認知症の薬を使用規定通りに投与すると患者が怒りっぽくなるなどの副作用が頻発しているとして、高齢者医療に携わる医師らが適量処方を推進する団体を26日までに設立した。全国の医師や患者家族に呼び掛け、副作用の実態調査に乗り出す。
団体は一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(代表・長尾和宏医師)。医師の裁量で患者に合った用量で使用できるよう国などに要望する。
症状の進行を抑える抗認知症薬は4種類が承認されており、いずれも少量から始め、約1.7~4倍に増量するよう添付文書で規定されている。
同会によると、規定量通りに投与すると興奮、暴力、歩行障害、飲み込み障害などが起き、介護の負担が増えることが多いという。逆に少量投与で改善する人もいる。
添付文書に「症状により適宜減量する」と記載されている製品もあるが、規定より少ない量で処方すると地域によっては診療報酬明細書(レセプト)の審査で認められない場合があるという。〔共同〕
認知症薬