロミオとジュリエットしかり、ハムレットにおけるハムレットとオフェーリアしかり、彼らがあれほどまでに刹那的な恋に身を焦がし、その命を投げ打つ程の劇的な物語を紡ぐこととなった背景には「乗り越えられない決定的な断絶」があったからであることは明白です。
恋は盲目。
障害は恋のスパイス。
恋人たちの思考は狂人日記。
それでも飢える心は百年の孤独。
嗚呼、今夜はそんな「恋愛」から漏れ出る蜜を堪能しながら進めていきましょうか。
思わずキャラが変わるほどのエモい話が、飛び込んできたんだ
あーまじ、ほんとまじすいません。いやもうほんと、あれだわ、あれ。ほんとね。あれなんだよあれ。ほら、わかるっしょ。あれだよあれ。あれあれ。え、わかんない?わかんないかー。そっかーいやわかるっしょ。あれだってばー。もー、わかってるくせにー。えー言わせるの?そっかーそっかーそっかー。うーんしょうがないなー今回だけだよー。うんうん、あれだよ、あのさ、
2年セフレ関係だった男に別れ話( )をしに行ったはずが、うまいこと丸め込まれて最後のセックスをした後に、2人で大号泣したって話、だよ。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 関係を終わらせにいったと思ったら いつのまにか始まっていた」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
SEFURE NO OWARI
あまりにもエモーショナルな現場報告を受けて思わず取り乱しましたが、ここで状況をお伝えします。
男女のプロフィールと出会い
- 現在 男33歳(F瀬)、女29歳(S理)
- 男:外資系広告会社社員。33歳
- 女:一部上場大手企業営業アシスタント。29歳
- 共通の友人がいた関係で知り合う
セフレ2年灰薔薇戦争の歴史
開戦前夜~第一次グレー戦争
- F瀬からの猛烈アプローチがあり、なし崩し的にセフレ関係がスタート
- 1年経つか経たないかのタイミングでS理が「付き合って」と進攻
- F瀬の答えは「今は仕事がすごく忙しいから恋人を作ることは考えられない」というテンプレ回答
第二次グレー戦争からの不平等条約締結
- その後も2〜3か月だらだらと関係が続くも、S理が再度爆発
- 「こんなに会ってるし、別に付き合ったからって何が変わるわけじゃないでしょ!?」と再進攻
- 「大きなプロジェクトが控えていて、彼女っていう形を取るとS理が望む形を提供できないと思う」とテンプレ二次回答
- 「じゃあもう、終わりだね」と関係が終了
- …と思いきや半年経たない時期のザオラルメールに返信して再会☆
- 「ヤるな」、なんてむりだよね、絶対
- セフレ関係2週目に突入
- この間、男側にはもちろん別のセフレが複数名いますが、女側には彼氏はもちろん、F瀬がいるから…、と別の人とデートもしていない世知辛い状況
お涙打ち壊し、通称「水晶()の夜」を経ての最終戦争……そして終戦へ……
- 「いい加減にしてよ!!!どうゆうつもりなの!?!?てか、他の女いるのもわかってるし、本気で信じられない!もうグレーな関係とか無理って何度もいってるのに何でわかってくれなあqwせdrftgyふじこlp」
- 「一緒にいて楽しいし、長い時間一緒にいたから、S理は本当に俺のことよくわかってくれてると思う。けど結婚が想像できないから付き合えない。別れるってすごく神経も体力も使うし、今の仕事の状況でその”契約”をすること自体が負担なんだ。それに次付き合うなら結婚を真剣に考える年だから、結婚を考えられない相手とは付き合えないんだ。他の人がいるのも認める、曖昧で都合のいい関係をつくってしまっているのは俺の方だから、全面的に俺が悪い。本当にごめん」
- でました、最上級の言い訳極大魔法「結婚を考えられない」
- S理、HPが0です!!!
- 「…もう終わりだね……。F瀬の思い描く未来に私はいないってことだもんね……。もうどうあっても進展がないってはっきりわかったよ。いままでありがとうさよなら。」
- かーらーのー、大号泣のさよならセックス
エモいなぁ。
ヤリチンの甘い言葉は魔界への入り口です。
これが本当の「今日は会社休みます」
朝、S理は泣きはらして腫れた瞼と傷心を抱えながら最後の力を振り絞って、「今日は会社休みます」と上司にメールを打って全休を手に入れた!
