ダーウィンが来た!「衝撃!アフリカゾウVSライオン」 2015.09.20


1列になって進む無数の黒い点。
アリの行列?いえいえ正体はアフリカゾウ。
地上最大の動物です。
ここは砂漠に30年ぶりに現れた「奇跡の湿原」。
数千頭ものアフリカゾウが水と草を求めて大集結したんです。
しかし乾季水がかれてしまいます。
渇きと飢えに苦しみ倒れていくゾウたち。
さらにライオンが襲いかかります。
弱ったゾウが次々と標的になっていったんです。
仲間との絆を頼りに試練に立ち向かうアフリカゾウ。
その壮絶な闘いの日々を追った感動のドキュメントです。

(テーマ音楽)アフリカ南部ボツワナとその周辺に広がるカラハリ砂漠。
日本のおよそ1.5倍もの面積を持つ広大な砂漠です。
半年以上も続く乾季。
雨が降ることはめったにありません。
(雷鳴)雨季の到来です。
雨が風景を一変させていきます。
干上がっていた川に水が流れ始めました。
水は大地を潤していきます。
砂漠のあちこちにこうして湿原が生まれます。
今日の舞台はカラハリ砂漠北部のサブティ湿原。
驚くことにおよそ30年ぶりに現れた湿原です。
長い間カラカラだった大地が突然水と緑あふれる場所へと変貌したんです。
スイギュウやシマウマなど草食動物たちが続々と集まってきました。
そして地上最大の動物アフリカゾウ。
砂漠のあちこちからなんと数千頭もが大集結しました。
先を争うように水場へと入っていきます。
30年ぶりによみがえった水の楽園。
復活の理由は雨季の雨だけではありません。
サブティ湿原の源流は60キロほど西のリニャンティ湿原。
リニャンティ湿原は大地の裂け目・断層に川がせき止められて出来ています。
その裂け目に地殻変動が起き突然水が流れ出したのではないかと考えられています。
こうして乾ききった不毛の大地が「奇跡の湿原」へと姿を変えたんです。
水場に集うたくさんの生きものたち。
それを目当てにやってくるものもいます。
百獣の王・ライオンです。
こちらは全部で7頭の群れ。
2頭の母親とその子どもたちです。
よく見ると脚に斑点があります。
これは若いライオンだけに見られる特徴。
若者ばかりの群れなんです。
水場の近くへやってきたライオンたち。
何を狙うつもりでしょうか?注意深く近づいていきます。
スイギュウに狙いをつけたようです。
ギリギリまで近づいて…。
飛び出した!…があっさり逃げられちゃいました。
しかも…スイギュウの反撃!猛烈な勢いで追いかけてきます。
スイギュウの迫力にたじたじ。
完敗です。
次に目を付けたのはシマウマです。
ライオンスタート!シマウマも一斉に逃げ出します。
子どもに近づくライオン。
あっとここでシマウマと接触!ライオンが子どもに追いつきそうになった瞬間大人のシマウマがかみついてきたんです。
思わぬシマウマの攻撃にライオンの勢いがそがれます。
シマウマの群れはどんどん遠ざかっていきます。
もう追いつけません。
またしても狩りは失敗です。
獲物が捕まえられず若いライオンたちはおなかペコペコ。
イボイノシシを発見しました。
スイギュウやシマウマと比べるとぐっと小ぶりですがぜいたくは言っていられません。
さあ今度こそ。
群れから離れた1頭に狙いを定めました。
猛然とダッシュ!あっイボイノシシが急加速で引き離します。
ライオンも全力疾走。
逃すわけにはいきません。
あとちょっとで追いつけそうです。
あれ?ライオンのスピードが急に落ちてきました。
イボイノシシとの距離がみるみる開いていきます。
またまた失敗です。
若いライオンたちはまだ狩りの訓練中。
チームワークを生かした作戦や忍び寄りのテクニックなど学ばなければならないことがたくさんあるようです。
アフリカゾウが近くにやってきました。
悠然と歩いています。
最大で体重5トンにも達するアフリカゾウ。
普通ライオンの狩りの対象となることはありません。
もしもライオンが近づきすぎれば「邪魔だ!」とばかりに追い払います。
力関係ははっきりしているんです。
さらにまるで見せつけるかのように…。
木の幹を鼻でへし折ってしまいました。
何という怪力でしょう。
若いライオンはようやく鳥を1羽捕まえました。
ところが…。
なけなしの獲物をめぐって今度は仲間同士でけんかが始まってしまいました。
やれやれ。
せっかく獲物が豊富な湿原にやってきても狩りが未熟なままでは生きていけません。
7頭の若いライオンたち。
この先どうなるんでしょうか。
雨季が終わり乾季がやってきました。
しばらくするとゾウたちが一斉に移動を始めました。
みな足早に進んでいます。
一体どうしたんでしょうか。
実はこの時乾燥が進み湿原の水がなくなり始めていたんです。
雨季ゾウたちは湿原全体に散らばっていました。
ところが乾季湿原が小さくなると水の残る場所へ移動し始めたんです。
限られた水場に数千頭ものゾウが集まると問題が起こります。
大人のゾウが1日に飲む水の量は200リットルにものぼります。
数千頭が毎日水を飲み続けた結果水場はますます小さくなっていきました。
さらにゾウの過密はもう一つ大問題を引き起こします。
食料不足です。
最初ゾウは主食の草を水場の近くで食べることができました。
でも密集した結果近くの草を食べ尽くしてしまったんです。
日がたつにつれ食事場所はさらに遠のいていきます。
辺りにはもうゾウが食べられる草は全く残っていません。
来る日も来る日も遠く離れた食事場所と水場との往復が続きます。
ゾウの体力は次第に奪われていきました。
ある日のこと。
ついに1頭のゾウが倒れました。

