情熱のシーラ(15)「闇の商人」 2015.09.20


(ジョアン)なぜここに来たかったんです?
(シーラ)それは…私の大切なお客様が以前ここに住んでいたの。
ただ助けてほしいのよ。
ダ・シルバとドイツ人のことで知ってることを話して。
(ベアトリース)3日後にダ・シルバの別荘で夕食会が開かれる。
その席ですごく重要な契約が結ばれるの。
(ダ・シルバ)ポルトガルとドイツの友人たちの集まりだよ。
よかったら君も来ないか?
(ワイス)マイクロフィルムを持ってきた。
ここに全ての情報が入ってる。
何もかもだ。
ダ・シルバはカバンに入れてた。
多分別荘に持ち帰ったのよ。
大丈夫。
私も夕食会に招待されたから。
孫に贈るファティマの聖母です。
本当は金がよかったんですがね。
(ベアトリース)リストも渡してた。
何のリスト?ウフッ…。
ウッ。
(箱を倒す音)
(ベアトリース)イギリス人たちを始末しろと。
始末するってどういうこと?
(ベアトリース)多分殺すことよ。
(鐘の音)回想
(メアリー)ポルトガルにお友達がいますね。
でも会う事は賢明じゃないでしょう。
回想
(メアリー)フォックスさんにはもし偶然出会ったとしても知らないふりをするよう伝えておきます。

