[PR]

 沢田研二が毎年恒例の全国ツアー中だ。東京を皮切りに11月3日まで計38ステージ。28日には愛知芸術劇場大ホールで公演がある。今回は、4月に自ら命を絶った加瀬邦彦の作品を集めた沢田なりの追悼コンサートだ。

 加瀬はザ・ワイルドワンズのリーダーで、沢田がいたタイガースと並んでグループサウンズ(GS)ブームを牽引(けんいん)した。その後は、ソロになった沢田のプロデューサーとして、「危険なふたり」「恋は邪魔もの」「許されない愛」「TOKIO」など、多くのヒット曲を生んだ。今回はそうした曲を次々歌う。

 1966年のビートルズ来日を機にGSが大ブームになった頃、レコード会社は競って若いバンドをデビューさせた。だが歌謡曲調の歌が量産され、ブームはあっけなく終息した。加瀬はその中で、洋楽的なセンスを持って作曲ができる数少ない一人だった。沢田に提供した曲の数々にも、あか抜けたロックの感覚が盛り込まれていた。