あのノーベル賞受賞の快挙から3年
山中伸弥教授が「夢の扉」に語ってくれた
描き続けている夢
そう語る…
彼にもかなえたい夢がある
見つめる先には治療法のない難病に苦しむ人たちがいる
その暗闇を照らす希望の光となるのは
遺伝子を手術するという途方もない技術だ
大切だなと思うのは…
僕らはいつまで夢を見られるのだろう
IhaveadreamWehaveadream!
今回の夢の舞台は…
iPS細胞を使って様々な病を克服する
それがここにいる研究者たちの使命だ
主任研究員では最年少の37歳
会議をのぞかせてもらうとなんと英語で始まった
(英語で会話をする)
世界中から集まる研究所スタッフはおよそ300人
山中教授はiPSの技術で患者さんを治したい
そう思っている人だけを招き入れている
つまり目指すゴールは皆同じ
山中イズムの継承者たちだ
ここでそもそもiPS細胞とは何なのかおさらいしましょう
私たちの体の始まりは受精卵というたった1つの細胞
これが分裂を繰り返し
200種類以上の細胞に変化します
一度骨や筋肉などになった細胞が
ほかの細胞に変わることはありません
しかし皮膚などの細胞に
特定の遺伝子を組み込んでつくられるiPS細胞は…
臓器や神経骨筋肉など
様々な細胞に変化できます
つまり受精卵と同じ状態に戻るというわけ
その性質を利用できれば…
例えばある臓器が悪い患者さんの細胞から
iPS細胞をつくり健康な臓器に育てて移植するなど
再生医療への応用が期待されているんです
堀田がiPS細胞を使って治したい病気は…
筋肉が萎縮し衰えていく遺伝性の難病
根本的な治療法はまだない
今その難病に堀田が挑む
その方法はなんと遺伝子を手術
iPS細胞研究所主任研究員の堀田が治そうとしているのは
難病筋ジストロフィー
愛知県名古屋市に住む…
徐々に筋力が衰え
8年前から車いすが必要になった
今は心臓が弱ってきたことが不安だという
田口さんのような患者が希望を託し
提供してくれた細胞から
堀田が研究に使うiPS細胞がつくられている
年々症状が悪化していくのを見ていくだけという非常にむごい病気なのでそれに何とかできないのかなという思いはありますね僕が今いろいろ試しているあるいは検討している技術で…
これは筋ジストロフィーの患者さんからつくったiPS細胞を
筋肉細胞に育てたもの
やはり筋ジストロフィーになってしまった
原因となる遺伝子を変えなければ
正常な筋肉はできない
そう考えた堀田が行うのは
細胞の中の遺伝子を手術するというもの
でも一体どうやって?
iPS細胞にいかにクリスパーを効率よく届けるかという実験をいろいろしていまして
うん?クリスパーとは?