(シーラ・キローガ)ハァ…ハッ…。
(エンジン音)ハァ…。
ハッ…ハッ…。
ハァ…。

(シャッターを開ける音)アハッ!
(従業員)どうしたんです?ここは従業員用ですよ。
迷ってしまったみたいで…。
じゃあ案内します。
いえいいの。
本当を言うとここから出たいの。
この通用口からですか?お願い。
誰にも言わないで。
ね?フッ…。
(足音)こんばんは。
(配達人)こんばんは。
リスボンまで乗せてくれない?ホテルでタクシー頼んだら?タクシーは頼めないの。
誰にも知られたくないから。
もちろんお金は払う。
絶対ほかの人には言わない。
いくら?10エスクード。
なに?10。
倍払う。
早く行って。
ハァ…ここよ。
よし乗って。
ええありがとう。
後ろに乗ってくれ。
こっちだ。
ここ。
(錠を外す音)さあ。
よければ手伝おうか?ハァ…ええ。
ハァ…ウン。
どうもありがとう。
(錠をおろす音)
(ニワトリの鳴き声)着いたよ。
ハァ…。
アッ。
ありがとう。
ハァ…。
ハァ…もう50払うから2時間後に迎えに来て。
フーン。
ハァハーッ。
ハッ…。
(鐘の音)
(呼び鈴の音)
(三輪バイクのエンジン音)
(呼び鈴の音)
(足音)
(メイド)お待ちください。
ええ。
(ロザリンダ・フォックス)まさかこんな事があるなんて!アハハハッ!ああねぇ。
こんな夜中に一体どうしたの?ウフフッ!ウフッ!会えてすごくうれしい。
私も!ウフフッ。
あなたがポルトガルに来るのに私とは会えないって聞いた時は胸が張り裂けそうだった。
アァ…。
危険を冒して来たの。
アァ…。
お願いしたいことがあって。
なに?何でも言って。
ハァ…どうしてもマーカスに会いたいの。
偶然ね。
マーカスも昨日ここへ来た。
あなたのことを教えてくれって。
で何て言ったの?ホントのこと。
あなたには1年前タンジールで会ったきりだと。
ねえどうしたら彼に会える?ハァ…。
イギリスの友人たちに頼めば連絡は取れる。
彼らはエル・ガルゴの常連よ。
エル・ガルゴって?クラブ。
私友達と2人でお店を始めたの。
ハァ…。
ああ。
やだ震えてるじゃない。
何か飲む?紅茶でいい?ありがとう。
ウフフフッ。
ああ…。
(ドアを開ける音)どうしてマーカスに会わなきゃいけないの?話すと長くなるけど…。
私はダ・シルバとの取り引きのために来た。
フッ…。
最近の「取り引き」って言葉はまるで大きな黒い傘みたいに何でも覆い隠してくれるのよね。
彼を知ってる?噂は聞いてる。
あまり評判はよくない。
ええ。
ダ・シルバはもうすぐドイツ人と重要な契約を結ぶ。
そしてそのためにマーカスを殺そうとしてるの。
そんな…。
ハァ…ハーッ。
あしたうちのクラブに来て。
マーカスにも来るように伝言しておくから。
そんなの無理。
ダ・シルバに監視されてる。
だったらダ・シルバと一緒に来ればいい。
むちゃ言わないで。
ウン。
確かに危険だけどだからこそかえって怪しまれない。
ダ・シルバはまさか目の前であなたが裏切るようなマネをするとは思わないわ。
そのとおりかも。
ウン…安心して。
たとえ短い時間でも何とかして必ずマーカスと話せるようにする。
ダ・シルバには絶対気付かれない。
ハァ…。
だといいけど。
大丈夫任せて。
(キスの音)ハァ…。
ポルトガルはどう?最初はつらかった。
独りでお金も無くて。
フアン・ルイスの事を思うと気が気じゃなくて…。
彼どうしてる?ほとんど連絡は取れない。
彼からの手紙はあなたに託されたものが最後よ。
あれから彼はロンダに送られたの。
反逆罪で処刑されると思っていたからホッとしてた。
ハァ…早くポルトガルに来られるといいんだけど。
フアン・ルイスが来たらあとのことはまた考える。
ハァ…。
モロッコ風にしたのね。
ええ。
クラブのことを話して。
共同経営者は十月革命のあと亡命したロシア人。
彼の資金力と私の人脈を使ってクラブを開いたの。
開店当初から好調よ。
あなたはたくましい。
アッ…よく言うわよ。
テトゥアンで一番繁盛してる婦人服の工房を一から作り上げたのは誰?アァ…。
アハハッ。
クラブの成功でお金ができたから家を探して15部屋あるこの家を買ったの。
部屋を貸そうと思って。
下宿屋を始めたってこと?ウン。
そんなところ。
アッハッ。
いろんな国の難しい立場にある人に私は家を提供して彼らは資金を提供する。
お金じゃなく宝石とかで払われることが多いけど。
見て。
ウン。
ああファティマの聖母。
気に入った?運転手の孫がファティマっていうの。
ウン。
彼金のペンダントを買ってやりたいけどとても無理だって…。
ウン。
だから私が帰る前に買おうと思ってたの。
持ってって。
だめだめ…。
