日本の野党や国民の強い批判と反対にもかかわらず、安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を衆議院に続き参議院でも強行採決し、19日の参院本会議で成立させた。憲法学者らは集団で違憲訴訟を起こす構えで、反発する国民の「反安倍」デモも強まるなど波紋は小さくないが、いずれにしても日本は安保関連法の成立により、戦後70年にわたり維持してきた「専守防衛」の原則を放棄し、戦争が可能な「普通の国」にぐっと近づいた。
原論的に見れば、集団的自衛権は国際法や国連憲章が全ての国に行使を認めている権利だ。日本は戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認を定めた憲法9条を踏まえ、集団的自衛権を「行使できない」としてきたが、憲法解釈の変更により行使を認め、9条を形骸化するという道を歩んできたため、安保法の成立は今さら驚くことでもない。日本は陸海空軍の戦力保持を禁じているにもかかわらず自衛隊という強大な軍隊を保有しており、海外への派兵が難しいにもかかわらず国連平和維持活動(PKO)などを名目に海外へ自衛隊を派遣してきた。
安倍首相が執拗に推進してきた集団的自衛権の行使は、彼の政治スローガンである「戦後体制からの脱却」のために欠かせないものだが、対外政策的な面で見ると尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題において米国から対日安保公約を確実に引き出すための手段でもある。日本は中国が尖閣諸島を占領しようとした場合、米国が米日同盟に基づきすぐに軍事的対応に乗り出すことを切望している。財政難の中でアジア・太平洋地域の「リバランス」(再均衡)政策を掲げる米国としては、大国化する中国をけん制するため日本の軍事力が必要だ。米国が日本の安保法成立を支持・歓迎しているのは当然なのである。