さて、F瀬とS理の2年薔薇戦争の歴史を見てもわかるように、典型的な「決める気がない男」と「希望にすがった女」の図ですね。
セフレ検定3級の基本問題が大量につまったいい事例です。事例をつかった解説を希望する方はご連絡ください。検討します。
当たり前に何度も何度もとめたし、ヤメトケbotしてたわけですが、当人が「もしかしたら」の希望を抱えている限り、外野が何を言っても無駄無駄無駄ァなので、納得いくまで話し合い、最後は感極まって号泣して抱き合う程の「物語の終り」で締めくくられたならばそれはそれでよかったのかな、と思います。
死亡通知書を出さずにゾンビ化するとさらなる腐臭をまき散らしますからね。
外野から見ていたら「ありがちに消費されたアラサー女」でも、当人にとってみれば、非常に鮮明な恋の記憶になることなんて多々あるし、あれです、終わりよければ全てよしって沙翁だって言ってたじゃん!
区切りをつける儀式がさよならセックスだったならもう何も言わないよ!
ちゃんとピリオド打てて、よかったね☆
なーんて終わり方、しないから、エグいんだよね
こんなエモい「サヨナライツカ」を決めといて、まさかの!その!週末!2人でデート行くんですよ、この人達!ちゃっかりツーショットの写真がLINEで送られてくるわ、Facebookでタグ付であがってくるわ、もうお前らなにがしたいんだよ状態。
S理「もともと約束してたし、どうしようかなって思ったんだけど、最後だしいいかなって行くことにしたの。」
ドラゲナイッ!!!
どうやら彼女の中の「最後」とは私の思う最後とはだいぶ色合いが違うようです。
てゆーかなんなのお前、何度でも蘇るの?蘇る金狼なの?不死鳥なの?反魂の薬手に入れちゃった??ゾンビにはならないけどアンチデッドでしたって、もっと性質悪いな?
「最後かもしれないだろ、だから全部、話しておきたいんだ…」ってセリフにすごい感動したけど、「最後かも」しれないって言ってるだけだもんね。うんうんループものって流行だしね。ところであと何周ぐらい回すと正規ルートにのれるの?
これは「お焚き上げ恋愛相談」の説明にも書いたのですけど、本質を見誤って無駄に時間を使っても、問題は何も解決しないし前進もしません。「これだけの時間を割いたのだから」なんていうサンクコストの呪縛はあなたを締め上げはすれど、救ってはくれないよ。
引き際の美しさで取り戻せる誇りはあるのにね
圧倒的に力関係が付いてしまっている関係において、弱者が最後に上げられる逆転の狼煙は、有終の美とその後の完全な沈黙だけです。
S理もそうですが、この手の関係は「軽んじられている」言動に対してきちんと対応しないことから生まれていきます。
- 「付き合っていないのに、肉体関係は持てない」
- 「彼女になれないなら、もう会えない」
- 「他の女とも自分と同じように親密にしていることには耐えられない」
彼女は一応、2年戦争の中で上記の事柄をFに対して提示しています。しかし、彼は自分の条件を譲らず、彼女の希望は退けられている。そして、提示条件が破られているにもかかわらず、当初と同じに“本当は不本意な”関係を継続している。
はっきり自分自身の「譲れないこと」を相手に提示した時に、その要求が飲まれないなら、去る。相手になにか要求する時は覚悟が必要なんです。
やみくもに「最後」を口にしてはいけない。それは最も愚かな行為です。
そして、これはすべての交渉において共通しますが、一度下げた条件を覆すのは回数を重ねれば重ねるほど、難易度は乗算で上がります。
時間という有限の資源を投資をしまくり、ひたすら相手にとって「都合のいい女」でいることでワンチャン引っくり返せる可能性は0.0000000001%くらいあるやもしれませんが、それは
- 絶対ヒステリックを起こさない
- 不幸そうな顔をしない
- 自分自身の(わかりやすい女としての)市場価値を上昇させる
という強靭な忍耐力と不屈の努力を伴ってのことです。うわーコスパわりぃ。
まぁ基本的にいきつく先は魔女でしかないので、「私血反吐を流してないと生きてる気がしないのぉぉぉぉぉぉ」という自傷趣味の方以外はさっさと撤退!そして精神のICUへ!
不毛なループを繰り返すのは内省がないせい
自分自身を傷つける男性、本当の望みを叶えてはくれない相手を「それでもいいの!一緒にいれればいいの!」と走らせるが恋の魔力。
ですが「辛さ」を引き受ける覚悟もないままに、「いつかは気持ちが変わるかもしれない」「長い時間過ごす私の大切さに気が付くはず」などと、自前のロボトミー手術施して思考停止で未来に期待したって現実は変わりません。根拠のない希望はさらなる絶望の呼び水です。
失敗することはまったく恥ではありません。苦い恋の思い出の一つや二つで女が廃るわけでもありません。しかし、失敗から学ばずに同じことをくりかえして、やたら時間を空費することは恥以外の何物でもないんです。
自分の人生を作れるのは自分だけ。
今日はこの標語を改めて掲げて終わりにしたいと思います。
ぱぷりこでした。
まぁ、お察しの通り、「最後のデート」の後も連絡取ったりしており、また戻るのは時間の問題でしょう。タラレバ娘、プレゼントすべきかなって思うよね……。
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