いいから持ってって。
ああ…。
テトゥアンの最後の夜にあなたがくれたあの裁縫箱大事にしてるのよ。
ほら。
もう行かないと。
ハァ…ハッ…シーラ…。
ハァ…ハッ…。
ハッ…ハァ…。
じゃああしたクラブで会いましょ。
いい?ええ。
そうだ。
お店のカード。
ありがとう。
シーラ。
ダ・シルバには気をつけて。
彼はあなたのことを疑ってないのね?ええまったく。
アッ…。
ハァ…。
ハァ…。
ハァ…。
ハァ…。
ハーッ。
(バンドの演奏)
(ミュージシャンの歌)
(マヌエル・ダ・シルバ)失礼。
一番いいシャンパンを。
本当だね。
すごくいい店だ。
こんばんは。
この店のオーナーです。
よくお越しくださいました。
どうも。
私はマヌエル・ダ・シルバ。
そしてこちらはアリーシュ・アゴリウクさんです。
はじめまして。
はじめまして。
どうぞ存分にお楽しみください。
そのつもりです。
お店につけて。
それはご親切に。
どうも。
ではごゆっくり。
ありがとう。
アリーシュ。
(グラスを合わせる音)乾杯。
乾杯。
(バンドの演奏)踊らない?喜んで。
ウフッ。
(バンドの演奏)
(マーカス・ローガン)こんばんは。
ローガン!やあ。
アァ…。
会えてうれしいよ。
僕もだ。
いくら電話しても相変わらずあなたはつかまらない。
仕事が忙しいんだ。
息をつく暇もないほど。
彼女を覚えてるかな?もちろん。
え〜と…。
アゴリウクです。
アゴリウクさん。
またお会いできましたね。
ダ・シルバさん踊っていただけます?それは私のダンス・パートナーに聞いてください。
アッ…どうぞ。
もちろんかまわない。
でしたら喜んで。
ウン。
(バンドの演奏)僕に緊急の用があるって聞いたけど。
これを。
重要なものよ。
なに?ダ・シルバが殺そうとしてる人たちのリスト。
あなたの名前もある。
(バンドの演奏)あの2人はカウンターのほうがお好みらしい。
ウン…きっとローガンさんはダンスがあまり得意じゃないんでしょうね。
(2人の笑い声)できるだけ早くポルトガルを出て。
どうやってこれを?そんなことはいい。
とにかく急いでダ・シルバから逃げて。
いや…。
殺されるわ。
君も一緒に行こう。
えっ!?ダ・シルバとどういう関係か知らないけどすぐに離れたほうがいい。
座って話しましょう。
(バンドの演奏)ハァ…。
分からないの?命が危ないのよ。
じゃあ君は?ハァ…。
ポルトガルを出てモロッコへ帰るんだ。
今はマドリードよ。
ならマドリードへ帰って。
アッ…。
君がなぜ名前を変えたか知らない。
どうしてここに居るのかも。
ダ・シルバとどういう関係なんだ?彼とは何の関係もない。
ポルトガルへは服の生地を買いに来ただけ。
彼はただの友人。
シーラそれは違う。
マヌエル・ダ・シルバに友人はいない。
いかがわしいことに関わってる。
近づかないほうがいい。
自分の面倒は自分で見る。
ハァ…。
世間話をしてるふりをして。
こっちを見てる。
笑って。
ウフフフッウフフッ。
そろそろ向こうへ行って彼らと一緒に話しませんか?ウン。
そうですね。
でも曲が終わるまでおつきあいいただけません?もちろんです。
アハハッ。
アハッ。
ハァ…。
私は行けない。
ウン。
どうして?行けないものは行けないの。
だったら僕も行かない。
(バンドの演奏)ハァ…。
シーラ。
あの時もし僕がモロッコを出なければ僕たちは…。
(バンドの演奏)ハァ…。
僕らの心は結ばれてた。
だから頼む。
一緒にポルトガルを出よう。
(バンドの演奏)2人の心は…結ばれてなんかない。
(バンドの演奏)少なくとも今は違うしこの先もありえない。
ごめんなさい。
(ダ・シルバ)私たちを置き去りにしたね。
フッ。
靴のせいで足が痛くて。
ハァ…。
行かないと。
失礼。
ハァ…。
もうお帰り?また会えてよかった。
じゃあごゆっくり。
(ダ・シルバ)元気でなローガン。
あなたも。
(腕をたたく音)では私もこれで。
(バンドの演奏)
(ライターの着火音)
(バンドの演奏)
(拍手と歓声)
(ダ・シルバ)どうも。
(足音)ハァ…。
ここに着くまでひと言も話さなかったね。
何かあった?いいえ別に。
私が気付かないとでも?えっ?
(フロント係)お帰りなさいませ。
ありがとう。
君とローガンだよ。
何のこと言ってるの?2人は言い合っていて…君は気を悪くしたようだった。
ローガンに何を言われた?ハァ…。
もうそのことは忘れましょう。
話してくれ。
あの男のことなら何を聞いても驚きはしない。
本当だ。
実は…フランコを批判するような事を言われて気に障ったの。
つらかったね。
でも大丈夫。
もう2度と会わない。
ならいいけど。
ハァ…。