ゲノムの…それを患者さんのiPS細胞にどうやって届けるかという実験
うーんちょっと難しいですよね
これは遺伝子工学という研究分野なのですが
なるべくわかりやすく解説してみますね
まずiPS細胞の中にRNAという物質を入れます
これがハサミの役割をするたんぱく質をつくる
そしてこのハサミがDNAを目指し飛んでいくのです
病気の原因となる遺伝子はわかっていて
それを探してくっつくように設計されているんです
するとそのDNA配列の一部をカット
これはゲノム編集と呼ばれる超最先端技術
筋ジストロフィーに限らず
様々な遺伝子疾患を治療できる可能性がある
病気の原因を取り除いたiPS細胞から
健康な筋肉細胞をつくり
将来治療に役立てようと考えている
現代科学の最高の武器を手に堀田は夢に挑む
これが筋ジストロフィーの患者さんから由来したiPS細胞になりますここのグレーの部分で囲まれているのがiPS細胞のコロニーと呼ばれているもので
研究中の堀田はとにかく生き生きしている
多忙な研究生活を送る堀田
実は子どもの頃は体が弱かった
病弱な幼少時代だったんですねそういった意味で…正直言うと僕実は…ホラーものとかも一切見ないんですけど絶対解剖とか無理だろうと思って
医者ではなく科学者として
メスの代わりにゲノム編集という技術で
患者の役に立とうとしている
ただまだ可能性の段階でこれをどううまく使っていけばいいのかってまだ世界中誰も知らないのでそれを今いろいろ試している
遺伝子をデザインするゲノム編集
神の領域に踏み込んでいるのではそんな警鐘を鳴らす意見もある
僕らがやろうとしていることっていうのは病気でいわゆる健常なというか普通の人間が普通にできることすらできない人たちに対して少しでも今以上のことができるようにするってところです
(スタッフ)迷いはない?そこに関しては迷いはないです
今年1月堀田は東京にいた
我々のゲノムDNAというのも実はちょっとした切断であれば…
iPS細胞とゲノム編集を使った筋ジストロフィーの治療
その研究内容を研究者だけでなく
患者にも聞いてもらおうという講演だ
研究の行方は患者にとって命にかかわる一大事
堀田が実現しようとしている夢
そこには大きな覚悟が
僕自身やっぱり大切だなと思うのは…夢を一瞬持つのは多分簡単だと思うんですけどそれを周りに言ってはばからずそうすることで自分をそっちに向かわせることができると思う自分がこれをやるんだっていう夢を周りの人間に話すと多分それがだんだん現実に近づく原動力になるんじゃないかなと思うので
その強い覚悟が背中を押してくれる
iPS細胞の出会いがなかったら僕はこの場にいなかったわけですし僕にとっては人生を変えてくれた細胞なので
堀田がiPS細胞の存在を知り研究にのめり込んだのは
まだ20代の頃
その成果に目を留め誘ってくれたのが…
堀田にとっての目標でありスターのような存在
山中先生と写ってる写真はないですねわかりやすいのないですね本当はツーショットの写真とか欲しいんですけどなかなかあの…言い出しにくいというかちょっとミーハーなところが表に出しにくいというか
その憧れの山中教授が取材に応じてくれました
残念ながら堀田は出張でツーショットは実現せず
堀田先生はもちろん研究者として若手の研究者としてものすごい期待を持っている1人です一生懸命研究所の運営若手の研究者の何というか引っ張っていくといいますかそういった面からもすごく活躍してくれていますこれはまだまだ先は長いです簡単にはゴールに到達できる研究ではありませんので何合目というのはなかなか難しいんですがまあ言ってみたら…それでもそこまで行ったのはすごいことだと思いますがそれは堀田先生の仕事だけではなくてここの研究者全員が今大変なところにさしかかっていますので所長としていろんな面でサポートしていきたいと思っています
こちらは共同研究者
ふだんの堀田の印象を聞いてみた
非常に賢いですしあんまり思考において回り道をしないなという感じを僕は思ってますね自分が偉くなろうと全く思ってないですしまがうことなく…
日夜研究に没頭する堀田が心安らげる我が家
妻の韻虹さんも京都大学で技術員として働く才女
大学時代に知り合い学生結婚
そのなれ初めを聞くと堀田の意外な一面が
授業のときいつも後ろに座ってたりいつも何かちょっと振り向いてまた同じ人がいるみたいなそんな感じですね
(スタッフ)ちょっとストーカー気味?
(妻)いやいや…
子どもは男の子2人
長男は小学6年生
次男は堀田の子どもの頃にそっくりだ
研究が忙しく子どもたちと触れ合える時間は多くはない
今は寂しい思いをしているかもしれない兄弟も
父親の研究の偉大さをいつかわかってくれるに違いない
iPS細胞を使った筋ジストロフィーの遺伝子治療
細胞の中の病気の原因となる遺伝子をカットするゲノム編集
その実験は順調に進んでいた
ところがその実験結果を見た堀田が固まった
病気の原因となる遺伝子をカットするゲノム編集
その結果に表情が曇る堀田
今までの経験上大体これぐらい出てきていると…
えッ随分と目標が低いと思います?
実はiPS細胞には
無限に増やせるという特徴がある
20%でも成功すれば
それを十分な数に培養できる
今度は1段階飛ばして
直接ハサミの役割をするたんぱく質を細胞に入れる
最初からそうすればいいのにと思うかもしれないが
たんぱく質を直接入れること自体かなり難しい
難しい方法に挑んだ結果は…
目標の20%には届かなかったが
この分野では最高水準だ
失敗することも多いし前にやってうまくいくはずだと思ってやっても実際にいろいろ調べてみたらやっぱりうまくいってなかったってことも多いのでアップダウンで喜んでまたガッカリしてっていうのを繰り返すんですけどでもガッカリがある分喜びの方も大きくなりますし毎日ジェットコースターに乗ってる感じですかね
この実験も1つのハードルをクリアしたにすぎない
患者の役に立つという夢をかなえるには
まだまだジェットコースターの日々が続く
今日もまた家に帰るのは遅くなりそうだ
でもそんな父親のことを
子どもたちはちゃんとわかっているようで…
ダディいつも大変で仕事をしているのに遊んでくれてありがとう頭をたくさん使っているから考える力があってとても賢いね夜遅くまで働いてくれてありがとうこれからも頑張ってねダディいつも遅くまで働いてくれてありがとうそして忙しい中遊んでくれてありがとう僕も将来ダディみたいな人になって研究を頑張りたいだからこれからも僕にいろいろなことを教えてね堀田先生いつも研究でも頑張ってくれてまた研究所の運営でもいろいろ活躍してくれてとても感謝しています堀田先生はこれから10年後20年後30年後の研究所CiRAを支えていく1人ですほかの研究者や若い学生さんたちをこれからもどんどん盛り立てて研究所を引っ張っていってほしいと思います期待しています山中先生は本当に僕の目標とする研究者なので山中先生のつくられたこのすばらしい研究所で研究ができるのはとっても幸せだと思ってますし論文とかだけじゃなくて本当に患者さんのもとに届くとかあるいはほかの研究者の役に立つようなそういったものにつながっていったらいいなと思いますしみんなで一丸となって頑張っていけたらなと思います
堀田は今このときも研究に励んでいる
そんな熱心な研究者に僕からプレゼント
憧れの山中教授とのツーショット
次回は知られざる日本の恐竜時代
福井県の山中になんと4つの新種が発掘された現場があった
1億2000万年前の日本の姿をひもとく研究者に密着
果たして何が出るのか?
ナレーターは彼にバトンタッチ
最先端の技術展示会で
「夢の扉」の主人公たちがイノベーションの秘訣を明かします
2015/09/20(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【向井理▼ノーベル賞の山中教授が期待する最年少主任研究員!】
「iPS細胞」で難病治療に光!〜“全ては患者さんのために”
詳細情報
番組内容
≪シリーズ “iPS細胞が拓く未来”〜第1弾≫
独占!あの山中伸弥教授が、「夢の扉+」のカメラの前で、期待を込めて語った最年少主任研究員による最新の「iPS細胞」研究とはー。
山中教授が声をかけ、京都大学・iPS細胞研究所で、教授のもと研究に励む堀田秋津、37歳。
主任研究員としては最年少だ。
番組内容2
彼が挑むのは、根本的な治療法がない難病、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」。
筋肉が徐々に衰え、やがて歩行・呼吸困難に陥り、場合によっては死に至ることも・・。
堀田は、iPS細胞技術を駆使し、“遺伝子を編集して修復する”という最先端技術で、
この難病治療への道を切り拓こうとしている。
『全ては患者さんのためにー』
山中イズムを受け継いだ堀田の、“iPS細胞遺伝子治療”研究の最前線!
出演者
【ドリーム・メーカー】京都大学 iPS細胞研究所 工学博士 堀田秋津(37歳)
【ナレーション】向井理
音楽
小田和正「やさしい雨」
関連URL
■番組HP
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
■twitter@yumetobiplus
http://twitter.com/yumetobiplus
■facebook
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制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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