(鳴き声)子どもが近づいてきました。
倒れたのは母親だったんです。
(鳴き声)母親は何とか立ち上がろうとします。
でももうその力は残っていません。
母親を亡くし独りぼっちになってしまった子ども。
その様子をじっと見つめるものがいました。
あの若いライオンたちです。
アフリカゾウとライオンの間に衝撃的な出来事が起ころうとしていました。
暑さと乾燥が支配するアフリカの砂漠。
生きものたちはさまざまな工夫で乗り切っています。
まずはここカラハリ砂漠。
群れをなして飛んできたのは…シャカイハタオリです。
スズメほどの大きさしかない小さな鳥です。
でもすんでいるのは巨大な巣。
枯れ草で作った巣で共同生活をしているんです。
この巣はなんと築100年以上。
シャカイハタオリたちが代々受け継ぎ増築を重ねてきました。
強い日ざしから守ってくれる巣でお昼寝。
気持ちよさそう。
こちらは世界最古の砂漠として知られるナミブ砂漠。
最高気温50度にもなるしゃく熱の大地に現れたのはトカゲの仲間。
その暑さ対策は…。
脚を交互に上げ下げして熱〜い地面になるべく触らないようにしているんです。
日中砂の表面は70度以上にもなります。
コミカルな動きですがトカゲは一生懸命。
「アチチッ!」という声が聞こえてきそうですね。
こちらはサハラ砂漠の南に位置する乾燥地帯。
ここには200頭ものキリンが暮らしています。
キリンたちののどの渇きを癒やしてくれるとっておきの食べ物があります。
ぐいっと頭を下げて…地面にある何かを口に入れました。
実はこれ野生のスイカ。
水分たっぷり。
確かに乾燥対策にはうってつけですよね。
長〜い脚を広げて地面のスイカをパクリ。
スイカはもともとアフリカの乾燥地帯が原産。
いいところに目を付けました!生きものたちはそれぞれの土地に合わせ厳しい環境をたくましく生き抜いているんですね。
カラハリ砂漠に現れた「奇跡の湿原」。
乾季が始まり数千頭ものアフリカゾウが渇きと飢えに追い詰められていきました。
母を亡くし独りぼっちになってしまった子ども。
そこへあの若いライオンたちが近づいてきました。
子どもは群れに追いつこうと必死で歩きます。
ライオンたちは気付かれないようゆっくりあとをついていきます。
すぐそばまで迫ってきました。
子どもはまだ気付いていません。