(泣き声)
(泣き声)分かってちょうだい。
ハァ…。
マーカスを出国させるには傷つけるしかなかった。
ハァ…それよりモロッコでなぜ素直にマーカスの気持ちに応えなかったの?彼はあなたに夢中だった。
ハァ…。
まだ傷が癒えてなかった。
時間はたってたでしょう?足りなかったの。
フーン。
いずれマーカスが行ってしまうことも分かってた。
それじゃラミーロの時と同じ。
マーカスは絶対にあなたを置き去りにはしない。
必ず戻ったはずよ。
今更もういい。
あんなこと言われたら2度と私には会わないわ。
本当に愛してた。
フン…。
その愛のおかげで強くなれたの。
だから孤独に耐えられた。
(はなをすする音)あなたは正しかった。
ならどうしてこんなに苦しいの?愛はそういうものだから。
つらいものなの。
知ってるでしょ?ハァ…ダ・シルバのほうはどう?あした別荘での夕食会に招かれてるの。
ダ・シルバがドイツ人から受け取ったマイクロフィルムを手に入れないと。
ただ盗むだけじゃ危険よ。
あなたがとったと気付かれたら大変なことになる。
じゃあどうしろって言うの?ハァ…新しいものを手に入れるからすり替えるのよ。
あなたのホテルに届ける。
大好きよ。
私も。
シーラ。
ハァ…ハーッ…。
(鳥の鳴き声)
(波の音)
(三輪バイクのエンジン音)
(錠を外す音)
(ノック)
(ドアを開ける音)
(ホテルのメイド)失礼します。
お客様にお届け物です。
ああ…どうもありがとう。
待って。
ハァ…。
すみません。
閉めてもらえる?
(ドアを閉める音)ハァ…。
(ケースの蓋を外す音)
(車の走る音)ハァ…。
(ジョアン)アゴリウク様お話があります。
どうも黙っていられないたちでして…。
なに?アァ…私の役目はあなたが安全で快適に過ごせるよう気を配ることです。
分かってる。
なぜそんなこと言うの?見たんです。
ホテルの通用口から入られるのを。
ああ…残念だわ。
ハァ…。
だって…ビックリさせたかったのに。
どういうことです?これお孫さんに…。
金じゃないですか。
頂けません。
いろいろお世話になった感謝のしるしよ。
これはあなたと買いに行けないでしょ?でも…。
ねえジョアン。
受け取って。
ダ・シルバさんには黙ってましょう。
あなたもそのほうが気が楽でしょうから。
ありがとうございます。
孫が喜びます。
ウフッ。
本当にすみません。
いいのよ。
よく来てくれたねアリーシュ。
ああ…。
とてもすてきなお宅ね。
君にはかなわない。
(キスの音)気に入ってよかった。
行こう。
じゃあ。

