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【大相撲】照ノ富士、全治1カ月強行出場も3敗 右膝前十字靭帯損傷2015年9月27日 紙面から
◇秋場所<14日目>(26日・両国国技館) 前日に右膝を痛めた大関照ノ富士(23)=伊勢ケ浜=は右膝前十字靱帯(じんたい)損傷で全治1カ月と診断されながらも強行出場。しかし、大関豪栄道に寄り切られ、3敗に後退した。横綱鶴竜は立ち合いの変化から大関稀勢の里を寄り倒し2敗を堅守。単独首位に立ったが、見苦しい相撲で場内から大ブーイングを浴びた。3敗で追っていた稀勢の里と平幕の勢がともに敗れ、優勝争いは千秋楽結びの一番で直接対決する鶴竜と照ノ富士に絞られた。鶴竜が勝てば昨年春場所以来2度目で、横綱昇進後初の賜杯獲得となる。照ノ富士が勝てば優勝決定戦に持ち込まれる。 照ノ富士に持ち前の力強さはない。13日目の稀勢の里戦で負傷した右膝はテーピングでガッチリと固定されていた。痛み止めを打って、飲んで、座薬を尻にも入れて土俵に上がった。豪栄道にもろ差しを許して両腕で抱える。右を巻き替えにいくが、相手の圧力に踏ん張れない。最後は力を抜いて寄り切られた。土俵下の負け残り、腕を組んで目を閉じた。 「100%ではないですね。ちょっと怖いのもあった。でも、きょうの相撲で力が出るっちゃ出るなって」。淡々と手負いの一番を振り返った。 出場の決断はこの日の朝だ。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると、東京都内の病院で検査を受け、右膝前十字靱帯(じんたい)損傷で全治1カ月と診断された。伊勢ケ浜親方は「万が一、また(13日目と)同じような状態になったら(靱帯が)切れる可能性が高い。1年を棒に振る場合もある」と次期横綱の最有力候補だけに休場を勧めた。 だが、照ノ富士のプライドが許さなかった。「両横綱(白鵬、日馬富士)も休場してるし、自分も休場したら、という責任感があった。ここまできたらやれるだけやって終わらせたい。自分の体は自分しか分からない」。朝の稽古場には姿を見せなかったが、部屋で腰を下ろしてすり足をする照ノ富士に伊勢ケ浜親方は「形を見たら大丈夫かなと」。弟子の強い思いにも屈し、出場に“待った”をかけなかった。 3連敗を喫したものの、千秋楽に優勝の望みをつないだ。賜杯はほしい。しかし、横綱昇進を目指す23歳の相撲人生はまだまだこれからだ。 「ここまできたら優勝したいのはあるけど、無理してする必要はない。気持ちを入れ替えて場所が終わったら来場所に向けてやっていきたい」 大関としての責任感から強行出場を選んだ照ノ富士。今場所最後の一番に悔いだけは残さない。 (永井響太) PR情報
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