[Network] | |||||||||||
例示/実験用として利用できるドメイン名
|
|||||||||||
|
解説 |
DNSサーバを導入する場合、一般的には、正式なドメイン名を取得してそれを利用する。例えば社内にActive Directoryを導入したり、インターネット・メール・サーバなどを導入したりする場合、自社の組織名や実現するサービス、商品、ブランドなどに合わせてドメイン名を取得し、そのドメイン名を利用してDNSサーバをセットアップする。
だがテストや調査などの目的で、暫定的にDNSサーバ・システムを構築する場合、いちいちドメイン名を取得するのは現実的ではない。面倒だからというだけでなく、テスト用途ではドメインは取得できないし、DNSサービスを提供するなら、正式にDNSサーバを設定して、公開しなければならないからだ。
インターネットに接続するつもりがなく、(DNS的に)完全に閉じたネットワークで利用する場合や、単なる実験用途などでは、テスト用のドメイン名が利用できるとよい。このような目的のためにいくつかのドメイン名が予約されているので(RFCなどで定義されている)、本TIPSで紹介しておく。これらのドメインは、誰に断ることもなく利用できるし(192.168.0.1といったプライベートIPアドレスのようなもの)、資料などに例示するために利用することもできる。逆に言うと、これらのドメインを正式に取得することはできない。
予約されたトップレベル・ドメイン名(TLD)
ドメイン名にはいくつかの種類があるが、どの国(地域)にも属さず、汎用的に利用できるドメイン名として.comや.net、.orgなどがある。これらはTLD(Top Level Domain)と呼ばれるが、以下のものは、RFC2606で実験や例示用に予約されている。
予約TLDドメイン名 | 用途 |
.test | テスト用 |
.example | 例示用 |
.invalid | ドメイン名が“不正”であることを明示的に表すためのドメイン |
.localhost | ループバック・アドレスを表すために、伝統的に使われている名前 |
例示用の予約トップレベル・ドメイン名 | |
これらのトップレベル・ドメイン名はどこの組織にも割り当てられていないことが保証されており、ユーザーは実験や例示用に利用してもよい。実際には上の2つが使われることが多いだろう。4つめのlocalhostは、ドメイン名ではなく、ローカル・コンピュータ自身を表すループバック用途で(伝統的に)使用されているので、ドメイン名としては利用しない方がよい。なお、DNSでは大文字/小文字の違いは無視される。 |
これ以外に、マイクロソフト社の文書などでは「.local」というトップレベル・ドメイン名が使われていることがあるが、これはRFCで正式に認められたものではないようだ。もし利用する場合は、ほかのDNSサーバと連携しないようにして(つまり、.localという名前をインターネット上のDNSサーバへ問い合わせに行かないようにして)、十分注意して利用していただきたい。
予約されたセカンドレベル・ドメイン名
トップレベル・ドメイン名と同様に、以下のドメイン名も例示/実験用に予約されている。これも同じくRFC2606で定義されている。
予約ドメイン名 |
example.com |
example.net |
example.org |
例示用の予約されたセカンドレベル・ドメイン名 |
.com、.net、.orgというgTLD(generic TLD。汎用TLD)にも、例示/実験用のセカンドレベル・ドメインが定義されている。 |
一般的には先のトップレベル・ドメイン名より、こちらの方が利用価値が高いだろう。例えば「server.example」よりも、「server.example.com」とした方が、コンピュータ名とドメイン名の区別などが付きやすいし、階層ドメインであるということがよく分かるからだ。
予約された.jpドメイン名
日本向けのトップレベル・ドメインである.jpにおいても、このような例示/実験用のドメインがいくつか予約されている。詳細は日本レジストリサービス(JPRS)の「Q&A:例示に使用可能なドメイン名はありませんか?」を参照していただきたい。
予約.jpドメイン名 |
example.jp |
example.co.jp |
example.ne.jp |
※上の3つの例に加え、“example”の直後に1桁の数字(0〜9)を付けたもの 例:example1.jp example2.co.jp example3.ne.jp |
ドメイン名例.jp (注:これは「日本語ドメイン名」の一種) |
xn--eckwd4c7cu47r2wf.jp (注:「ドメイン名例.jp」のpunycode表記) |
例示用の予約された.jpドメイン名 |
.jpドメインにおいても、例示/実験用のドメインが定義されている。なお、最後の2つは「日本語JPドメイン名」と、それをpunycode表記で表したものである。punycodeとは、日本語ドメイン名中の漢字などのUnicode文字を英数字にエンコードして、従来のDNSシステムでも取り扱えるようにしたコードのこと。RFC3492で定義されている。 |
なお、いずれのドメイン名の場合でも、それらの下にさらにサブドメインを定義して利用するのは自由である(例:mail.system.example.co.jpなど)。またこれらの予約ドメイン名に対して、インターネット上の(ルート)DNSサーバに問い合わせを出した場合、結果が返ってくるかどうか(何が返ってくるか)は保証されていない。そのあたりの事情を十分承知の上、活用していただきたい。
この記事と関連性の高い別の記事
- DNSサーバでゾーンごとに異なるフォワーダを使う(TIPS)
- DNSの検索サフィックス・リストを定義する(TIPS)
- Windowsでリモートネットワークの名前解決をhosts/lmhostsで行う(TIPS)
- nslookupの基本的な使い方(イントラネット編)(TIPS)
- ドメイン名に対してIPアドレスを割り当てる(TIPS)
このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
「Windows TIPS」 |
@IT Special
- PR -TechTargetジャパン
- コマンドプロンプトの起動時にバッチファイルを自動実行させる (2015/9/25)
コマンドプロンプトの起動時に、初期設定用のバッチファイルを自動実行できると便利である。そのためには、バッチファイル起動用のショートカットを作成する - PC版Gmailで送信直後のメールを取り消す (2015/9/24)
いったん送信してしまったメッセージは取り消しも削除もできないのが電子メール。だがPC版Gmailにはメール送信の取り消し機能がある。その使い方は? - PCを設定時刻に自動でシャットダウンする【更新】 (2015/9/18)
メンテナンスなどで決まった時刻にPCを自動シャットダウンするには、Windows標準のタスクスケジューラとshutdownコマンドを組み合わせるとよい【最新OSに対応】 - Windows 10で利用できるアカウントの種類と管理方法 (2015/9/17)
Microsoftアカウントやドメインアカウント、家族アカウントに、Azure AD連携。Windows 10で増えたアカウントの種類とその管理手順を解説
|
|
- - PR -
イベントカレンダー
ホワイトペーパー(TechTargetジャパン)
- - PR -