(ダ・シルバ)正直に言うと君を招待したのには訳があるんだ。
今夜は重要な契約を結ぶことになっていて未来の共同出資者たちが夫人を連れてきてる。
君は工房のお客さんをいつも相手にしているからご夫人方の…。
マヌエル。
私に遠慮は要らない。
ご夫人たちをもてなしてほしいなら任せてちょうだい。
フッ…。
お手伝いできてうれしいわ。
ありがとう。
残念だが今日は君の相手をできないだろう。
ご心配なく。
ほかで埋め合わせしてもらうから。

(部屋に流れる音楽)
(ダ・シルバ)アリーシュ。
こちらはアルメイダさんだ。
(アルメイダ氏)よろしく。
はじめまして。
ワイスご夫妻。
グーテン・アーベントゥ。
(ワイス夫人)ドイツ語がお出来になるの?ほんの少しだけです。
フッ。
失礼。
こちらはアルメイダ夫人。
どうも。
リベイロご夫妻。
はじめまして。
(リベイロ氏)よろしく。
すてきなドレスですね。
(リベイロ夫人)アッ…どうもありがとう。
あなたのドレスもすてき。
アッ…。
どこで作られたの?私が作ったんです。
フフン。
(ワイス夫人)あなたがご自分でそのドレスを?ええ。
マドリードで婦人服の工房を開いてて…。
(ワイス夫人)あなたのこと多分聞いたことがあるわ。
ブルックマンさんをご存じじゃない?大事なお得意様です。
やっぱり!あなたのデザインは有名よ。
(アルメイダ夫人)私たちも工房に伺っていいかしら?マドリードにいらしたらぜひ。
まあ!ああ!私のドレスはどう?とっても高かったの。
ええ。
とてもきれいです。
(ダ・シルバ)皆さんベルンハルトご夫妻です。
(ベルンハルト)ああ。
遅れてすみません。
途中で車が故障してしばらく足止めされてしまって…。
回想
(ベルンハルト)管理については我が社ヒスマが引き受けます。
もちろんそれなりの報酬は頂きますが…。
回想ヨハネス・フランツ・ベルンハルト知っています。
(ヒルガース)どの程度?何年か前にテトゥアンで開かれたあるパーティーで見かけました。
(ヒルガース)念のためベルンハルト夫妻には近づかないように。
とても危険な男です。
(アルメイダ夫人)髪に飾ってらっしゃるそのすてきな花は何?ああランです。
珍しい花ですよね。
ああ!とてもきれいだわ。
どうも。
(香りを嗅ぐ音)ウーン。
(ダ・シルバ)皆さん。
ご紹介します。
ベルンハルトさんです。
アルメイダ夫人。
(ベルンハルト)どうぞよろしく。
(ダ・シルバ)リベイロ夫人。
はじめまして。
(ダ・シルバ)そして私の大切な友人アリーシュ・アゴリウクさん。
以前お会いしましたね。
そうでしょうか?
(ダ・シルバ)マドリードのどこかでたまたまご一緒になったのでは?さあ…エンバシーかしら?いいえ。
お顔に見覚えがあるんですが別の場所だと思います。
ああ…。
(ダ・シルバ)それでは皆さんどうぞ食堂へいらしてください。
ウフッ。

(部屋に流れる音楽)
(足音)特別メニューをご用意しました。
どうぞお召し上がりください。
ありがとう。
よろしければ食事のあと契約の詳細を話し合いませんか?そうですね。
(ダ・シルバ)分かりました。
(ベルンハルト)ダ・シルバさんポルトガルの方たちとの話は?
(ダ・シルバ)間違いなく合意に至るはずです。
誰もが満足のいく形で。
(ベルンハルト)そう願いますよ。
(ベルンハルト夫人)アゴリウクさん。
シュトローヘア男爵夫人はご存じ?ええもちろん。
魅力的な方です。
リベイロさん。
スープはいかがです?とてもおいしいわ。
ウン…それはよかったです。

(ベルンハルト夫人)グロリア・フォン・フュルステンベルクさんは?存じてます。
あの方もお客様なので。
お客様はほとんどドイツの方なんです。
もちろんこれからはポルトガルの方にも来ていただかないと。
(笑い声)
(ワイス)ご婦人方がなぜこうもドレスに夢中なのか理解に苦しむよ。
フフッ。
それは…ココ・シャネルがこう言ってます。
下品な服装は服だけが目につき上品な装いは女性を引き立てると。
(ワイス)なるほど。
でココ・シャネルはほかにどんなことを?ウーン…女性には男性に愛されるための美しさと男性を愛するための愚かさが必要だと。
(笑い声)ウフッ。
リベイロさんは何のお仕事を?うちは昔から代々農家でした。
フン。
でも今は鉱山を所有しています。
これで大金持ちになれますよ。
何の鉱山です?ああ知ってますか?もうすぐマドリードにホルチェルというレストランができるんですよ。
ええ。
すばらしいお店だとか。
あのレストランへ行ったら有名なバウムクーヘンを忘れずに注文なさって。
分かりました。
覚えておきます。
何という名前でした?バウムクーヘン。
バウムクー…。
クーヘン。
アァ…。
いやだ…。
すみません。
(リベイロ夫人)ワインの染みはなかなか落ちないわ。
ええ。
すみませんが化粧室へ行って落としてきます。
失礼。
すぐ戻ります。
化粧室の場所を教えていただける?
(使用人)そちらの廊下の先にございます。
右側の2番目のドアです。
ありがとう。
失礼します。