(鳴き声)あっという間の出来事でした。
(鳴き声)群れの仲間が急いで駆けつけ威嚇します。
(鳴き声)怒りをあらわにするゾウ。
ところがライオンはほかの子どもにまで襲いかかります。
もうどうすることもできません。
(鳴き声)若く狩りが未熟だった7頭のライオンたち。
この日の出来事は彼らに大きな自信を与えることになりました。
乾季が深まり厳しい暑さと乾燥がアフリカゾウをさらに追い詰めていきます。
座ったまま力尽きたゾウ。
命を落とすものが相次ぎました。
7頭の若いライオンはゾウたちの勢力の衰えをはっきりと感じ取っていました。
そして次々とゾウを襲い始めたのです。
(ゾウの鳴き声)アフリカゾウとライオンの力関係は乾燥が極限に達した今完全に逆転してしまいました。
そんな中運よくライオンから逃れた親子を見つけました。
でも子どもの足元がふらついています。
ついに子どもが歩けなくなってしまいました。
母親が子どもに近づきます。
かなりつらそうです。
大丈夫でしょうか。
(子ゾウの鳴き声)あっ危ない。
(母ゾウの鳴き声)母親は必死で子どもを立ち上がらせようとします。
しかし子どもはもう動くことはできません。
母親は翌日の朝まで命を落とした子どものそばを離れようとはしませんでした。
アアアア…赤ちゃんかわいそう。
ねホント悲しいですよねヒゲじい。
でもちょっと待った。
はい。
こんなに追い詰められる前にどうにかならなかったんですか?そう思いますよね。
実はゾウがここまで追い詰められてしまったのはこの湿原が30年ぶりに復活したことと関係があるんです。
えどういうことなんですか?その説明の前にゾウがふだんどのように乾季を乗り切っているのかこちらをご覧下さい。
はいはい。
ほう足で砂を掘ってますな。
何か探してるんですか?さあもうすぐ出てきますよ。
えなになに?あ〜水だ!水があったんですね。
そうなんです。
干上がった地面の下に水があることをゾウはちゃんと記憶していたんです。
へえ〜ゾウって記憶力がいいんですね。
そうなんですよ。
ゾウは普通10頭ほどの群れで行動しますがそれを率いるのは知識も経験も豊富なリーダーです。
そのリーダーが1つの水場がなくなったら次の水場へ。
そこがなくなったらまた次へと仲間を連れていくんです。
へえ〜。
そのため乾季でも水を手に入れて生きていくことができるんですよ。
そうなんだ。
ところが今回の舞台は30年ぶりに現れた湿原です。
集まってきた多くのゾウにとって初めての場所でした。
だから抜群の記憶力も役に立たなかったのではないかと考えられるんです。
なるほど。
さらにゾウの強い絆もあだとなってしまったのかもしれません。
ゾウは常に群れの仲間を思いやり50メートル以上離れて行動する事はほとんどないと言われています。
ほう。
ですので元気なゾウも弱った仲間を置いて出て行くわけにはいかなかったんです。
なるほど。
記憶力の良さや仲間との絆が逆に不幸を呼び込んでしまったとは切ないですなぁ。
フレーフレー雨よ降れ〜ですなぁ。
乾季が始まって7か月がたちました。
あの若いライオンたちを見てみると…。
後ろから走ってきたのは赤ちゃんです。
全部で4頭います。
新しい命の誕生。
それは多くの別の命の上に成り立っているのです。
この年例年になく乾季が長引く中ゾウの群れにも赤ちゃんが産まれました。
まだ産まれてから1時間もたっていないようです。
母親がいとおしそうに鼻でなでています。
普通ゾウは雨季の初め水と食べ物が豊富になるタイミングに合わせて出産をします。
しかし乾季が長引いたためこの赤ちゃんは最も厳しい時に産まれてきてしまったのです。
早速ハイエナがやってきました。
すると赤ちゃんの周りに大人たちが集まって2015/09/20(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「衝撃!アフリカゾウVSライオン」[字]

地上最大の動物アフリカゾウに百獣の王ライオンが襲いかかる!カラハリ砂漠で繰り広げられた命の攻防。仲間との絆を頼りに試練に立ち向かうゾウたち。感動のドキュメント!

詳細情報
番組内容
地上最大の動物アフリカゾウを百獣の王ライオンが襲う!舞台は、カラハリ砂漠に30年ぶりに出現した広大な湿原。豊かな水を求めて数千頭ものアフリカゾウが大集結する。ところが乾季が進むにつれ、水と食べものが激減。ゾウたちは衰弱し、倒れていく。そして、弱ったゾウが次々とライオンの群れの標的になっていった。仲間との絆を頼りに、試練に立ち向かうアフリカゾウ。その闘いの日々を追った感動のドキュメント!歌:平原綾香
出演者
【語り】中山準之助,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:30323(0x7673)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: