ラグビー日本代表チームにみる先進性
惜しくも第2戦ではスコットランドに敗れてしまったが、イギリスで開催されているラグビーのワールドカップで、日本が世界ランク3位の強豪・南アフリカを破った快挙は、みなさんもご存じだろう。
歴史的に見てもあり得ないくらい凄いことだが、ここですぐに「日本は凄い」と騒ぎたてるメディアの勘違いが怖い。今回勝ったのは、チーム編成も戦略も”純国産ではない日本代表”なのだ。
単に熱狂して騒ぐか、それとも冷静に分析して安定した強さを常に再現できるようになるか、ここが、「真珠湾から連戦連勝、もっと遡れば元寇、日清・日露から負けていない」と勘違いの大本営となるか、真の強さを獲得するかの別れ道だと思う。
ラグビーの一番の特徴は外国人をナショナルチームに入れやすいことだ。その点においては他のスポーツに追随を許さない。
・出生地が日本
・両親、祖父母のうち一人が日本出身
・日本に3年以上、継続して居住している
これらいずれかの条件をクリアしていれば日本代表に入る資格がある。かつては他国で代表となった選手も日本代表に入れたが、今は基本的に二重代表は認められていない。ラグビーの場合、国籍よりも、所属しているチームがある国を優先するのだ。
今回の日本代表チームでは、日本人のフィットネスや技術では不足するポジションに10名ほど外国生まれの選手が選出されている。つまり純粋日本人によるオールジャパンではないのだ。ここがある意味でラグビーの先進性だと思う。
欧州や南半球で発達したこのスポーツは、移民を前提とした国々で広がり、プロ化が遅れアマチュア精神の塊として成熟してきたことが背景にあるのではないか。
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