東京急行電鉄インタビュー vol.4 人材育成は、社員の人生の転機に関わる仕事
東京急行電鉄株式会社 人材戦略室人事開発部 ダイバーシティ・キャリア開発課課長の朝倉敦子様にお話を伺い、JMAがご支援している東急グループの経営人材育成体系と、その体系を継続するなかでの成果や新しい取り組みについてご紹介いただきました。JMA 副島一隆がインタビューします。(文中敬称略)
※東急グループ様の経営人材育成体系の全体像については第1回をご参照ください
「人材育成」という仕事へのスタンス
(副島)
研修後のフォローもやはり大事ですよね。同窓会はネットワーク構築もそうですが、当時苦労しながらやり抜いたことを思い出したり、成長した同期をみて刺激を受けたり、非常に重要な場になると思います。
さて、今後JMAに期待するところがあれば、お聞かせいただければと思います。
(朝倉)
やっぱり時流というか、環境変化によって会社の経営課題って刻々と変わっていくじゃないですか。
例えば、JMAさんに支援していただいて何が有り難かったかというと、グローバル人材の育成が2012年から私のミッションとして挙がってやっていた時に、いろんなメニューを薦めていただきました。その中の1つに受講者を派遣したのですが、企業側の狙いを汲んだものになっていてすごくよかったのですよ。
今の日本企業の経営課題のようなマクロな観点や、各社の今の事情などを汲みながら、課題を先読みしてご提案をいただけるという体制になっているのが有り難いと思っています。
アカデミーの講座の内容も、講演も、ブラッシュアップを常にやられているというのが私たちとしては相談しやすいですね。相談相手として、とてもいいスピード感だと思います。
この先も私たちでは得られない色々な情報や知見をJMAさんに期待しているので、今後やっぱりもっとネットワークも広げていただきたいですし、提案もしていただきたいと思っています。
(副島)
はい。頑張ります。
(朝倉)
失礼かもしれませんが率直に申し上げて、弱い分野もおありになるじゃないですか。
そこを強くしていただいて、JMAさんでワンストップでやれるようになってくれると嬉しいですけどね。
(副島)
まだまだやらなければいけないことがたくさんありそうです。
(朝倉)
ただ、だいぶ望み過ぎかなと(笑)。十分いろいろやってくださっていると思っていますよ。
人材育成は、社員の人生の転機に関わる仕事
(副島)
最後に経営人材の育成を始め、人材育成に携わっている朝倉さんが、どういうことをモットーに仕事をなさっているかをお聞かせください。
(朝倉)
モットーと言えるのかわかりませんが、“鳥の目・虫の目”じゃないですけれども、経営の方向性、例えばトップが何を考えているのか、人事担当役員がどのような課題観を持っているのか、というところを感じるようにしたりすること。
この先会社としてどんな方向になっていくだろうかというような、そんな長期的な視点で全体観を持って考えていこうというところを、私なりに意識をしています。
でもそれは、方向性を決めることであって、実行にあたっては、結局1人1人の個の話になってくるのかなと思います。
(副島)
そうですね。
(朝倉)
そこはやっぱり、従業員1人1人を意識しながら進めていかなくてはいけないなとは思っています。というのが、これは経営人材の育成云々ということではなくて、やっぱり人材育成そのものが、社員の人生の転機に関わる仕事だと思うんですよ。その場面場面は、人材開発部門である私たちにとっては毎日の仕事の1つかもしれないけれども、例えばその社員にとっては研修を受けるのが、極端に言うと10年に一度のイベントになるかもしれません。
研修での学びだとか刺激を通じて、その後のその人の会社人生の大きな転機になるきっかけづくりを私たちが支援していると思っていますね。
経営人材育成で言うと、私たちが、社長を生み出す、育てるお手伝いをさせてもらっていると思います。こんな光栄なことはないですね。
(副島)
外部から支援する我々にとってもそうですね。
(朝倉)
社長になることをイメージするのはなかなか難しいですけど、どんな社長になってもらえたら嬉しいかっていうことを考えながら仕事をしています。これはすごく幸せな仕事です。社長の候補を育てるということだけでなく、人材育成そのものが、1つのきっかけをもとに人の人生を変えられるというか、活き活きと働ける場をつくることができると思うんです。
(副島)
とても素晴らしいお考えですね。多分どこの企業でも人事部の方、人事育成担当者の方がどういう想いで人材育成を考えているか、研修を企画しているかを知らない社員が多いのではないかと思います。人材育成担当者として、こういう想いを社員の方に伝えていくことは大事だと思いますよ。
(朝倉)
恥ずかし過ぎます(笑)。
(副島)
私たちも同じ思いで仕事をしているので、とっても共感します。どうもありがとうございました。
(朝倉)
ありがとうございました。
~おわり 4/4~