踊り手の衣装、50年ぶり新調 京都・南山城の「田山花踊り」
京都府南山城村田山地域に伝わる府指定無形民俗文化財「田山花踊り」で踊り手が着用する衣装が、約50年ぶりに復元新調されることになった。後継者不足に悩まされる伝統芸能だが、地元関係者は「衣装が美しくなるのはうれしい。心機一転、今後も伝統の踊りを後世に引き継いでいきたい」と喜んでいる。
田山花踊りは、毎年11月3日に行われる雨乞い神事。水不足に悩まされた同地域で飢饉(ききん)が起きた1773年に奉納された記録がある。大正時代を最後に途絶えていたが、1963年に地元住民たちが復活させ、これまで受け継がれてきた。
だが衣装は手描き友禅のため簡単には洗えず、長年の使用により縫い目も劣化した。鮮やかな赤色や緑色も色落ちした状態になっている。
昨年の復活50年を機に府の「技の継承」事業に選ばれ、京友禅の技術を用いて復元新調することに決まった。踊り手が着る長羽織17着が対象。予算は3300万円で、3分の2を府が補助、残りを村が負担する。
来年の祭りで披露する予定。保存会会長の辰己明さん(65)は「色合いがはっきりしたものを着られるのは楽しみ。新しいものが届けば、担い手の意識も上がっていくのではないかと思う」と期待している。
【 2015年09月26日 11時10分 】