(物音)
(足音)
(執事)どうかなさいましたか?化粧室を探していて迷ってしまったみたい。
ワインをこぼしてしまったの。
化粧室は下の階でございます。
アァ…。
私が聞き間違えてしまったのね。
ちょっと慌ててたから。
よろしければご案内いたしましょう。
どうもありがとう。
失礼。
(リベイロ夫人)どう?染みはきれいに取れた?アァ…まだ少し残ってますがホテルで落としてもらえるかと。
駄目でも別のドレスを作ればいいわ。
(笑い声)ええ。
その点は仕立屋をしてると得ですね。
ハァ…中座してごめんなさい。
何のお話を?
(足音)なぜ居るの?もうポルトガルを出たと思ってた。
話はシーラに聞いたでしょ。
命を狙われてる。
早く逃げて!飛行機に乗ろうとしたけどできなかった。
どうして?シーラが何かに巻き込まれてる。
全部話してくれ。
ハァ…。
無理言わないで。
全てを話す事なんかできない。
なぜだ?あなただって全てを話してないけど私は無理に聞かないでしょ?シーラとダ・シルバは?ハァ…大丈夫。
安心して。
2人の間には何もない。
単に仕事の関係っていうだけ。
フーン…。
本当なのか?ハッ…。
シーラはあなただけを思ってる。
でも彼女は…。
何もかもあなたを守るために言ったの。
あなたに急いで逃げてほしかったから。
お願い。
シーラの気持ちを分かってあげて。
手遅れになる前に急いでこの国を出て。
車はある?エストリルだ。
ここには無い。
ハァ…。
ハァハッ…私のを使って。
パッカードよ。
色は黄色。
3本下の通りにとめてある。
とにかく今すぐ駅へ行ってリスボンを出る列車に乗るの。
ありがとう。
ハァ…。
(招待客の笑い声)アハハハッ。
アハハハッ。
アハハハッ。
(ダ・シルバ)ではご婦人方。
男性陣はそろそろおしゃべりをしに退出させていただきます。
応接間へ行ってトランプでもしません?
(リベイロ夫人)いいわね。
やりましょう。
ええ。
(ワイス夫人)フン。
(ベルンハルト)それについて議論するつもりはない。
価格はもう決まってる。
ああ…全然駄目。
(リベイロ氏)でもそれは数量を聞く前に決めたものです。
従業員だってもっと雇う必要が出てきましたし。
ああそんな…。
(ベルンハルト)人件費を我々が負担するのは不公平だろう。
(ワイス)従業員だったらもういるじゃないか。
(リベイロ氏)この仕事量をこなすにはとても足りませんよ。
このチョコレートとってもおいしい。
(ベルンハルト)アハハッ。
何を言ってる。
(リベイロ夫人)それはリスボンのお菓子屋さんがスイスのレシピで作ってるの。
おいしいでしょう?はい?チョコレートのお味はどう?ああとてもおいしいです。

(ダ・シルバ)何週間も前から準備してきたんです。
何としても今日ここで合意にこぎ着けましょう。
いいですね?・
(リベイロ氏)条件が変わったんです。
(アルメイダ夫人)リスボンにはいつまでいるの?今週いっぱい?
(リベイロ夫人)いいえ。
もう少しホテルでのんびりする。
主人はそれを聞いて卒倒しそうになったけど。
(アルメイダ夫人)私たちはちょうどいい機会だからリスボンにいる親戚を訪ねようと思って。
めいっ子に赤ちゃんが生まれたばかりなの。
おめでとう。
男の子?女の子?女の子。
男の子はもう2人いる。
(2人の笑い声)
(リベイロ氏)ドイツはタングステンを独占したいはず。
イギリスと取り引きするなとおっしゃるなら価格を上げるしかありません。
皆さんベルリンにはいらした事ある?
(リベイロ夫人)ないわ。
私実はポルトガルから1度も出たことないの。
運送費を値下げしてもらおう。
(リベイロ夫人)主人もそうよ。
(アルメイダ夫人)私はドイツのあの重々しくて堅苦しい雰囲気になじめないかも。
ちょっと失礼。
ああ勝った!
(リベイロ氏)現金はチューリヒの口座にお願いします。
とても正気とは思えん。
年間3,000トンをお望みなら払っていただくしかありません。

(ワイス)タングステン1トンが70万エスクードだと?そりゃ高すぎるだろ!・
(ダ・シルバ)まあまあ皆さん。
声を抑えてください。
でしたら65万でどうです?ん?この話を進めるにはみんなが努力しないと。
(夫人たちの笑い声)
(アルメイダ夫人)かわいそうに。
フフフッ。
(ダ・シルバ)フーン。

