アベノミクスを成功に導く日本企業の革新努力

 LIXILは日本では不動の1位だが、売り上げの90%を内需に依存してきた。高齢化で人口が減少する国でこれでは未来がない。そこで藤森氏はアメリカン・スタンダードなど海外の住宅設備企業を買収した。欧州市場に参入するルートを確保し、スマートフォンと連動するビデ付きトイレを米国市場に紹介した。米ウォール・ストリート・ジャーナルは「便器界のスティーブ・ジョブズ」と書いた。人事も刷新した。4月に事業部門を再編し、事業本部長4人を全て社外から迎えた。LIXILの海外での売上高は最近3年間で539億円から4000億円へと7倍以上増えた。

■半額で売れ

 不況で建設業界が不振に陥った局面で、タマホームは1戸1700万円の低価格注文住宅を武器に昨年だけで1495億円を売り上げた。しかし、創業者の玉木康裕社長も40代までは他社同様の経営を行っていた。玉木氏は福岡県の中小建設会社社長の次男だった。大卒後、父の会社に入社したが、40歳のころにバブルが崩壊した。「従来のやり方」が通じない世界が突然やって来た。

 玉木氏は格安カジュアル衣料チェーンのユニクロを見て、「家も半額で売ろう」と決心。父の会社を離れて独立した。起業資金を工面するのに、まずは生命保険に入った。銀行員にそれを見せ、「失敗したら切腹して返す」と迫った。

 玉木氏は人件費、建築資材価格を徹底して削減した。大工が茶を飲みながら休む時間までなくした。大工らが「江戸時代からの伝統だ」と反発すると、「早く沢山建てれば、あなたたちの収入も増える」と説得した。地方の建設会社が連鎖倒産する中、タマホームは全国260カ所に支店を出し、2013年に東証1部に上場を果たした。

東京=キム・スヘ特派員 , 東京=ヤン・ジヘ特派員
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