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名門VWの不祥事 損失額10兆円、会長は引責辞任…「お家騒動」も影響?

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名門VWの不祥事 損失額10兆円、会長は引責辞任…「お家騒動」も影響?

辞意を表明したウィンターコルン会長(ロイター)

 さらには問題車両の所有者らが損害賠償などを求めて米国でVWを集団提訴する動きも出ている。今回の不正が悪意のあるものと認定され、懲罰的な意味合いも加われば、VWの負担額はさらに数兆円規模拡大する可能性もある。VWの株価は暴落し、時価総額にして2兆円超が吹き飛んだ。ブランドイメージの失墜で世界的な販売台数の減少も避けられない。

 なぜ名門VWで不祥事が起きたのか。VWの米国での販売は1~8月に前年同期より2・8%減っており、劣勢を挽回する切り札として積極的に宣伝したのが「クリーンディーゼル」の呼び名でアピールしてきたディーゼル車だ。

 問題となったソフトは、試験時に排ガス浄化機能がフル稼働してNOxの基準を満たす一方、通常走行時には浄化機能が大きく下がる。ライバル車よりも見劣りするのを嫌気し、不正に手を染めたとみられている。

 VWでは今年4月、ピエヒ監査役会長がドイツ誌にウィンターコルン氏と「距離を置いている」と語ったと報じられ「お家騒動」が表面化。ピエヒ氏が辞任に追い込まれ、勝ったウィンターコルン氏は任期を当初予定から2年延ばし2018年末までにするとみられていた。

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