(扉を閉める音)
(車の走る音)
(ダ・シルバ)ワイスさん。
ありがとうダ・シルバ。
(ダ・シルバ)ベルンハルトさん。

(ワイス夫人)今日はご一緒できて本当に楽しかった。
私もです。
(ワイス夫人)今度マドリードへ行ったら必ず工房に寄らせてもらうから。
まあ。
その日を楽しみにお待ちしています。
ぜひいらしてください。
話がまとまって本当によかった。
あとは君たちを信じるばかりだ。
約束どおり事を進めてくれるね。
あと2日もすれば全て片づきます。
ご安心ください。
頼んだよ。
どうも。
ありがとう。
アゴリウクさん。
はい?ずっと過去の記憶をたどっていたんですがどこでお会いしたか分かりました。
本当に?もちろん。
あるパーティーでお会いしたんです。
お忘れですか?ん…。
ごめんなさい。
思い出せません。
イタリア大使館主催のカジノで開かれたパーティーです。
ああ!はい確かに。
そうでしょう?1度見た顔は忘れません。
ウフッ。
それでは。
さようなら。
さようなら。
(シーラベルンハルト夫人)おやすみなさい。
お気をつけて。
では。
(足音)アリーシュ。
すばらしいもてなしぶりだったよ。
そんな…。
どうもありがとう。
君は退屈じゃなかった?ん〜ん。
ずっとほったらかしにして本当に申し訳なかった。
気にしないで。
とても楽しかったわ。
多分今ならお相手できる。
ああ…フフッ。
でもホテルに戻らないと。
あしたマドリードに帰るんだもの。
フン…。
もう少し先に延ばせないか?無理よ。
本当に。
あと何日か居られたらいいけど駄目なの。
早く工房に戻らないと。
お客様たちが待ってる。
それじゃ…。
ん?これでお別れってこと?お別れだなんて…。
また会えるわきっと。
そう祈るよ。
マーカスのことよ。
まだリスボンに居たの。
何があったの?車が前と同じ場所にとまってて血の跡が付いてた。
客で誰かこの階に上がってきた者はいるか?この階でアゴリウクさんにお会いしたのを思い出しました。
アリーシュに?本当にすばらしい旅だった。
あなたにはお世話になりっぱなしで。
では親愛なるアリーシュ。
お別れの時が来たようだ。
「ドラマ10」がお贈りするこの秋最大の話題作。
2015/09/20(日) 23:00〜23:51
NHK総合1・神戸
情熱のシーラ(15)「闇の商人」[二][字][デ]

お針子から名スパイへ!時代に翻弄されながらもたくましく生きた女性を描く魅惑のスペインミステリー。シーラは、ロザリンダの協力で命を狙われているマーカスに会うが…。

詳細情報
番組内容
ダ・シルバがドイツ人将校から殺害を指示されたリストの中に、マーカスがいることを知ったシーラは、ロザリンダに会いに行く。彼女は、自分が経営するクラブにダ・シルバと来るようシーラに言う。ダ・シルバの目の前でマーカスに会うほうが怪しまれないと考えたのだ。彼女の計らいでマーカスと二人きりで話す時間を持てたシーラだが…。一方でダ・シルバの夕食会に招かれたシーラは、情報を盗むために書斎に潜入する。
出演者
【出演】アドリアーナ・ウガルテ…渋谷はるか,ピーター・ビベス…川島得愛,ハンナ・ニュー…小島幸子,フィリペ・ドゥアルテ…堀内賢雄,ジョアン・ラガルト…辻親八
原作・脚本
【原作】マリーア・ドゥエニャス,【脚本】スサーナ・ロペス,アルベルト・グロンドーナ
監督・演出
【演出】イニャキ・メルセーロ
制作
〜スペイン A BOOMERANG TV PRODUCTION FOR ATRESMEDIA制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
趣味/教育 – 会話・語学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
スペイン語
サンプリングレート : 48kHz

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