「エヴァ」とコラボした箱根温泉卓球大会、仕掛け人は?

2015年9月27日11時44分  スポーツ報知
  • 箱根仙石原のススキ草原を散策する観光客

 27日は、58人が死亡し現在も5人が行方不明となっている御嶽山(長野、岐阜県)の噴火から丸1年となるが、御嶽山と同じように現在も火山被害の影響を受けている箱根山大涌谷近くを、先日取材してきた。

 現地で感じたのは、地元の人たちの明るい表情と前向きな気持ちだった。ある男性は「(マスコミの)皆さんが『箱根が噴火』って書いたりテレビで言ったりするからさ、お客さんは様子を見ちゃうんだよ。今、立ち入り禁止なのは大涌谷だけなんだから。そこをきちんと書いてもらわないと。今までの分、(記事で)きちんと取り返してよ」。噴火警戒レベルが3から2に下がったとはいえ、客足が遠のいているのは間違いないはずだが、それをおくびにも出さず、冗談まじりに話した。

 とりわけ、意欲的に動いているのが若い世代だった。「第46回仙石原すすき祭り」は、仙石原観光協会が主催で半世紀近く行ってきたものだが、会場内で黄色いTシャツを着たスタッフが動き回っているのが目立った。

 窪澤吉幸会長(70)によると、黄色いTシャツ姿の多くは2年前に結成された観光協会の青年部だという。旅館や土産物店の2世や3世が多いが、父親たちの「遺産」を吸うだけではなく、観光客、特に若い人たちを呼び込むためには何をするべきかを独自で考え、様々なプランを提案し、実行している。

 それが結実したのが、今年の「すすき祭り」の中で行われた「箱根温泉卓球選手権2015」だ。人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とのコラボレーションが実現した。箱根が作品内で「第3新東京市」と設定され、箱根湯本駅や芦ノ湖などが登場することから、出場者を「第3新東京市温泉卓球部部員募集」として公募。ポスターなどでもアニメのキャラクターを大々的に使用したことで、地元以外からも応募が集まったという。

 窪沢会長は「私たちでは、『エヴァ』って言われても何なのかよく分からないからね。若い人たちには人気があるみたいだけど…。でも、2年前から交渉し続けてたみたいだし、それがこの大変な時にうまくいったというのは、頑張っているということじゃないかな」。“次世代の箱根”を支えていく若手の活躍を頼もしく思っている様子だった。

 シルバーウィークは終わったが、10月下旬からは紅葉のシーズンが始まる。予定を立てるのは、これからでも十分間に合います。

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